ベンジャミンが枯れる原因は?枯らさない育て方と対策
ベンジャミンの一番の魅力は、ツヤのあるフレッシュな葉っぱではないでしょうか。小さな葉っぱが密集して茂る美しさに、思わず見とれる方は多いでしょう。
また、サイズ展開も豊富であり、手のひらサイズのものから大きなサイズまで揃っているので、好みでチョイスできるのも嬉しいポイントです。
しかし、ベンジャミンは環境の変化に弱い性質があり、葉を落としたり枯れたりしてしまう場合があります。
そこで今回は、ベンジャミンが枯れる原因や対策、手入れ方法などを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ベンジャミンが枯れる原因と対策
オシャレでインテリアグリーンとして人気があるベンジャミンですが、丈夫に育てるのにはコツが必要です。
ここでは、ベンジャミンが枯れる5つの原因と対策を分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
原因①日照不足
枯れる原因の一つ目は、日照時間が少ないことです。
ベンジャミンは日陰でも育ちますが、本来は日差しを好む植物です。そのため、あまりにも暗い場所に長期間置いておくと枯れてしまうことがあります。
室内でベンジャミンを育てている場合は、なるべく明るくて通気性の良い場所に置いてください。窓際なら南側や東側がおすすめです。
また、ベンジャミンはデリケートな植物なので、何回も場所を変えるのはおすすめできません。急に直射日光に当たるのも、避けるほうが無難です。
はじめは窓際の明るいエリアに置き、様子を見ながら少しずつ日光に当てていくようにしましょう。
原因②水やりの頻度
水やりは、土が乾いたらたっぷりと与えるのが基本ですが、夏場の水やりには注意が必要です。昼間の水やりは日光によって地中の温度が上がり、根が傷む原因につながってしまいます。
夏場の暑い時期には、朝か夕方水やりを行うほうが良いでしょう。
また、ベンジャミンは比較的生長スピードが早いのでたくさんの水が必要ですが、水不足を起こすと枯れてしまう可能性があります。一方で、乾燥しすぎても葉が落ちる原因になってしまうので注意してください。
冬場では生長の速度が遅くなるので、水やりは控えめがベストです。与えすぎると根腐れの原因にもなるので、やや乾燥気味に育てましょう。
なお、葉っぱの表面の乾燥防止には霧吹きなどを活用した葉水が効果的です。その際、葉の裏側にも葉水をすると害虫予防にもなります。
原因③冬の過酷な寒さによるもの
熱帯地域原産のベンジャミンは、寒さにはやや弱い傾向があります。耐寒温度は5℃といわれていますが、20℃以上あったほうが元気に育ちます。
冬の寒い時期では、室内で管理するのがおすすめです。ただし、昼間は暖かい室内でも、朝晩は急激に気温が下がることがあり、特に窓際は冷えるので気をつけてください。
夜になったら部屋の中心付近に移し、鉢の下に新聞紙や段ボールなどを敷いて寒さ対策を施すと良いでしょう。
原因④環境の変化
ベンジャミンは繊細な植物なので、環境が変わると葉を落としやすい傾向があります。特に、急激に気温が下がる晩秋から冬にかけて葉が落ちてしまう場合があります。
また、模様替えなどで鉢を移動させたり、明るい場所から暗い場所に移したりしたことに反応して葉を落としてしまうことも少なくありません。
しかし、ベンジャミンを含めた植物は、新しい環境に適応しようとして古い葉を落とすことがあるため、しばらくの間見守ってください。
どんどん葉が落ちてスカスカになってしまった場合は、他に何か原因がある可能性もあるので、よく観察して原因を探ってみましょう。
原因⑤病害虫によるもの
ベンジャミンにつきやすい害虫に「カイガラムシ」がいます。カイガラムシは糸のように細い口吻を植物の茎や葉に差し、養分を吸い取ってしまう害虫です。
成虫を駆除したとしても卵を産みつけていることが多いため、早めに駆除するのが大切です。
カイガラムシは高温多湿の環境で発生するので、気づいたら早めに薬剤などで対処すると良いでしょう。ただし、小さな葉が密集するベンジャミンは薬剤の散布が簡単ではないため、思い切って葉を剪定して一旦すっきりさせるのも良いかもしれません。
ベンジャミンが枯れ始めるサイン
ベンジャミンを含め、植物は枯れる前にさまざまなサインを送ってきています。そのサインに一早く気づければ、枯れるのを防ぐことが可能です。
ここでは、ベンジャミンが枯れる前はどのようなサインを送るのかを3つ紹介します。
枝や葉っぱなどにツヤがなくなる
ベンジャミンの元気がなくなり、葉っぱにツヤがなくなってきたら要注意です。室内に置きっぱなしであれば、日照不足やエアコンの風に当たったことで起こる乾燥などが考えられます。
その他にも、肥料不足や直射日光に当たったことによる葉焼けの可能性もあるでしょう。
葉っぱがべたつく
葉っぱがベタベタするときには、害虫(カイガラムシ)による被害や、葉の先端にある蜜線からの樹液である可能性があります。
樹液である場合は水などをかけて流せば良いですが、日ごとに元気がなくなるようなら害虫を疑ってみてください。
葉が落ちてしまう
