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スカビオサの品種と種類|スカビオサの育て方

スカビオサ 種類 イメージ

可憐で繊細な花姿が魅力のスカビオサは、マツムシソウの仲間として世界中で親しまれているお花です。

種類や品種が豊富で、ナナビオラやスノーメイデン、コーカシカなど、それぞれに個性ある美しさを楽しめます。

色もピンクや白、紫などバリエーションが多く、切り花やガーデン、鉢植えにも人気です。

この記事では、スカビオサの品種ごとの特徴や園芸での扱われ方、栽培・育て方のポイントをわかりやすくまとめました。

スカビオサの紹介

可憐で繊細な印象をもつスカビオサは、ヨーロッパをはじめ世界各地で親しまれている花です。

ガーデンやフラワーアレンジメントに彩りを添えてくれる存在です。

切り花からお庭までたくさん楽しませてくれるスカビオサ。そんな種類豊富なスカビオサはどんなお花なのでしょうか。

ここでは、スカビオサの名前の由来や特徴など、その魅力を詳しくご紹介していきます。

スカビオサの基本情報

スカビオサの原種は、地中海沿岸から西アジアにかけて広く分布しており、イタリアやスペイン、トルコなどでは古くから自然の中で咲き続けてきました。

その可憐な花姿が人々の心を惹きつけ、やがてヨーロッパ全体に広まり、17世紀頃には園芸植物として多くの庭で愛される存在になります。

イギリスやフランスでは「ピンクッション・フラワー(針刺しの花)」の名で呼ばれ、貴婦人たちのあいだで人気を集めました。

日本へは明治時代にヨーロッパから伝わり、観賞用として栽培が始まります。

冷涼な気候を好むことから、長野県や北海道などの高原地帯でよく育ち、現在では切り花や鉢植え、ドライフラワーなど多彩な形で親しまれています。

スカビオサ|名前の由来

スカビオサ(Scabiosa)の学名は、ラテン語の「scabies(疥癬)」が語源とされています。古代ヨーロッパではこの植物が皮膚病(疥癬)の治療に使われていたことから、治癒効果を持つ薬草として知られていたのです。そのため、「スカビオサ」という名前には“癒やす植物”という由来が込められています。

