お花をいただいたら、ほとんどの方は「うれしい」と感じるのではないでしょうか。どのような贈り物であっても、いただいたらうれしいと感じるものですが、特に、お花をいただくと、喜びもひとしおという方は多そうです。それは、日本においては日常的にお花をプレゼントするという方が少なく、お花は特別な贈り物だと捉える方が多いからかもしれません。さらには、お花は人の心身に作用し、人がお花を見るとセロトニンやドーパミン、オキシトシンなどの「幸せホルモン」と呼ばれる物質が分泌され、やすらぎや幸福感を得られることも影響していることも考えられます。

特に、黄色いお花の贈り物は多くの方に喜んでいただけるかもしれません。なぜなら、黄色を見ると、人は前向きになり明るくなると言われているためです。色彩心理学では、色味を持つ有彩色の中で、黄色が最も明るい色とされており、「光」をイメージすることから、黄色を見ると希望を感じるとされています。色彩心理学は、まだエビデンスが十分に得られていない部分もありますが、黄色を見たときの身体の反応を見ると、黄色が希望をもたらすのは事実であると言えるかもしれません。

人が黄色を見たときには、「エンドルフィン」と呼ばれる物質が分泌されていることがわかっています。エンドルフィンとは「脳内麻薬」「脳内モルヒネ」とも呼ばれており、苦痛を和らげ、悲しみを感じにくくする効果があり、快感や幸福感をもたらしてくれるものです。なんと、モルヒネの6.5倍に相当する鎮静作用があると言われています。色彩心理学において、黄色が希望をもたらす色だとされていることは、正しいと言えるかもしれませんね。ちなみに、エンドルフィンは、おいしいものを食べたときや笑ったときに分泌されます。マラソンランナーが経験する、いわゆる、ランナーズハイもエンドルフィンの影響だと言われています。長時間走り続けることによって生じる苦痛を和らげるため、エンドルフィンを分泌させ、爽快感や陶酔感が訪れるという仕組みです。

黄色いお花を見たり飾ったりしただけでは、ランナーズハイのような効果は得られません。しかし、少なくとも、心が和み、気持ちが高揚するのではないでしょうか。お祝い事全般にも黄色いお花はおすすめですが、お見舞いや悩みを抱えていらっしゃる方、悲しみを感じている方などにお贈りしても喜んでいただけるのではないでしょうか。黄色いお花に心が慰められ、元気を取り戻していただけるかもしれません。