秋が訪れると植物達は葉を赤や黄色やオレンジ色に染め、私達は紅葉を楽しむことができますよね。紅葉する木といえばもみじやいちょうの木を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。他にも紅葉が美しい植物が沢山存在します。

コキアは和名で「ホウキソウ」とも呼ばれる、こんもり丸いシルエットが可愛らしい植物です。普段は爽やかな緑色の葉ですが、秋になると鮮やかな赤色に紅葉します。各地にあるコキア畑も有名ですよね。もこもこと育ったコキアが広がる光景はとても人気があります。ドウダンツツジも、暖かい時期には明るいグリーンの葉色を楽しむことができる植物ですが、秋には真っ赤に紅葉し、また違った美しさを放ちます。切花として流通しているドウダンツツジの枝ものはインテリアとしても人気ですが、少しの間紅葉したドウダンツツジの枝ものも出回ります。ドウダンツツジは公園の生垣や街路樹としてもよく植えられており、春には白いすずらんのような小花を咲かせるため可愛らしいイメージもあります。

雪柳は春に沢山の小花を咲かせる常緑低木です。こちらも良く冬から春頃にかけて切花として流通している人気の枝ものですが、秋にはオレンジ色から赤色系に紅葉した美しい雪柳が出回ります。アレンジメントやスタンド花にも活用され、美しい枝ぶりと葉色で魅力的な雰囲気を演出してくれます。木々の中ではいち早く紅葉が始まるハナミズキは、街路樹にもとてもよく使われている木です。初夏に咲く白いお花が印象にある方が多いのではないでしょうか。紅葉した姿もとても美しく、赤い実も同時に楽しむことができます。

そもそも秋になるとなぜ植物が紅葉するのかご存知でしょうか。緑色の葉には、光合成に重要なクロロフィルという緑色の色素が含まれていますが、秋になるとこのクロロフィルが分解され、赤色色素であるアントシアニンがつくられるそうです。紫外線を吸収する効果があるアントシアニンを作ることにより、強すぎる光をやわらげる役割があるためと考えられています。 秋になって光合成の効率が低くなったときは、太陽の光が強すぎて植物の体の害になる場合があるため植物はクロロフィルを分解することにより葉緑体のはたらきを弱め、冬に向けて体力の消耗を抑えているのです。

生きるために紅葉し落葉する植物ですが、その姿は私達を毎年楽しませてくれています。どうして紅葉するのかを知るとより愛おしさを感じるのではないでしょうか。