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ラ・メールコラム > フラワーギフト > ハイターで切り花が長持ちする!延命剤に代用できる理由は?

嬉しいプレゼントとしてもらった切り花は、なるべく長く持たせてきれいに咲かせたいですよね。

切り花はすぐに枯れてしまうものと思いますが、正しいお手入れやちょっとした技を使うことで、寿命を延ばせます。

 

そのひとつとして、「ハイターを使う」という技を聞いたことはないでしょうか。

家にあるから使えるけど、お花にハイターを使って大丈夫?心配に感じてしまいます。

 

今回は、ハイターを使って上手に切り花を長持ちさせる方法や、正しい切り花のお手入れ方法などをご紹介していきます。

切り花を長持ちさせるポイント

まずは、切り花がどのような環境であれば長持ちするのかについて、2つのポイントを抑えておきましょう。

 

まず初めに、水を清潔な状態に保つことが挙げられます。

そして次に、栄養分を与えることが大切です。

 

それぞれの要点について、詳しくお話ししていきましょう。

①水を清潔な状態に保つ

切り花は花瓶などの容器に水を入れて管理しますが、花瓶の水が汚れていると、水を吸い上げるための茎の道管が詰まってしまいます。

そのため、上手に水分を吸い上げられずに早く枯れてしまうのです。

 

こまめに水を換えずに切り花を置いていると、すぐに枯れてしまうのはこのためです。

切り花を長持ちさせる基本としては、水を常に清潔にし、腐らせないようにしておくことが大切なのです。

②適度に養分を与える

お花に欠かせないのは、水分と養分です。

長持ちさせるためには、栄養分を与えることも大切です。

 

お花の延命剤には、ブドウ糖が含まれています。

栄養分である糖分を補給することで、花が美しく長持ちするのです。

③水切りで茎先を清潔に保つ

切り花には根がありませんから、その命を維持するうえでは茎が重要な役割を担います。

 

花瓶の水や茎の切り口というのは、どうしてもバクテリアなどの雑菌が繁殖しやすくなります。

発生した雑菌は、茎の道管を詰まらせてしまうので、こまめな水きりによって茎先をなるべく清潔な状態でキープするのも大切です。

 

水を替えるタイミングでこまめに水切りを行なえば、きれいな水に雑菌だらけの茎先を戻すこともありません。

切り花を長持ちさせる基本のお手入れ

切り花を長持ちさせるポイントは、「水や茎先を清潔に保つ」「養分を与える」でした。

 

その2点を抑えたところで、ハイターの活用方法を知る前に、切り花を長持ちさせる基本のお手入れを学びましょう。

お手入れの基本を抑えて手順を守るだけで、今まで以上に切り花が長持ちしてくれますよ。

切り花のラッピングを外す

フラワーギフトなどでいただいた花束や、店頭で購入したミニブーケなどは、可愛いラッピングで包まれていると思います。

外してしまうのはもったいないですが、ラッピングされていることで、お花の通気性が下がってしまうため、まずは花を包むフィルムやリボンなどを、丁寧に外していきましょう。

 

茎がゴムなどで束ねられていたら、茎が傷つかないよう慎重に切り外します。

もし茎先に保水ゼリーなどがついていたら、やさしく洗い流しましょう。

不要な葉を取り除く

せっかくの切り花は、葉も余すところなく楽しみたいところですが、ここで余分な葉を落とすのが花を長持ちさせることに繋がります。

 

まずは、茎の下のほうに付いている葉を落としましょう。

茎下の葉は水に浸かりやすく、腐敗して雑菌を増殖させる原因になります。

下に付いている葉は、遠慮せずすべて落としてしまっても問題ありません。

 

また、葉やつぼみがたくさん付いているお花は、間引きしておきましょう。

頑張って水を吸い上げても、葉が多すぎると花まで水が行き渡らない原因になります。

すべて落としてしまうと寂しいですから、数枚だけ残しておくといいでしょう。

水切りを行なう

葉を間引いたら、次はボウルやバケツなどの容器に水を張り、水に茎先を浸けましょう。

少量のお花であれば、コップや深みのあるお皿などを使っても構いません。

 

ハサミを用意して、水中に浸けたままで茎の先端を1~2cmほど斜めにカットします。

ゴムなどで茎が傷ついていれば、傷ついた部分を切り落とします。

 

このとき、水に浸けたままで切るのは、道管に空気を入れないようにするためです。

空気が入ってしまうと、水分を吸い上げづらくなりますから、水きりの際には水中でのカットを忘れないでくださいね。

また、切り口を斜めにすることで、水分を吸い上げる面積が広げられます。

 

水切りのに使用するハサミは、可能であれば園芸用のハサミがおすすめです。

園芸用のハサミは、普通のハサミよりも刃が薄くなっており、茎を切る際に道管を潰さずカットすることができるのです。

もし園芸用のものがなければ、切れ味の良い清潔なハサミで行なってくださいね。

清潔な花器に生ける

水切りが終わったら、いよいよ花瓶などに切り花を生けましょう。

ここでのポイントは、清潔な花瓶を使うということです。

しばらく使っていなかった花瓶は、特に注意が必要です。

 

