ガーベラの花の育て方|よくあるトラブル解決方法も解説

ガーベラは、花姿の可愛らしさや豊富な色から「育ててみたい」と思う人が多い人気の植物です。しかし、いざ育て始めると「花が咲かない」「元気がなくなってしまう」など、思わぬ悩みに直面することも少なくありません。
ガーベラは丈夫なようでいて、日当たりや水やり、季節ごとのケアの違いが育ち方に大きく影響します。
そこで今回は、ガーベラの基本情報から育て方のコツ、土や肥料の選び方、年間のお手入れカレンダー、そして育てているとよくあるトラブルの解決方法まで一つずつ丁寧に解説します。
「初めてガーベラを育てる人」も「うまく咲かせたい人」も、ガーベラとの時間がもっと楽しくなる内容にまとめたので、参考にしてみてください。
ガーベラの育て方|ガーベラの基本情報
ガーベラは一年を通して花屋でもよく見かける人気の植物で、鮮やかな色彩と整った花姿が特徴です。
誕生日や記念日などのギフトとして選ばれることも多く、飾るだけで空間を明るくしてくれます。
そんなガーベラですが、実は家庭でも育てやすい花として知られており、園芸初心者の方からも親しまれてきました。
ここでは、ガーベラの基本情報を通して、その魅力をより深く知っていただけるよう解説していきます。
ガーベラの基本的な情報と特徴
ガーベラはキク科に分類される多年草で、南アフリカを中心とした地域が原産とされています。
春と秋が開花時期です。
花びらが整然と並ぶ姿が凛とした印象を与える一方、色の種類が非常に豊富で、ピンク、オレンジ、黄色、白、赤といった多彩さも人気の理由になっています。
品種によっては花径が10cmを超えるものもあり、存在感のある鑑賞植物として楽しめるのも特徴です。
多年草ではありますが、日本では高温多湿や寒さが負担になりやすいため、一年草のように扱われるケースもあります。
ただし、環境を整えれば翌年も花を咲かせてくれるので、育てがいのある植物といえるでしょう。
一輪一輪がしっかり自立して咲くため、切り花にしても姿が崩れにくく、昔からアレンジメントに重宝されてきました。
ガーベラが日本で広がった経緯
ガーベラが日本に入ってきたのは明治時代といわれていますが、どの経路で広まったのかについては複数の説があります。
海外から観賞目的で持ち込まれたという説が一般的で、当時はまだ珍しい西洋の花だったことから、温室など限られた環境で栽培されていました。
昭和以降になると品種改良が進み、現在のように丈夫で育てやすいガーベラが増えました。
花色のバリエーションが広がったことや、切り花としての需要が高まったこともあり、全国の花屋で見かけるほどポピュラーな存在になっています。
家庭用として鉢植えが普及したのもこの頃で、園芸ブームとともにガーベラの栽培は一般家庭にも浸透していきました。
ガーベラの種類とは
ガーベラには非常に多くの品種があり、世界では数千を超えるともいわれています。
花びらの形だけを見ても、一重咲きや八重咲き、細い花弁が繊細な印象を与えるスパイダー咲きなど、姿は多種多様です。
園芸店に並ぶガーベラの苗には、ミニガーベラとガーデンガーベラがあります。ミニガーベラは、庭や鉢植えでも扱いやすく、限られたスペースでも育てやすいのが特徴です。
一方、屋外で長く楽しみたい方にはガーデンガーベラが向いており、丈夫さと花もちの良さが特徴です。夏の間も花を減らしながらですが、咲き続けます。
環境への適応力があるため、季節を通して彩りを添えてくれる存在として重宝されてきました。
ガーベラを育てるのに適した栽培環境
ガーベラは明るく丈夫な印象のある植物ですが、実際に元気に育てるには環境づくりがとても重要です。
特に日当たり、温度、水やりの3つが整うと株が安定し、花つきも良くなります。
ここでは、これからガーベラを育てる方が迷わないよう、基本の環境づくりについて順番に解説していきます。
ガーベラの置き場所|日当たり
ガーベラは日光を好む植物として知られており、特に午前中の日差しがよく入る場所は理想的です。
明るい環境で育てると株がしっかりと根を張り、茎も太く丈夫になっていきます。日光が足りないと花が咲かない原因にもなるので気を付けてください。
