色褪せないお花、プリザーブドフラワーギフトを選ぶコツ
プリザーブドフラワーと呼ばれる、鮮やかな色合いのままで、枯れずに観賞できるお花をご存知でしょうか。
プリザーブドフラワーとは特殊な保存加工が施されているお花のことで、ドライフラワーのように褪せた色合いではなく、花そのものの生きた色合いや、鮮やかな美しさを閉じ込めたまま保存されています。
水やりが不要で手軽に飾れるうえに、数年以上は美しいままの状態で観賞できるので、贈り物として人気があります。
今回は、フラワーギフトの中でも人気の高いプリザーブドフラワーについて、贈り物としての選び方のコツなどをご紹介していきます。
プリザーブドフラワーとは
プリザーブドフラワーとは、生花を特殊液に付けることでみずみずしい美しさを長期間保てるように特殊加工されたお花のことを指します。
「preserved(プリザーブド)」とは、「保存する」「長持ちさせる」という意味です。
いちばん美しい状態の花の色素を抜いて作るので、生きた花が持っている質感や色合いを楽しむことができます。
特殊保存加工されているため、水やりしなくても枯れる心配がありません。
生花のように花粉がないため、アレルギーを持っている方への贈り物や、飲食店や病院など衛生管理上、生花を飾るのが難しいところでも、気兼ねなく飾れるお花です。
プリザーブドフラワーの歴史
プリザーブドフラワーが登場したのは、1991年と比較的最近です。
1991年、フランスのベルモント社によって「長寿命な切り花の製造技術」が発表されました。これがプリザーブドフラワーの始まりです。
水分を抜き特殊な保存加工液を吸わせて作られたバラのプリザーブドフラワーは、生花のようなみずみずしい色と質感のまま、長期間枯れずに保存されたため、当時は驚きが広がりました。
ドライフラワーとの違い
プリザーブドフラワーを詳しく知らないうちは、ドライフラワーのようなものかな?混同されやすいのですが、全く異なります。
ドライフラワーは、特殊な保存液などを使わずに、水分を蒸発させて乾燥させたお花です。
触るとパリパリとしていて壊れやすく、色も褪せています。
そのアンティークな色合いとナチュラルさが、ドライフラワーの魅力でもありますよね。
一方でプリザーブドフラワーは、生花本来の持ち味である花びらの柔らかい質感やみずみずしく鮮やかな花色をそのままに残すことができます。
プリザーブドフラワーの管理方法
日本の気候や環境下では、2〜3年ほどは美しい姿で観賞できます。
プリザーブドフラワーをきれいな状態で長持ちさせるには、直射日光、高温や多湿などの環境を避けて保存しましょう。強い鑑賞ライトなども、色褪せの原因となります。
また、冷暖房の風が直接当たる場所に置くと、花びらが乾燥して割れてしまいます。
もしプリザーブドフラワーに埃が付いた場合は、毛の柔らかい筆などで、花びらを傷つけないよう優しく払いましょう。
ガラスやアクリルケースに入っているプリザーブドフラワーは、花に埃が付かずに、ケースのお手入れだけで済みます。
プリザーブドフラワーの花びらは割れやすくとても繊細ですが、管理方法に注意して状態良く保存することで、3〜5年以上も楽しめますよ。
プリザーブドフラワーの長所・短所
プリザーブドフラワーはギフト用以外にも、お部屋に飾るインテリアアイテムとしてもおすすめです。
購入を検討されている方向けに、プリザーブドフラワーの長所と短所をまとめてみました。
プリザーブドフラワーの特徴や利点が分かりますので、ぜひ参考になさってくださいね。
プリザーブドフラワーのメリット
水やりが不要
プリザーブドフラワー最大のメリットとして、水やりの手間がないことが挙げられます。
反対に、プリザーブドの状態だと、湿気には弱くなるので、水がかかってしまうのはNGなのです。
もしプリザーブドフラワーを濡らしてしまったら、ドライヤーなどで急に乾かしたりせず、
シリカゲルなどの乾燥材、除湿材を置いて、ゆっくりと乾燥させていきましょう。
カラフルな花色を楽しめる
プリザーブドフラワーは、本来の花色を活かせるのもメリットですが、着色により幻想的な色合いの花を楽しむこともできます。
例えば、ブルーやレインボーカラーなど、自然界に存在しない花色も作り出すことができるのです。
思い出が色褪せない
プリザーブドフラワーは、特別な日の贈り物としてプレゼントすると、その日の美しさを何年も保ってくれます。
スペシャルな贈り物であればあるほど、何度見返しても美しいままでキープされていれば、当時の思い出や記憶が、色鮮やかに思い返されます。
大切な記念日などに色褪せないプリザーブドフラワーを贈ることで、特別な日の贈り物を何年もきれいな状態で楽しめるでしょう。
プリザーブドフラワーのデメリット
生花ならではの個体差
