竣工祝いにおすすめの贈り物は?花の選び方と贈り方のマナーを解説
建物の完成を祝い、工事関係者や取引先にお披露目を行う竣工祝い(しゅんこういわい)。
主に企業が建物を建てた際に行われる神事ですが、一般の住宅であっても注文住宅を立てた際には行われることが多いです。
竣工祝いは、施行者が関係者を招待する形式で開催されるため、竣工式に参加する際にはお祝いを持参するのが一般的なマナーとされています。
施工祝いの贈り物には、お祝いのシーンを華やかに彩る胡蝶蘭やフラワーアレンジメントが最適です。式典にはビジネス関係で招かれるケースも多いため、花を贈る際のマナーを確認しておくことも欠かせません。
この記事では、竣工祝いにふさわしい花の選び方と、贈り方のマナーについて解説します。
竣工祝いはどのようなお祝い?
竣工祝いとは、建物の完成を祝って行われる神事です。工事関係者や取引先などを招いて建物のお披露目が行われます。建物の建築に関わるお祝いには、他にも地鎮祭や上棟祝い、竣工祝いに似た落成祝いがあります。
まずは、それぞれの違いについて押さえておきましょう。
建物の建築に関わるお祝い
建物の建築に関わるお祝いには、主に以下のようなものがあります。
行うタイミング | 目的 | |
地鎮祭 | 着工時 | 建築前に工事の安全や家内繁栄を祈願する神事 |
上棟祝い(上棟式) | 骨組みの完成時 | 工事関係者に対し、骨組みが完成したことに感謝し、今後の工事の安全を祈願する式典 |
竣工祝い(竣工式) | 引き渡し後 | 建物の完成を祝い、工事関係者や取引先に感謝する神事 |
落成祝い(落成式) | 引き渡し後 | 建物の完成を祝い、お披露目する式典 |
コンクリートや鉄骨を使用した住宅など、木造住宅のような上棟がない建築方法も増えているので、最近は上棟祝を行わないケースも多い傾向です。
また、竣工祝いと落成祝いはどちらも建物の完成を祝います。しかし、落成祝いは建物のお披露目という要素が強く、工事関係者だけではなく近隣住民なども招くところに違いがあります。公共の建物などを建てる際には、落成祝いとすることが多いです。
竣工祝いでは建物の完成に感謝して神事(神に捧げるために行われる行事)が行われるのに対し、落成祝いでは神事は行わないという違いもあります。
竣工祝いの贈り物には胡蝶蘭がおすすめ
竣工祝いには、お祝いの気持ちを込めた贈り物として、花のギフトが多く選ばれています。花の中でも高級感があり縁起物とされている胡蝶蘭は、竣工式を華やかに彩ってくれるので喜ばれる贈り物です。
胡蝶蘭はその見た目の華やかさ以外にも、竣工祝いにふさわしい理由がいくつもあります。ここでは、竣工祝いの贈り物に胡蝶蘭がおすすめの理由を見ていきましょう。
また、規模の小さい祭典や個人宅へのお祝いであれば、胡蝶蘭より手軽に贈りやすいフラワーアレンジメントがおすすめです。
竣工祝いで豪華なスタンド花を手配するケースもありますが、式典の会場が広く、飾るスペースがある場合に限られます。事前に確認を取り、相手先のふさわしいサイズ感や種類の花を選びましょう。
縁起の良い花言葉がある
胡蝶蘭には、「幸福が飛んでくる」という縁起の良い花言葉があります。これは、胡蝶蘭の咲く姿が蝶が飛んでいるように見え、蝶が幸せを運んでくるというイメージから付けられた花言葉です。
また、「鉢植え」は根を張ることから、「建物がその土地に長く根付きますように」という繁栄の意味合いを込めて贈ることができます。
