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梅の花言葉を知ろう!色別の意味や由来や種類、開花時期まで解説

春の訪れを告げる花として親しまれている梅。その可憐な姿は人々の心を和ませ、古くから和歌や俳句にも詠まれてきました。今回は、そんな梅の花言葉について、色別の花言葉や由来、種類、開花時期まで詳しく解説していきます。梅の花言葉を知れば、春の訪れをより一層楽しむことができるでしょう。

梅の花言葉を知ろう

梅の花言葉について、色別の花言葉や由来をまとめてお伝えいたします。

梅全般の花言葉と由来

梅の花は、品種を問わず全体としていくつかの花言葉が付けられています。日本では「忠実」「高潔」「忍耐」の3つが梅全般の花言葉とされています。

「忠実」の由来は、平安時代の学者・菅原道真にまつわる「飛梅伝説」です。道真が左遷される際、別れを惜しんだ梅の木だけが大宰府まで付いていったという逸話から、この花言葉が付けられました。

一方、「高潔」「忍耐」という花言葉は、厳しい冬の寒さに負けず、他の花に先駆けて花開く梅の姿が由来とされています。

また英語圏では、以下のような花言葉が梅に与えられています。

・fidelity(忠実) ・Keep your promise(約束を守る)
・beauty and longevity(美と長寿)

日本の花言葉同様、梅の花の美しさと力強さを表す言葉が選ばれているのが特徴的です。

色別の花言葉の違い

梅の花は、品種全体の花言葉だけでなく、花の色ごとにも花言葉が付けられています。

■紅梅の花言葉 紅色の花を咲かせる紅梅の花言葉は「優美」や「艶やか」。上品な美しさと艶やかな香りが由来となっています。また、平安時代の作家・歌人である清少納言が愛した花でもあり、『枕草子』でも「木の花は色が濃くても薄くても紅梅が良い」と詠まれています。

■白梅の花言葉
一方、白い花を咲かせる白梅の花言葉は「気品」「上品」。艶やかな紅梅とは対照的に、奥ゆかしく気品のある美しさを感じさせる白梅らしい花言葉です。

■ピンク(薄紅)の梅の花言葉 さらに、ピンク色に近い薄紅色の花を咲かせる品種もあります。柔らかく清々しい印象のピンクの梅の花言葉は「清らかさ」。いずれの色の花言葉も、それぞれの梅の花の雰囲気をよく表現しているのが特徴と言えるでしょう。

紅梅の花言葉

紅梅の花言葉は「至上の幸福」「気品」「高尚」などポジティブな意味合いが多いです。

  • 紅梅は鮮やかな濃いピンク色をしており、その美しい色合いから上品で高貴なイメージを持たれています。
  • 梅は一般的にネガティブな花言葉が多いのですが、紅梅は例外的に明るく前向きな意味合いを持つ珍しい存在と言えます。
  • 紅梅の花言葉の由来は、その美しい紅色と香りから、幸福感や上品さを感じさせることにあるようです。
  • 紅梅は白梅と並んで人気の品種で、梅の代表的な花色の一つです。一重咲きと八重咲きの2種類があります。
  • 一重咲きの紅梅は野梅系、八重咲きは園梅系に分類されます。八重咲きの方が華やかな印象を与えます。

【表】紅梅の花言葉

花言葉 意味
至上の幸福 この上ない幸せ
気品 上品で洗練された印象
高尚 崇高で気高いイメージ

以上、紅梅の花言葉について解説しました。濃いピンク色の美しい花を咲かせる紅梅は、梅の中でも特に明るく幸福感のある花言葉を持つ特別な存在と言えるでしょう。

白梅の花言葉

白梅の花言葉 は「気品」「公平」「忠実」「気高さ」などポジティブな意味合いが多いです。一方で、梅の花言葉全般では「忍耐強い愛情」のようにネガティブな意味もあります。

