お祝い事やイベント、記念日にはお花をお贈りするという方は多いのではないでしょうか。世には、非常に多くのギフト商品が出回っていますが、お花はお祝い事などには欠かせない存在と言えるかもしれません。では、なぜ人はお花をお贈りするのでしょうか。お花をお贈りすると相手の方を笑顔にできますし、お花を眺める方の心を癒し和ませてくれる力があることが理由かもしれません。お祝い事でお花をお贈りするという行動の背景には、「大切な方を喜ばせたい」「お花をお贈りする相手を応援したい」「お花を見て癒されてほしい」といった思いがあるのではないでしょうか。

実際に、お花をいただいたら幸せな気持ちになった方や、心が慰められたと感じた方はいらっしゃると思います。お花の贈り主の気遣いが伝わるため、このように感じるのかもしれません。しかしお花には、人を幸福感で満たし心を癒す効果があるのです。研究を重ねた結果、お花を見ると人は、やる気をもたらす「ドーパミン」、不安や心配を緩和させてくれる「オキシトシン」、精神を安定させる「セロトニン」と呼ばれるホルモンが分泌されることが判明しました。これらのホルモンの影響によって、お花を見ると幸福感に包まれるというしくみです。

こういったお花の効果が知られるようになったのは、近代になってからですが、昔の人はお花の効果を感覚的に知っていたのかもしれません。歴史をひも解くと、古代より人々はお花を特別視していたことがわかります。お墓やお仏壇にお花をお供えするように、古代の人々もお墓に花を手向けていました。イスラエル北部で発見された約1万2000年前のものだと言われる墓地からは、草花が飾られていたことがわかる痕跡が見つかっています。美しいお花が死者の魂を慰めてくれると考えていたのかもしれませんね。

フラワーギフトの中でも、鉢植えなら比較的長持ちしますが、花束やアレンジメントは切り花ですから寿命は長くありません。お花の種類や飾られた環境にもよりますが、冬場で1週間ほど、夏場なら3日前後でしおれたり枯れたりしてしまうでしょう。しかし、お花が枯れてしまっても大切な方からお花をいただいた記憶や、美しいお花の印象は時間が経過しても心に残るのではないかと思います。大切な方の誕生日や記念日、お祝い事にはお花をお贈りしてみてはいかがでしょうか。相手の方を思いやる気持ちが伝わる、素敵な贈り物だと喜んで頂けるのではないかと思います。