プリザーブドフラワーに使われているのは、もともとは生きているお花です。
そのため、花びらに多少の切れや裂けが入っていたり、大きさがまちまちであったり、色味がまったく同じにはなりません。
生花ならではの個体差が楽しめるという点では、メリットと言えるかもしれませんね。
値段がやや高め
プリザーブドフラワーは、生花やドライフラワーなどと比べると、少々価格が高めになります。
特殊な保存液を使った工程が必要であることや、茎ごと保存できず、花首のみの特殊加工になるため、ワイヤーで茎を作らないとアレンジができないためです。
お花の保存加工後も作業が加わりますので、どうしても少々価格が高くなってしまいます。
プリザーブドフラワーの選び方
ギフトにプリザーブドフラワーを贈りたいと考えている方は、どんなデザインのものを選ぼうか迷われているでしょう。
プリザーブドフラワーは生花よりもデザイン性が高く、アレンジの自由度も高いため、ラインナップが豊富で目移りしてしまいます。
ここからは、プリザーブドフラワーをギフトとして贈る際に、どのような選び方をすれば良いのかをご紹介していきます。
相手の好きな色で選ぶ
ギフトで何よりも大切なのは、贈る相手に喜んでもらうことです。
デザイン性も肝心ですが、受け取ったときにパッと飛びこんでくるのは「色」でしょう。
贈る相手の好きな色が分かれば、その色を取り入れたデザインや、同系色でまとめられたアレンジなどを選べば、きっと喜ばれるはずですよ。
好みの色が分からないときには、相手の方が普段よく着ている服や持ち物などを思い出してみましょう。服や小物などには、その人の好みがいちばんに現れます。好きな色を身に着ける機会は自然と増えるはずです。
もしくは、相手の雰囲気を思い浮かべながら色選びをするのも良いでしょう。
落ち着いた雰囲気の方にはブルー系、華やかで明るい方ならイエロー・オレンジ系、エレガントで女性らしい方ならピンク・レッド系といったように、相手の雰囲気や性格などからイメージするのも楽しいですね。
贈るシーンに合わせて決める
プリザーブドフラワーをギフトとして贈るシーンは、いったいどのような場面でしょうか。
誕生日のお祝い、結婚祝い、ご長寿のお祝いなど、日常のギフトシーンはさまざまですよね。用途に応じたデザインのプリザーブドフラワーを選ぶというのも大切です。
例えば、ご結婚のお祝いには、シンデレラのようなガラスの靴にあしらわれた、ロマンチックなアレンジ、母の日のギフトにはカーネーションのプリザーブドフラワーが入っているアレンジ、還暦のお祝い用には、還暦カラーでもある赤を取り入れた赤いバラのアレンジなど……贈る用途を考えると、自ずとふさわしいアレンジデザインが分かります。
ボックスタイプのプリザーブドフラワーは、箱に花を敷き詰めたアレンジメントなので、飾りやすく、箱を開けたときのサプライズ演出にもなりますので、ギフトにおすすめです。
サイズを確認しておく
これは主に、オンラインショップなどで購入する際の注意点になります。
店頭で実際に商品を見るのとは異なり、オンラインショップではサイズ感がいまいち伝わりにくいものです。
お花に限らず、インテリアグッズや服などを注文して、思っていたサイズ感と違う……と首を傾げた経験があるのではないでしょうか。
プリザーブドフラワーも同様に、サイズのイメージがしにくい商品です。
特に掲載されている写真は、花を美しく映すためにアップで撮影されているものが多いため、実際のサイズよりも大きく感じてしまいます。
商品の詳細に記載されているサイズを確認して、物差しやメジャーなどで実際のサイズ感をきちんと把握してから購入するようにしましょう。
事前に実際のサイズを把握しておくと、豪華な大きさのギフトをイメージしていたのに、いざ届いたら「あれ?こんなに小さいの?」とがっかりするような失敗も防げますよ。
用途に合った色で選ぶ
プリザーブドフラワーは着色が可能なので、ビビッドな色やパステル調、レインボーカラーなど、さまざまな色で楽しめるのがメリットでもあります。
生花本来の色に近づけたものはもちろん、青いバラなどの入手が難しい色合いや、自然界には存在しない花色も作ることが可能です。
プリザーブドフラワーの色は、贈る目的にあわせて選びましょう。
例えば、お悔やみに贈るためのものでしたら、白や紫などの落ち着いた色合いを選ぶ必要があります。
お見舞いに贈るギフトなら、相手を元気づけられるビタミンカラーなど、目的やマナーに応じて色選びをすると、失敗することがありません。
イミテーションの割合で選ぶ
プリザーブドフラワーには、アレンジのすべてにプリザーブドフラワーを使用するのではなく、造花であるイミテーション、アーティフィシャルフラワーを混ぜて作られているアレンジもあります。
