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古希祝いにお花を贈ろう。喜ばれる花の選び方

古希(こき)とは、日本で70歳のお祝いをする習わしです。

ご自分の両親や、おじいさま、おばあさまなどは70歳の節目を迎えたお祝いには、お花を贈ってみてはいかがでしょうか。

喜ばれるフラワーギフトを用意して、節目である70歳を盛大にお祝いしましょう。

今回は、人生の節目である古希のお祝いとして喜ばれるお花や、古希の由来などを詳しくご紹介していきます。

そもそも古希祝いとは?

古希(古稀)とは、70歳を迎えた方のご長寿をお祝いする習わしです。

日本での長寿のお祝いは、60歳の還暦から始まって、70歳、77歳、80歳というように節目を迎えた年齢でお祝いします。

 

医療の発達などが進んで健康寿命や平均寿命が伸びた今では、「人生100年時代」とも言われています。

令和元年における日本人の平均寿命は、女性が87.45歳で、男性は81.41歳と算出されています。

 

けれど昔の日本では「人生50年」と言われるほどに平均寿命が短く、70歳を健康的に迎えるのはとても難しい時代でした。

 

現在での70歳を迎えられている方々は、皆さん健康で趣味やスポーツなどを楽しまれている方も多くおられます。

60歳で長寿をお祝いするには、なんだか早いような気もするほど、元気で若々しい方が多いですよね。

多くの方が健康的に長生きできるのは、昔に比べてとても良い時代になったと言えるかもしれません。

日本での長寿のお祝い

日本での長寿のお祝いについては、下記が一般的なものになります。

 

年齢 名称 由来
60歳 還暦 十二支が一巡して自分の生まれ年の干支に戻る
70歳 古希 中国の詩人・杜甫の詩句から由来
77歳 喜寿 「喜」の草書体が「七十七」と「七」の連なる形
80歳 傘寿 「傘」の略字が「八」「十」の連なる形
88歳 米寿 「米」の文字が「八十八」からなる形
90歳 卒寿 卒の略字である「卆」が「九十」からなる形
99歳 白寿 百まであとひとつ、「百」の一画目を取ると「白」になる
100歳 百寿 百年にちなむ。一世紀でもあるので「紀寿」とも呼ばれる

古希祝いの由来とは

こうして長寿のお祝いを一覧で見ると、文字の形などから由来する名称が多い印象を受けます。

 

しかし、70歳をお祝いする「古希」に関しては、中国の詩人である杜甫の残した、「人生七十古来稀なり」という詩句の一節から由来しています。

これは、「古来より、70歳まで生きる人は稀である」という意味の詩句です。

 

かつて「人生50年」と言われていた日本人の平均寿命を考えれば、当時は70歳を迎えるということは稀であり、大変難しかったのでしょう。

 

江戸時代に入ってから、日本に杜甫の詩が広まり、時代の流れによって徐々に平均寿命が延びていくことで、70歳まで生きられる人が多くなり、古希のお祝いが根付いたと考えられています。

数え年の70歳

本来の古希は、数え年で70歳になる歳にお祝いするのが決まりでした。

数え年での70歳とは、つまり満69歳ということです。

 

本来の数え年のしきたりから数えると、人は正月に年を重ね、ひとつ歳を取ります。

そのため、本来の古希祝いであれば、お正月にお祝いするのが正しいことになります。

日本のお正月は、親戚や家族が一堂に集まって、新年の挨拶を交わしたりお祝いをしたりしますから、家族皆でおめでたい70歳の古希を、盛大にお祝いできますね。

 

最近の古希の概念としては、「満年齢で70歳になる日」をお祝いする傾向が多いようです。

つまり、お誕生日の当日に、古希を祝うということですね。

 

本来の数え年のしきたりに習うのも良いですが、70歳の誕生日当日にお祝いすると、お祝いされるほうも70歳の実感があり、その喜びもひとしおです。

 

年配の方を敬う敬老の日は祝日になりますから、休日を使って家族で集まり、古希のお祝いをする場合もあります。

お正月休みと同様に、親戚が一堂に集まるお盆を利用してお祝いするケースもあります。

古希を迎えられる方の誕生日が8月以降でしたら、年の前半であるお正月にお祝いするよりも、後半にお祝いするほうが実感が湧きやすいですね。

古希はどこまでお祝いするもの?

