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菊の主な種類とは?和菊・西洋菊の特徴や色ごとの魅力などを紹介

菊 種類 イメージ

菊は日本で古くから愛されてきた花であり、格式高い和の花としてだけでなく、洋風アレンジに映える花としても親しまれています。その種類は非常に多く、花の大きさや形、色合いによって印象も大きく変わります。

本記事では、菊の代表的な種類や特徴を分かりやすくまとめ、暮らしの中での活用方法なども紹介します。

菊の種類は大きく2つ

菊は世界で200を超える品種があるとされ、その咲き方や色合い、香りまで幅広い特徴を持っています。大きく分けると「和菊」と「西洋菊」の2種類に分けられ、それぞれの系統が異なる魅力を持ち、用途や飾り方も変わってきます。

ここでは、両者の特徴を整理しながら菊の多様性について詳しく見ていきましょう。

和菊

和菊は日本の気候や文化とともに長い歴史を歩んできた伝統的な菊で、落ち着いた風格と整った姿が大きな特徴です。一輪ごとの存在感が際立ち、茶の湯や盆栽などの「和」の場面で重宝されてきました。

香りが豊かなものも多く、供花や式典などの儀礼的なシーンに用いられることが多いのも特徴です。開花期は秋が多いですが、他の季節でも咲く種類があり、四季の移ろいを感じさせる役割を担っています。

また、和菊は一本の茎に一つの花を咲かせることが多く、その端正な姿から静かで格式を重んじる雰囲気を持ち、見る人に穏やかさや凛とした印象を与えてくれます。和菊は、「日本らしい美しさ」を象徴する存在ともいえるでしょう。

西洋菊

西洋菊は海外で品種改良が進められ、日本に持ち込まれた比較的新しい系統の菊です。一本の茎から複数の花を咲かせるスプレー咲きの品種が多く、全体にボリューム感を出せるのが特徴です。和菊に比べて花径は小ぶりですが、花の数が多いので華やかさが際立ちます。

色の展開も豊富であり、白に加えて黄色やピンク、オレンジ、紫など、洋花らしい鮮やかさを楽しめるのも魅力です。香りは控えめで扱いやすく、花束やフラワーアレンジメントに幅広く取り入れられています。

また、西洋菊は季節を問わず市場に出回っているため、どのタイミングでも入手しやすいといった特徴もあります。西洋菊は現代的で親しみやすい印象があり、インテリアや贈り物に向いている種類です。

和菊の主な種類

和菊には、主に4つの種類が存在します。

  • 小菊
  • 中菊
  • 大菊
  • 古典菊

和菊は日本の風土とともに育まれ、古くから愛されてきた菊の系統です。サイズや姿によってさまざまに分類されており、それぞれに特徴的な美しさや用途があります。

ここでは、代表的な和菊の種類について詳しく紹介します。

小菊

小菊は花の直径が9cm未満と小ぶりで、親しみやすい雰囲気を持つ種類です。昔は盆栽の題材として盛んに栽培されており、「文人菊」と呼ばれていた時期があります。現在では、鉢植えや庭植えとして手軽に楽しめる他、切り花やアレンジメントとしても楽しまれることが増えました。

小菊は小さな花ながらも種類が豊富で、仕立て方によって印象が大きく変わり、懸崖づくりや杉づくり、直幹仕立てなど、多様な方法を楽しむことが可能です。可憐な姿が日常に溶け込みやすく、暮らしの中で幅広く活用されている種類です。

中菊

中菊は、直径が9~18cmほどの菊を指します。華やかさと扱いやすさを兼ね備えており、切り花や仏花に多用されるのが特徴です。

江戸時代には「江戸菊」と呼ばれる品種が中菊の代表格として親しまれ、当時の庶民の暮らしの中に深く根づいていました。現在では古典的な品種だけでなく、産地ごとに多彩な姿を楽しめます。

家庭の仏壇に供える花としてはもちろん、花瓶に生けて日常を彩る花材としても人気が高く、和菊の中でも最も用途の幅が広い種類といえるでしょう。

大菊

大菊は、直径が18~20cm以上にもなる堂々とした姿が特徴です。展示会や菊花展で見られることが多く、一本の茎に一輪だけを残す「三本仕立て」で仕立てられることが一般的です。

花の形によってさらに分類があり、丸みのある「厚物」や糸のような花びらが垂れる「厚走り」、両手で包み込むような形の「大掴み」、管状の花びらが放射状に広がる「管物」などがあります。

また、一重咲きで皇室の紋章にも用いられる「一文字」もこのグループに含まれます。大菊の重厚感と気品を兼ね備えた姿は、和菊の象徴ともいえるでしょう。

古典菊

古典菊は日本各地で古くから育成されてきた品種群を指し、歴史と地域色の濃い種類が揃います。江戸を中心に広まった「江戸菊」や京都の嵯峨野で発展した「嵯峨菊」、岐阜県で生まれた「美濃菊」、熊本発祥の「肥後菊」などが代表的です。

