花器に「オアシス」と呼ばれる吸水性のスポンジを置き、そこにお花を挿して作るフラワーアレンジメント。今では、多くの方に贈り物として選ばれていますが、フラワーアレンジメントはもともと宗教的な儀式に使われるものでした。フラワーアレンジメント原型は紀元前3000年頃の古代エジプトまたは、紀元前2000年頃にギリシャなど地中海沿岸の国々で生まれたと言われています。当時の遺跡や壁画などの発掘によって、宗教的な行事やお祝いなどにフラワーアレンジメントが飾られていたことが判明したのです。

フラワーアレンジメントが装飾品として人々に親しまれるようになったのは、ルネッサン期のヨーロッパ。日本にフラワーアレンジメントが入ってきたのは第二次世界大戦後で、現在では、さまざまなお祝い事に祝い花として贈られています。しかし、多くの方がフラワーアレンジメントをお贈りするので、中には「フラワーアレンジメントをお贈りしたいけれど、他の方の贈り物と被るのは避けたい」「人とは違うお花を贈って、自分の存在をお贈りする相手に印象付けたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。そのような方におすすめなのが、さまざまな色のお花を集めて作ったカラフルなフラワーアレンジメントです。

フラワーアレンジメントの多くは、色味が似たお花を集め、アクセントとして異なる色のお花を取り入れたものが多いです。そのようなフラワーアレンジメントは、色味のバランスが良く、コントラストやグラデーションも美しいと感じるのではないでしょうか。一方、「オレンジやピンク、青、赤、紫などさまざまな色のお花を集めたフラワーアレンジメント」と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか。文字であらわすと、色味が多すぎ、奇抜でちぐはぐな印象のフラワーアレンジメントを想像するかもしれません。

しかし、実物をご覧いただくと奇抜ではないことがわかるでしょう。なぜなら、プロのフローリストが、お花が美しく見えるよう、試行錯誤しながらお花を配置するためです。色のバランスだけでなく、全体のシルエットや雰囲気を考慮しながらお作りしますので、華やかで独創的なフラワーアレンジメントになります。お贈りする相手の方に、センスの良いプレゼントとして喜んで受け取っていただけそうですね。

フローリストのセンスや技術によるところもありますが、お花は「ちょっと奇抜かな？」と思うような組み合わせでも、不思議とマッチすることが多いものです。このようなフラワーアレンジメントは、相手の方の心に残るのではないでしょうか。