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十五夜に飾りたい花7選!月見団子とともに秋の夜長を楽しもう

十五夜 花

秋の風物詩である十五夜は、日本で古くから続く月見の行事です。満月を眺めながら、月見団子やススキを供えて秋の豊作を祈る伝統的なイベントですが、最近ではおしゃれで季節感のある花々を一緒に飾って楽しむ人が増えています。この記事では、十五夜にぴったりな花を10種類紹介し、月見団子とともに、秋の夜長を彩るアイデアをお届けします。秋の夜空と共に美しい花々を飾って、特別な月見の夜を楽しんでみてはいかがでしょうか。

十五夜で飾る花「秋の七草」と花言葉

十五夜とは、旧暦の8月15日にあたる日で、「中秋の名月」としても知られ、日本では古くから月を愛でる風習があります。この日に供えられる花や草には特別な意味が込められており、特に「秋の七草」は欠かせない存在です。

ちなみに、春の七草は七草がゆとして食べることを楽しみますが、秋の七草は花を見ることを楽しむものです。

秋の七草は、秋の季節を彩る美しい植物として日本文化に深く根付いており、十五夜の風物詩として飾られます。ここからは、秋の七草とされている植物の種類を紹介します。

ススキ

十五夜の象徴的な飾り物として最も知られるのがススキです。ススキは、月見団子とともに飾られ、月神を迎えるための目印として使われてきました。また、ススキは稲穂に見立てられ、豊作を祈る意味も込められています。風に揺れる姿は、秋の静けさと清涼感を象徴し、穏やかな十五夜の夜を演出してくれます。

今も手に入りやすいため、お月見のシーズンには花屋さんに並ぶことも多いです。花言葉は、「活力」「生命力」です。

ハギ

ハギ(萩)は、秋の七草の一つであり、紫やピンクの小さな花を咲かせる美しい植物です。古くから和歌や俳句にも詠まれるなど、秋の風情を感じさせる草花として親しまれています。ハギは、しなやかで優雅な姿が特徴で、月見の夜に飾ることで、秋の風情をより一層引き立てます。日本庭園や自宅の庭でもよく見かける植物です。

秋のお彼岸で食べる「おはぎ」は、ハギの花と小豆が似ていることから、おはぎと言うそうです。一方、春のお彼岸で食べる「ぼたもち」はボタンの花と小豆を重ねて。「ぼたんもち」と呼んでいたことから名前がついています。

花言葉は、「思案」「想い」です。

クズ

クズ(葛)は、つる性の植物で、大きな葉とともに紫色の花を咲かせます。クズの根からは葛粉が取れ、葛切りやくずもちに使われます。クズは、古来より薬草としても用いられ、葛根(かっこん)と呼ばれるクズの根は、風邪薬として使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

クズは秋の健康を願う意味でも十五夜に飾られます。力強く地面に根を張るその姿は、生命力を感じさせ、秋の深まりを感じさせてくれます。

花言葉は、「芯の強さ」「根気」などです。

ナデシコ

ナデシコは、可愛らしいピンク色の花を咲かせ、その上品で控えめな美しさが特徴です。日本では古くから「大和撫子」という言葉があり、ナデシコの花は日本女性の美しさの象徴ともされています。秋の夜に咲くナデシコの花は、十五夜の月明かりの下で一層輝きを増し、その可憐な姿が風情を添えます。

花言葉は、「無邪気」「純愛」です。

キキョウ

キキョウ(桔梗)は、青紫色の星形の花が特徴で、古くから日本で親しまれてきました。キキョウの花言葉は「永遠の愛」であり、その優雅で落ち着いた花姿が、月見の夜にふさわしいとされています。秋の七草の一つとして、特に風情ある十五夜の飾りとして用いられるキキョウは、夜空に浮かぶ月との調和が美しい植物です。

花言葉は、「永遠の愛」「変わらぬ愛」「気品」「誠実」です。

オミナエシ

オミナエシ(女郎花)は、黄色い小さな花をたくさん咲かせる植物で、秋の野草として日本各地で見ることができます。その名は「美しい女性」に由来し、優雅で華やかな姿が特徴です。十五夜の月見にオミナエシを飾ることで、秋の豊かな実りを感じることができ、秋の風情を引き立てるアイテムとして重宝されています。

花言葉は、「美人」「はかない恋」「親切」です。

フジバカマ

フジバカマは、淡い紫色の花を咲かせる多年草で、秋の野に咲く草花として古くから親しまれています。香りが良いことでも知られ、月見の夜に飾ることで、香りが十五夜の静かな夜をさらに心地よく演出します。フジバカマの柔らかい花姿は、秋の風とともに優しく揺れ、穏やかな十五夜を彩ります。

秋の七草は、単なる飾り物としてだけでなく、古来から日本の文化や風習に深く根付いた植物たちです。十五夜の夜にこれらの花を飾ることで、豊作を祈り、秋の自然の恵みを感じることができます。秋の七草を取り入れた飾りは、日本の四季を感じる素敵な方法であり、伝統的な月見をより一層豊かに彩ります。