ただし、真夏の直射日光に強いわけではなく、強光で葉が焼けてしまうという声もあります。
そのため、夏は半日陰に移動させたり、レースカーテン越しの光に切り替えたりすると安心でしょう。
日光といっても「当てれば当てるほど良い」というものではないので、季節に応じて日照の調整を行うことが大切です。
ガーベラの適温
ガーベラは比較的幅広い温度に対応できますが、特に生育が活発になるのは15〜25℃前後とされています。
春から初夏、そして秋の気候が最も適しており、この時期は新芽やつぼみがよく動きます。
一方で、10℃を下回る寒さになると成長がゆっくりになり、霜にあたると傷んでしまったり枯れてしまうこともあるので注意が必要です。
冬は軒下だけでは心配な地域もあるため、冷え込みが強い場所では室内に移動させるほうが安全でしょう。
反対に、真夏の35℃近い高温は株が弱る原因にもなるため、風通しのよい位置へ移したり、朝夕の涼しい時間帯に管理を見直す必要があります。
ガーベラの水やりの仕方
ガーベラは「水を欲しがる時期」と「控えたい時期」がはっきりしている植物です。基本は土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまでしっかり与える方法が適しています。
夏は乾きが早くなるため水切れに気を配り、逆に冬は土が乾いてから数日おいて与えるくらいのペースで十分です。
花や葉の部分に水が溜まると枯れる原因になるため、直接かけないよう注意しましょう。
地域や環境によって差はありますが、多くの園芸家は「乾かし気味に保つと根腐れしにくい」と話しており、この点は共通した見解と言えるでしょう。
ガーベラを植えるときのおすすめな土と肥料

ガーベラを元気に育てるためには、植え付け時の「土」と「肥料」の選び方がとても重要です。
特にガーベラは根が蒸れやすい性質をもっているため、適した土を使うかどうかで、その後の成長に大きな差が生まれます。
また、肥料の種類や与え方によっては花つきにも影響が出ますので、基本を押さえておくだけで花を長く、たっぷり楽しめるでしょう。
ここでは、ガーベラに向いている土と肥料について、初心者の方にも分かりやすく紹介していきます。
ガーベラにおすすめな土
ガーベラを植える際に最も大切なのは、根が呼吸しやすい“水はけの良さ”です。
一般的に市販されている草花用の培養土でも育てられますが、ガーベラは過湿が苦手なため、少しだけ軽い土を選ぶほうが状態を保ちやすくなります。
鉢植えの場合は、培養土に軽石やパーライトを少量混ぜておくと、余分な水分が抜けやすくなって根腐れの予防につながると言われています。
さらに、弱酸性〜中性の土壌を好むという点も押さえておくと安心です。
庭に直接植える場合は、土が硬すぎたり湿気を含みやすかったりすると根の張りが悪くなります。
乾きやすい土のほうがガーベラには合うため、迷ったときは軽くて通気性の良い土を選んでみてください。
ガーベラにおすすめな肥料
ガーベラは花を咲かせるエネルギーを多く必要とするため、肥料選びにも少し気を配っておくと安心です。植え付け時には、即効性の高いものよりも、ゆっくりと栄養が溶け出す緩効性の肥料を使っておくと、根への負担が少なく、安定した成長をサポートできます。
特に窒素・リン酸・カリのバランスが整ったタイプは花もの全般に合うため、ガーベラにも使いやすいでしょう。
肥料に関しては「リン酸が多いほうが花芽がつきやすい」と言われることがありますが、これも園芸家の経験によるもので、必ずしもすべてのガーベラに当てはまるわけではありません。迷ったときは、草花用として販売されている一般的な肥料を使用すれば問題なく育てられます。
ガーベラのお手入れカレンダー
ガーベラを一年を通して健康に育てるには、季節ごとの変化に合わせたケアを取り入れることが大切です。
生育が盛んになる時期と、休む時期とでは必要な作業が大きく変わります。
ここでは、肥料を与えるタイミングや植え替えの適期、花を長く楽しむための季節ごとのポイントについてお話ししていきます。
ガーベラに肥料を与えるときはいつ?
