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ポトスの人気品種・ポトスエンジョイ|特徴や育て方

ポトスといえば、観葉植物の種類にあまり詳しくない方でも、おそらく一度は耳にしたことのあるポピュラーな品種ですよね。その育てやすさから人気が高く、観葉植物を初めて育てる方の入門となる一鉢としてもおすすめです。

そんなポトスには多くの品種が存在していますが、中でも人気があるのが今回ご紹介する「ポトス・エンジョイ」です。

今回は、ポトス・エンジョイの特徴から基本的な育て方まで、その魅力や管理方法を詳しくご紹介したいと思います。

 

ポトス・エンジョイの基本情報

まずはポトス・エンジョイの基本情報を見てみましょう。

科・属 サトイモ科・エピプレムヌム属(ハブカズラ属)
和名 黄金葛(おうごんかずら)
英名 Golden pothos
学名 Epipremnum aureum N’Joy’
原産地 ソロモン諸島

 

ポトス・エンジョイとは

ポトス・エンジョイとは、サトイモ科であるポトスの品種のひとつです。ポトスは以前、ポトス属として分類されていましたが、現在ではエピプレムヌム属(ハブカズラ属)に分けられています。以前の属名の名残でポトスと呼ばれ、現在でもポトスの名前で流通しています。

観葉植物の中でもポトスの人気が高い理由としては、初心者でも育てやすいという点もありますが、みずみずしく美しい葉の観賞価値が高いのも理由のひとつです。観賞用として美しいポトスの中でも高い人気を誇っているのが、今回ご紹介するポトス・エンジョイになります。

 

魅力的な覆輪のポトス・エンジョイ

花びらや葉の縁が彩られているものを覆輪と呼びますが、ポトス・エンジョイはこの覆輪がひときわ美しい品種になります。

ポトス・エンジョイは、もともとはポトスの突然変異種でしたが、その美しさからオランダで栽培され商品として販売されるようになりました。

日本でも2007年から栽培に着手され、市場へ流通するようになったのは2008年から商品流通するようになった品種であり、栽培から流通までは最近始まったばかりの比較的新しい品種なのです。

 

ポトス・エンジョイの花

ポトスは花を咲かせる観葉植物ですが、開花はほとんど見られない貴重な機会です。

実はポトスは、ポトス属から現在の分類のエピプレムヌム属になるまで、4回もの分類変更を経ていますが、開花しやすい観葉植物であればもっと早くに正しい分類ができたのではないかと推測されています。

ポトスを栽培している生産者を始め、長年に渡ってポトスを育てている人でも、ポトスが開花する瞬間にはなかなか出会えないといわれています。

そんなポトスが開花すると、サトイモ科に特徴的な「肉穂花序(にくすいかじょ)」という棒状の花をまっすぐに伸ばして咲きます。

 

花言葉

花を咲かせるのが難しいポトスですが、ポトス全般として「長い幸」「永遠の富」「華やかな明るさ」の花言葉を持っています。

「長い幸」や「永遠の富」の花言葉は、ポトスが生命力の強い植物で、切ったつるを水に挿すことで手軽に増やしていける繁殖力の高さが由来です。縁起の良い花言葉ばかりですので、グリーンギフトとしても選ばれています。

 

名前の由来

ポトス全般の名前の由来については、かつて分類されていた属名が由来していることは先述のとおりです。

他にもポトスは、英名では「Golden pothos」「Devil’s ivy」と呼ばれ、和名では「黄金葛(オウゴンカズラ)」と呼ばれています。これは、つやのある葉に薄い黄色の斑模様が入っている様子を黄金色に例えているためです。

ちなみに和名にある「葛(かずら)」とは、日本で古くからつる性の植物を指す名称です。

 

期待できる風水効果

環境学のひとつである風水では、花や観葉植物をきれいな家に飾ることで風水効果が期待できると考えられています。

先述したようにポトスは繁殖力が強い植物ですが、このような植物は風水では「陰」のパワーが強いとされています。そのため、木の流れが滞りがちなトイレやバスルーム、キッチンなどにポトスを飾ることで良い効果が期待できると言われていますよ。

方角で裏鬼門にあたる南西にポトスを置くと、悪い気を払う効果もあります。また、ポトスの葉はハートの形をしていますので、恋愛運を上昇させるパワーもあるそうです。

 

ポトス・エンジョイ系の品種

受賞歴もあるポトス・エンジョイは、その美しさからエンジョイの派生品種を数々生み出しています。

新しく誕生した品種は遺伝的に変わっていることがきちんと確認されてから商品化に進みますが、そんなエンジョイ系の品種の中からいくつかご紹介しましょう。

 

ポトス・ステータス

まず「ポトス・ステータス」ですが、エンジョイの枝変わりで生まれた品種です。

葉がくるりとカールしているのが特徴で、生産者が少なく流通数も希少な品種になります。エンジョイの葉にもカールがありますが、ステータスはそれよりももっと極端で、きつめのカールです。