  • 白梅は清楚で上品なイメージから、気品や公平さを表していると言えます。白は神聖や純粋の色でもあるので、相手への忠実な愛情も意味するのでしょう。
  • 白梅は特に和歌でよく詠まれてきた花です。平安時代の歌人、在原業平の和歌にも登場します。
    梅が香に のきなつかひそ 梅の花 主こふ心は ありとやらなむ
    (梅の香りに誘われるように、あなたのもとを訪れた梅の花です。 あなたを思う私の心は、この花のようにあるのでしょうか)

このように白梅は古くから日本人に愛されてきた花です。その清楚で気高いたたずまいから、人々は白梅に理想の人物像を重ねてきたのかもしれません。

ピンク(薄紅)の梅の花言葉

は「清らかさ」です。

  • 梅の花には、濃い紅色の紅梅や真っ白な白梅以外にも、ピンク色に近い薄い紅色の花を咲かせる品種があります。
  • そんなピンク色の梅の花からは、柔らかさや清々しさを感じることができるでしょう。
  • 淡いピンク色の花びらは、まるで女性の頬を彩る紅のようにも見えます。
  • そのような梅の花の雰囲気から、ピンク色の梅には「清らかさ」という花言葉がつけられました。

以下の表は、梅の色別の花言葉をまとめたものです。

梅の色 花言葉
紅梅 優美、艶やか
白梅 気品、上品
ピンク(薄紅) 清らかさ

このように、ピンク色の梅は紅梅や白梅とはまた違った美しさと花言葉を持っています。梅の花を眺める際には、花の色合いの違いにも注目してみると、より一層梅を楽しめるかもしれませんね。

梅の花言葉にまつわるエピソード

梅の花言葉は怖いと言われる方がいますが、梅の花言葉に怖い意味はありません。ここでは、梅の花言葉にまつわるエピソードを紹介いたします。

ネガティブな意味合いがある理由

「梅の花言葉にはネガティブな意味がある」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、梅の花言葉にはネガティブな意味はなく、「忠実」「高潔」「忍耐」といったポジティブな言葉ばかりです。

では、なぜ梅の花言葉にネガティブな意味があると言われることがあるのでしょうか。その理由は、梅の開花時期にあると考えられています。

梅が花を咲かせる1月下旬から3月上旬は、春の訪れを感じつつも、まだ寒さの残る時季。この頃は、人生の節目となる卒業式や入学式、春の人事異動など、人や物事との別れが多い時期でもあります。

梅の開花シーズンとこうした別れの時期が重なることから、梅はネガティブなイメージと結び付けられてしまったのではないでしょうか。しかし本来、厳しい寒さに耐えて美しい花を咲かせる梅は、前向きで力強いメッセージを持つ花なのです。

松竹梅の順番と梅の位置づけ

「松竹梅」と聞くと、梅は松や竹よりも低い位置づけのように感じてしまうかもしれません。実は、松竹梅の順番にはそれぞれ意味があるのです。

松は常緑樹で長寿の象徴とされ、竹は四季を通して青々としているため、松竹梅の中で一番上に位置しています。 一方、梅は春の訪れを告げる花として、寒い時期に咲く力強さが評価されています。松竹梅の並びでは最後になりますが、それは早春に一番最初に花開くことを表しているのです。

つまり、松竹梅の並びは、  松:不老長寿  竹:節操と忠義  梅:春の訪れ というそれぞれの象徴的な意味を表していると言えるでしょう。

梅は花の開花時期の早さゆえに、松竹梅の最後尾に置かれているのですね。けれども、それは梅の価値が低いということではありません。厳しい寒さに耐え、一番早く春の訪れを告げる力強さゆえに、梅は古くから日本人に愛されてきた花なのです。

寿司屋の「梅」の意味

寿司屋の看板やのれん、暖簾などに梅の花や実の絵が描かれていることがよくあります。これには、梅の持つ「客を招く」という花言葉に由来する意味があるのです。

梅の花言葉の1つに「客を招く」という意味があります。これは、梅が早春に咲く花の代表格であり、春の訪れを感じさせることから、「人々を店に招き入れる」という象徴的な意味を持つようになったと考えられています。

