慶事や記念日、バレンタインなどのイベント、お見舞いなど、お花は日頃の感謝や愛情、お祝いの気持ちを表す贈り物として、多くの方に選ばれています。欧米や韓国では、特別な日でなくても、恋人や奥様にお花を贈る習慣が根付いており、世界中でお花は贈り物として認識されているのではないでしょうか。では、花贈りの文化は、いつどこで生まれたのでしょうか。

花贈りの起源ははっきりとわかっているわけではありませんが、遅くとも1300年から1600年頃のヨーロッパでは、お花を贈る習慣が根付いていたと言われています。さらに、当時は、フラワーアレンジメントが一般的になり、自宅にアレンジメントを飾る習慣も根付いていました。また、1800年ごろには、現在のウェディングブーケとブーケトニアのルーツと言われる花贈りの習慣がありました。男性がプロポーズするときには、恋人の家へ向かう道中、道端の花を摘み花束を作り、その花束を差し出してプロポーズをしていたと言われています。女性が、差し出された花束の花を一本抜きとり、男性の胸ポケットにお花を挿したら、結婚を受け入れるという意味になります。

それ以前は、お花は人への贈り物ではなく宗教的な儀式に用いられていたようです。お花に関する最も古い情報は、今から約35000年前までユーラシア大陸に住んでいたとされているネアンデルタール人の化石に花粉が付着していたことです。この時代にすでに、遺体にお花をお供えして埋葬していたのではないかと言われています。また、紀元前の古代ギリシャや古代エジプトでは、神殿に花を捧げていたこともわかっています。当時の人たちは、美しいお花は、神々に捧げるのにふさわしいと考えていたのかもしれませんね。

日本でも、もともとは、お花は神仏にお供えするためのものでした。日本における花贈りで最も古いと思われるのは、平安時代の「折り枝」です。貴族たちが恋心をつづった和歌に、折り枝というお花が付いた木の枝を添えて、恋人へ贈る風習がありました。一般の人々の間にお花が贈り物として定着したのは、戦後になって欧米文化が日本に入ってからです。

こうしてみると、昔も今も、お花は特別視されていたことがわかります。そのため、神様や恋人など、自分が大切にしているものにお花を捧げたり贈ったりして、信仰心や愛情を示していたのかもしれません。現在もお花を贈るという行為の裏側には、相手への感謝や愛情、成功や健康を願う気持ちがあるのではないでしょうか。フラワーギフトは、相手を思いやる気持ちがこもった、素敵な贈り物ではないかと思います。