贈り物として多くの方に選ばれている花束やフラワーアレンジメント。お花のギフトの魅力は、見た目の美しさだけではありません。お部屋に花を飾ることは風水的に運気が上がるという話を聞いたことがあるという方は、多いのではないでしょうか。そのため、お花は縁起が良いと考える方は、少なくありません。

例えば、「黄色のお花は金運アップに効果があるため、お店のオープン祝い贈る」といったように、風水効果を考慮してお花を選ぶという方もいらっしゃいます。一方で、お花が運気アップにつながることは広く知られていても、人の身体に作用することをご存じの方は、そう多くはないかもしれません。

お花が心身に影響を当てるというのは、風水のベースとなっている「陰陽五行説」の考え方です。これは、中国春秋時代（紀元前８世紀から3世紀頃）に生まれた思想で、自然界にあるすべてのものは、5大要素「木・火・土・金・水」のいずれかの性質を持ち、「陰・陽」どちらかに分類されると考えます。

お花を5大要素に当てはめてみましょう。例えば、赤い色のお花は「火」の性質を持っていると言われています。「火」の性質は心臓や循環器などを司るため、血液の循環に作用します。そのため、赤いお花を見ると、血の巡りがよくなるという効果が得られると陰陽五行説では考えます。また、青いお花は「木」の性質で、肝臓や眼、精神に働きかけ、心を鎮めてリラックス効果が得られるとされている色です。実際に、赤い色を見ると血行が促進されてモチベーションが上がる、青い色を見ると心と体をリラックスさせる副交感神経が優位になるといった研究結果があります。陰陽五行説が解くお花の色が持つ効果は、あながち迷信の類ではなさそうですね。

では、陰陽五行説の「陰」と「陽」とは、どのようなものなのでしょうか。簡単にいうと、陰と陽は「気」の性質です。「陽の気」は、活発なエネルギーで、反対に「陰の気」は静かなエネルギーのことを指します。「陽の気」を持つお花は、バラやユリ、蘭などの比較的大輪で華やかな印象のお花です。香りが強いお花も陽の気を持っています。陽の気のお花は、周りに活力を与えてくれる効果がありますので、「これから頑張ろう！」と張り切っている方に、激励の意味を込めてお贈りしてみてはいかがでしょうか。気分が落ち込んでいる方を励ましたり、疲れている方を癒したりするのにも効果的ですよ。

一方で「陰の気」のお花は、カスミソウやマーガレットなどの小さく可愛らしいお花です。リラックス効果のある陰の気を持つお花は、多忙で落ち着く暇もないという方にお贈りするのがおすすめです。陰の気は鎮静効果がありますので、気持ちを落ち着かせてくれるでしょう。「一息ついてリラックスしてくださいね」といったメッセージを込めてお贈りすると、さらに癒しの効果が倍増するかもしれません。

陰陽五行説ではお花は種類によって、人への作用が異なります。お贈りする方の状況や環境が把握できるのであれば、陰陽五行説の効果を基にお花を選んでみるのも一つの方法です。きっと喜んでいただけることでしょう。