ベンジャミンは環境の変化に弱いため、購入してすぐは葉が落ちたりスカスカになったりしてしまうことがあります。その他にも、明るい場所から暗い場所に移動させたり、季節の変わり目で急激な気温の変化があったりする場合も、葉がパラパラと落ちてしまう可能性があります。
このような症状が見られるときは、自然現象なのか他に原因があるのかを冷静に見極めることが大切です。
ベンジャミンの管理の秘訣
ベンジャミンは環境の変化に馴染みにくいため、育てにくいのではないかと思われた方も多いのではないでしょうか。しかし、一旦環境に慣れてしまえばすくすく育ってくれる植物です。
ここでは、ベンジャミンを栽培する際の秘訣を紹介しますので、ベンジャミンを育てる際に役立ててください。
環境
ベンジャミンは気温が20℃以上になるとエネルギッシュに育っていきます。気温が安定している春~秋の間は、風通しと日当たりが良い屋外で栽培するのがおすすめです。
ただし、今まで暗い室内で育てていて外に出す場合は、少しずつ慣らしていくようにしてください。いきなり明るい場所に出すと、葉焼けを起こしたりトラブルの原因になったりするので気をつけましょう。
室内で育てる場合は、カーテン越しの光を活用するのがおすすめです。
水やり
ベンジャミンに限らず他の植物も同じですが、水やりの基本は土が乾いてからです。ただし、ベンジャミンの場合は過度な乾燥状態が続くと葉を落としてしまうので注意が必要です。
特に、注意したいのは冬場の水やりで、気温が下がると生長も緩やかになるので、水やりは控えめにするほうが良いでしょう。
肥料
5~9月の生育期には、1ヶ月に1度の割合で肥料を施してください。液体肥料・緩効性肥料のどちらでも良いですが、即効性がある液体肥料がおすすめです。
休眠期に入る冬は、肥料を与える必要はありません。
ベンジャミンの植え替え・剪定方法
ベンジャミンは、比較的生長が早い植物です。適した環境下で育成すれば、どんどん大きくなります。
ここでは、ベンジャミンの手入れ方法について詳しく解説します。
植え替え
ベンジャミンは1~2年に1度、5~9月の生育期に植え替えをするのがおすすめです。植え替えをせず、根がまわって鉢いっぱいになっている状態だと根詰まりを起こしてしまうため、植え替えは欠かせません。
ベンジャミンの植え替えを行う場合は、鉢をひと回り大きくしても良いですが、コンパクトに育てたい場合は根を1/3~1/2ほどカットするのがおすすめです。
根が小さくなると水分を吸収するパワーも弱まるため、剪定して葉の数を減らしておきましょう。
剪定
生育期には葉が混み合ってくるため、風通しを良くするためにも切り戻しと剪定を行ってください。幹の途中でバッサリ切る強剪定を行うと、枝の数が増えずに寂しい姿になってしまいます。
ベンジャミンの切り戻しをする際には、枝は多めに残しておくのがおすすめです。
ベンジャミンってどんな植物?
光沢がある涼しげな葉っぱが魅力的なベンジャミン。耐陰性があり、室内での育成に適しているため、インテリアグリーンとしても人気があります。
そんなベンジャミンですが、どんな特徴を持つ植物なのかと気になる方は多いでしょう。
ここでは、ベンジャミンの基本情報やベンジャミンにまつわるエピソードなどを解説します。
基本データ
植物分類 | 常緑高木 |
学名 | Ficus benjamina(フィカス ベンジャミナ) |
科・属 | クワ科・イチジク(フィカス)属 |
英名 | Weeping Fig(ウィーピング フィグ)、Benjamin tree(ベンジャミン ツリー) |
和名 | 枝垂れ榕樹(シダレガジュマル) |
別名 | ベンジャミンゴムノキ、シロガジュマル など |
原産地 | インド、東南アジア、オーストラリア |
草丈 | 30~200cm |
耐寒性/耐暑性 | 弱い(最低育成温度5℃)/やや強い |
花の色 | オレンジ、ピンク |
花言葉 | 信頼、結婚、友情、永遠の愛、家族の絆 |
誕生花 | 1月7日、6月7日 |
ベンジャミンはフィカス属に分類されており、ゴムの木やガジュマルの仲間です。しかし、同じ性質を持っていてもベンジャミンは葉が小さく密集している見た目が優雅な印象を与えています。
また、枝がたおやかで葉っぱも薄いため、繊細な雰囲気も持っています。
ベンジャミンには、「家族の絆」「永遠の愛」などの素敵な花言葉が多いことから、さまざまなシーンでの贈り物としても人気がある植物です。
特徴
ベンジャミンは、和名で「枝垂れ榕樹(シダレガジュマル)」と呼ばれているように、枝垂れる性質を持っています。灰白色の樹皮が美しく、ツヤのある可愛らしい葉が魅力です。
原産地では樹高が20~30メートルに及ぶこともありますが、鉢植えにして室内に置く場合はコンパクトに育てることも可能です。
ベンジャミンはある程度の耐陰性もあるため、初心者の方でも栽培しやすいでしょう。
「聖木」といわれる理由
ベンジャミンは、原産地のインドやネパールでは「神聖な木」といわれてきました。生命エネルギーが強くぐんぐん生長して実をつけるベンジャミンは、繁栄のシンボルとして崇められています。
そのような背景から、現地では装飾樹や仏教聖木として植樹されている姿をよく目にします。
ベンジャミンの花は?