日本でご長寿のお祝いというのは、家族や親戚などの血縁関係にある間柄で行なうことが多い印象があります。

いったいどこまでの間柄の人がお祝いしていいものなのだろう?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

古希などのご長寿のお祝い事に関しては、間柄によってお祝いする人の範囲が定められることはありません。

 

日頃からお世話になっている方や、ご近所の方、恩師や親しい相手などには、日々の感謝の気持ちと、お相手の健康と幸せを願い、古希やご長寿をお祝いしましょう。

古希祝いにおすすめの花の色は?

ここまでは、古希祝いの由来などをお伝えしてきました。

ご家族や身近な方に、今年古希を迎えられる人がいるのでしたら、ぜひお花を贈って感謝や健康を願う気持ちを伝えてみましょう。

 

お花選びで迷うのは種類や色ですが、古希には贈り物として用いられている色が決まっています。

他にも、古希祝いとして贈るのにふさわしい色をご紹介しましょう。

古希のテーマカラー「紫」

還暦のお祝いには「赤いちゃんちゃんこ」が定番ですよね。

それと同様に、古希にもテーマカラーが決まっています。

それは、「高貴」「崇高」といった上品さを印象付ける「紫」です。

 

これは、日本で聖徳太子が定めた冠位十二階において、最高位を表す色が紫であることに由来します。

古くから続く国技である相撲も、最高位の行司が用いる軍配の色は紫色です。

紫色を尊い色だと考える風潮は、現代にも継承されているのですね。

 

また、平安時代を代表する人物である清少納言は、「すべて、なにもなにも、紫なるものは、めでたくこそあれ。花も、糸も、神も」と詠んだことで有名です。

古来より、日本人にとっては紫色は特別な色だと考えられていることが分かります。

 

地位の高さや高貴さ、気品のシンボルである紫色を用いて、尊敬の念を表すことができる紫。

古希に限らず、古希以降に迎える喜寿、傘寿、卒寿などのお祝いにも、紫にちなんだ贈答品を贈るのが風習となっています。

紫色は西洋でも高貴な色

ちなみに紫色は、日本だけではなく西洋でも高貴な色とされてきました。

「purpura」とう巻貝の一種が英語の「purple」語源なのですが、この貝を使った染料はとても貴重で、身分が高い者の衣服に使われていたようです。

このエピソードから、紫色は西洋においても高貴なイメージがあると分かります。

 

紫色と言っても、赤系の紫や青系の紫など、色の濃淡によってもだいぶ印象が変わります。

はっきりとした紫色を好む方もいれば、淡い藤色のような紫を好む方もいます。

贈る相手の好みも考えて、どんな紫色のお花を贈ろうかと悩むのも、ギフト選びにおける楽しみのひとつですね。

縁起の良い「紅白」

古希のお祝い品だからといって、必ずしも紫色のお花を選ばなければならないわけではありません。

 

例えば、お祝いの贈答品として縁起が良いとされる、赤と白の紅白カラーで、お花を選んでみるのはいかがでしょうか。

お祝いといえば紅白というのは定番ですから、贈った相手にもお祝いする気持ちが伝わりやすいカラーだと言えるでしょう。

ご本人の好きな色や花を選ぶ

お祝いのお花は、古希を迎えられるご本人に喜んでもらうのがいちばんですから、本人の好きな色やお花を選んで贈るのもふさわしいでしょう。

 

例えば、バラが大好きな方でしたら、豪華なバラの花束を。

鉢植えの植物を育てるのが好きな方でしたら、胡蝶蘭や観葉植物、季節にちなんだ鉢植えのお花などを贈るのもおすすめです。

 

習わしどおりの紫にこだわらず、古希を迎える方の好きなお花や色を選んで、気持ちを込めたフラワーギフトを贈るのが何よりもいちばんです。

古希祝いに選ばれる人気のお花

ここまでは、古希祝いのお花選びにおすすめしたい色をご紹介しました。

色のイメージが決まったら、次は贈るお花の種類を考えていきましょう。

 

古希にはこのお花を贈るべき!といった決まりはありませんから、ぜひご本人の雰囲気や好きなお花をチョイスしてください。

 

迷われている方向けに、古希祝いのフラワーギフトとして人気があるお花の種類をご紹介します。

花が持っている花言葉もあわせてお伝えするので、参考にしてみてくださいね。

カーネーション

カーネーションといえば、母の日に贈る花の定番ですが、さまざまなギフトシーンに使える万能なお花です。

花言葉には「愛情」「魅力」などがあります。

 