葉がカールしている分、鉢全体にボリュームが生まれ、全体的に豪華な印象を受ける品種で、上級の位を意味する「ステータス」や、「ポトスの王様」というキャチコピーで販売されているのも頷ける気品が特徴です。

 

ポトス・マーブルクイーン

ポトスの王様に次いでご紹介するのが、「ポトス・マーブルクイーン」です。こちらの品種は、白地の葉に緑色の斑がマーブル模様のように入っています。

ポトスは比較的育てるのが簡単な観葉植物ではありますが、白地の面積が多い葉を持つ品種は上級者向けだと言われています。

一般的に植物は、葉に含まれている葉緑素という組織で光合成を行い、自らが生長していくエネルギーを作りますが、白い葉には葉緑素がありません。そのため、生長スピードは通常のポトスと比べてかなり遅くなりますし、日光にも弱くなります。

初心者の方は慣れていないうちは枯らしやすいので、ポトスの扱いに慣れて経験値が上がってきた頃に、マーブルクイーンの育成へチャレンジすることをおすすめします。

 

ポトス・エクセレント

「ポトス・エクセレント」は、エンジョイよりもシャープですっきりとした葉を持っており、白い大きな覆輪が特徴的で、愛知県の生産者である浅岡園芸さんによって生み出されたオリジナルの品種です。

通常のポトスの葉色と比べてみると、エクセレントの色合いはややアンティーク調で、淡い色合いが美しい葉になります。

韓国や北欧テイストのお部屋や、ナチュラルなインテリアにもしっくりと調和する、落ち着いた佇まいの美しい品種です。

 

ポトス・グローバル

「ポトス・グローバル」も浅岡園芸さんによって生み出された品種です。

突然変異によって誕生したグローバルですが、クリーム色の斑模様がランダムに入っている姿がとても美しく、飽きずにいつまでも眺めていられそうな華やかさを持っています。葉の色は明るめのライトグリーンで、部屋に置いておくだけで室内を明るい雰囲気へと変えてくれそうな一鉢です。

さらに、このグローバルから誕生したもので、「ポトス・グローバルグリーン」という品種があります。

こちらは葉の色が全体的に緑色をしているのですが、よく見ると濃淡が異なる3種類の緑色で葉が彩られている、かなり芸術性の高い品種になります。グリーンのグラデーションが美しい、日々のお世話が楽しみになってしまうような品種です。

 

ポトス・エンジョイの基本的な育て方

ポトス・エンジョイは、定番品種であるゴールデンポトスよりものんびりと生長していくため、剪定の手間も少なく育て慣れていない方でも安心して挑戦できる品種です。

育て方の基本的なポイントさえ頭に入れてしまえば、ポトスを生き生きと育てていくことができるでしょう。

それではいよいよ、ポトス・エンジョイの育て方について、具体的な管理方法を詳しくご紹介していきたいと思います。

 

置き場所

さて、まずは鉢を管理する置き場所ですが、ポトス全般としては明るい場所が好きな植物なので、直射日光を避けた明るめの場所で管理しましょう。

窓際に置いたりハンギングで吊るしたりする際には、必ずブラインド越しやレースカーテン越しになるように意識します。

直射日光や強すぎる日光に長時間さらされていると、葉焼けを起こして光合成ができなくなってしまうので注意が必要です。

日差しの強い夏場などは、市販されている遮光ネットなどで日光を調節するのもおすすめです。ポトスは屋外でも管理できますが、先述したように葉焼けに注意して、半日陰になるような置き場所を考えましょう。

一方で、葉焼けに注意するあまりに日光が不足してしまうと、ポトスの魅力である斑模様がだんだんと薄まってきてしまいます。

葉の様子がおかしいなと感じたら、日光が不足しているサインかもしれません。鉢を日光浴させてみてください。

 

水やり

基本的には、鉢土が乾いたことを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えていきます。ただし、高温で乾燥しがちな夏場には水不足になりやすいので、こまめに鉢土を確認して、都度水を与えるようにお世話していきます。

夏の間は、早朝や夕方の涼しい時間帯に水やりをするよう心がけてください。水やりの後に温度が上昇すると、鉢内で水の温度も上昇して根がダメージを受けてしまいます。

ジョウロなどで水やりをする以外にも、霧吹きなどを使って葉水を行うのも美しい葉を保つための秘訣です。葉に水を吹きかけることで、乾燥を防ぎながら葉の表面の埃や汚れも落ちるため、病気や害虫の予防対策にもつながります。

 

肥料

ポトス・エンジョイに肥料を与える際には、春から夏の間に液体肥料か緩効性化成肥料を与えます。市販されている観葉植物用の肥料を使い、なるべく控え気味に与えてください。ただし、肥料がなくても十分に育ってくれますので、株を大きく育てていきたい場合のみ与えれば問題ありません。

冬季は肥料は不要ですので、もし緩効性肥料が置いたままになっている場合は、冬を迎える前に忘れずに取り除いておきましょう。

 