建物は、住宅であれば家族を、企業の施設であれば多くの人を迎え入れる役割を担うことになります。これからその建物に、たくさんの幸せが訪れますようにという気持ちを込めて贈ることができる胡蝶蘭は、数多くの竣工祝いで選ばれるギフトです。
美しい状態を長く楽しめる
胡蝶蘭は、美しい花が咲いた状態を2〜3ヶ月という長い期間楽しめるのが特徴です。生花なので咲き終わったあとは処分できて、相手に負担を与えることがありません。
竣工祝いには縁起物のだるまや招き猫といった飾り物が選ばれるケースもありますが、お祝いのあとの置き場所に困ってしまうケースも考えられます。贈ったあとに相手の負担にならないのも、胡蝶蘭をはじめとする花の贈り物を選ぶメリットです。
お手入れが簡単
胡蝶蘭は基本的に水やりのみで育つので、お手入れが簡単です。竣工祝いのあとは、引っ越し作業や手続きなどで忙しくなりやすいため、管理をしやすい胡蝶蘭がおすすめできます。
商業施設や企業の建物に関する竣工祝いであれば、式のあともエントランスなどに飾れて、建物のオープンを賑やかに演出する役割としても喜ばれるはずです。
注文住宅であればフラワーアレンジメントもおすすめ
華やかな胡蝶蘭ですが、サイズによっては置くための場所を確保するのが大変です。個人の注文住宅などの竣工祝いの規模によっては、胡蝶蘭よりコンパクトに飾れるフラワーアレンジメントを贈るのも良いでしょう。
花瓶がなくてもそのまま飾れて、花束とは違って水替えなどのお手入れが必要ないのがフラワーアレンジメントのメリットです。花の種類や色味のバリエーションも豊富なので、相手の雰囲気に合わせて花を選ぶと特別感のある贈り物として喜ばれるでしょう。
竣工祝いに贈る胡蝶蘭の選び方
竣工祝いには、贈り先にふさわしい色合いの胡蝶蘭やフラワーアレンジメントを選びましょう。大きなサイズの胡蝶蘭は豪華で華やかですが、飾るためにはある程度の広いスペースが必要になります。配送で大きな胡蝶蘭を手配する場合は、配送日時を相談する段階で、相手先と置き場所の確認も行っておくなどの配慮も心がけましょう。
ここでは、施工祝いに贈る胡蝶蘭の選び方を紹介します。
色
胡蝶蘭には、白、ピンク、赤リップなどのさまざまなカラーがあります。
その中でも、ビジネスシーンで贈り先を選ばずに遅れるのが白色の胡蝶蘭です。白色の胡蝶蘭は上品でありながらもフレッシュな印象を与えるので、竣工祝いのような新たな門出のシーンの贈り物にも最適です。
他とは差を付けた贈り物を選びたい場合には、白色より目立つピンク色の胡蝶蘭はいかがでしょうか。温かみが感じられるピンク色の胡蝶蘭は、式典の会場ではひときわ目立ちます。
赤リップは縁起物の紅白カラーの胡蝶蘭です。これは、白い胡蝶蘭の中心が赤いリップのように見えることから赤リップという名が付いています。紅白のおめでたいカラーなので、竣工祝いに選ぶのもおすすめです。
サイズ
胡蝶蘭を贈る際には、相手の負担になることのない、贈り先にふさわしいサイズの胡蝶蘭を選びましょう。ビジネスシーンで贈る場合は、大輪(花の直径が10cm以上)の胡蝶蘭を選ぶのが基本です。
胡蝶蘭は「立て数」という、一つの鉢の中に数本の胡蝶蘭を寄せ植えにして仕立てられています。お祝い事である竣工祝いには縁起の良いとされる「3、5、7本立て」を選び、不吉なイメージのある「4、9本」を贈るのは避けましょう。
竣工祝いの贈り物の相場
竣工祝いは、相手との関係性に応じて、ふさわしい金額のお祝いを選びましょう。
特にビジネスシーンで贈る場合は、あまりにも相場とかけ離れた金額の贈り物は、失礼に当たったり、相手にお返しの心配をさせてしまう結果になりかねません。式典が開催される場合は、お祝いのお返しとして引き出物が用意されるケースも多く、引き出物は相場を想定して用意されています。
