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ラ・メールコラム > アレンジメントフラワー > 生花や切り花を長持ちさせる方法とは?花を長く楽しむポイントやアイテムをご紹介

生花や切り花を長持ちさせるには、正しい処理とお手入れが大切です。

花を長持ちさせるコツは、茎の吸収力を上げることと、雑菌の繁殖を防ぐことです。

意外なアイテムを使ってお花を長持ちさせることもできます。

お花をいただいたら、せっかくなら長持ちさせたいですよね。

生花や切り花は非常にデリケートなので、間違った処理やお手入れをしてしまうと、すぐに傷んでしまいます。

この記事では、生花や切り花を長持ちさせる基本的な処理や、お世話のポイント・意外なアイテムなどをご紹介します。

生花におすすめの種類のお花や、萎れてしまった時の対処法などもご説明していきます。

 

基本的な生花(切り花)の処理方法

花束などのお花をいただいたら、お花が新鮮なうちに適切な処理をしましょう。

ポイントは水を吸い上げやすい状態にして、雑菌の繁殖を防ぐことです。

最初に丁寧に処理しておくと、生花や切り花を長持ちさせることができます。

この基本を知っておくと、急にお花をいただいた場合でも慌てずに済みますよ。

花瓶や花器を清潔にしておく

生花をいける花器や花瓶を、丁寧に洗ってよく乾燥させておきましょう。

汚れやほこりが残った花器を使用すると、バクテリアなどの雑菌が繁殖し、花が枯れてしまう原因になります。

花瓶は、スポンジや中性洗剤などを使ってよく洗浄しましょう。

水分が残っていると、雑菌の繁殖につながるので、しっかり乾燥させることも必要です。

また、生けるお花のサイズや高さに合った花器を選ぶことも大切です。

余分な葉を取り除く

お花をいただいたら、まずは丁寧にラッピングを外します。

そして、茎に余分な葉がついていたら、剪定バサミでカットして取り除きましょう。

生花の葉が花瓶の水に浸かってしまうと、そこから腐食が進み、水が汚れる原因になります。

また、茎から吸収した水が葉で蒸発するのを防ぐ役割もあります。

生花は根がないので、水分をたくさん吸収できません。

水分が葉で蒸発してしまうと、花まで届かなくなってしまうのです。

水切りする

水切りとは、水の中で茎をカットすることです。

水切りを行うことで、茎の断面が整って、水分を吸収しやすくなります。

ポイントは、切れ味の良い剪定バサミを使って斜めに切ることです。

そうすることで、茎の断面がつぶれず表面積も広くなるので、より効率的に水分を吸い上げることができます。

生花や切り花にとって、茎の断面は水分を吸い上げる大切な器官です。

綺麗にカットすることが、生花の長持ちにつながります。

水の量に注意する

生花や切り花をできるだけ長持ちさせようと、花瓶いっぱいに水を入れてしまっていませんか?

実は、茎が水に浸かる面積が大きくなると、茎の腐食につながるのです。

とくに、茎に産毛が生えている種類のお花は腐食しやすい傾向があります。

水を入れる量は、茎の断面が水に浸かるくらいで十分です。

例外として、バラやキク科、ボタン科のように茎がしっかりしている種類のお花は、少し多めに水を入れると、たっぷりと水を吸収してくれます。

 