日本名の「マツムシソウ」は、秋の夜に鳴く松虫の声が由来とされ、花が風に揺れる姿が虫の音と重なって見えたともいわれこの名前が付けられました。

現在では薬草としてよりも観賞用の花として広まり、世界中のガーデンで愛される存在になっています。

スカビオサ|お花の特徴

スカビオサの花は、小さな花が集まってできる半球状の形が特徴です。ふんわりとした花びらが幾重にも重なり、優しい雰囲気を生み出します。

色はピンクや白、紫、ブルーなどさまざまで、品種によっては淡いグラデーションを楽しむこともできます。

花が咲くのは5月から10月頃で、気温が下がる秋には花色がより深まります。

環境に合えば毎年花を咲かせる多年草の種類も多く、長く楽しめるお花といえるでしょう。

スカビオサには仲間がたくさん!園芸品種と種類一覧

スカビオサには仲間がたくさん!園芸品種と種類一覧

スカビオサには数多くの園芸品種があり、その種類によって花の形や色合い、草丈、開花時期が異なります。

園芸の世界では「マツムシソウの仲間」として分類されることが多く、ヨーロッパを中心に改良が進められてきました。

ここでは、人気のスカビオサ品種や仲間を厳選して紹介し、それぞれの特徴や魅力をお伝えします。

ナナビオラ

スカビオサ・ナナビオラは、近年ガーデニング愛好家の間で注目されている人気の園芸品種です。

コンパクトにまとまる草姿と、長く咲き続ける性質から、鉢植えや寄せ植えに最適とされています。

「ナナビオラ」という名は、“ナナ=小さい・可愛らしい”という意味を持ち、可憐な印象を象徴しています。

草丈は30cm前後と低く、花色は淡いピンクやラベンダーなど優しい色合いが中心です。

四季咲き性を持つため、春から秋にかけて次々と花を咲かせます。

近縁種であるコーカシカ系統をベースに改良され、耐寒性・耐暑性のバランスに優れた点も特徴です。

スカビオサ・アトロプルプレア|セイヨウマツムシソウ、ピンクッション

スカビオサ・アトロプルプレアは、「セイヨウマツムシソウ」や「ピンクッション」とも呼ばれる西洋系統の代表種です。

ヨーロッパを原産とし、古くから観賞用として親しまれてきました。

学名の「アトロプルプレア(atro-purpurea)」は“濃紫色”を意味し、深みのある花色が印象的です。

日本で見られるマツムシソウよりも花径が大きく、花弁の密度が高いため、切り花やフラワーアレンジメントにもよく利用されます。

園芸品種の改良が進んでおり、白やピンク、赤など多彩なカラーバリエーションが存在します。

花期は初夏から秋にかけて長く、スカビオサの中でも丈夫で育てやすい代表格といえるでしょう。

松虫草(マツムシソウ)