相手に失礼のない竣工祝いを手配するためにも、お祝いの相場について知っておきましょう。
取引先に贈る竣工祝い
取引先など、ビジネスシーンで贈る竣工祝いの相場は20,000円~50,000円です。普段の付き合いを考慮して金額を選びましょう。付き合いの深い企業に贈る場合は、50,000円以上の高価な贈り物を選ぶケースもあります。
多くの招待客が招かれるような竣工祝いでは、企業からたくさんの花が届くことが想定されます。会社を代表して贈る花なので、見劣りしないように相場より少し高めの金額を選ぶという企業も少なくありません。
会社内で竣工祝いに関する共通の取り決めがある場合もあるので、事前に確認を行い、会社を代表するのに恥ずかしくない花を選びましょう。
知人や友人に贈る竣工祝い
知人や友人に贈る竣工祝いの予算は、10,000円~20,000円です。胡蝶蘭を選ぶ場合は、飾りやすい小ぶりなサイズの物を選ぶケースが多くなります。
注文住宅の竣工祝いであれば、胡蝶蘭ではなく相手のイメージに合ったフラワーアレンジメントを選ぶ方も多いです。フラワーアレンジメントは胡蝶蘭よりもカジュアルな印象で手軽に贈れるため、友人の新居などの竣工祝いで贈ると喜ばれるはずです。
身内に贈る竣工祝い
身内に贈る竣工祝いの相場は、10,000円~30,000円です。身内に贈る場合は家庭によって相場にかなり差があります。普段のお付き合いの深さも考慮して金額を選びましょう。不安な場合は、両親や親戚に相場を確認してから手配するのが安心です。
特に夫や妻の親戚にお祝いを手配する場合は、自身で考える相場とは違うケースもあるので、夫や妻から確認を取ってもらうなど、金額の相場を共有しておきましょう。
会場によっては竣工祝いにスタンド花を贈るのもおすすめ
式典の会場が広く花を飾るスペースが十分にある場合に限り、スタンド花を贈ることもできます。竣工祝いでは、お祝いを華やかに彩る明るい色合いのスタンド花が好まれます。温かみの感じられるピンク系や華やかさのあるオレンジ系の色合いが選ばれるケースも多いです。
それ以外にも、贈る会社のコーポレートカラーを選んだり、ロゴの色合いなどから花の色味を選んだりするのも良いでしょう。
配送後のイメージ違いで残念な思いをしないためにも、花屋さんにオーダーで依頼する場合には、花を贈る用途を伝えた上で、会社のイメージや雰囲気などを必ず共有しておくことが大切です。
竣工祝いで贈り物をするタイミング
竣工祝いに贈る胡蝶蘭やスタンド花を選んだら、大きなサイズのものは配送で手配しましょう。しかし、どのタイミングで送れば良いのか分からないという方もいますよね。せっかく選んだお祝いの花も、配送のタイミングが悪いと会社のイメージが悪くなってしまうことにもなりかねません。
ここでは、竣工祝いで贈り物をするタイミングを解説します。配送で手配する前には、招待状の内容をしっかり確認し、贈り先の会社名や開催日時などを間違えないように気を付けましょう。
式典に参加する場合
式典会場に配送で手配する場合は、式典当日の前日に届くように手配するのが一般的です。事前に会社に花を贈りたい旨を伝え、配送が可能かどうか、受け取り時間に制限はあるかなども合わせて確認しておきましょう。
また、相手先がお祝いをお断りしている場合は、基本的に遠慮するのがマナーです。しかし中には、遠慮している場合でも念のため形だけであっても持参するケースもあるので、会社の意向に合わせて用意しておきましょう。
式典に招待されていない場合
