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胡蝶蘭を捨てる・手放す理想的なタイミングとは

お祝いでいただくことの多い胡蝶蘭。その見た目はとても美しく艶やかです。存在感が多くの人の目を引き、多くの人がその美しさを堪能することでしょう。

胡蝶蘭の花は非常に長く楽しむことができ、一般的に1カ月、2カ月以上も花が咲き続けることがあるのです。

しかし、残念なことに胡蝶蘭の花もいずれは枯れてしまいます。

また、枯れてしまった以外にも、さまざまな事情で置いておけない、育てられない……など理由で処分を考えることもあるかもしれません。

この記事では、胡蝶蘭を手放す理想的なタイミングについて解説していきます。

 

胡蝶蘭はどんな植物?

胡蝶蘭は、白い美しい形の花をつける植物です。学名を「ファレノプシス・アフロディーテ」と言います。

ファレノプシスは直訳すると「蛾のように」、アフロディーテは愛と美と性を司るギリシャ神話の神の名前です。一方でアフロディーテは戦いの神でもあるのです。

強さと美しさを兼ね備えた女神の名前、そして「蛾のように」と例えられる美しさを兼ね備えた植物が胡蝶蘭なのです。

蛾と言えば私たち日本人は、あまり美しいというイメージを持っている方は少ないかもしれません。しかし、美しい羽根を持つ蛾も数多くいるので、海外では美しいものとして捉えられています。

 

胡蝶蘭の花の美しさ

胡蝶蘭の花は、蝶が羽を広げたような形をしており、純白の流通が多いです。しかし、紫やピンク、青や、リップが赤い紅白の胡蝶蘭など、カラーバリエーションも多いため、さまざまなシーンに贈りやすくなっています。

花の直径は約7cmで、株によっては10cmを超える花をつける胡蝶蘭もあります。

そんな胡蝶蘭の花は、茎から分岐した1本の花茎に連なるように花をつけます。少ないもので2から5輪程度の花をつけますが、多いものは10輪を超える数の花をつけます。10cmに近い大きな花が10輪以上連なるように咲き、数株を合わせることで圧倒感のある美しさを見せることになるのです。

 

胡蝶蘭はなぜ贈り物に選ばれやすいの?

お祝いでお花を贈ることを考えると、胡蝶蘭が頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。それほど胡蝶蘭はお祝いに贈るイメージが強くある植物です。

胡蝶蘭がお祝いで贈られるのには、胡蝶蘭の持つ花言葉が一つの要因です。もちろん、胡蝶蘭の花の美しさもその理由の一つであることは間違いがないのですが、それ以上に花言葉が影響しています。

胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」。その他にも、「純粋な愛」という花言葉も持っています。

「幸福を呼び込む」という花言葉から、開店のお祝い、事業所の開所のお祝い、移転のお祝いなどで贈られることが多いのです。さらに、新婚の方へのお祝いでは「純粋な愛」をいつまでもという意味も加えて贈ることができますね。

 

胡蝶蘭は自分で買うより贈られることの方が多い

上記では、胡蝶蘭は、その美しさと縁起のいい花言葉から贈り物であるということについてご紹介しました。

このような点から、胡蝶蘭は自分で購入して育てるものというよりは、誰かから贈られるという花であることが多いです。

したがって、育てる心構えがない状態で贈られることもあるかもしれません。それ故に、中には育てられない、手をかけられない、置く場所が確保できないなど、さまざまな事情で処分を考える方も多いようです。

胡蝶蘭も生き物で命があるわけですから、人間の都合で枯らしてしまったり、無下に捨てられてしまうのは心が痛みますよね。そこで、ここからは胡蝶蘭をいただいた際の手放すタイミングについて考えていくことにしましょう。

 

胡蝶蘭を捨てる・手放す適切な3つのタイミング

胡蝶蘭を捨てる・手放す際には、適切なタイミングが3つあります。

  • 胡蝶蘭が枯れてしまった場合
  • 花が終わったけど葉は生き生きしている場合
  • まだ花が咲いているけど置く場所の確保が難しい場合

以上の状況ごとに、捨て方や適切な手放し方についてご紹介します。

 

胡蝶蘭が枯れてしまった場合

まずは、枯れてしまうまでご自身で育成をしたのち、残念ながら枯れてしまったら処分をするというものです。

この方法は、贈り主の思いも大切にできますし、胡蝶蘭の命も大切に扱うことができるので理想的といえるでしょう。

胡蝶蘭は、枯れると葉がすべて落ちてしまいます。この場合でも根がしっかりとしていればまだ生きている可能性があることも。しかし、この状態から胡蝶蘭を復活させるのは、植物を育てるのに慣れた人でないと難しいかもしれません。