花言葉は、「あの日を思い出す」「躊躇」「ためらい」などです。

秋の七草以外でも飾ってOK

十五夜には「秋の七草」を飾るのが古くからの風習ですが、それ以外の花や植物を飾っても問題ありません。

現在、キキョウやフジバカマは絶滅危惧種として国や県のレッドデータブックに載っている植物で、入手が困難なこともあるでしょう。

近年では、季節を感じさせるさまざまな花や草を自由に取り入れ、自分らしい月見飾りを楽しむ人が増えています。秋らしい雰囲気を持つ花々は、どれも十五夜の静かで美しい夜にぴったりです。

十五夜にぴったりの花の種類と花言葉

十五夜に飾る花は、秋の深まりを感じさせ、月の美しさと相性の良い花々が選ばれます。ここでは、秋の雰囲気を引き立て、月見をより華やかに彩る花をいくつか紹介します。

ピンポンマム

ピンポンマムは、まん丸でコロンとした形が特徴の菊の一種で、華やかさと可愛らしさを兼ね備えた花です。菊は日本の伝統的な花で、縁起が良いとされており、古くから祝いの場でも使われています。特に白いピンポンマムは、満月を象徴するような丸いフォルムが、月見の雰囲気とぴったり合います。黄色やピンクのピンポンマムを使えば、華やかさも加わり、秋の豊かな景色を引き立てます。

花言葉は「高貴」「君を愛す」「真実」などです。

リンドウ

リンドウは、青紫色の美しい花を咲かせる秋を代表する植物です。リンドウの色は、深まりゆく秋の空を連想させ、十五夜の静かな夜に映えることでしょう。花がすっきりとした縦長の形で咲くため、アレンジメントに取り入れると上品で洗練された雰囲気を演出します。また、リンドウの花言葉である「正義」や「誠実」は、真摯な気持ちを込めて誰かに贈る花としても最適です。

ワレモコウ

ワレモコウは、赤紫色の小さな花を持つ野草で、秋の自然を感じさせる素朴な美しさが特徴です。シンプルで控えめな姿が、十五夜の月明かりに優しく溶け込むため、飾ることで落ち着いた秋の情緒を楽しむことができます。ワレモコウは日本の秋を代表する野草の一つで、その素朴な佇まいは、自然と月を楽しむという日本の美意識とよく調和します。

花言葉は「変化」や「移り行く日々」です。夏から秋へ移り変わる季節に咲いていることから、このような花言葉がついているそうです。夏の終わりと秋の始まりを感じる季節ですから、花言葉も十五夜にぴったりですね。

パンパスグラス

パンパスグラスは、大きな穂をつけるススキに似た植物で、十五夜の装飾にぴったりの花材です。特に、ススキの代わりに飾られることも多く、その柔らかな穂が風に揺れる様子は、秋の静けさを感じさせます。パンパスグラスは高さがあり、存在感もあるため、シンプルな花瓶に生けるだけで十五夜の飾りとして十分に役割を果たします。豪華さと自然の素朴さを兼ね備えた植物です。

シュウメイギク(秋明菊)

シュウメイギクは、秋に咲く美しい花で、白やピンクの花びらが秋の景色に映えます。花自体は菊の仲間ではありませんが、その名前に「菊」が含まれていることからも、秋の季節を象徴する花として親しまれています。シュウメイギクは、長い茎の先に大きな花を咲かせ、その姿は秋風に揺れる様子が風情を感じさせます。秋の夜にシュウメイギクを飾ることで、十五夜の月明かりと共に自然な美しさを楽しむことができます。

花言葉は「淡い思い」「忍耐」などです。

コスモス

コスモスは、秋の象徴ともいえる花で、ピンクや白、赤、黄色など多彩な色合いが楽しめます。可憐で細い茎に揺れる姿は、秋の風情を引き立て、十五夜の飾りとしても最適です。コスモスは、古来より日本の庭や野に自生し、特に白いコスモスは、十五夜の月と美しく調和します。コスモスの花言葉には「乙女の真心」や「調和」があり、自然への感謝を込めた秋の装飾としてもふさわしい花です。

ダリア

ダリアは、その豪華な花姿と鮮やかな色が特徴で、秋に見頃を迎える花です。大輪のダリアは、存在感があり、十五夜の夜に彩りを加える花として非常に人気があります。白や赤のダリアは、特に上品で洗練された印象を与えるため、秋の夜のイベントや月見の飾りにぴったりです。ダリアはまた「優雅」「威厳」という花言葉を持ち、特別な夜を彩るにふさわしい花です。

これらの花々は、秋の季節感を引き立て、十五夜の月見を一層豊かなものにしてくれます。それぞれが持つ個性的な色や形が、満月の明かりに照らされて美しさを際立たせるでしょう。

ミリオンバンブー

ミリオンバンブーは、熱帯アフリカ原産のキジカクシ科の植物です。

竹に似た外見ですが実はドラセナ属に分類されており、別名で「ラッキーバンブー」「サンデリアーナ」と呼ばれることもあります。

この植物は5〜6年に1度くらい白い花を咲かせることがあり、見ることができればとても幸運ですよ。また、花言葉も長寿や開運、幸運など大変縁起が良く、十五夜にも最適です。

そもそも、十五夜とは?