梅の実は「ウメ」と発音しますが、「埋める」とも同音です。赤字を「埋める」という縁起担ぎの意味もあるため、商売繁盛の象徴としても用いられるようになりました。

さらに、梅は古くから邪気を払い、病気を防ぐ力があるとされてきました。寿司に添えられる紅しょうがも、白い寿司飯に鮮やかな彩りを添えると同時に、殺菌効果を持つことから好んで用いられてきた経緯があります。

このように、寿司屋が梅のモチーフを多用するのには、客を招き、商売繁盛を願う気持ちが込められているのです。

梅にまつわる言葉・ことわざ

ここでは、梅にまつわる言葉やことわざについて紹介いたします。

塩梅

塩梅という言葉は、以下の4つの意味を持ちます。

  1. 料理の味加減
  2. 物事の様子や具合
  3. 体の健康状態
  4. 物事の様子を踏まえて処理すること

古くから料理の味付けは、塩と梅酢のバランスで整えられていました。このバランスが取れた状態を「良い塩梅(えんばい)」と呼んでいたのが、塩梅という言葉の由来とされています。

雅楽で使われる篳篥(ひちりき)という縦笛の奏法「塩梅(えんばい)」が由来という説もあります。

元々は料理の味加減だけを意味していましたが、次第に物事の具合や様子を指す意味でも使われるようになりました。

本来「えんばい」と読まれていた塩梅ですが、意味や読みが近い「案配(あんばい)」という言葉の影響で、現在のような「あんばい」という読み方に変化したと考えられています。

梅干しは三毒を断つ

「梅干しは三毒を絶つ」というのは、梅干しを食べると体のさまざまな不調の改善に効果があるという意味のことわざです。実際に、日本最古の医学書『医心方』にもこの記述が見られるほどです。

ここでいう「三毒」とは以下の3つを指します。

水毒:体内の水分の汚れ

食毒:暴飲暴食や食あたりなどの、食事が原因の毒

血毒:血液の流れの滞りなどによる毒

梅干しには、クエン酸やポリフェノール、ムメフラールなどの成分が豊富に含まれています。 これらの成分が、利尿作用、殺菌・抗菌作用、整腸作用などを発揮することで、上記のような体の不調の改善につながるのです。

昔から日本人に親しまれてきた梅干しには、このように健康面でのさまざまな効能があるのですね。

梅はその日の難のがれ

「梅はその日の難のがれ」とは、朝出かける前に梅干しを食べるとその日は災難を免れることができる、という意味のことわざです。

・昔の旅人は、熱病や風土病などの災いから身を守るため、梅干しを薬として携帯していた ・これは梅干しに殺菌作用や生薬的効果があると考えられていました。このことから、「梅干しを食べると、その日一日の災難を逃れられる」という言い伝えが生まれました。

現在でも、ホテルや旅館の朝食などで梅干しが提供されるのは、この「梅はその日の難のがれ」のことわざが伝えられているからだと考えられています。

災いを避ける民間信仰の一種として、長い歴史の中で人々に親しまれてきた梅干し。先人の知恵が詰まったことわざを通して、改めて梅の力強さを感じることができますね。

梅を楽しむ情報

ここでは、梅を鑑賞する際の開花時期や見ごろ、名所などを紹介いたします。

梅の開花時期と見頃

梅の開花時期は品種や地域によって異なりますが、一般的に1月下旬頃から咲き始め、2月中旬から3月上旬にかけてが見頃となります。

開花から満開までの期間は10日間ほどで、桜よりも短いのが特徴です。 開花の順番は以下の通りです。

  1. 紅梅(こうばい)
  2. 白加賀(しろかが)
  3. 豊後(ぶんご)

