数あるお花のなかでも高い人気を誇るカーネーション。波打つ花びらが幾重にも重なり、豪華な雰囲気を持ちつつも可愛らしさも併せ持っています。年間を通じて生花店に並び、フラワーアレンジメントや花束にもよく用いられているお花です。

カーネーションと聞くと、母の日に贈られる赤いカーネーションを思い浮かべるという方は多いのではないでしょうか。赤いカーネーションのほかにも、白やピンク、オレンジ、紫などさまざまな色の種類があり、カラーバリエーションは豊富です。しかし、カーネーションの原種は赤い色をしており、それ以外のお花は品種改良によって生み出されました。現在の赤いカーネーションも、品種改良によって作られ、もともとの色とは異なると言われています。カーネーションの品種改良が始まったのは、16世紀頃のイギリスで、17世紀には色の改良がなされるようになったといわれています。

近年、人気を集めている緑色のカーネーションも品種改良によって創り出されました。植物の葉や茎の細胞には「クロロフィル」と呼ばれる緑色の色素が存在します。葉や茎が緑色なのは、このクロロフィルによるものです。しかし花びらには、クロロフィルがないばかりか、クロロフィルを花びらの細胞内に保持する仕組みが整っていません。そこで、クロロフィルを花びらの細胞に貯められるように改良し、緑色のカーネーションが創り出されました。

緑色のカーネーションといっても、葉の色と同じような緑色ではありません。淡く明るい黄緑色で、さわやかな雰囲気を持っています。白いお花と組み合わせると、花束やアレンジメントに奥行きが出ますし、ほかの色のお花と組み合わせると、お花それぞれの美しさを際立たせてくれます。緑色のカーネーションと葉物などのグリーンだけで作られたシンプルな花束も人気です。シンプルでスタイリッシュだと、流行に敏感な方や高いセンスをお持ちの方から注目を集めています。

贈り物には緑色のカーネーションを選んでみてはいかがでしょうか。センスが良い贈り物になるのではないかと思います。さらに、「癒し」という花言葉を持っていますので、お忙しい方やストレスやプレッシャーを感じていらっしゃる方にもおすすめです。ただし、ほかの色のカーネーションと比べて、緑色のカーネーションは少々流通が少ない傾向にあります。生花店によっては取り扱いがない場合がありますから、お早めに注文することをおすすめいたします。