花もちが良く、切り花でも長く楽しめるのも選ばれやすい理由のひとつでしょう。

通年流通しているため入手しやすく、色のバリエーションも豊富にありますから、イメージしたとおりの色を選ぶことができます。

フラワーアレンジメントにも欠かせない存在です。

バラ

花の贈り物といえば、まずバラを思い浮かべる方も多いでしょう。

そんなバラ全体の花言葉には「愛情」があります。

この「愛情」は、恋人やパートナーだけではなく、家族への愛を表現する花言葉としても最適です。

 

通年出回っていますから季節に関係なく購入できますし、バラを置いていない花屋さんは見かけないほどですね。

 

古希のお祝いとしては、紫色のバラを贈るのもおすすめです。

紫のバラには「誇り」「尊敬」の花言葉が付けられています。

古希を迎える方を敬い、尊敬する気持ちが伝わりやすい花言葉です。

胡蝶蘭

古希のお祝いには、胡蝶蘭も大変人気が高いフラワーギフトです。

お祝いシーンには欠かせない定番の胡蝶蘭は、古希のお祝いにも活躍してくれます。

 

「幸福が飛んでくる」の花言葉を持つ胡蝶蘭は、古希を迎える方のますますの幸せな人生を願うにはぴったりの花言葉ですよね。

さらに、比較的お世話が簡単で生命力が強いお花であるのも、贈答品として選ばれやすい理由です。

花もちもよく、お世話をすれば1~2ヶ月はきれいなお花を楽しめるのも嬉しいですね。

 

気品がある、豪華で上品な佇まいの胡蝶蘭は、年配の方にはとても人気があります。

紫色の品種の胡蝶蘭もありますから、古希のカラーにちなんで贈ってみてはいかがでしょうか。

スイートピー

春を代表するお花のひとつであるスイートピーは、ふわふわとしたやわらかいフリルのような花びらが可愛らしいお花です。

花色は淡い色合いのパステル調のものが多く、眺める人の心をやさしく暖かくしてくれます。

 

そして、スイートピーの魅力といえば、甘くふんわり漂うやさしい香り。

可愛らしい花姿だけではなく、良い香りに癒されます。

 

スイートピーには「門出」という花言葉がありますので、古希を迎えて、さらなる人生の門出となるお祝いに贈るお花としてはふさわしいのではないでしょうか。

トルコキキョウ

さまざまなフラワーアレンジメントに引っ張りだこであるトルコキキョウも、贈り物としては定番で人気の高いお花です。

 

多くの品種が存在するトルコキキョウは、咲き方によってはバラにも劣らないゴージャスな花姿になります。

そしてバラと比べるとかなり単価が安いのが、トルコキキョウが人気の理由のひとつです。

バラの代わりにトルコキキョウを使えば、同じ予算内でもボリュームアップができるので、豪華な花束に仕上がります。

 

色のバリエーションも豊かで、赤紫や青紫、淡く薄い紫など、紫系でも豊富な種類があります。

トルコキキョウの花言葉には「感謝」「明るい希望」がありますので、感謝の気持ちを伝える古希のお祝いとして、選んでみてはいかがでしょうか。

ダリア

大輪の花姿がゴージャスなダリアは、一輪挿しでも充分な存在感のある豪華なお花です。

花言葉には「華麗」「優雅」「気品」などがあり、古希のテーマカラーである紫のシンボルと似た言葉を持っています。

 

ダリアも多くの品種が存在しており、咲き方によってはかなり印象が変わるお花です。

和名では「天竺牡丹(てんじくぼたん)」と呼ばれています。

贈る相手によっては、ダリアをこちらの和名でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

天竺とはインドを指す単語で、インドからやってきたダリアの花が、ボタンの花に似ていたことから名付けられた和名になります。

ガーベラ

太く真っすぐ伸びた茎先に、きれいな花を咲かせるガーベラも、フラワーギフトとして人気のお花です。

細い花びらがきれいに並ぶ花姿は、丸みがあって可愛らしく、明るく陽気な雰囲気があります。

花色は、赤やオレンジ、黄色、ピンク、白など、カラーバリエーションが豊富です。

 

そんなガーベラの花言葉には、「前向き」「希望」があります。

実は、花言葉にはポジティブなものだけではなく、ネガティブな意味合いの言葉が付けられていることがあるのですが、ガーベラにおいては前向きな花言葉しかありません。

 

贈る際には花言葉にも気を配りたいですから、良い言葉しかないガーベラは、ギフトとして選びやすいお花でしょう。

古希祝いのお花を贈るポイント

ここまでは、古希のお祝いに人気のあるお花の種類をご紹介してきました。

贈りたい相手の方にふさわしいお花は見つかったでしょうか?