日本で古くから親しまれているマツムシソウは、スカビオサ属に分類される在来種のひとつです。

秋の山野に咲く姿が印象的で、その名は秋の虫「マツムシ」が鳴く季節に咲くことから名付けられました。

花色は淡い紫や青紫が多く、控えめながらも清楚な美しさがあります。

多年草として自生するほか、一部地域では一年草のタイプも見られます。草丈は50cm前後で、風にそよぐ柔らかな茎が特徴です。

西洋種と比べると花はやや小ぶりですが、繊細で凛とした印象を与えます。

日本固有の品種として、他のスカビオサとの交配や品種改良にも用いられる重要な存在です。

スノーメイデン

スカビオサ・スノーメイデンは、純白の花弁が美しい園芸品種で、その名の通り“雪の乙女”を思わせる清楚な印象が魅力です。

主にアトロプルプレア種をもとに改良され、花色の透明感と花弁の柔らかさが際立ちます。

白系統のスカビオサは比較的少ないため、花束やウェディングブーケなどフォーマルなシーンで重宝されます。

花径は5〜6cm程度で、茎がまっすぐ伸びるため切り花として扱いやすいのも特徴です。

開花期は初夏から晩秋までと長く、耐寒性があり、温暖な地域では宿根草として翌年も花を咲かせます。

園芸店では人気の高い“白花スカビオサ”として定番化しています。

スカビオサ・コーカシカ|コーカサスマツムシソウ

スカビオサ・コーカシカは、コーカサス地方を原産とする多年草で、「コーカサスマツムシソウ」とも呼ばれます。

スカビオサの中でも特に大型で、花径は7〜8cmとボリュームがあります。

花色は淡いブルーやラベンダーが中心で、気品のある印象を与えるため、ヨーロッパでは古くから庭園植物として人気を博してきました。

花茎がしっかりしており、風に揺れても倒れにくい性質を持っています。

比較的涼しい環境を好むため、品種改良の親としても多く利用されており、耐寒性や花持ちを向上させた園芸品種の基礎にもなっています。

その優雅な姿から「スカビオサの女王」と呼ばれることもあり、ガーデンでも切り花でも高い評価を受けている品種です。

スカビオサ・オクロレウカ

スカビオサ・オクロレウカは、ヨーロッパ原産の多年草で、他のスカビオサと比べて珍しい淡いクリームイエローの花色が特徴です。

名前の「オクロレウカ(ochroleuca)」は“黄白色”を意味し、その名の通り優しい色調が魅力です。

花径は3〜5cmとやや小ぶりですが、繊細で可憐な雰囲気があります。

草丈は70cm前後まで伸び、細い茎の先に軽やかに花を咲かせる姿が印象的です。

日当たりと水はけの良い環境を好み、寒さにも強いため、多年草として毎年楽しむことができます。

派手さはないものの、他のスカビオサと組み合わせることで淡いグラデーションを作り出せるため、上級者の庭づくりにも人気の高い品種です。

スカビオサ・ステラータ|ステルンクーゲ

スカビオサ・ステラータは、ユニークな形状で知られる品種で、別名「ステルンクーゲ(星の球)」と呼ばれます。

花が咲き終わった後の種子の部分が球状になり、ドライフラワーとして高く評価されています。

原産は地中海沿岸で、夏の乾燥に強い性質を持つ一年草です。

花色は白から淡い紫まであり、咲き始めは柔らかい印象ですが、ドライになるとアンティーク調の質感に変化します。

近年では切り花だけでなく、ナチュラルウェディングやインテリア装飾にも使用されるようになりました。

生花とドライ、どちらでも楽しめる希少なスカビオサとして人気を集めています。

スカビオサ・コルムバリア

スカビオサ・コルムバリアは、ヨーロッパ全域に広く分布する多年草で、最も古くから園芸に利用されてきた原種のひとつです。

花径は4〜5cmほどと中型で、色はラベンダーや淡紫が中心。花弁が薄く、ふんわりとした軽やかさが魅力です。

性質は強健で、乾燥にも寒さにも比較的強いため、ガーデニング初心者にも扱いやすい品種として知られています。

原産地では岩場や草原などの厳しい環境にも自生しており、その生命力の強さから改良品種のベースにも多く用いられています。

花期が長く、初夏から秋にかけて絶え間なく咲くため、庭の彩りを保つ植物としても最適です。

鉢植えでも栽培可能で、自然な草姿を楽しめる宿根スカビオサの代表格です。

スカビオサ・アルバ

スカビオサ・アルバは、「アルバ=白」を意味するラテン語が示す通り、純白の花を咲かせる清楚な印象の品種です。

コーカシカ種やコルムバリア種の白花変異として選抜され、透明感のある白が魅力的です。

花径は5cmほどで、花弁がやや厚く、しっかりとした形状を保ちます。

耐寒性・耐暑性に優れており、四季を通して安定した生育を見せる点も特徴です。

シンプルながら上品な雰囲気を持ち、他のカラフルなスカビオサを引き立てる存在としても活躍します。

ナチュラルガーデンやホワイトガーデンをつくる際には欠かせない定番種です。

ファーマ

スカビオサ・ファーマは、近年人気が高まっている園芸改良種で、丈夫さと花付きの良さを兼ね備えた高品質な品種です。

原種のコーカシカやコルムバリアを基に改良され、花径が大きく、発色の良い花を長期間咲かせるのが特徴です。

花色はラベンダーや淡いブルーを中心に、上品で落ち着いた印象を与えます。

茎がしっかりしており、風に倒れにくいので花壇の中央や切り花用の栽培にも向いています。

花期は春から秋までと長いのが特徴で、耐寒性と耐暑性のバランスが良く、四季を通して管理がしやすい点も魅力です。

プロのフローリストから家庭園芸まで幅広く支持されており、上質な花を安定して楽しみたい方におすすめできる品種です。

スカビオサ 白八重

「スカビオサ白八重」は、数あるスカビオサの中でも特に華やかで優美な印象を持つ品種です。

八重咲きの白い花びらが幾重にも重なり、満開時にはまるで小さなバラやダリアのように見えます。

清楚な白色が特徴で、上品さと柔らかさを兼ね備えた姿から、ブライダルフラワーや贈り物としても人気です。

花径は5〜6cm程度で、花持ちが良いため、切り花として長く楽しめます。

原種であるスカビオサ・コーカシカをもとに改良されており、丈夫で育てやすいのも魅力のひとつです。

日当たりと風通しの良い場所を好み、適切に手入れを行えば次々と花を咲かせます。

スカビオサの育て方

スカビオサは多年草として長く楽しめる植物ですが、美しい花を咲かせるためには環境や肥料管理を工夫する必要があります。

日当たりや水やりの頻度、夏と冬の適した置き場所などの知りたい情報をまとめました。

以下では、スカビオサを育てる際に押さえておきたい環境づくり・肥料の与え方・花後の管理について順に解説します。

スカビオサが育ちやすい環境とは

スカビオサは日当たりと風通しのよい場所を好み、適度な乾燥状態を保つことで健やかに成長します。そのため、土壌も水はけのよいものがよいでしょう。鉢植えの場合も、底に小石を敷くなど通気を確保することが大切です。

