日本には四季があるおかげで、私達日本人は四季折々の植物や花を楽しむことが出来ます。 こう聞くといかにも日本にだけ四季があるように聞こえますが、世界中のどこにでも四季は存在します。しかし地域によってその差が明確でなかったり、ある季節が長かったりします。

その四季はどうして生まれるのでしょうか。 地球は1日に1回自転をします。また自転しながら1年間かけて太陽の周りを公転しています。ところが、地球（地軸）は少し傾いた姿勢で太陽の周りを公転しているのです。 そのため場所によって太陽から受ける熱に違いが生じるので、公転の周期である1年ごとに季節が繰り返されるため四季が生まれます。 では日本の四季がはっきりしているのはなぜでしょうか。 これは日本が海で囲まれている島国で、海流の影響を受けやすいのと、冬に偏西風、夏に南東風と季節風が吹くためだと言われています。 また日本以外でも、中緯度に位置していて、「気団」という気温や水蒸気量がほぼ一定の大気の集団の移り変わりが大きい地域は四季がはっきりするそうです。

秋が訪れると紅葉を楽しむことができますよね。 なぜ秋になると植物が紅葉するのかご存知でしょうか。これは、秋になると葉の中に赤い色素であるアントシアニンがつくられるからです。 紅葉を始める前の緑色の葉には、光合成に重要なクロロフィルという緑色の色素が含まれています。 秋になるとこのクロロフィルが分解され、アントシアニンがつくられます。ではなぜ秋になるとアントシアニンをつくるのでしょうか。 秋になって光合成の効率が低くなったときは、太陽の光が強すぎて植物の体の害になる場合があります。そこでクロロフィルを分解することにより葉緑体のはたらきを弱め、冬に向けて省エネモードに突入するのだそうです。そしてアントシアニンを作るのはおもに紫外線を吸収するため強すぎる光をやわらげる役割があるためと考えられています。

またクリスマスシーズンに飾られるポインセチアは「短日植物」です。短日植物とは日が短くなるのを感じると花を咲かせる植物のことをいいます。ポインセチアの赤い部分は花ではなく、苞といわれる葉が変化したもので真ん中にある小さなつぶつぶが花の部分です。この花を目立たせるため、苞を赤くすると考えられています。

こうした季節の移り変わりを、人間だけではなく植物達が感じ取っているおかげで、私達は四季の情緒を感じることができるのです。 厳しい寒さを耐え抜いて新芽を出す植物達を見ると、私達も嬉しくなりますよね。