生花(切り花)長持ちさせるための基本のお手入れ

生花や切り花を長持ちさせるには、花瓶を置く場所と水の清潔がポイントです。

家の中でも、花瓶を置くのに適さない場所があるので注意が必要です。

そして、生花にとって、雑菌の繁殖は大敵です。

毎日のお手入れで清潔に保ち、少しでも長くお花を楽しみましょう。

花瓶を置く場所

花瓶を置く場所は、直射日光が当たらない場所にしましょう。

気温が高くなると、花瓶の水の中に雑菌が繁殖しやすくなります。

暖房やストーブの近くに置くことも、お花が傷む原因になるので避けましょう。

また、扇風機やエアコンの近くなど、直接風が当たる場所にも置かないようにしましょう。

生花や切り花が乾燥してしまいます。

さらに、一日中明るい場所だと、夜間も日中だと勘違いして蒸散を続けてしまいます。

夜間は暗い場所に置いて、できるだけ自然の状態に近づけてあげましょう。

水替えの頻度

生花や切り花を少しでも長持ちさせるポイントは、水を清潔にすることです。

花瓶の水は、基本的に毎日取り替えましょう。

特に夏場などの気温の高い時期は、水の中で雑菌が繁殖しやすくなります。

このとき、定期的に花瓶や花器も洗浄するとさらに清潔な状態を保てます。

また、水替えのタイミングで茎の状態もチェックし、腐食している箇所があれば斜めにカットしましょう。

 

生花(切り花)を長持ちさせる意外なアイテム

生花や切り花を長持ちさせるには、毎日の水替えなどのお手入れが必要です。

しかし、意外なアイテムを使うことで、さらに長持ちさせることもできるのです。

ポイントは、除菌や殺菌ができることや、お花を元気にすることです。

知っておくと便利な、お花を長持ちさせるアイテムを4つご紹介します。

ハイター

台所用品の除菌や漂白に便利なハイターですが、生花や切り花を長持ちさせるアイテムとしても活躍します。

花瓶の水にハイターを混ぜることで、バクテリアなどの雑菌の繁殖を防ぎ、水を清潔に保ってくれます。

ただし、ハイターは強力なので、水300mlに対して一滴で十分です。

ハイターを入れすぎると、お花が傷んで枯れてしまう原因になるので注意してください。

10円玉

花瓶の水の中に10円玉を入れるだけという、お手軽な方法です。

10円玉に使われている銅には、微量金属作用があります。

水に溶け出た銅イオンが、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれるのです。

花瓶1つに対して、10円玉1枚を入れましょう。

これだけで、水を綺麗に保ってくれます。

しかし、長期間入れたままにすると、硬貨が腐食してしまうので注意してください。

サイダー(炭酸水)

花は生長するために、糖を必要とします。

サイダーなどの炭酸飲料に含まれている果糖ブドウ糖液は、粒子が細かいため、茎から吸い上げやすくなります。

また、炭酸ガスには抗菌作用もあるので、雑菌の繁殖も抑えられます。

量の割合は、水200mlに対してサイダー40ml程度混ぜます。

ただし、糖分によって水が汚れやすくなるので、こまめに花瓶や花器を洗浄しましょう。

延命剤

最も効果的なのが、切り花専用の延命剤を混ぜることです。

延命剤は、通販サイトや園芸店、ホームセンターなどで購入することができます。

延命剤には、花に必要な栄養分や、水を綺麗に保つ殺菌作用が含まれています。

また、お花が水を吸い上げる力をアップさせる界面活性剤も配合されています。

容量は、延命剤のパッケージに記載のある量に従うだけでOKです。

確実かつ簡単に、生花や切り花を長持ちさせることができます。

 