 

続いては、古希のお祝いにお花を贈るうえで、贈るタイミングや避けたほうが良い花や色など、知っておいて損はない注意点をご紹介しましょう。

渡す日に注意する

古希の誕生日にお祝い品を贈る場合には、前日、もしくは当日の午前中までに届くのがベストでしょう。

相手のご自宅に送る際には、あらかじめ受け取りが可能な日にちや時間帯を確認しておくのがマナーです。

 

お店などで古希のお祝いをするときには、持参して直接お渡ししましょう。

もし、お店でのお祝いに遠方から駆け付ける場合は、できるだけ前日に届くよう手配します。

そして、店員さんにはお祝いのお花が届くということを必ず伝えておきましょう。

メッセージカード・手紙を添える

古希をお祝いするお花には、メッセージカードや手紙を添えて、日々の感謝の気持ちや、相手の健康や幸せを祈る気持ちを伝えてみましょう。

 

手紙を書き慣れず、何を伝えればいいか迷う方は、メッセージカードに「これからも健康でいてね」「長生きしてね」など、一言でもいいので添えてみてください。

簡単なメッセージカードであっても、あるとないとでは嬉しさがかなり違うはずです。

できれば直筆で書き添えると、もっと喜んでくださるでしょう。

 

スタンドフラワーなどの贈答品に立て札を付ける場合には、「祝還暦」「還暦御祝」と赤字で記載するのが一般的です。

贈り主には、個人名や家族一同と記載します。

 

ご長寿のお祝い品に「のし」を付けたい場合には、これから先も繰り返しお祝いできるようにという意味合いで、何度も結べるという意味の「花結び」を選びましょう。

紫と白の組み合わせには注意

古希のお祝いや、ご長寿のお祝い品としてお花を贈るときには、色の組み合わせに気を付けましょう。

古希や長寿のお祝いには紫色が定番だとお話ししましたが、紫と白の組み合わせは、お供えに用いるお花に見えてしまいます。

 

ご長寿のお祝いが、かえって不快な思いをさせてしまう可能性もありますので、紫と白だけのアレンジメントは避けて、他の花色も取り入れましょう。

 

紫には青やピンク系のお花も合いますし、黄色などを取り入れても明るいイメージで作ることができます。

アレンジメントカラーについて分からなければ、ある程度の雰囲気やイメージを伝えて、注文先の店員さんにお任せするのもおすすめです。

縁起が悪いとされるお花を避ける

日本では、昔からツバキやツツジなどのお花は縁起が悪いものと考えられています。

きれいなお花なのになぜ?と思いますが、これはツバキなどの花の落ち方が関係しています。

 

ツバキの花は、花びらが一枚一枚散るのではなく、花の首ごとぼとりと落ちて散るためです。

この花の落ち方は「死」を連想させるので、昔から縁起が悪いと考えられています。

仏花に見えないよう注意

ご長寿のお祝い事ですから、仏花としてよく使われるキクをメインに使った贈答品は避けたほうが良いでしょう。

 

ただし、キクを用いる場合には、バランスよく他のお花などを取り入れ、仏花のような雰囲気にならなければ問題ありません。

和菊よりも洋菊を使えば、雰囲気もかなり明るくなりますよ。

 

また、ユリについても縁起が悪いという捉え方もありますが、年配の方はユリを好む方が多いように思います。

白いユリがメインにならないよう、オレンジやピンクなど、明るく温かい色と組み合わせれば、ギフトとしては問題ありません。

まとめ

今回は、古希のお祝いに喜ばれるお花の種類や、ご長寿のお祝いの歴史についてご紹介してきました。

 

70年という長い年月を生き抜いてきた、人生の節目である古希。

相手のますますの幸せや健康を願い、盛大にお祝いしたいですね。

 

古希の色として紫がありますが、お祝いする気持ちがあれば、色にこだわる必要はありません。

相手の好きな色や、喜ぶ色を選び、フラワーギフトに取り入れてみてくださいね。