冬季の管理

秋の終わり頃からは、だんだんポトス・エンジョイへの水やりの頻度を控えて、乾燥気味に育てるよう意識します。

春から秋までは土が乾いたことを確認してすぐに水を与えていましたが、冬の間は乾燥を確認してから3日後に与えるくらいでちょうど良いでしょう。

冬場の水やりでは、なるべく日中の気温が高い時間帯に水やりを行います。また、水道水の水をそのまま与えると冷え切ってしまうので、水道水をなるべく常温に戻してから水を与えるようにしてください。冷たい水を与えると根がダメージを受けるだけではなく、株が凍結してしまう恐れもあります。

ある程度の耐寒性を持っている植物ではありますが、なるべく10度以上になるように室内で管理しましょう。普段は屋外で管理している鉢でも、冬の間は暖かい室内に入れてあげてください。

室内で管理する場合でも、窓際に置くときは注意が必要です。夜間は外から冷気が入り込んできて、窓際はかなり冷えますので、寝る前などには窓から距離を取ったり、部屋の奥へ移したり、寒さ対策を忘れないようにしましょう。

 

剪定

つる性植物であるポトス・エンジョイは、ハンギングなどで育てているとどんどんと茎が伸びていき、ゆらゆらと枝垂れていくのが分かると思います。

その姿が魅力的な植物ではありますが、あまり伸び放題にしてしまうとバランスが悪くなってしまいます。

さらにつる性植物の特徴として、下につるが伸びすぎると、上部分だけで光合成を行おうとするようになり、せっかく伸びたつるが枯れてしまうこともありますので、剪定で時折整えていく必要があります。

なかなかボリュームが出ない場合にも、剪定をして切り口から枝分かれさせることでボリュームアップを図ることができますよ。

剪定作業は生育期である春から秋の間に行い、猛暑日や湿度の高い日は避けます。剪定と聞くと難しい作業のように聞こえてしまいますが、ポトス・エンジョイの剪定はとても簡単で、葉の付け根から1センチほど上あたりでカットするだけです。

 

植え替え

鉢植えの観葉植物は、基本的に2年に1回ほどのペースで一回り大きな鉢へと植え替えを行います。これは、根が生長しすぎて鉢の中でぐるぐると詰まったり、長く同じ土で育てることで養分が不足してしまったりするのを防ぐためです。

根詰まりを起こしたままで放置すると、根からうまく養分や水分を吸収できなくなって株が弱ってしまい、最悪の場合には枯れてしまうこともあります。

ポトス・エンジョイの植え替え作業は、4月から6月の間に行うのが適していますが、もし鉢底から根が見えている、葉が変色して落葉する、水を与えても鉢から水が流れ出にくくなったなどの症状が確認できたら、根詰まりを起こしている可能性があります。なるべく早くに新しい鉢へと植え替えを行いましょう。

植え替えの手順は下記のとおりです。

 

【植え替え手順】

  1. まず古い鉢から株をやさしく取り出します。
  2. 株についている土を3分の1ほど落として、根をほぐしていきます。
  3. このとき、傷んでいる根や黒ずんでいる根があれば、清潔なハサミで取り除きます。
  4. 新しい鉢に鉢底ネット・鉢底石を敷き、新しい土を入れます。
  5. 株を入れたら周りを埋めていくように土を足し、隙間まできちんと埋めます。
  6. 株を安定させたらたっぷりと水を与えましょう。
  7. 植え替え後の2週間ほどは、風通しの良い半日陰で管理して株を休ませます。

 

ポトス・エンジョイは初心者にこそおすすめ!

観葉植物を育ててみたことがないけれど、そろそろ挑戦してみたいと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな初心者の方にこそおすすめしたいのが、ポトス・エンジョイをはじめとするポトスたちです。ある程度の耐暑性や耐寒性を持ち、半日陰でも育ってくれるポトスは、まさしくインテリアグリーン向けの観葉植物です。

初めて育てる植物こそ、見た目が好みで毎日のお世話やちょっとした変化が楽しくなるようなお気に入りの品種を選ぶことをおすすめしますが、ポトス・エンジョイなどのポトスの品種はバリエーションも豊富にあるので、きっとお気に入りの一鉢が見つかるはずですよ。

ポトス・エンジョイやポトスの品種を探す際には、通販サイトの利用がおすすめです。店頭ではなかなか出会えないような珍しい品種なども取り扱っていますし、いろいろなお店や品揃え、値段といった比較ポイントを、自宅に居ながらでも吟味できるのが嬉しいですね。

 

まとめ

今回は、人気の観葉植物であるポトスの中でも人気がある、ポトス・エンジョイの魅力や育て方についてご紹介してきました。

育て方が簡単なポトス・エンジョイは、初心者の方でも失敗しにくく、入門編としておすすめできる品種です。

ポトスの持つ表情豊かな葉を毎日眺めれば、緑に癒される素敵な日々になることでしょう。これから観葉植物を家に迎えようと検討している方は、ぜひポトス・エンジョイを選択肢の一つとして検討してみてくださいね。

 

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