十五夜とは、旧暦の8月15日にあたる夜で、日本では「中秋の名月」として古くから月を愛でる風習があります。満月に近い美しい月を楽しむために、月見をしながら団子やススキを供えるのが一般的です。この風習は、秋の収穫を感謝する行事とも結びついており、長年にわたって日本の伝統として受け継がれてきました。

また、イモ類の収穫祝いを兼ねているので、「芋名月」などと呼び、サツマイモや里芋を供えることもあります。

十五夜と十三夜の違い

十五夜は、旧暦の8月15日の夜に行われる「中秋の名月」を楽しむ行事ですが、十三夜は、それに続く旧暦の9月13日に行われる月見の行事です。日本では、十五夜だけでなく、十三夜の月見も大切にされています。十三夜は満月ではなく、わずかに欠けた月ですが、これは「不完全さの美」として特に好まれてきました。また、十五夜だけでなく十三夜も両方楽しむことが良しとされており、両方行わないことを「片月見」として避ける風習もあります。

お月見でススキを飾るのはなぜ?

十五夜の月見にススキを飾る理由は、いくつかの説があります。まず、ススキはその姿が稲穂に似ていることから、秋の豊作を祈るために供えられてきました。また、ススキには魔除けの効果があるとされ、家や村を守るために飾られることもあります。ススキが風に揺れる姿は、秋の静けさと調和し、十五夜の風情を一層引き立ててくれます。

地域で違うお月見団子の形

お月見といえば、月を眺めながら楽しむ「お月見団子」が欠かせませんが、その団子の形状は地域によって異なることをご存じでしょうか。一般的に知られているのは、関東地方のまん丸の白い団子をピラミッド状に積み上げるスタイルです。しかし、地域ごとにユニークな形や特色があり、地方の風習や文化が反映されています。

例えば、静岡地方では、「へそもち」と呼ばれる平たい形のお団子に、くぼみを作ったものが主流です。

関西地方では、しずく型の月見団子が一般的です。関西では、お団子にあんこを巻きつける贅沢な仕様で、さらに色も白色、茶色、桃色と豊かです。これらの色にはそれぞれ意味があり、白色は皮をむいた里芋、茶色は皮をむく前の里芋、桃色は子どもが喜んで食べることを意識して作られています。

中国・四国地方では、串に刺さった串だんごがポピュラーです。月見団子といえば丸く積まれた団子を思い浮かべがちですが、これらの地域では串だんごを供える文化が根付いています。

沖縄地方では、「フチャギ」という、塩茹でした小豆をお餅の周りにつけた独特な団子が供えられます。月見団子というよりもお餅に近く、初めて見る人には月見用の団子とは思えないほどユニークな形をしています。

一方、関東地方の伝統的なまん丸の団子は、実は完全な円形にはしないのが一般的です。丸い団子は「枕団子」と呼ばれ、死者の枕元に供えるものとされているため、少し潰して平たくすることで縁起をかついでいます。もし関東風の月見団子を作る際は、少し潰して形を整えるのがポイントです。

このように、地域ごとに異なるお月見団子の形は、その土地の文化や伝統を色濃く反映しており、地方ごとの月見の楽しみ方を知るきっかけにもなります。

海外での十五夜とは

十五夜は、日本だけでなく、アジア各国でも古くから親しまれている文化です。特に、中国では中秋節と呼ばれ、家族で月餅を食べながら団らんのひとときを過ごします。中国では、家族の絆を深める重要な行事として位置づけられています。韓国では秋夕(チュソク)として、収穫を感謝する日でもあります。こうした各国での月見の文化は、それぞれの地域の伝統や信仰が反映されており、日本の十五夜と共通する部分も多く見られます。

アメリカなどでは、中秋の名月は「ハーベストムーン」と呼ばれ、農作物を収穫する秋にちなんでこの名前が付けられています。

十五夜はいつ?

十五夜は旧暦の8月15日ですが、現在私たちが使っているグレゴリオ暦だと毎年変わります。

2024年~2028年の十五夜をまとめたので、参考にしてください。

  • 2024年:9月17日
  • 2025年:10月6日
  • 2026年:9月25日
  • 2027年:9月15日
  • 2028年:10月3日

必ず15日であるという訳ではないので、時期に注意してお月見をしてみてくださいね。

十五夜には花を飾って楽しもう

十五夜は、満月を愛でながら秋の豊作を祈り、感謝する重要な行事です。地域ごとに異なるお月見団子の形や、ススキを飾る理由など、月見にまつわる風習には多くの意味が込められています。また、十三夜や海外の中秋節など、十五夜にまつわる文化は広く多様であり、それぞれの違いを知ることで、さらに月見の楽しさが増すでしょう。ぜひこの機会に、十五夜に花を飾ってみてはいかがでしょうか。