贈り物の定番として親しまれてきたバラですが、咲き方にも種類があるのをご存知でしょうか。バラには高芯咲き、カップ咲き、ロゼット咲き、一重咲き、八重咲き、ポンポン咲き、フリル咲きがあります。

高芯咲きは花を横から見たときに中心が高く、周囲の花びらが咲くに連れて進むに従って、反り返るように外側から広がっていく咲き方が特徴です。花を上から見ると芯を中心に花びらが渦巻くような形に咲くのが高芯咲きです。高芯咲きの中でも、花びらが尖っているものは「剣弁高芯咲き」といい、丸みがあるものは「丸弁高芯咲き」、剣弁と丸弁の中間のものは「半剣弁高芯咲き」と呼ばれています。バラと聞いて一番思い浮かべる形がこの高芯咲きなのではないでしょうか。

横から見るとカップのような形状になるものがカップ咲きで、典型的なオールドローズの咲き方です。このカップ咲きをさらに分類し、花びらの立ち上がりが低くて浅いカップのものを「シャロー・カップ咲き」、花びらの立ち上がりが高くて深いカップのものを「ディープ・カップ咲き」と分けることもあります。

中心から花びらが放射状に伸びる咲き方はロゼット咲きと呼ばれています。外側の花びらが大きく、中心の花びらは小さくぎっしりと詰まっていて、とっても優雅な印象の咲き方です。ロゼット咲きも、カップ咲き同様に、オールド・ローズによく見られる咲き方です。咲き初めはカップ咲きだったものが、だんだんと花が開いていき最終的にロゼット咲きとなるものも多く、またカップ咲きが開花して中心だけがロゼット咲き、なんて品種もあるようです。一重咲きは一番思い浮かべるバラの姿とは少し違い、一見バラと気付いてもらえないこともあるかもしれません。日本に昔からあるノイバラなどの原種もこの咲き方で、ほかの咲き方と比べて少し地味な印象も受けるかもしれませんが、この一重咲きの可憐で控えめな佇まいは、他のバラにはない魅力があります。

八重咲きは一重咲きとは違い花びらが何重にも重なって咲くタイプです。一重咲きの花びらは5枚程度ですが、八重咲きの花びらは20枚以上あります。カップ咲きやロゼット咲きや高芯咲きも20枚以上ならば八重咲きといえますので大抵のバラは八重咲きということになります。花びらがふんわりしていてこんもり球体のように咲くバラはポンポン咲きと呼びます。ミニバラの品種によく見られる咲き方です。またこのポンポン咲きとはバラ以外にもダリアなどで良く使われる言い方ですが、ポンポンとは擬音ではなくフランス語で、帽子などに付いている玉房やチアガールが持つポンポンなどをポンポンと呼ぶそうです。フリル咲きは花びらが波打ってフリルに見える咲き方です。花びらの枚数はさほど多くはありませんが、十分な華やかさがあります。

バラはたくさんの種類があり、奥が深いお花ですよね。香りも様々な種類がありますのでお気に入りのバラを探してみてくださいね。