生花(切り花)の種類別の長持ちのさせ方

生花や切り花を長持ちさせる基本は、水分の吸収力を上げることと、水の清潔を保つことです。

しかし、お花の種類や特性によって、それぞれポイントがあります。

ここからは、お花の種類別に、長持ちさせるコツを紹介していきます。

フラワーアレンジメント

そのまま飾れる手軽さが人気のフラワーアレンジメントですが、正しいお手入れをすることでお花が長持ちします。

ポイントはオアシスを乾燥させないことです。

オアシスとは、フラワーアレンジメントの土台になっているスポンジのようなものです。

フラワーアレンジメントのお花は、このオアシスから水分を吸収しています。

オアシスの表面が白っぽくなってきたら、乾燥している合図なので水を与えましょう。

このとき、お花に水がかかると傷んでしまう原因になるので、オアシスにのみ静かに水を吸わせましょう。

バラ

花束としていただくことが多いのがバラです。

バラは花びらが多く、重さもあるため、すぐに元気がなくなってしまうことがあります。

そんな時は、水切りをした後にお花全体を新聞紙などで包み、水をたっぷり入れたバケツなどに浸けましょう。

新聞紙が、添え木の役割を果たし、お花を支えてくれます。

そのまま2~3時間ほど放置すると、お花が水をよく吸収して元気になります。

バラは暑さに弱いので、花瓶は涼しくて風通しのよい場所に置きましょう。

アジサイ

アジサイは梅雨の時期に咲き、大ぶりの花が魅力です。

アジサイを生ける際に、切り口をつぶす方法があります。

これは、茎元を叩き潰すことで、切り口の表面積が増え、水を吸い上げやすくなるというものです。

また、生花店などでは、アジサイの切り口にミョウバンを擦り込むという方法も知られています。

ミョウバンによって、灰汁(あく)が抜け、水を吸い上げやすくなると言われています。

また、ミョウバンにはバクテリアなどに対する抗菌作用もあるとも言われています。

ひまわり

夏の花瓶を彩る主役といえば、ひまわりですよね。

ひまわりの葉は大きく、水分や養分を吸い取ってしまうため、余分な葉はカットしましょう。

また、茎は腐食しやすいため、切り口が水に浸かる程度で十分です。

ひまわりは太陽が好きなイメージがありますが、切り花にした場合は、直射日光に弱くなります。

他の花同様、風通しの良い涼しい場所に置きましょう。

桜や梅などの枝に咲く花

木に咲く花も、切り花として楽しむことができます。

枝ものの花は、枝の根元を割ることで長持ちさせることができます。

枝の根元を斜めにカットし、さらに先端から数センチほどの位置で十字に切り込みを入れます。

硬い枝を割ることで、水の吸収力を高めることができます。

また、花が重なりすぎないように、適度に剪定することもポイントです。

かすみ草

白くて小さな花を咲かせるかすみ草は、繊細で傷みやすいイメージがあります。

かすみ草は日がたつにつれ、先端の方から黄ばんできます。

変色してきた部分のみ、ハサミで丁寧にカットしましょう。

あとは、水替えをこまめにして清潔を保つことが大切です。

適度なお手入れができれば、10日以上長持ちさせることができます。

グリーン

インテリアのポイントになるグリーンも、できるだけ長持ちさせたいですよね。

切り葉も、切り花同様、雑菌の繁殖を抑えることと、水の吸収力を上げることがポイントです。

切り口をハサミやナイフを使って斜めにカットして表面積を大きくしましょう。

また、水替えもこまめに行い、清潔に保ちましょう。

ときには、切り花用の延命剤なども利用すると効果的です。

 

