みなさんは、お花をお贈りする機会はどのくらいおありでしょうか。母の日や父の日、敬老の日、お誕生日などのイベントのほか、結婚祝い、出産祝い、新築祝いなどお祝い事にお贈りするのではないでしょうか。ご家族の発表会やご友人が演奏会を開けば、お花をお渡しするという方もいらっしゃるかもしれません。ビジネスシーンなら、お取引先企業の創立祝いや周年祝い、担当者の方の就任祝いといったお祝いに会社からお花をお贈りするというケースも見られます。お花をお贈りするのは、お祝いやイベントといった特別な日というときが多いのではないでしょうか。

一方、ヨーロッパの国々では、日本のように特別なお祝いのときはもちろんのこと、ごく普通の日でもお花を贈るという方が多く見られます。例えば、イタリア人男性は好きな女性と親しくなりたいためにお花を贈ります。そのため、イタリアのフラワーショップでは、男性客が多いと言われています。フランスでも、日常的に男性から女性にお花を贈る習慣が根付いており、マルシェでは、食材などの買い出しに来た男性がお花を物色している姿がよく見られます。イギリスでは、ホームパーティーの手土産はチョコレートと花束が定番です。金曜日の夕方になると、フラワーショップの店頭にはズラリと花束が並びます。これは、週末恋人や家族、友人と過ごすときにお花を贈ったり、部屋に飾ったりするためです。

日本は、ヨーロッパの国々と比べると、お花をプレゼントする機会が少ないのではないでしょうか。ヨーロッパでは、中世のころにはすでにお花を贈り物とする風習があったと言われていますが、日本では、お花が贈り物とみなされるようになったのは、戦後になってからです。それまでは、日本ではお花は神仏へのお供え物、または華道で用いる物でした。花贈りのバックグラウンドが異なりますから、お花の扱いも違って当然だと言えるかもしれません。

もちろん、日常的にお花を贈るという方もいらっしゃいます。しかし、そういった方々は、そう多くはないかと思われます。とはいえ、近年は自宅で過ごす時間を充実させようと、ご自分の部屋に飾るためのお花を購入する方が増えてきました。そのため、お花がより身近になってきているようです。その流れにのって、お花をもっと気軽にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。カジュアルな花束や小さなフラワーアレンジメントなら、日常的にお贈りしやすいのではないかと思います。