式典に招待されていない場合でお祝いを贈りたい場合は、あまり早く贈ってしまうと、相手側が式典に招待しなかったことを気にしてしまう可能性もあります。式典が開催される前日か、式典後であれば1ヶ月以内を目安に手配するように心がけましょう。
稀に、工事が遅れているなどの理由で、式典の開催が延期になるケースもあります。その場合は無理して贈らず、先方から延期日、あるいは完成日などの連絡があってから手配したほうが相手に負担がかかりません。
竣工祝いに花を贈る際のマナー
最後に、花を贈る際のマナーについて解説していきます。マナー違反をしていると、花を贈ってもマイナスな印象を持たれてしまうかもしれません。しっかりとマナーを確認して相手に迷惑をかけることのないようにしましょう。
竣工祝いに招かれるときは、式典の開催が決まった時点で招待客に招待状が贈られるケースがほとんどです。中には、招待状の時点でお祝いを遠慮してる場合もあるので、手配をする前に必ず確認しておきましょう。
花には立て札を付けて手配する
お祝いの胡蝶蘭やフラワーアレンジメントには、立て札を付けて手配するのがマナーです。特にビジネスシーンの贈り物では、誰からの贈り物であるかを明確にするために必ず付けて手配するように気を付けしましょう。フォーマルなお祝いでは、紙札ではなく木札を使用するのがマナーです。
立て札を付けることで、自社の会社名をアピールする効果も期待できます。また、多くの企業からお祝いの花が届くのは、主催側の企業の人脈の広さをアピールするという意味でも喜ばれることでしょう。
立て札の表書きは「祝竣工」、あるいは「竣工祝い」「竣工御祝」とし、贈り主の社名や代表者の役職や氏名を記載します。連名で手配することもできますが、人数が多い場合は「〜一同」などと記載したほうがスマートです。
贈り物をする場合は熨斗(のし)を付けて手配する
花と一緒に品物も手配する場合は、熨斗を付けて贈ります。熨斗は紅白で蝶結びの水引を使用し、表書きは「祝竣工」「竣工祝い」「御竣工御祝」などとするのが一般的です。
一緒に贈る贈り物は、縁起物の招き猫やだるまの他、お酒などが一般的です。もう少しカジュアルな贈り物であれば、社内で配りやすい小分けの飲料やお菓子などが選ばれます。贈り先によっては現金を添えるケースもあります。
贈り物やラッピングに赤は避ける
新築祝い同様、「火(火事)」を連想させる品物や赤色のラッピングを避けるのがマナーです。ただし、企業のコーポレートカラーが赤色の場合などは、贈っても問題ないとされるケースもあります。直接渡せず配送で手配する場合は、配送日の調整を行う際にコーポレートカラーである赤色の花を贈りたい旨を伝えておくと良いでしょう。
配送で手配する場合は必ず事前に配送日の調整を行う
配送で手配する場合は、必ず花を贈りたい旨を伝え、事前に配送日の調整をしておくのがマナーです。生花の配送はデリケートなので、不在で持ち戻ってしまうことも考えられます。
また、式典当日に手配する場合は、会場側で受け取り日時の指定があるケースも珍しくありません。せっかくのお祝いの胡蝶蘭が当日に届かないという事態を避けるためにも、配送日の調整は必ず行いましょう。
竣工祝いには華やかな花のギフトを贈ってお祝いの気持ちを届けよう
竣工祝いには、華やかな花のギフトでお祝いの気持ちを届けましょう。仕事関係であれば、会社を代表し手配することになるお祝いの花です。花を手配する際には、会社の取り決めやビジネスマナーも心得え、相手側に失礼のない花贈りを心がけることが大切です。
竣工祝いの花は祝福の気持ちが伝わるのはもちろん、会場を華やかに演出するためにも喜ばれることでしょう。