植物好きの人に譲るなどの対応を考えてあげるのが理想ですが、捨てると決断した場合は次の対応をしっかりとすることが大切になります。

 

枯れた葉、枯れた茎、枯れた根の捨て方

枯れた葉や枯れた茎、根は可燃ごみとして処分をすることとなります。そのままの状態でごみ袋に入れるとかさばりますから、細かく分割して可燃ごみとして処分しましょう。

また、胡蝶蘭が植えられている水苔は水分をしっかりと切ってから可燃ごみとして廃棄するようにしてください。

 

鉢や支柱の捨て方

胡蝶蘭の鉢には、プラスティック製のものや素焼き鉢が使われているのが一般的です。この場合は、ラスティック製のものは「プラごみ」、素焼き鉢は「不燃ごみ」として処分をすることとなります。素焼き鉢は大きさにもよりますが、自治体によっては粗大ごみの扱いになる場合があるため、事前に必ず確認しておきましょう。

支柱は、一般的に金属パイプの外側をビニールでコーティングしたものなので、短めの長さに切り、「不燃ごみ」や「缶以外の金属」として捨てることができます。長いものは粗大ゴミに分類されることもあるため、こちらも自治体の改修ルールを確認してください。

 

事業所や店舗の場合は事業系ごみとして処分をすることとなるので、ごみの回収の契約をしている会社に問い合わせ確認をすることが必要になります。

一般家庭の場合は、お住まいの自治体のごみの回収のルールに従って廃棄しましょう。

 

花が終わったけど葉は生き生きしている場合

胡蝶蘭の花の期間が終わり、花が落ちてしまった後に廃棄を考えるのであれば、回収業者を利用することをおすすめします。

胡蝶蘭はまだ生きていますから、しっかりと育ててあげればまた大輪の花を咲かせます。このような胡蝶蘭を回収してくれる業者が存在するのです。

花が終わったから捨てるのではなく、このような業者に引き取ってもらえば、贈り主の思いも胡蝶蘭の命も大切にすることができます。

しかし、胡蝶蘭の状態によっては回収に費用が掛かる場合もありますから、事前に問い合わせをして確認しておきましょう。

 

まだ花が咲いているけど置く場所の確保が難しい場合

事業所や店舗といった場所に贈られた胡蝶蘭は、適切な育成環境を確保できなかったり、ずっと胡蝶蘭を飾ったままにはできないこともあるでしょう。育成環境が確保できなければ、結果として胡蝶蘭は枯れてしまいます。

「まだ花を咲かせているけど、置く場所の確保が難しい」という場合は、胡蝶蘭を上記でも紹介したように引き取ってくれる業者を探しましょう。

胡蝶蘭は一般的に1カ月ほど花を咲かせ続け、環境を整えてあげれば2カ月も花を維持することも可能です。

また花が咲いている早めの段階で手放すことになった場合には、業者が買い取ってくれるケースもあります。頂いたものを買い取りに出すのはいくらか気が引けるのも事実ですが、胡蝶蘭の命を思えば、その選択は間違いではないでしょう。

 

胡蝶蘭の処分を買い取り業者に依頼する際の注意

胡蝶蘭の買い取り業者は意外に多く存在します。しかし、どこにでもあるというわけではありません。

買い取り業者における買い取り価格は、胡蝶蘭のニーズ、胡蝶蘭の状態によって異なります。また、買い取り業者ごとに基準が異なるために、業者間での買い取り価格には大きなばらつきがあることも。

ここからは、胡蝶蘭を業者に引き取ってもらう際の注意点について、以下のポイントに分けて解説していきます。

  • 値段がつかないこともある
  • 回収費用を請求されることも
  • 輸送費がかかる場合も

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

値段がつかないこともある

胡蝶蘭の買取価格は、胡蝶蘭の状態に大きく左右されます。その他、胡蝶蘭市場の動静の影響も受けることもあるでしょう。

贈られて間もない胡蝶蘭の場合は、多くの場合値段が付きますが、花が落ちてしまった胡蝶蘭の場合は値段がつかずに引き取ってもらうだけになることもあります。

業者によっても買取価格にはバラつきが生じるため、胡蝶蘭の買い取りは複数社にあたって買い取りをしてもらう先を選定すると良いでしょう。

 

回収費用を請求されることも

稀ではありますが、胡蝶蘭の状態や市場の動静によっては買い取り価格がつかないだけでなく、引き取りに費用を請求される場合もあります。

このような場合には、胡蝶蘭をゴミとして処分する際にかかる費用と、改修費用のどちらの方がメリットがあるのかを検討する必要があるでしょう。

結果としてゴミとして廃棄する場合は、上記でも紹介した「葉や茎の捨て方」「鉢や支柱の捨て方」を参考に、ごみの回収のルールに従って廃棄しましょう。

また、胡蝶蘭は趣味で育てている方も多くいます。欲しいという方を探してみるのもおすすめです。

 

輸送費がかかる場合も

胡蝶蘭の回収を依頼する場合、鉢数が多ければ回収に来てくれることが大半ですが、小さな鉢の場合は宅急便で郵送してほしいといわれる場合もあります。この場合の送料は、依頼主側の負担となる場合が大半です。

代金との相殺をしてくれるのであれば助かるとも言えますが、胡蝶蘭はかさばるため輸送代が高い傾向があります。輸送代がかかるかもしれないことも念頭に置いておきましょう。

 

そのまま育てるのが1番の理想!

