黄色と紫色の組み合わせを見て、あなたはどんな印象を受けますか。色は言語によらないコミュニケーションとして、昔から世界の宗教や伝統、古代思想などの中で重要な役割を果たしてきました。色の連想のイメージが人々に受け継がれ、社会の中でそのイメージが定着していき、色の象徴となっていきました。黄色のもつイメージは「明るい」「元気」「楽しい」など、紫色のもつイメージは「大人っぽい」「高貴」「ミステリアス」などがあります。このような色と抽象概念の結びつきは色の象徴性と呼ばれています。この一見正反対のイメージをもつ黄色と紫色ですが、合わさることで明るいけど少し上品な、他にはない魅力的な印象になる不思議な組み合わせです。女性への贈り物としてはもちろん、男性への贈り物としても喜んでいただける色の組み合わせなのではないでしょうか。

黄色と紫色、このふたつの色は補色の関係にあります。この補色とは色相環で正反対に位置する関係の色の組合せのことをいいます。この補色同士の組み合わせはダイアードとも呼ばれ、心理補色（ある色をしばらく見つめた後に、白い紙などに視線を移した時に残像として見える色のこと）によりお互いの色の彩度が強まって見えるという効果が生まれます。もうひとつ、物理補色という言葉があります。これは補色同士を混色すると無彩色になることをいいます。インクや絵の具などの場合は灰色になります。照明・ディスプレイなどの光の場合は白色光となります。

また似たような言葉で反対色という言葉がありますが、これは色相や彩度や明度が反対にあるものを指しますので、明度や彩度が逆同士のものも反対色と呼びます。 例えば白と黒も反対色となります。この黄色と紫色の補色の関係は髪のヘアカラーなどでも活用されています。ブリーチをして黄色味を帯びた髪に、紫色を入れることで綺麗なアッシュグレーの髪色に仕上げることができます。そしてこの色の関係はアレンジメント、花束、スタンド花でもたくさん活かされています。黄色と紫色以外では、赤と緑の組み合わせも補色の関係です。赤色だけを使ったスタンド花などは赤色のお花をグリーンの葉物が引き立てますので、自然とこの補色の関係が成り立っているんですね。

色にこだわってお花をオーダーするのも花贈りの醍醐味ですよね。補色の組み合わせも素敵ですし、同系色の組み合わせも魅力的なデザインが沢山あります。ぜひ贈る相手にぴったりのデザインを探してみてはいかがでしょうか。