耐寒性に優れる品種が多い一方で、真夏の高温多湿にはやや弱い傾向が見られます。

梅雨から夏の間は、半日陰に移動するなどの工夫が必要です。

地域によっては冬季に地上部が枯れることもありますが、根は生きているため、春になると再び芽吹きます。

年間を通して温度変化に応じた管理を心がけることで、安定して花を楽しむことができるでしょう。

肥料を与えるタイミング

スカビオサは栄養を多く必要とする植物ではありませんが、定期的な追肥を行うことで花付きが良くなります。

植え付け時に緩効性の肥料を元肥として与え、その後は春と秋の生育期に液体肥料を2〜3週間おきに与えるのが理想です。

花が咲き始める頃にカリウムを含む肥料を加えると、花色が鮮やかになり、茎がしっかりと育ちます。

反対に、窒素分が多すぎると葉ばかりが茂り、花付きが悪くなるため注意が必要です。真夏の暑い時期や冬の休眠期は肥料を控え、根への負担を軽減しましょう。

肥料の過不足は品種や環境によっても異なるため、株の状態を観察しながら調整することが大切です。

花が終わった後の管理方法

スカビオサは開花期間が長いものの、花がらをそのままにしておくと株の栄養が消耗し、次の花が咲きにくくなります。

咲き終わった花は早めに摘み取り、花茎の根元でカットすると新しい蕾の形成を促せます。

多年草タイプのスカビオサでは、花後に軽く切り戻しを行うことで株の形が整い、風通しが改善されます。

秋の終わりには、地上部をやや短く剪定して冬越しの準備を整えましょう。

寒冷地では、株元を腐葉土や藁で覆うと凍結防止になります。

なお、多年草と一年草では扱いが異なり、一年草は開花後に種を採取して次の年に備えるのが一般的です。

スカビオサの栽培方法

スカビオサの栽培方法

スカビオサは繊細でありながらも丈夫さを兼ね備えた植物です。

春から初夏にかけて可憐な花を咲かせ、秋には再び花を楽しめることもあります。そんなスカビオサを種や苗から育てるときに気を付けたい点についてまとめました。

ここでは、スカビオサを種から育てる際の注意点や、土・苗の選び方、さらに鉢植えと庭植えでの違いなど、実際の栽培に役立つポイントをご紹介します。

スカビオサを種植えするときの注意点

スカビオサは、春または秋に種をまくのが一般的です。発芽温度は15〜20℃前後で、やや冷涼な環境を好みます。

種まきの際は、浅く土をかぶせる程度にして、乾燥しないよう霧吹きで水分を保ちましょう。

直射日光が強いと芽が傷むことがあるため、風通しの良い半日陰で管理すると安心です。

発芽までの期間は1〜2週間ほどかかる場合があり、気温や湿度によって差が出ます。

芽が出たあとは、込み合っている部分を間引き、健全な苗を残すことで丈夫に育ちます。

発芽初期は過湿になりやすいので、水やりのしすぎには注意が必要です。

スカビオサの土選び

スカビオサは水はけのよい土を好みます。市販の草花用培養土でも問題ありませんが、通気性を高めるために赤玉土や軽石を少量混ぜると根がしっかり張ります。

酸性に偏った土では成長が鈍ることがあるため、弱アルカリ性寄りの土が理想的です。

庭植えの場合は、腐葉土や堆肥を混ぜてふかふかの土壌をつくりましょう。

根腐れ防止のため、鉢植えでは鉢底石を入れることも大切です。

肥料は植え付け時に緩効性肥料を少量与える程度にとどめ、成長が安定してから追肥を行うと良いでしょう。

スカビオサの苗の選び方

苗を購入する際は、葉の色が濃く、茎がしっかりしているものを選びましょう。

葉が黄ばんでいたり、黒い斑点が出ている苗は病気の可能性があります。

根元に白い根が見える程度のものが理想で、ポット全体が根で詰まっているものは避けたほうが無難です。

植え替え時期は春か秋が適しており、真夏の高温期はストレスで弱りやすいため避けます。

苗を植える際は根鉢を崩さず、軽く押さえるようにして定植します。その後はたっぷりと水を与え、日当たりと風通しの良い場所で管理してください。

鉢植えと庭上での育て方の違い

鉢植えのスカビオサは移動がしやすく、気候や日差しに合わせて環境を調整できるのが魅力です。特に寒冷地では、冬に室内へ取り込むことで越冬させやすくなります。

一方、庭植えでは根が自由に広がるため、花数が多く丈夫に育つ傾向があります。

ただし、長雨や湿気の多い環境では根腐れを起こすこともあるため、水はけを確保する工夫が必要です。

どちらの場合も、風通しを良くし、過湿を防ぐことが元気に育てる秘訣です。

鉢植えは定期的に植え替えを行い、庭植えでは株が混み合ってきたら株分けをすることで、毎年きれいな花を咲かせてくれるでしょう。

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