器に入れた吸水スポンジにお花を挿したフラワーアレンジメント。その名の通り、お花を配置（Arrangement／アレンジメント）したものです。花瓶に移し替える必要がなく、受け取ったらそのまま飾れる手軽さが人気です。最初から見栄えよくお花をアレンジされているデザイン性の高さも魅力の一つ。花器も花瓶のようなものやバスケットなど種類はさまざま。お花を活けるテクニックが必要ありませんので、お花を飾り慣れていないという方でも、気軽に楽しめるでしょう。

お手入れも簡単で、「オアシス」と呼ばれるお花を挿している吸水スポンジにお水を注ぐだけです。手間がかかりませんが、いただいたアレンジメントにひと工夫してお花の寿命を延ばしてみませんか。少し手をかけてあげるだけで、美しいお花の姿を長く楽しめます。ポイントはオアシスに水を十分に吸わせて、お花が吸水しやすくすることです。お花に水分が十分に行き渡らないと、早く傷んでしまう原因になり得ます。

オアシスは一度乾くと吸水力が低下してしまいますから、乾く前に水分を追加してあげてください。夏は毎日、冬は3日に一度の頻度が目安ですが、湿度によっては水分が早く乾燥する場合があります。オアシスの乾き具合をチェックしてお水を加えるのがおすすめです。水を加えるときは、器の端から少しずつ注ぐと、オアシスにまんべんなく吸水されます。

夏は気温が高く、水中の雑菌が繁殖しやすくなるため、少し注意が必要です。花器に残っている水を捨ててから、新しいお水を加えてあげると良いでしょう。古いお水をそのままにしておくと、雑菌によってお花が傷みやすくなってしまうためです。水にお花用の延命剤や家庭用の漂白剤を少し加えると、雑菌が増えるのを押さえてくれます。お花の元気がなくなったら、オアシスからお花を抜いて茎の先をカットして、挿入しなおすのがおすすめです。水中で茎をカットする水揚げをして、水を張ったコップやバケツなどに切り口を下にして活けておくと、ほどなく元気を取り戻します。

どんなに手間を加えても、お花は、いつかは枯れてしまいます。枯れてしまったお花は早く取り除くことが大切。そのままにしておくと、雑菌が増えて他のお花が傷みやすくなってしまいます。お花を引き抜いて、アレンジメントにすき間が生じて美しくないと感じるときは、ご自身で花を配置しなおすと違った雰囲気が楽しめそうです。残ったお花を花瓶などに移し替えるのも一つの手。アレンジメントは、茎を短くカットされているものが多いので、花瓶がなくてもコップなどにも活けられますよ。空き瓶などに活けても素敵ですね。思い切ってお花の根本まで茎を切り取り、お花を見ずに浮かべるという方法もあります。

贈り物としてアレンジメントをいただいたら、長く楽しみたいと感じるのではないでしょうか。これらのコツをぜひ試してみてください。お花が長持ちするだけでなく、お花を飾る魅力を新に発見できるかもしれません。