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オリーブの育て方。基本情報と育てるまでの準備まとめ

ありきたりな観葉植物は飽きた、何か珍しいものを育ててみたいという方におすすめしたいのが、オリーブです。銀色の葉を持ち、部屋の雰囲気を一気に落ち着いた素敵な雰囲気にガラリと変えてくれます。今回はそんなオリーブを楽しんでいただくために知っておくべき知識を紹介します。オリーブを育ててみたくなるはずですよ。

オリーブの特徴・基本データ

オリーブは、モクセイ科の植物で常緑樹です。葉は楕円形で硬く、表面は落ち着いたグリーン、裏は銀白色なのが特徴。オリーブオイルや、オリーブのピクルスにすることが多い植物ですが、現在は観賞用としても楽しまれています。オリーブは有史以前から栽培されていて、古代エジプト王朝のミイラからその枝や葉が出土しているほど、昔から大切にされてきました。聖書のノアの箱舟でもオリーブの枝をハトが咥えていたことから、オリーブは平和を意味する植物として親しまれています。現在ではインドのパンジャブ地方や地中海沿岸を中心とするカナリア諸島や、北米、オーストラリア、南アフリカで栽培されていて、日本では小豆島などでも栽培されます。日本ではオリーブの花は夏に咲き、秋に実をつけるので、現在では観葉植物としての人気も高いです。

オリーブの種類と品種

オリーブと聞くとおつまみで出てくる黒いものやグリーンのものを思い浮かべるかも知れませんが、オリーブには沢山の品種があります。また品種改良された、葉が魅力的な観賞用として楽しめるオリーブもあるので、合わせて紹介していきます。食用やオリーブオイル以外の楽しみ方でぜひオリーブの魅力を知ってください。

オイル用品種

オイルにするのに適している品種は、日本でも栽培が可能な搾油率の良いものです。種類としては以下の品種が挙げられます。

  • フラントイオ
  • レッチーノ
  • アルベキーナ
  • タジャスカ
  • マウリーノ
  • シプレッシーノ
  • ペントリーノ
  • ピクアル

が挙げられます。どれも海外で育った品種ですが、どれも病気に強く育てやすく、風味が豊かなのが特徴ですが、一つだけ欠点を挙げるとすると、どれもとても小粒なので収穫がしにくいことです。

ピクルス用品種

オリーブにはピクルスに適している品種もあります。

  • アスコラーノ
  • カラマタ
  • ミッション
  • マンザニロ

が特に人気の種類です。

選ぶときにはできるだけ大きなハリのある実を選ぶことで、ピクルスにしたときのプチッという食感を楽しむことができます。またなるべく渋みの少ない品種を選ぶことも大切です。食べたときに繊維感のある触感だと食べ心地が良くないので、品種選びをする際には、どの品種が何に適しているかを確認しておきましょう。

兼用品種

オリーブにはオイル用にもピクルス用にも、塩漬けにも適している品種があります。ルッカは、基本的には含油率が25%と高いのでオイル用として使われますが、塩漬けにするとコクが生まれます。ハーデイズマンモスもどちらにも適していて、含油率が高いことからオイル用似つかれることがあるが、塩漬けにももってこいの品種です。含油率が少ないものはさっぱりとした味わいに、高いものはコクのある口当たりのいい塩漬け・ピクルスになります。

オリーブを育てるまでの準備

オリーブを迎え入れる前に環境がしっかりと整っているかを確認しておきましょう。せっかくオリーブを育て始めても、環境が悪いと枯れてしまったり、せっかく大きくなっても実が美味しいものができない、ということもありますので、一つ一つ念入りに準備していきましょう。

鉢で育てるための準備

オリーブは厳寒期でなければいつでも鉢に植え替えることができます。育つとどんどん大きくなるので、始めは貰ってきた苗の2サイズほど大きいものを選び、根が底につかないようにしましょう。鉢もそこまで安い買い物ではないので、できるだけ大きなものを用意しておくことで、長い間鉢を楽しむことができます。また、オリーブは水はけがとても大切なので、鉢底3-5cmほど石を入れることのできるサイズにしましょう。

風が吹いたときに倒れやすい鉢も避けたほうが良いです。

なるべく重いしっかりとした鉢を選びましょう。

庭などに直接育てるための準備

オリーブはお庭で育てるのにとても最適な木で、お庭のアクセントにもなります。オリーブは庭木として育てるとぐんぐんと伸び、品種によっては10メートルを超えることもあるので、できるだけスペースを確保しておくと良いでしょう。また風通しのいいところが大好きな植物なので、とても小さなスペースでいくつも重ねるのは厳禁です。できるだけ、他の植物やオリーブと間隔を空けてあげることで、のびのびと育ってくれます。また大きくなったときには剪定が必要になりますので、剪定に必要な道具も準備しておくと安心です。

