空間を明るく彩り、見る人の心を和ませるお花は、贈り物としても人気が高く、多くの方がお祝いなどにお花をお贈りしていらっしゃいます。花束やフラワーアレンジメント、スタンド花、そして鉢植えなど、フラワーギフトのスタイルはさまざまですが、お花は贈り物の定番と言えるのではないでしょうか。

また、お花は単に美しいだけではなく、幸せを呼びこんでくれそうな素敵な花言葉が付けられています。スイトピーの「新たな門出」、胡蝶蘭の「幸福が飛んでくる」、ポインセチアの「祝福」といった言葉が付いたお花をいただいてお部屋に飾ったら、良いことがありそうな気持になりそうですね。さらに、太陽の光を浴びて育ったお花は、自然のパワーが詰まっているため、風水ではお花は、開運アイテムだとされています。

お花は縁起の良いモチーフとして用いられることもあります。日本では古くから様々なモチーフにあやかり、縁起をかつぐ風習があります。例えば、「ふくろう」は「不苦労」と発音が同じで、「苦労しない」という意味を持つことをご存知の方も多いのではないでしょうか。お花に関しては、春の訪れを知らせる梅の花は非常に縁起が良いとされています。

お花は縁起が良いものだと考える風習は日本だけではありません。その歴史は非常に長く、5000年以上も前には既に、お花を特別視する風習がありました。古代エジプトでは、蓮の花が夕方に花を閉じ、朝には再び花を開かせることから、「再生」「永遠の生命」の象徴とされていたのです。さらに、蓮は日の出とともに花開くため、当時信仰されていた太陽神・ラーと関連性があると考えられ、神聖なものだとみなされていました。そのため、古代エジプトの工芸品や壁画、建築装飾には、蓮の花が描かれています。この蓮の花のモチーフはその後、世界各地へ伝わり、葉や茎が伸びる姿を図案化した「唐草模様」に発展しました。

しかし、中には縁起が悪いお花も存在します。例えば、彼岸花。花だけでなく葉や茎、根などにも毒があり、食べると下痢、嘔吐などの症状が現れます。そのため、昔から死をイメージさせる花だと敬遠されてきました。また、良い香りのする白い花・クチナシも縁起が悪いと考えられています。それは、「クチナシ」が「嫁の口なし」を連想し、良縁に恵まれないという言い伝えがあるため。他にも椿やサルスベリ、藤、ビワなどのお花は縁起が悪くお祝いにふさわしくないと言われています。とはいえ、これらのお花を花束やフラワーアレンジメントなどで用いることは、非常に稀です。ですので、安心してフラワーギフトをお祝いにお贈りいただけるでしょう。

古来よりお花は縁起の良いものだと考えられてきました。お祝いにお花をお贈りしようと考えるのは、そういった背景があるからかもしれません。相手の方の幸運や発展を願って、お花をお贈りしてみてはいかがでしょうか。