理想は、胡蝶蘭が寿命を全うするまで育てるのが理想であることは言うまでもありません。

胡蝶蘭は比較的育てやすい植物といわれており、水やりと育てる環境に気を使えばすぐに枯れてしまうようなことはないでしょう。

捨てるタイミングにお悩みの方は、もう一度育てて来年も花を咲かせてみませんか?

最後に、胡蝶蘭はどのような環境で育てるのが理想なのかを解説していきます。

  • 直射日光を避ける
  • 低温に注意
  • 水やりは数日に1回程度

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

 

直射日光を避ける

胡蝶蘭は直射日光が当たると葉が焼けてしまいます。そのため、カーテン越しの木漏れ日が差し込むような環境が理想の環境となります。

元々はジャングルの高木の幹や枝に着生し自生する植物なので、木漏れ日が程度の日の光が理想的なのです。

また、日が当たらない環境では光合成を十分に行うことができず、枯れる要因となります。したがって、胡蝶蘭の鉢を置く場所はある程度の日の光が入ってくる場所でないとなりません。

一般的な家庭であればこのような環境の場所が少なからずあるかもしれませんが、事業所や店舗となると、窓のない物件の場合もありますし、地下の物件もあるため、場所を確保するのが難しい場合もあるでしょう。このような場合は、胡蝶蘭を家に持ち帰って育てたり、譲ったり、捨てたり、早めに買取業者に引き取ってもらうなどの選択を取る必要があります。

胡蝶蘭は、カーテン越しの柔らかな日が差し込む場所で育てましょう。

 

低温に注意

胡蝶蘭を育てるうえで、室温は重要な要素です。

胡蝶蘭は東南アジアの熱帯産の植物のため、暑さには強いですが冬の寒さには弱く、低温は胡蝶蘭を枯らす要因となります。

胡蝶蘭を育てるために最適な室温は、18℃から25℃です。

四季のある日本では、晩秋から早春にかけてこの適温を下回る環境になることも多いでしょう。そのため、外で放置することは絶対に避けてください。

また、室内と言っても油断はできません。玄関先や風通しのいい場所では季節によってはこの適温を下回ってしまいます。特に事業所や店舗では、無人の時間帯はエアコンを切ってしまうため胡蝶蘭が適温以下の環境にさらされることもあるでしょう。

寒い季節になったら窓辺から離し、気温が高くなりやすい部屋の中央などに置き場所を変えたり、段ボールや毛布を使って鉢ごと覆って寒さから守る方法もあります。

 

水やりは数日に1回程度

贈られる胡蝶蘭の多くは、水苔に植えられています。水やりの方法や頻度は、この水苔が乾いたらコップ一杯程度の水を与えるのが理想的です。

胡蝶蘭は着生植物のため、水分を土壌から吸い上げるというよりは、空気中の水蒸気に含まれる水分を根から吸収して育ちます。そのため、水を与えすぎると根腐れを引き起こしてしまうのです。根腐れしてしまうとそのまま枯れてしまったり、なかなか元の元気な状態まで回復させることは難しいので、水やりのタイミングには気をつけましょう。

水分が不足すると葉の張りがなくなり、しわが寄ったように縮んでしまいます。このような場合も、元の状態に戻すことは困難です。

水やりは多すぎても少なすぎても結果的に胡蝶蘭に大きなダメージを与えることになるので気をつけてください。

 

まとめ

今回は、胡蝶蘭を捨てるタイミングについてご紹介しました。

一般家庭であれば、最後にご紹介した胡蝶蘭の育て方のポイントをおさえて胡蝶蘭を育てることも可能ですが、店舗や事業所といった場所では環境を維持することが難しい場合もあります。

そういった場合に、考えなければならないのが胡蝶蘭を手放すタイミングとその方法についての知識です。

胡蝶蘭も命を持った生き物であり、贈り主からの思いも込められたプレゼントであることも多いです。育てるのが難しい場合は適切な対応をして、お祝いの気持ちを無下にしないようにしましょう。

 

胡蝶蘭の育て方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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