オリーブの育て方の基本情報

さて、お気に入りの品種は決まり、準備が整ったら育て方の基本的な情報を見ていきましょう。オリーブは一年中葉が綺麗に茂る植物なので、できるだけ長く楽しめるよう育て方には十分注意が必要です。愛情をたくさん込めることで、長くオリーブのパワーを楽しめるので、以下の点に注意しながら育てていきましょう。

植え付けの仕方

オリーブは基本的に1〜2年の木苗が秋もしくは春に販売されていることが多いです。そのため、温かく心地いい気温になる4〜5月、もしくは9〜10月に植え付けをするのがおすすめ。オリーブを植え付けるときには、オリーブの穴を2/3程度まで埋戻し、苗木の根鉢を崩します。その後、根を広げて苗を据えてから、用土を入れます。オリーブの根は浅いので、オリーブを植え付けするときには、必ず浅植えにします。強風などで倒れやすいため、強風を避ける必要があります。強風の日は風通しの部屋に持っていき、もし庭木そして育てる場合は支柱を建てることで、倒れずに育てることができるでしょう。

水やりの仕方

オリーブはもともと温暖な地域で育っていた植物なので、乾燥にはとても強い植物です。

通常時の水やりの頻度は1日1回、もしくは2日に1回で大丈夫ですが、気温や天候をみながら水やりのタイミングを調節しましょう。

基本的には午前中に行うことがおすすめですが、日中の暑い時間に水やりをすると、土の温度が上がったり根を傷つける原因になるので、状況を見ながらあげるようにしましょう。

 

鉢植えをするときには、土が乾燥しやすい状況になるので、土の表面が乾いたら、鉢底穴から水が溢れ出るくらいのお水をあげましょう。

乾燥しすぎてしまうと、葉が抜け落ちてしまう可能性があるので注意が必要です。

 

肥料のあげかた

庭植えの場合でも、鉢植えの場合でも3月に元肥、6月に追肥をあげるといいでしょう。オリーブの根は全体に広がるので、肥料も全体に広がるように散りばめていきます。

ただし、あまり肥料をあげてしまうと、肥料やけをして根の機能に支障が出流ことがあります。そうなると、根から水分を吸い上げることができなくなるので、必ず適切な量をあげるようにしましょう。

選定の仕方

オリーブの木を剪定をするときには、生育が緩やかな2月中旬〜3月に行うのがおすすめです。剪定をするならできるだけコンパクトにするほうが良いので、ほかの枝と方向が違うものは、思い切って剪定しても大丈夫です。

逆に小さすぎるオリーブを剪定すると、こじんまりしてしまうので、必要がないと感じたら剪定する必要はないでしょう。

実の収穫の仕方

オリーブの実は9月頃から出始め、2月頃までつくものもありますが、オリーブオイルにするか、実を食べるかによって収穫の時期が異うので注意が必要です。基本的にオリーブの実は緑色→赤色→黒色と変化していきます。

オリーブの実を塩漬けやピクルスにするときには、緑色になっている時期を目安に摘み取りをします。オイルにしたい場合は、紫〜黒色になったころに収穫をするのが基本です。少ない量のときには手で収穫できますが、たくさんのオリーブを収穫するときには、熊手のようなもので採取するのがおすすめです。ただ実に傷がついてしまう可能性もあるので、慎重に行いましょう。

挿し木での増やし方

挿し木をするタイミングは2回あります。

休眠している時期に行う休眠挿しと、初夏になって成長が止まる緑枝挿しです。

基本的な挿し木の方法は簡単で、用意するものは挿し木に使用する枝とお水、湿らした土だけす。

まず、挿し木で使用する長めのエラを10cmほどハサミで切り分けます。切り分けたら挿し穂は乾燥しないように水につけておきましょう。

その後、湿らせた土に挿し木を入れたら終了です。基本的には1ヶ月くらいで萌芽をして3ヶ月で根をはります。しっかり根をはるまでは無理のないように管理をしましょう。

オリーブの育て方のポイント

オリーブは基本的に乾燥に強く、過湿に弱いため、水はけのいい環境にしてあげることが大切です。また風通しのいい場所を好む植物ですので、できるだけ風通しのいい過湿しない場所を選びましょう。鉢も水はけのものを選び、オリーブの好きなアルカリ性の強い土を用意するほかにも注意したい点をご紹介します。

受粉樹として2つ以上の品種を育てる

オリーブには相互受粉性のある品種があり、相性のいい組み合わせが存在します。一番のおすすめは、ネバディロブランコとミッションです。この組み合わせが一番実がつきやすく、はじめて受粉にトライする人におすすめの組み合わせです。また受粉をするときにはなるべく同じ時期に開花している必要があり、この2つは育つタイミングがほぼ同じなので、初心者にとても適している組み合わせだということが言えます。またマンザニロとルッカ、ルッカとネバディロブランコもとてもいい組み合わせです。苗木から育てるときには、タイミングを合わせていくと良いですよ。

