たくさんのバラを集めた花束をいただく機会は、そう多くはないかと思います。バラの大きな花束をいただく場面というのは、プロポーズか人生の節目となるような特別なお祝いではないでしょうか。バラの花束は、大切な日を華やかに彩ってくれ、思い出に残るようなひとときを演出してくれるアイテムです。いただいたバラをお部屋に飾って眺めていると、プロポーズしてもらったときやお祝いしていただいたときのことを思い出させてくれるでしょう。がからこそ、バラの花をできるだけ長く飾って楽しみたいと考える方は多そうです。

しかし、バラの切り花には、当然、寿命がありますよね。飾られた環境にもよりますが、バラの花が蕾の状態であれば夏場で4～5日、冬なら7日～10に程度で枯れてしまいます。バラが枯れてしまうのは仕方がないとはいえ、寿命が尽きてしまうのは少し悲しいものです。そこで、バラの切り花を長く楽しむコツをご紹介します。

まず、バラを花瓶に活ける前に水揚げをしてあげてください。水揚げとは、水を張った容器の中で茎を斜めに切り取ることです。切り口を新しく作ることで、お水を吸水しやすくなり、バラの寿命が延ばせます。切り口を作ったら、容器に2時間ほどバラを活けてしっかり吸水すると、バラがお水をたっぷり吸ってくれますよ。このとき、花びらが水につかないよう、ご注意ください。花びらが水についてしまうと、花びらが傷みやすくなってしまうためです。

水揚げをしたら、いよいよバラを花瓶に生けます。しかし、その前に、花瓶をきれいに洗うことがポイントです。花瓶に汚れが付着したままですと、雑菌が繁殖してバラが傷む原因になり得ます。見えない汚れや雑菌が付いている可能性がありますから、洗ってからバラを活けていただくことをおすすめいたします。

花瓶の水は毎日交換してあげると、さらに効果的です。花瓶を洗ってからバラを活けても、時間が経過すると水中に雑菌が繁殖してしまいます。水中の雑菌は、茎や茎の切り口が傷む原因となり、吸水力を弱らせますから、水を交換して清潔な状態を保つことが大切です。花瓶にお花の延命剤を入れてあげることもおすすめです。延命剤は、お花の寿命を延ばすだけでなく、お水の殺菌効果がありますよ。延命剤が手に入らないときは、薄めた漂白剤で代用できます。

バラの切り花を長持ちさせるには、ひと手間加えていただく必要があります。しかし、行ってみると意外と容易ではないかと思います。大切なバラの花束を少しでも長く楽しむために、実施してみてはいかがでしょうか。