夏を象徴する花でもあり、元気なイメージを持つひまわりは、私達日本人にとってもとても馴染み深いお花ですよね。名前の通り太陽を追って向きを変えることから、とてもポジティブな印象があるのではないでしょうか。現在は切花として、園芸品種として、またひまわり畑などでも沢山の人に親しまれています。

和名の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花の方向が変わることからきています。確かにひまわり畑ではたくさんのひまわりが同じ方向を向いて、太陽の方向を向いているイメージがありますよね。この現象は、ひまわりの茎が部分によって成長スピードが変わることで起きているそうです。太陽光が当たる部分よりも、光の当たらない部分の茎の成長が早くなります。1つの茎の中で光の当たり方が変わり、部分によって成長に差ができることで向きが変わるそうです。ただし実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけのようです。花が咲くことで成長ホルモンの分泌が減少して茎の生長が止まって固くなるので、向きを変えることが難しくなるとされています。また開花したひまわりの向きは東に固定されることが多いようです。花の温度を上げてミツバチから目立ちやすくするため、東向きになることが多いのではないかという説があります。

また花だけではなく、ひまわりの種も昔から多くの人に必要とされてきました。現在ではハムスターのご飯なんてイメージもありますが、実はひまわりの種の栄養価は高く、タンパク質と脂肪を多く含むため、北アメリカの先住民族にとって欠かせない栄養源でした。すりつぶしたものは主食やお菓子として食べられ、ひまわりの油は料理に使われていた可能性があるそうです。またひまわりの種はビタミンEも含まれていますので免疫力を高めてくれる効果もあるようです。

現在切花として親しまれているひまわりは、ひまわり畑に咲いているような大きな顔の花ではなく、どちらかというとそれより顔の小さい直径8cm〜20cmくらいのものが増えました。この方がアレンジメントや花束、スタンド花などでも使い勝手が良く、花色も黄色やオレンジだけでなく赤系や茶色系の花が出回っています。花の姿も様々で、1番親しまれてきた真ん中の部分が茶色い「芯黒」と呼ばれているものと、真ん中の部分が白っぽい「芯白」と呼ばれているもの、また八重咲のものなどがあります。この八重咲のひまわりには、有名な画家の名前にちなんだ「ゴッホのひまわり」なんて品種名も存在します。

ひまわりにはこれからも沢山の人を元気にしていってもらいたいですね。