鉢植えだけでなくスタンド花やアレンジメントなどにも用いられ、上品で豪華な雰囲気を演出してくれる胡蝶蘭ですが、胡蝶蘭にもたくさんの種類があることをご存知でしょうか。生産者や販売店舗により多少分類の仕方が異なりますが、胡蝶蘭はお花の大きさを「大輪胡蝶蘭、中輪胡蝶蘭、ミディ胡蝶蘭」の３つの種類に分けることができます。

「大輪胡蝶蘭」はスタンド花やアレンジメントにもよくあしらわれる胡蝶蘭です。大輪で肉厚な花弁は存在感があり、白色であることが多いです。この白色の胡蝶蘭は、胡蝶蘭の原種の中にわずかに存在した白色花の品種に改良を重ねて生み出されたものです。昔熱帯雨林で胡蝶蘭が発見された際は胡蝶蘭の原種は茶色などの色が多かったようです。今ではあまり茶色などのイメージがつきませんが、胡蝶蘭の学名である「ファレノプシス」という名前はギリシャ語の「蛾（ファレノ）」「似ている（プシス）」という２つの言葉から成り立ち、見た目か蛾に似ていることからこの名前がつけられたそうです。現在は華やかで上品なイメージから蝶に例えられることが多く、花言葉も「幸せが飛んでくる」などのポジティブなものがつけられています。

次の「中輪胡蝶蘭」は大輪胡蝶蘭に比べると花色の種類も少し多く、ひと回り小さい花弁が特徴です。株自体も少し小さいものが多いため、大輪胡蝶蘭のような豪華なで華やかなイメージは残しつつ、あまり場所が取れない空間でも楽しむことができます。この中輪胡蝶蘭をミディ胡蝶蘭に分類する場合もあります。少し小さめのお店やオフィスに胡蝶蘭を贈る際はこの中輪胡蝶蘭を選ぶと良いかもしれません。

最後の「ミディ胡蝶蘭」は花色や形も豊富で、花弁自体も小さめの品種が多いです。豪華な華やかさよりも可憐なイメージのこのミディ胡蝶蘭はサイズ的にも大変親しみやすく、価格帯も手に入りやすいものが多いことから、ご自宅でこのミディ胡蝶蘭の鉢植えを楽しまれている方もたくさんいます。このミディ胡蝶蘭の中でも花弁も株もさらに小さいものを「マイクロ胡蝶蘭」と呼ぶこともあります。

元々胡蝶蘭は高級品として贈られることが昔から多く、特に日本に輸入された当時は、胡蝶蘭の原産地の温暖な気候を再現するための温室を作るのが難しかったため手に入らない存在でしたが、徐々に栽培設備が整っていき、生産者により品種改良がすすめられ現在では手の届きやすい親しみのあるお花になってきました。それでもまだまだ胡蝶蘭の生産には技術が必要であるのと栽培期間が長くかかることから、まだまだ特別で高級な贈り物であることは確かなのではないでしょうか。