白いお花を眺めていると、心が洗われるような気持ちになりませんか。白いお花は「純粋」「清らか」といったイメージを彷彿させるためでしょう。結婚祝いや出産祝いなどには、白いお花がよく選ばれています。また、白は人に神々しさや神聖さも感じさせます。古来より、人は白を神聖な色だと考え、キリスト教では白は神そのものを表す色だとされており、白いユリは聖母マリアを象徴する色になっています。日本においても、白は悪霊や邪気から身を守る色だと考えられていました。弔事において白が使われるのはそのためです。

では、人はぜ、白いお花に純粋さや神聖さを感じるのでしょうか。これは、白い色の波長が関係しているためだと言われています。色は光の波長の長さによって見える色が異なります。例えば、光中で最も波長が長い部分を人は赤と認識しますが、短い部分に関しては紫と認識するのです。ところが、光の波長がすべて集まると透明な光になり、人の目には「白」として映ります。白は何色にも染まらない透明な光であるため、神々しい、純粋であると感じるのかもしれません。

また、白はあらゆる波長の光を反射するため、色の中で最も明るい色。薄暗い場所でも白だけが浮き上がって見えます。人の目に留まるお花は赤や黄色など、はっきりした目立つ色ではないかと思われるかもしれません。しかし、このような特性を持つため、意外と白いお花も目立ち、視線を集めます。「白いお花のフラワーギフトは地味かもしれない」という不安は杞憂に終わるのではないでしょうか。

最近は、白いお花だけを用いたシンプルな色合いの花束やフラワーアレンジメントの人気が高まっていますから、あえて白いお花をお贈りすると喜んでいただけそうですね。しかし、「お祝いの席なのに供花を贈られた」と思われないよう、注意が必要です。供花のアレンジメントなどは、ユリなどを用いて上品に仕上げられているものが多いので、カジュアルなものなら、供花と間違えられてしまうリスクは下がると思います。例えば、小さな葉、黄色の小花を取り入れたナチュラルテイストのものならおしゃれですし、供花だと思う方はいらっしゃらないのではないでしょうか。

また、白いお花をお贈りするときは、お見舞いや退院祝いには避けた方がよろしいかと思います。白いお花はお悔やみのときに選ばれることが多く、「死」を連想させるため、特にお見舞いには適さないと考えられています。このように、白いお花を避けた方がよいシチュエーションはありますが、白いお花の清楚な姿は、多くの人の心を癒してくれるのではないでしょうか。冠婚葬祭以外のシーンでも、白いお花のギフトは大変おすすめです。