ガーベラは成長期にしっかりと栄養を吸収する植物で、肥料のタイミングが花つきにも影響すると言われています。
一般的には、春から初夏にかけて、そして秋の涼しい時期が肥料を与える最適なタイミングとされています。
真夏は株が高温で疲れやすく、肥料が根に負担をかける場合があるため、控えておくほうが安心です。
また、冬は休眠に入り成長が緩やかになるため、肥料はほとんど必要ありません。
地域によって多少差があると言われていますが、多くの場合、気温が安定してきた頃に緩効性の肥料を施すと、花芽のつきが良くなる傾向があります。
急に栄養を与えるより、ゆっくりと吸収させるほうが株の負担も少なく、健やかな成長につながるでしょう。
ガーベラの植え替えはいつ?
植え替えは、ガーベラにとってリフレッシュのような役割を果たし、根が健康に保たれる大切な作業です。
一般的には、春の気温が安定してきた頃が最も適したタイミングとされており、夏が訪れる前に済ませておくと安心です。
ガーベラは根が細く繊細なため、無理に触れすぎると負担がかかってしまいます。
植え替えの際は、土を落としすぎず、軽くほぐす程度にとどめたほうが状態を崩しにくいです。
株が大きく育ち、鉢の中で根が回っている様子が見られたら、ひと回り大きな鉢に移してあげると、その後の成長もスムーズです。
植え替えの際は、スコップで値を傷つけないように注意してください。
ガーベラを長く楽しむために大切なこと
ガーベラを長く楽しむためには、咲いた花だけに注目するのではなく、花が終わった後の管理を丁寧に続けることが大切です。
花がしおれてきたら、茎の根元からすっと抜き取るようにして取り除くと、株が余計な負担を抱えず、次の花芽が育ちやすくなります。
また、枯れた花をそのままにしておくと、土の風通しが悪くなる原因でです。すぐに取り除いてあげてください。
休眠から目覚めた春や秋にまた美しい花を咲かせてくれるでしょう。
ガーベラを育てているとよくあるトラブル特集
ガーベラは色鮮やかで育てがいのある植物ですが、環境の変化に敏感な一面もあり、ちょっとした条件の違いで生育状態が変わることがあります。
ここでは、育てていると多くの人が一度は悩む代表的なトラブルを取り上げ、その背景をていねいに解説していきます。
原因とされるポイントには諸説あるものの、共通して見られる傾向を押さえておくことで、対処しやすくなるはずです。
ガーベラの花が咲かない
ガーベラの花がなかなか上がってこないとき、多くの場合は生育環境が影響していると考えられています。
過湿が苦手な性質があるため、土が乾ききる前に何度も水を与えてしまうと、根が十分に呼吸できず、花を咲かせる力をため込めないことがあるのです。
また、株が充実する前に寒さや強い直射日光にさらされてしまうと、花芽がつくタイミングが遅れることがあります。
日当たりと風通しを確保しつつ、適度な乾燥状態を保てるよう調整していくことで、徐々に花を咲かせる準備が整っていくでしょう。
ガーベラが枯れた
順調に見えていたのに、急に葉がしおれたり株元から傷んでしまうことがあります。ガーベラが枯れる原因として最も多いのは「根のダメージ」です。
水の与えすぎや停滞した湿気によって根が弱ると、地上部は健康そうに見えても内部ではすでに衰えが始まっていることがあります。
特に梅雨時期は枯れ込みが増える時期として知られています。
一方、冬の寒さで株が弱って枯れたように見えるケースもあります。
ガーベラは一年草ではなく多年草として育てられますが、寒さが続く地域ではダメージを受けやすく、地上部がなくなる場合も珍しくありません。
ただし、根が生きていれば春に芽吹くこともあるため、しばらく様子を見守ることがすすめられています。
買ってきたものや植え替え後に元気がない
園芸店から持ち帰ったときは生き生きしていたのに、家に置いた途端にしおれたり、植え替えをしたあとに元気がなくなることがあります。