いずれも地域文化と結びついて独自の形や咲き方を持ち、咲き進むごとに花びらの姿が変化したり、糸のような花びらが垂れ下がったりと個性的な魅力があります。素朴さや優美さを兼ね備え、日本の菊文化を語る上で欠かせない存在です。

西洋菊の主な種類

西洋菊の主な種類

一方、西洋菊には以下のような種類が挙げられます。

  • スプレーマム
  • ポンポンマム
  • クッションマム
  • ガーデンマム

西洋菊はヨーロッパを中心に品種改良が進められ、切り花や園芸用として広く流通しているのが特徴です。

ここでは、西洋菊の代表的な4種類について具体的に解説します。

スプレーマム

スプレーマムは、一本の茎から枝分かれして複数の花をつけるのが特徴です。花がスプレー状に広がることからこの名前で呼ばれ、ボリューム感があり華やかな印象を与えます。

花持ちが良く切り花として扱いやすいため、フラワーショップでは定番の存在となっています。ピンクや白などのカラーバリエーションも豊富で、ブーケやアレンジメントに彩りを添えるのに最適です。

市場では西洋菊全般をスプレーマムと呼ぶこともあり、知名度の高い種類といえるでしょう。

ポンポンマム

ポンポンマムは、丸いフォルムの花が愛らしい種類です。小さな花びらが密に重なり合って球体をつくり出し、見た目のかわいらしさからギフトや装飾にも人気があります。

色も白や黄色に加えてピンクやグリーンなど多様で、用途に合わせて選びやすいのも魅力です。洋風のアレンジやモダンなデザインとの相性も良く、近年ではウェディングブーケやイベント装飾にもよく用いられています。

数ある園芸品種の中でも特にバリエーションが豊富で、同じ「ポンポンマム」と呼ばれても姿や印象が少しずつ異なるのが楽しみの一つです。

クッションマム

クッションマムは、鉢植えに適した西洋菊の代表格です。株全体を覆うように小さな花をたくさん咲かせ、丸みのある姿が「クッション」のように見えることからこの名前がつけられました。

秋になると一斉に開花し、鉢全体が華やかな雰囲気に包まれるのが特徴です。屋外・室内ともに育てやすく、ガーデニング初心者にも向いています。

クッションマムは可憐な花が長く楽しめるため、秋のインテリアやベランダを彩る植物として人気が高い種類です。

ガーデンマム

ガーデンマムは、屋外でも丈夫に育つように品種改良された西洋菊です。寒さに強く、庭植えにしても元気に花を咲かせるため、ガーデニング向けの菊として広く親しまれています。

秋になると色鮮やかな花を株いっぱいに咲かせ、季節感のある庭を演出してくれます。鉢植えでも楽しめる一方で、地植えにするとより大きく育ち、ボリュームのある姿を見せてくれるのが魅力です。

ガーデンマムは手入れもしやすいため、家庭の庭先や玄関まわりの彩りとして取り入れられることが多い種類です。

菊に多い色の種類

菊は色のバリエーションが豊富で、それぞれの色が異なる印象や意味合いを持ちます。清らかさを象徴する色から、華やかさや力強さを表すものまで幅広く、用途や贈る相手によって選び方も変わってきます。

ここでは、菊に多い6色の特徴や印象などを紹介するので選ぶ際に役立ててください。

白の菊

白い菊は、清らかさや純粋さを象徴する色として広く親しまれています。日本では仏花やお供えに用いられることが多く、厳かな印象を持つ花としてのイメージが定着しています。

しかし、近年ではシンプルで洗練された美しさが評価され、ウェディングやインテリアフラワーとして用いられることも増えています。白い花が持つ静謐な雰囲気は空間をすっきりと見せ、どんなシーンでも落ち着きを与えてくれるのが特徴です。

黄色の菊

黄色の菊は、太陽のような明るさを感じさせる色合いが魅力です。希望や長寿を象徴する色としても知られ、贈り物として選ばれることも多くあります。

鮮やかな黄色は空間をパッと華やかにし、ポジティブな印象を与えてくれるのが特徴です。庭や鉢植えに取り入れれば、秋の庭先を明るく演出することができます。

白と組み合わせて清潔感を出したり赤と合わせて力強さを演出したりなど、他の色との相性も良い万能なカラーといえるでしょう。

ピンクの菊

ピンクの菊は、可憐でやさしい印象を持つ色です。やわらかなトーンのピンクはあたたかみや親しみやすさを感じさせ、ギフトやアレンジメントに重宝されます。

女性や子どもへの贈り物として人気があり、明るくやわらかい雰囲気を演出したいときにぴったりです。伝統的な和菊よりも洋菊に多く見られる色合いで、モダンなインテリアやブライダルシーンにも取り入れやすいのが特徴です。

ピンクは空間に飾るだけでやわらかい彩りを添え、落ち着いた秋の季節に華やぎをプラスしてくれます。

赤の菊

赤い菊は、情熱や力強さを象徴する色として人気があります。鮮やかな赤は存在感があり、花束やアレンジメントに取り入れると力強い印象を与えてくれます。

洋風のインテリアやイベント装飾にも映える色合いで、近年ではブライダルや特別な日の花材として用いられることも増えています。伝統的な落ち着いた菊のイメージを覆すような華やかさを持ち、エネルギッシュで躍動感のある空間づくりに適しています。