長持ちしやすいお花

お花の種類によっては、長持ちしやすいものがあります。

季節や環境にもよりますが、お部屋に飾るなら長持ちするお花がおすすめです。

また、お花をプレゼントするときも、長持ちするお花を選ぶと相手に喜ばれるでしょう。

ここからは、長持ちしやすいおすすめのお花をご紹介します。

カーネーション

カーネーションは、母の日のフラワーギフトとして人気の高いお花です。

定番の赤色以外にも、ピンクや白などの優しい色合いも魅力的です。

カーネーションは切り花にしても、長持ちしやすいと言われています。

品種や環境にもよりますが、夏場であれば1週間程度、冬場では2週間以上お花を楽しむことができます。

また、カーネーションには「無垢で深い愛」という素敵な花言葉があります。

母の日以外にも、様々なお祝いのシーンで活躍してくれます。

キク

菊は、お供えやお悔みのイメージが強いお花ですよね。

しかし最近では、おしゃれな品種が増えてきているのです。

そのため、フラワーアレンジメントやスタンド花など、お祝いのシーンでも使われることが多くなりました。

そんな菊は、花が長持ちすることでも有名です。

夏場でも3週間程度、冬場であれば1か月程度花が持つと言われています。

菊の花言葉は「高貴」や「高尚」なので、お祝いやプレゼントにも最適です。

胡蝶蘭

胡蝶蘭の花姿は、上品で豪華な印象があり、ビジネスシーンでも活躍しています。

とくに、開業祝いや開店祝いにおける定番のお花ではないでしょうか。

胡蝶蘭は鉢植えである場合がほとんどですが、非常に長持ちするお花です。

夏場であっても、1か月以上にわたって、美しく咲き続けます。

冬場であれば、3か月以上花もちすることもあります。

胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」や「純粋な愛」などです。

プライベートやビジネスシーンを問わず、様々なお祝いのシーンで愛されています。

 

生花(切り花)が萎れてしまった時

花は生き物なので、日にちがたつと萎れてくることがあります。

しかし、処分するのはまだ早いかもしれません。

適切な対処を行うことで、お花が再び元気を取り戻す可能性があります。

ここからは、切り花が萎れてきたときの対処法をご紹介します。

また、最近話題のドライフラワーにリメイクするのもおすすめです。

深水法

生花や切り花の元気がなくなってきたときに、まず試したいのが深水法です。

深水法とは、萎れてきた切り花を水につけ、水圧を高めることで水を吸収させる対処法です。

お花を新聞紙などで包んで全体を支え、深く水を張ったバケツなどにつけましょう。

このとき、できるだけ垂直に立てると水圧が高くなるので効果的です。

そのまま半日から1日ほど放置することで、お花が元気を取り戻します。

湯あげ

深水法で効果が出ない場合は、湯あげという方法があります。

湯あげとは、生花や切り花の茎を熱湯につけることで、茎の内部の気泡を排出させる対処法です。

茎の中の気泡を出すことで、お花が水を効率よく吸い上げやすくなります。

湯あげをする前に、花全体を新聞紙などで巻き、花や葉を湯気から保護しましょう。

そして、茎の切り口から2~3㎝程度を80℃くらいの熱湯に浸します。

切り口からぶくぶくと気泡が出てきたら、すぐに冷たい水につけて冷やしましょう。

そのまま2時間程放置すれば完了です。

ドライフラワーにする

生花や切り花が萎れてきたら、思い切ってドライフラワーにするのもおすすめです。

特に、先ほどご紹介したバラやアジサイ、カスミソウなどはドライフラワーに向いているお花です。

切り花をドライフラワーにする際は、まず、水に浸かっていた茎をカットしましょう。

次に、輪ゴムやヒモなどで切り花をまとめて、涼しくて風通しのよい場所に吊るします。

綺麗なドライフラワーにするためには、シリカゲルなどの乾燥材を使うことも効果的です。

すでに枯れてしまったお花は、ドライフラワーにすることができないので処分しましょう。

処分の仕方

生花や切り花が枯れてしまったら、すみやかに処分しましょう。

枯れたお花は見た目が悪く、お部屋の運気も下がると言われています。

お花自体は、生ごみとして捨てることができます。

茎がゴミ袋を突き破ってしまわないように、ハサミなどで細かくカットし、新聞紙などで包みましょう。

フラワーアレンジメントなどに金具が使われている場合は、お花と別けて各自治体のルールに従って処分してください。

オアシスは乾燥させてから燃えるゴミとして捨てましょう。

 

生花(切り花)を長持ちさせて楽しみましょう

お花をいただいたら、できるだけ長持ちさせて楽しみたいですよね。

そんなときは、これまで紹介した処理やお世話の方法を実践してみましょう。

少しの工夫と、毎日のお手入れで、お花は美しく咲き続けてくれます。

また、花の種類ごとに適切なお手入れができると生花がさらに楽しくなりますよ。

上手に生花を生けて、お花のある暮らしを手に入れてみませんか?