まずは洗剤できちんと洗い、清潔な状態にしてから水を入れます。

口が細くてスポンジなどが届かない花瓶には、泡タイプの漂白剤をスプレーするのがおすすめです。

数分放置してしっかり洗い流してから、水を入れましょう。

 

花瓶を清潔に保つことが切り花を長持ちさせる基本ですから、水替えのタイミングで花瓶を洗う癖をつけておくといいですね。

花瓶の水の量にも注意しよう

皆さんは、花瓶に水を入れるときにどのくらいまで注いでいますか?

 

切り花にはお水が欠かせませんから、たっぷり注いでいる方もいらっしゃるでしょう。

ですが、切り花を長持ちさせるには、お水の量を少なめにするのも重要なポイントなのです。

 

先述したとおり、切り花は茎の切り口から水分を吸い上げます。

つまり、その切り口の部分だけが水に浸かっていれば充分なのです。

 

茎が水に浸かる面積が多いほど、雑菌が繁殖して水の汚れが進みます。

水の量は最低限にして、こまめに毎日水を替えましょう。

気温が上昇する夏場や、花瓶に挿している花の数が多い場合には、気持ち多めに水を入れておけば安心です。

花の種類で水量を調節する

茎が柔らかめのお花については、ご紹介したとおりに少量のお水で問題ありません。

水分をたくさん吸い上げるユリやチューリップなどは、少し多めに入れておくと良いでしょう。

 

ただし、アジサイやシャクヤクなどの枝物や茎が硬いお花に関しては、たくさん水を入れておくと良いため、花瓶の7~8分目を目安にして、たっぷり水を入れましょう。

こまめな水替えと水切り

できれば毎日水替えをして、水替えのタイミングで一緒に水切りも行ないましょう。

せっかく清潔な水に入れ替えても、茎先が汚れていては意味がありません。

 

水替えの都度バケツなどを出すのは大変ですから、台所などでコップを用意して行なえば、あまり面倒がなく水切り作業ができます。

風通しの良い日陰に置く

切り花は、ある程度明るい日陰に置きましょう。

植物には日光が重要ですから、太陽がさんさんと差し込む場所に置いたほうがいいのかな?と思いますが、強すぎる日光はかえってダメージを与えます。

 

直射日光などに当たりすぎると葉が日焼けを起こした状態の「葉焼け」になり、光合成を行なう大切な組織が壊れてしまいますし、せっかく頑張って吸い上げた水分が蒸発してしまうのです。

 

切り花を飾る場所は、急激な温度変化の少ない明るい日陰を選び、エアコンなどの風が当たらない場所に飾りましょう。

飾る量を減らす

大きな花束などにはたくさんの切り花が使われていますが、ひとつの花瓶に多い本数の切り花をまとめていると、花や花瓶の水が蒸れやすくなり、雑菌の繁殖を促してしまいます。

本数が多ければ、いくつかの花瓶に分けて飾り、余裕を持たせましょう。

 

もし花瓶が足りなければ、コップや瓶などを使ってもいいですね。

大きくて口の広い花瓶があれば、そちらに移してゆったりと飾りましょう。

切り花にハイターを使うと長持ちする?

ここまでは、切り花の日々のお手入れ方法についてご紹介してきました。

こまめな水替えと水切り、花瓶の掃除によって、清潔な環境を保つことが、切り花には何よりも大切ですね。

 

ですが、忙しくされている方は、こまめなお手入れが難しい場合もあるでしょう。

そんなときに登場するお役立ちアイテムが、ハイターなのです。

続いては、気になるハイターの効果や活用方法をお伝えしましょう。

切り花にハイターが効果的な理由

お話ししたとおり、切り花を長持ちさせるためには、花瓶の水や茎を清潔に保つことが大変重要です。

塩素系漂白剤であるハイターは、適量を使うことで水中の雑菌繁殖を防ぎ、花瓶の水を清潔に保つ効果があるのです。

 

塩素系漂白剤には、ハイター以外にもキッチンブリーチなどはありますから、ハイターに限らず、塩素系の漂白剤が効果的だということです。

投入するハイターの適量は?

塩素系漂白剤は、かなり強い薬剤ですから切り花に本当に使っていいものか心配ですね。

ご心配のとおり、ハイターの量は僅かで充分です。

 

水が200~300mlあたりに対して、ハイターは1、2滴だけ投入すれば、充分な防菌効果を発揮してくれます。

1、2滴だけ注ぐというのはなかなか難しいので、スポイトなどを使うと入れすぎることがなく安心ですね。

ハイターは入れすぎに注意!