これは「環境の急激な変化」が影響していると考えられています。
売り場では温度や湿度が一定に保たれているため、家庭に移すとその差に植物が驚いてしまうのです。
植え替え直後に弱るのもよくある相談で、根を触ったことで一時的に吸水力が落ちることが背景とされています。
これはガーベラに限らず多くの植物に見られる反応で、数日から一週間ほどで落ち着くケースも多いようです。
株が慣れるまで、日当たりの強さを少し抑えた場所に置き、水も控えめにしながら様子を見てあげると回復しやすくなります。
ガーベラを育てる際によくある質問を紹介

ガーベラを育てていると、小さな変化に不安を覚えたり「これは大丈夫なのかな」と確かめたくなる瞬間があります。
特に初めてガーベラを迎えた方は、虫の発生や株分けのタイミング、さらには家族の安全性など、気になるポイントがいくつも出てくるでしょう。
ここでは、ガーベラの栽培でよく寄せられる質問を取り上げながら、安心して育てられるための基礎知識をお話ししていきます。
ガーベラにつきやすい虫は?
ガーベラは比較的育てやすい植物ですが、環境が整っていないと虫が発生しやすくなることがあります。
代表的なものはアブラムシやハダニで、どちらも乾燥が続いたときや風通しが悪い場所で育てていると増えやすいといわれています。
アブラムシは新芽や蕾に群がって汁を吸うため、放っておくと花つきが悪くなることがありますし、ハダニは葉の裏側に細かい糸のような巣をつくるため、葉色がくすんでしまう原因にもなります。
しかし、これらは早めに気づけば対処しやすい虫でもあります。
水で軽く洗い流したり、市販の薬剤で対応すれば大きな問題には発展しにくいでしょう。
ガーベラとの寄せ植えにおすすめな花
ガーベラを寄せ植えする際は、見た目の相性だけではなく、生育のリズムが似ている植物を合わせると長く楽しめます。
ガーベラは日当たりの良い場所を好むため、同じく明るい環境で元気に育つ草花がよく合います。たとえば、彩りを添えるペチュニアや、株元をすっきり見せてくれるアイビーなどは、ガーベラの印象を引き立ててくれるお花がおすすめです。
寄せ植えをするときは「日光量」「水分量」「成長のスピード」などを総合的に見て決めるとまとまりのある寄せ植えがつくれるでしょう。
ガーベラは株分けできる?
ガーベラは年数が経つと株が大きくなり、真ん中の部分が込み合ってくることがあります。そういったときに株分けを検討すると若々しい成長を取り戻せる場合があります。
一般的には、根が十分に張っている2〜3年目以降に株分けが可能とされ、春か秋の気候が安定している時期だと株の負担が少ないともいわれています。
ただし、すべての株が同じように株分けに向いているわけではありません。
品種によっては株分けによって弱ってしまうケースもあるため、迷う場合は無理に分けず、そのまま大きめの鉢に植え替える方法を選ぶほうが安全なこともあります。
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自社配送も行っているので、スタンド花などの大きなフラワーギフトにも対応可能です。
また、遠方への配送にも対応しているため、「品質の良い状態で届けたい」という方にも安心できます。
誕生日、記念日、日頃の感謝を伝えたいときなど、幅広い用途で活用できるので、特別な贈り物を選ぶ際には一度チェックしてみてください。
まとめ
ガーベラは、適した日当たり・温度・水やりのタイミングを押さえるだけで驚くほど元気に育つ植物です。季節ごとに必要なお世話を理解し、株の状態に合わせたケアを続ければ、長く美しい花を楽しむことができます。
また、花が咲かない・枯れてしまうといったよくあるトラブルも、多くは環境や管理方法を少し見直すだけで改善できます。今回紹介したポイントを参考に、ガーベラの魅力をより身近に感じながら育ててみてください。