紫の菊

紫の菊は、高貴さや気品を感じさせる色です。古くから日本でも高貴な色とされ、落ち着きと格式のある雰囲気を演出できます。

深みのある紫はシックな印象を与え、大人っぽいフラワーアレンジやインテリアに取り入れやすいのが特徴です。仏花としても用いられる一方で、シックな空間や和モダンな雰囲気づくりにも役立ちます。

色の濃淡によって印象が変わり、淡い紫ならやわらかく上品に、濃い紫なら重厚で格調高い印象になるでしょう。

オレンジの菊

オレンジの菊は、あたたかみと活力を感じさせる色合いが特徴です。秋らしさを強く感じさせるカラーであり、庭や花壇を彩ると一気に季節感が高まります。

ポジティブで親しみやすい印象があるため、家庭やカジュアルなギフトシーンでも取り入れやすい色です。赤や黄色と組み合わせればさらに華やかになり、元気で明るい雰囲気を演出できます。

洋菊に多い色合いでもあり、モダンな空間や季節のアレンジメントにもマッチする人気の高いカラーです。

菊が活用されるシーン

菊が活用されるシーン

菊が活躍する場面では、以下のようなシーンが挙げられます。

  • 仏花やお供えとして使用
  • 庭や鉢植えで育てて楽しむ
  • 贈り物としてプレゼント
  • 季節のイベントや行事を彩る

菊は日本文化の中で古くから大切にされてきた花であり、現代でもさまざまなシーンで活用されています。

ここでは、代表的な活用方法について具体的に解説します。

仏花やお供えとして使用

菊は清らかさや落ち着きを象徴する花として、仏花やお供えに欠かせない存在です。特に白や黄色の菊は古くから供花の定番として用いられ、故人を偲ぶ気持ちや感謝の心を伝える役割を担ってきました。

また、花持ちが良く、長く飾れる点も重宝される理由です。色や咲き方を工夫することで、明るくあたたかみのある印象を添えることもできます。菊をお供えすることは、日本人の心に根づいた祈りや供養の文化を象徴する行為といえるでしょう。

庭や鉢植えで育てて楽しむ

菊は、ガーデニングや家庭栽培でも人気の花です。小菊やクッションマムのように手軽に育てられる品種も多く、秋の庭先を彩る定番として親しまれています。

品種によっては鉢植え向きや庭植え向きがあり、環境に合わせた楽しみ方ができるのも魅力です。花の色合いが豊富なので、他の季節の草花と組み合わせて植えると季節感のある庭を演出できます。

また、比較的丈夫で手入れもしやすいため、初心者でも取り入れやすい点も人気の理由です。

贈り物としてプレゼント

近年は菊をギフトとして贈るケースも増えています。従来は仏花のイメージが強かった菊ですが、西洋菊を中心にかわいらしいフォルムや鮮やかな色合いのものが登場し、花束やアレンジメントに活用されるようになりました。

特に、ポンポンマムやスプレーマムは丸みのある花姿で親しみやすく、誕生日や記念日などのお祝いにも適しています。季節を問わず入手できるため、気軽に贈れる点も魅力です。

相手に明るさや元気を届けたいとき、菊は新しいスタイルのフラワーギフトとして活躍しています。

季節のイベントや行事を彩る

菊は、古くから日本の季節行事や文化的な催しに欠かせない花として用いられてきました。秋に開催される菊花展では多種多様な菊が一堂に並び、その華やかさで来場者を魅了します。さらに、菊は「重陽の節句」にちなんだ花でもあり、長寿や健康を願う意味を込めて飾られることがあります。

また、敬老の日や秋のお祭りなどの地域の行事においても、菊が装飾や贈り物として取り入れられる場面は少なくありません。白や黄色といった落ち着いた色合いは厳かな雰囲気を演出し、赤やピンクの華やかな色合いは場を明るく彩ります。

仏花や日常の飾りにとどまらず、日本人の暮らしや伝統行事と深く結びついている点も菊ならではの魅力です。

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菊は日本の伝統に根づいた「和菊」と、現代的で華やかな印象を持つ「西洋菊」に大きく分けられます。和菊には小菊・中菊・大菊、さらに地域の文化とともに育まれた古典菊があり、格式のある花姿や落ち着いた雰囲気で古くから親しまれてきました。

一方、西洋菊はスプレーマムやポンポンマムなど、多彩な種類が揃っており、ブーケやアレンジメントに彩りを添える花として活躍しています。

また、菊は白や黄色だけでなく、赤やピンク、紫、オレンジなど、色の種類も豊富であり、それぞれが異なるイメージを持っているため、飾る場所や贈る相手に合わせて選べます。さらに、仏花としての厳かな役割にとどまらず、庭や鉢植えで育てて楽しんだりギフトとして贈ったりなど、暮らしのさまざまな場面に寄り添う花でもあります。

種類や色の違いを知ることで、菊の魅力はより一層広がります。伝統と現代の両方で親しまれる菊を、ぜひ身近な生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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