ベンジャミンは、「花嚢(かのう)」という果実のように見える部分の内部で花を咲かせます。そのため、見た目では花を確認することはできません。
花嚢を持つ他の植物としては、「イチジク」や「イヌビワ」などが挙げられます。
ベンジャミンの魅力
フサフサと茂る草姿がクールな印象を与えるベンジャミン。部屋に一つあるだけでも、洗練された雰囲気を演出してくれます。
ここでは、ベンジャミンの魅力を詳しく見ていきましょう。
インテリアグリーンとして最適
ベンジャミンは、大型サイズから手のひらに乗る小型サイズまで揃っているので、インテリアに取り入れやすいのがメリットです。
また、葉っぱの色やフォルム、種類も豊富なことから、自分の部屋に合ったものをピックアップできます。
剪定をすれば好きな形にできる
ベンジャミンは剪定の仕方次第では、自分の好みの形にすることも可能です。園芸店やオシャレなカフェなどで、葉を丸くまとめたタイプや根をねじって三つ編みにしたベンジャミンを見た方もいるのではないでしょうか。
ベンジャミンは刈り込みに強いので、剪定の経験がなくても気楽にチャレンジできる点もポイントです。
栽培しやすい
育成が簡単であることも、ベンジャミンの魅力の一つです。植物の育成に興味があり、いざ育ててみたとしても手入れが思いのほか大変で、すぐ枯れてしまったとなってはモチベーションが下がってしまいかねません。
しかし、ベンジャミンは耐陰性もあり、寒さにもある程度耐えられるため、コツさえ押さえれば初心者の方でも育てられるでしょう。
ベンジャミンの人気な種類5選
スタイリッシュな外観のベンジャミンは、丈夫で栽培しやすいゴムの木の仲間です。葉の形や色も多種多様なので、自分の好みに合った種類が見つけやすいでしょう。
最後に、ベンジャミンの中でも特に人気がある品種を5種類抜粋して紹介します。
ベンジャミナ
「ベンジャミナ」は「フィカス ベンジャミン」とも呼ばれる最もベーシックな品種です。樹高が高く、枝が華奢な性質を生かして枝を編み込んだものが人気です。
葉っぱにはツヤがあり、卵型をしています。新芽はライムグリーンですが、少しずつ濃い緑色になっていく魅力があります。
スターライト
「スターライト」は、白とグリーンのコントラストが美しく魅力的な品種です。模様は日差しなどの環境によって大きく異なるので、好みのものをチョイスできるのは嬉しいポイントでしょう。
白色の斑が入った品種は清潔感があって人気ですが、葉焼けしやすいのでやや注意が必要です。
バロック
クルンと丸まった葉っぱが個性的な「バロック」は、濃い緑色の葉っぱが印象的な品種です。名前はポルトガル語の「Barroco(不規則)」が由来になっており、バロックの葉が自由に伸びていくことからつけられました。
見ているだけで心が和んでしまうようなその姿は、遊び心を持っている方のインテリアにぴったりです。
シタシオン
「シタシオン」はバロックよりも少し大きい葉を持っており、緩くカールした葉っぱと優しげな色合いがオシャレな品種です。
斑入りのバロックと間違われることが多いですが見分けがつきにくいため、混合されて販売されていることもあります。
ラブリー
「ラブリー」は、従来のベンジャミンと比べるとコンパクトな品種です。小さな葉っぱのふちにクリーム色の斑模様が入っているので、明るく爽やかな印象を与えてくれます。
また、ラブリーはカラーリーフとしても楽しむことが可能です。
ベンジャミンの枯れる原因を知り丈夫に育てよう
ふんわりとした繊細な樹形が美しいベンジャミンは、さまざまな表情を持った植物です。急な環境の変化や日照不足などで葉が落ちてしまうこともありますが、基本的には栽培しやすく初心者の方にもおすすめです。
葉がクルンと丸まった品種や白い斑が入っている品種など、さまざまな種類がありますので、自分の部屋の雰囲気に合ったベンジャミンを選んでみてはいかがでしょうか。