ブーケは（bouquet）は、もともとフランス語で「花束」を意味しています。ウェディングブーケの起源には諸説ありますが、ヨーロッパでは、男性が女性にプロポーズをするときに野の花を摘み花束にして女性に贈り、結婚を申し込んでいたそうです。プロポーズの返事がイエスなら、花束の中から一輪抜き取り男性の胸ポケットに差し込みます。これがブーケとブートニアの元になったとされています。

ブートニアとはフランス語で「ボタンホール」（襟穴）を意味します。花を上着の左胸のボタンホールに差すのが正式な方法ですが、最近はコサージュのように左衿に留める場合が多いようです。現在の結婚式では「新婦が新婦父とともに入場し、新婦父が祭壇の前で新郎に新婦のエスコートを託し、そこで新郎はブーケを新婦に差し出してプロポーズを行い、新婦はOKの証としてブーケの中から花を1本抜き取り、「ブートニア」として新郎の胸ポケットに挿す」という演出が行われています。またブートニアは新婦が持つブーケと同じ花材でコーディネートすることが多いようです。基本的にはバラ、カラー、チューリップなど、大ぶりな花がブートニアには向いていると言われていますが、最近では小花をメインにしたものもよく使われているようです。

同じような言い伝えとして「ダズンローズ」があります。ダズンローズとは、12本（1ダース）のバラのことです。海外ではその12本のバラを恋人に送ることで、幸せになれるという風習があります。最近では日本でも挙式や披露宴の中で演出として行われています。 この12本のバラには意味が一つ一つ込められておりそれぞれ「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」というメッセージが込められています。この12本のバラを贈ることで「この全てをあなたに誓います。」という意味になります。

このダズンローズの起源もヨーロッパにあります。中世ヨーロッパで、ある男性が恋人の家に向かう途中に咲いている花を使って花束を作りました。そして恋人の家に着くと、その花束を渡してプロポーズをしたそうです。すると女性は受け取った花束から一輪だけ花を抜き取り男性の胸元に挿してプロポーズを承諾した、というお話です。ダズンローズには、こんな素朴でロマンティックな由来があるとされています。

お花にまつわる様々なロマンティックなお話が、こうして現在日本にも伝わって私達にも親しまれています。歴史や起源を知ると、より感慨深いものになりますね。