地域別の梅の見頃の時期は次のようになります。

地域 見頃時期
関東以西 1月下旬〜2月中旬
東北 2月中旬〜3月上旬
北海道 4月中旬〜5月上旬

梅は南から咲き始め、徐々に北上していきます。 見頃の時期に合わせて梅の名所を訪れるのがおすすめです。

ただし気温の変化で開花時期がずれることもあるので、訪問前に開花状況を確認しておくと良いでしょう。 梅は春の訪れを感じさせてくれる花です。ぜひタイミングを逃さずに鑑賞しに行きましょう。

梅の名所

として有名なのは、福岡県の太宰府天満宮です。ここには樹齢1,000年以上とされる「飛梅」がご神木としてあり、他の梅よりも早く開花します。

京都の北野天満宮も梅の名所として知られています。境内には約1,500本の梅が植えられており、早咲きの梅から遅咲きの梅まで長期間楽しめるのが特徴です。

神奈川県鎌倉の鶴岡八幡宮は源頼朝が手植えしたといわれる梅の古木があることで有名です。

埼玉県の長瀞町には、荒川の渓谷沿いに約1万本の梅が咲き誇る「長瀞梅林」があります。梅まつりの時期には多くの観光客で賑わいます。

熱海梅園は日本有数の梅の名所です。園内には約470種、約4,700本の梅が植えられています。

このように、全国各地に素晴らしい梅の名所が点在しています。春先の訪れを感じさせてくれる梅の花を、ぜひ名所で堪能してみてはいかがでしょうか。

梅と桜、桃の見分け方

梅、桃、桜は同じバラ科サクラ属なので、とてもよく似ていて見分けが難しいですが、いくつかポイントがあります。

■梅の花の見分け方

  • 花びらの先が丸い
  • 1か所に1つの花が咲く
  • 花柄(花軸と花の間の茎)がほぼない

■桃の花の見分け方

  • 花びらの先が尖っている
  • 1か所に2つの花が咲く
  • 短い花柄がある

■桜の花の見分け方

  • 花びらの先が割れている
  • 1か所に多くの花が咲く
  • 花柄が長い

このように、花びらの形状や咲き方、花柄の長さなどを見れば、よく似た3つの花も見分けることができます。 春になって美しい花を目にしたら、ぜひ上記のポイントを思い出して、梅なのか桃なのか桜なのかを見極めてみてください。

梅の木のお手入れ方法

梅の木を美しく育てるには、適切なタイミングと方法で剪定を行うことが大切です。梅の木の剪定に最適な時期は、春(4~5月)、夏(7~8月)、冬(11~1月)とされています。

各時期の剪定の目的は以下の通りです。

春:太い枝を切り、新しい枝を伸ばす 夏:無駄な枝を軽く切り落とし、樹形を良くする 冬:樹形を整えたり、花付きや実付きを調整する

ただし、他の時期に剪定すると翌年の花芽のついた枝を切ってしまい、花付きに影響が出る可能性があるので注意が必要です。

剪定に必要な道具は、小枝用の剪定ばさみ、太い枝用ののこぎり、軍手、脚立などです。枝は以下のような状態のものを中心に切り落とします。

・枯れている枝 ・枝同士が絡まっているもの ・残したい枝に対して平行または交差しているもの ・真上に伸びている枝 ・幹や根元から伸びている枝

樹齢によって剪定方法は異なりますが、1~2年目は主幹を整え、3年目以降は春夏冬の時期に合わせて不要な枝を剪定していきます。特に冬の剪定が樹形作りには重要とのことです。

以上のように、梅の木の剪定では時期とその目的、正しい枝の選定が肝心だといえるでしょう。美しい梅の木を育てるために、計画的な剪定を心がけましょう。

まとめ

梅は古くから日本人の生活や文化に深く関わってきた植物です。梅の花は、梅全体で「忠実」「高潔」「忍耐」という花言葉を持ち、色別でも「優美」「気品」など上品なイメージの言葉が与えられています。

このように、梅の花言葉やことわざを知ることで、梅と日本人の結びつきの深さを感じられます。ぜひ梅をより深く知り、花も実も楽しんでみてはいかがでしょうか。