花瓶の水にハイターを入れる際には、入れすぎないよう注意してください。

よく、「ハイターを入れると花が長持ちするらしいので入れてみたけれど、すぐに枯れてしまった」という声がありますが、これはハイターを入れすぎたのが枯れた原因でしょう。

 

ご存知のように、ハイターは強力な薬剤です。

適量以上を投入すれば、切り花は長持ちさせるどころか傷んでしまい、最悪翌日に枯れてしまうという事態も起こります。

 

もし、1滴だけの投入がどうしても難しければ、ハイターを入れすぎるよりも使用しないほうが、切り花は長持ちするでしょう。

使う場合には、量に充分注意して投入してくださいね。

ハイターを入れても水替えは行なう

ハイターには完全な殺菌作用はなく、雑菌の繁殖を抑えるのが投入の目的です。

入れない状態と比べると水の汚れは少なくなりますが、それでもこまめな水替えは必要になります。

 

特に、高温多湿でバクテリアの喜ぶ環境下である夏場には、水の汚れが進むのも早いため、水替えはこまめに行ないましょう。

ハイターを使用していても、こまめな水替え+水切りをセットで行なうのは基本になります。

ハイターと延命剤の違いは?

お花屋さんで花を買ったり、ギフトとしていただいたりした花束には、延命剤が付いていませんでしたか?

 

延命剤とは、切り花を長く美しく保つために混ぜる薬剤です。

延命剤には防菌作用とあわせて栄養分が含まれているので、お花が長持ちするのです。

 

実は、延命剤に含まれる防菌効果には、ハイターと似ている成分が使われています。

ですから、より水を清潔に保ちたいからと、延命剤と一緒にハイターを投入してしまうと、薬剤の量が多すぎてお花が傷んでしまいます。

 

お花を頻繁に購入する方などは、手元に延命剤があると便利ですね。

あまり切り花を生ける機会のない方は、延命剤の代用品としてハイターを使えば充分かもしれません。

ハイター+砂糖で延命剤の代用になる?

延命剤には、花瓶の水へ作用する防菌効果にあわせて、切り花のエネルギーとなる養分、つまりはブドウ糖などの糖分が含まれています。

 

では、ハイターと一緒に砂糖を投入すれば、栄養分も含まれた延命剤の代わりになるのでしょうか?

 

実はそのとおりで、200~300mlの水量に対して、小さじ1杯の砂糖を入れれば、自家製の延命剤が作れます。

花瓶に生けている花の本数が多い場合には、少し多めに砂糖を入れても大丈夫です。

 

咲きかけているつぼみがなかなか開かなかったり、花の色が劣化していったりと、栄養不足が生じている場合には、気軽に作れる延命剤の代用を試してみましょう。

 

ただし、砂糖を入れることで、水が汚れやすくなるという難点があります。

切り花にとっての栄養となる糖分は、雑菌にも美味しい栄養分なのです。

バクテリアなどの発生が高まりますから、砂糖を入れる場合には、さらに水を清潔に保つ意識が必要になります。

切り花はサイダーでも長持ちする?

「切り花にハイターを使うと良い」という以外に、「サイダーを使うと花が長持ちする」という話を聞いたことはないでしょうか。

 

実はこれも有効な手段で、砂糖を投入するのと同じ理由になります。

しかも、サイダーのほうが砂糖よりも効果的な栄養剤の役割を果たしてくれるのです。

 

サイダーに含まれている「果糖ブドウ糖液糖」とは、砂糖よりも粒子が小さい糖になります。

細かい粒子であるほど、茎の道管からは養分を吸い上げやすくなります。

 

ただし、強すぎる炭酸は茎に強いダメージを与えますから、切り花に使う際には炭酸をある程度抜いた状態にしておきましょう。

サイダーを切り花に使う量としては、水4:気の抜けたサイダー1ぐらいの割合で、充分な効果を発揮してくれますよ。

ハイターとキッチンハイターはどちらがいい?

「家にハイターとキッチンハイタ―の2種類があるけど、どちらを使ったほうがいいんだろう?」

どちらもお家にあって悩んでいる方は、キッチンハイターをおすすめします。

 

ハイターもキッチンハイターも、どちらにも次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。

両者とも塩素系漂白剤ではありますが、キッチンハイターにだけは界面活性剤成分が含まれています。

界面活性剤には、花にあるエチレンという老化ホルモンを抑制する効果があるのです。

この界面活性剤は、ハイターには含まれない成分になります。

 

キッチンハイターのほうが、除菌効果+花の老化抑制効果があるので、どちらを使おうか迷った場合にはキッチンハイターを使うといいでしょう。

まとめ

今回は、ハイターを使って切り花を長持ちさせる方法や、なぜハイターが有効なのかについてご紹介してきました。

 

切り花を長持ちさせる方法には、今回ご紹介したハイターを使う以外にも、さまざまな方法があります。

しかし、どの方法にも共通するのは、「水や茎を清潔に保つこと」です。

切り花の基本のお手入れ方法をマスターして、こまめな水替えと水切りで、美しい切り花を長く楽しみましょう。