先ほどご紹介したように、プリザーブドフラワーは作業の工程や手間の関係で、やや価格が上がってしまうというデメリットがありますが、イミテーションを使うことで、価格を安く提供することができるのです。
予算を抑えつつ、ボリュームのある豪華なプリザーブドフラワーを贈りたいとお考えの場合には、イミテーションの割合が多く、安価なアレンジを選びましょう。
反対に、どうしても生花の質感を活かしたプリザーブドであることにこだわりたい場合には、すべてプリザーブドであるかどうかを確認しましょう。
値段がお手頃なものだと、やはりアーティフィシャルフラワーなどが一緒に使われていますので、商品の詳細を必ずチェックしてから購入するようにしてください。
イミテーション以外にも、石鹸でできた造花のソープフラワーが使われている場合もあります。
プリザーブドフラワーは、長持ちさせる代わりに花の持つ良い香りを失いますが、ソープフラワーをあわせて使うことにより、プリザーブドフラワーにはない香り付けをする役割があります。
雑貨や付属品で選ぶ
プリザーブドフラワーは、生花と違いアレンジの幅がかなり広がります。
そのため、他のインテリアアイテムや雑貨品を組み合わせたアレンジも多く見られます。
例えば、時計やフォトフレームなどにアレンジを施したプリザーブドフラワーを選べば、観賞用だけではなく機能性があり、日常生活により溶け込んでいきます。
他にも、プリザーブドフラワーにはセットで他の商品と一緒に販売されているものが多いです。
ぬいぐるみとセットになっているプリザーブドフラワーは、小さなお子様向けのギフトにもなりますよ。
手提げバッグやメッセージカード付きのものや、可愛いデザインの缶に詰められた商品もおすすめです。
中にはお線香とセットになっている商品もあり、こちらはお悔やみのお花や、お供え用として向いています。
プリザーブドフラワーは枯れることがなく花粉も落ちないため、仏壇などを汚す心配がありません。水替えの必要もないため、相手の方の負担を減らせるメリットがあります。
ボックスタイプのプリザーブドフラワーでサプライズ!
ボックスフラワーは、箱の中に色とりどりの花材を敷き詰めた、魅力的なギフトです。
何が入っているか分からない箱をドキドキしながら開けてみるとびっくり!
箱の中はカラフルな花々がたくさん散りばめられている……という素敵なサプライズ演出ができます。
ボックスフラワーはサプライズに最適
箱を開けるまでに何が入っているのか考えてみますが、まさかお花が詰められているという発想にはなかなか辿り着きにくいものです。
箱を開けるまでの高揚感と、開けてから目に飛び込む美しさは、最高のサプライズ演出です。
プリザーブドフラワーのギフトを直接手渡せるようでしたら、ボックスフラワーであれば外出先などでも持ち運べるので、自分のベストなタイミングでサプライズ演出ができますよ。
あらかじめプレゼントをセットしておく
さらに、このボックスフラワーには、あらかじめ箱の中に別のプレゼントを忍ばせておくという2重サプライズも仕掛けることもできます。
色鮮やかな花々で敷き詰められた、カラフルな絨毯のようなお花の上に、素敵なプレゼントが添えられていたら、感嘆の声が上がるでしょう。
他にも、ネックレスやピアスなどのアクセサリー類、旅行やライブのチケットや、直筆のメッセージカードなどを入れておくのもおすすめです。
プロポーズのサプライズとして、指輪を仕込んでおくのも素敵ですね。
ボックスフラワーは持ち運びに便利
花束だと渡す側も受け取った側も、持ち運びが大変になります。
ボックスフラワーは、箱に入っているのでコンパクトですし、箱には蓋がされているので、形を崩さずに持ち運ぶことができます。
手頃なサイズの紙袋を用意しておくだけで、ストレスを感じずに手に提げて持ち歩けます。
贈った相手への負担や手間まで考えると、ボックスフラワーのプレゼントは気軽に贈れるフラワーギフトなのです。
まとめ
今回は、特殊加工によって枯れないお花、プリザーブドフラワーのギフトについて、選び方やメリットなどをご紹介してきました。
生花本来の美しさをそのまま閉じ込めたような新鮮さのあるプリザーブドフラワーは、ドライフラワーとは異なり、みずみずしい質感や鮮やかな色を、長く楽しむことができます。
水やりなどのお手入れが不要なので、どんな方へも贈りやすいというメリットがありますよ。
生花よりもアレンジの幅が広がるので、いろいろなデザイン性の商品を楽しめます。
特別な日のメモリアルプレゼントとして贈れば、受け取ったときの美しさのまま、眺めて楽しむことができるでしょう。
思い出深い贈り物が手元にあると特別な日の思い出も色褪せず、昨日のことのように思い返せるかもしれません。
比較的最近になってから登場した、新しいタイプのフラワーギフトであるプリザーブドフラワーを、大切な人へのギフトとして贈ってみてはいかがでしょうか。