果実がつきすぎたら摘果すると◎

摘果をする際には、7月の梅雨明けあたりから8月のオリーブの成長初期から中期のタイミングが適しています。その時期に摘果をすると、まだまだ成長中の栄養が残っている段階なので、残したい実に栄養を行き渡らせることができます。また摘果すると、残っている実がどんどん大きくなり、身の詰まったオリーブに育てることができるでしょう。

実がならない場合は人工受粉をする

オリーブは1本だけでは結実しにくく、自家不和合性が強い植物です。そのため、実ができない時は人工授粉がおすすめです。オリーブは午前中に花粉がよく出る傾向にあるので、午前中に行うのが良いとされています。花の真ん中にある小さなものがめしべ、回りについてる花びらのような黄色いものが雄しべです。なので、受粉をするときには、めしべにおしべを、おしべにめしべをつけるようにしましょう。花粉を触るときには、ピンセットなど準備すると作業がしやすいです。。

 

オリーブにつく害虫・病気とその対処法

オリーブは人間が美味しく食べるように、虫にとっても魅力的にな植物です。基本的に実はオリーブ自身が身を守るため生で食べるで苦いとされていますが、枝や葉に虫がつくこともあります。ここでは注意すべき害虫とその対処法を見ていきましょう。

コガネムシ

コガネムシはオリーブの木の土のにいることが多く、1匹いるとどんどん湧いてきます。なぜなら、コガネムシはオリーブの根を好むからです。次々と卵を産めないようにするためには、優しく根っこの処理をする必要があります。土の処理をすることは植物にとってとてもダメージのある作業ですので、丁寧に早くいましょう。鉢の場合植え替えをすることによって、また0の状態に戻すことができるのでこの方法が一番適切です。

アブラムシ

アブラムシは植物の汁を吸う虫で、さらにウィルス病を与えてしまうとてもやっかいな虫です。ウイルスをその植物に移してしまうと、そのウィルスが植物全体に渡ってしまうため、できるだけ出会いたくない虫のでもあります。

要因の1つとしては、窒素の多い肥料を与えすぎていることが挙げられます。また株間が狭いことでもアブラムシが湧きやすくなるので注意が必要です。窒素が多くなってしまうと、アミノ酸が多くなり、アミノ酸がたくさん発生したところにアブラムシが寄ってくるので、できるだけ環境を整えてあげましょう。

カイガラムシ

カイガラムシはさまざまな植物に寄ってくるとても厄介な虫です。

湿気を好むので、5月〜7月に多く繁殖するのが特徴なので、湿気の多い時期には特に注意しましょう。

見つけた場合には、すぐに駆除する必要がありますが、名前の通りアブラムシの排泄物はとてもベタベタしているので、手や服に付着する可能性もあります。必ず手袋やエプロンを準備し駆除しましょう。

作業をする際には、湿らせたティッシュなどで拭き取ることによってキレイに取れます。どうしても取れない場合は、柔らかい歯ブラシなどでも取れやすくなります。

 

疽病

炭疽病は、カビから生まれる病気です。オリーブは湿気に弱い植物なので、他の植物が密集していたり、風通しの悪い環境だと炭疽病になる可能性が高まります。特に湿気の多い7月〜11月に発生しやすく、特に日本の場合は梅雨の時期に最も注意が必要です。どうしても炭疽病になってしまった場合は、すぐに風通しのいい場所に移動する、もしくは、回りに整理できる植物があれば取り除き、空気の循環を促してあげましょう。土の中に水分がたまりすぎてしまっている可能性もあるので、移動できる場合はある程度日光を当たって水分が蒸発する環境に移動してください。

 

まとめ

オリーブにはたくさんの魅力が詰まっていて、お部屋に一つあるだけで落ち着いた雰囲気に癒やされます。コツさえ掴めたらオリーブの持つパワーを思う存分楽しめたり、ご自身でオリーブオイルや塩漬けにして楽しむこともできます。ぜひ落ち着いた雰囲気のお部屋にしたい、リラックスした空間にしたいと考えているお部屋にオリーブの木を置いてみてはいかがでしょうか?

 

プレミアガーデンでは、観葉植物の販売はもちろんレンタルも行っております。

観葉植物を長く育てていきたい、オリーブの実を楽しみたいという人は購入を、観葉植物のお世話は心配だけど、試しに家に置きたいという人はレンタルを選ぶのがおすすめです。

この機会にぜひ観葉植物を取り入れた生活をスタートしてみませんか?