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プルメリアってどんな花?花言葉や育て方について解説

 

プルメリアは、その美しい花の姿と甘い香りはもちろんのこと、ハワイなど南国をイメージさせるエキゾチックな雰囲気も魅力です。近年では、日本でも観賞用として人気が高まり、自宅でプルメリアを育てる人も増えています。

育て方のポイントを押さえれば、あなたもプルメリアのある暮らしを始められます。この記事では、プルメリアの基本情報から花言葉、育て方、そして楽しみ方まで、詳しく解説していきます。

プルメリアの基本情報

ここでは、プルメリアの基本情報を紹介いたします。

プルメリアの特徴

プルメリア(Plumeria)は、キョウチクトウ科に属する常緑または落葉性の低木や小型の木です。主に熱帯地域で生息しており、その花は白、ピンク、赤、黄色など様々な色を持ちます。特に南国の象徴として知られ、ハワイやインドネシア、タイなどの地域では伝統的な儀式や装飾品に使用されています。

プルメリアの木は高さ1.5〜7メートルまで成長し、厚い枝と光沢のある緑色の葉が特徴です。花の形は星形で、中心部分から甘い香りが漂います。その美しさと香りは多くのガーデナーに愛され、庭や鉢植えとして広く栽培されています。

プルメリアの原産地と分布

プルメリアの原産地は、メキシコ、中米、南米北部だと考えられています。 現在では、世界各地の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されており、特にインドの一部では野生化しているとみられます。

主なプルメリアの分布地域は以下の通りです。

・メキシコ ・中米諸国 ・南米北部 ・インド ・オーストラリア(シドニー、パース、北部) ・アメリカ(カリフォルニア州・フロリダ州南端) ・ハワイ(標高2000mまで)

プルメリアは比較的どんな土壌でも育ちやすく、庭園や街路樹、公園などに植栽されるほか、寺院や墓地などにも植えられることが多いようです。 ハワイでは特に人気が高く、レイ(装飾品の一種)などにも利用されています。

プルメリアの開花時期と香り

プルメリアの開花期は6月から10月頃までと長く、花を楽しむことができます。 真夏の暑い時期を中心に次々と花を咲かせ、南国ムードたっぷりの雰囲気を演出してくれます。

咲き始めはつぼみの状態から徐々に開花し、まるでハイビスカスのような花を咲かせます。花の大きさは品種によって異なりますが、直径10cmほどの大輪の花を咲かせるものが多いです。

プルメリアの花の大きな特徴の1つが、良い香りを放つことです。ジャスミンに似た強い芳香があり、1輪でも存在感があります。

そのため、ハワイなどではレイの花としても人気が高く、プルメリアの花で作ったレイは女性の美しさを引き立てるとされています。

プルメリアは1本の木で白、黄色、ピンク、オレンジ色など、様々な色の花を咲かせることができるのも魅力です。

開花時期の長さと芳香の良さから、プルメリアは熱帯や亜熱帯の庭を華やかに彩る代表的な花木の1つと言えるでしょう。

プルメリアの花言葉

プルメリアの花言葉やハワイに置けるプルメリアの意味について紹介いたします。

一般的な花言葉

プルメリアには、その特徴にぴったりな花言葉が複数ついています。

主な花言葉は「気品」「陽だまり」「恵まれた人」「情熱」「内気な乙女」

「気品」はプルメリアの美しい見た目や香りから、「陽だまり」は南国の暖かい土地で太陽を浴びながらたくさんの花をつけることが由来とされています。 「恵まれた人」「情熱」「内気な乙女」といった花言葉からは、プルメリアから感じ取れる優雅さや情熱的なイメージが伺えます。

このように、プルメリアの花言葉にはポジティブで明るいものが多いのが特徴です。 ネガティブな意味合いの花言葉はほとんどないため、プレゼントにも選びやすい花だと言えるでしょう。 プルメリアを贈ることで、相手に気品や情熱といった良いイメージを伝えることができそうです。

ハワイにおけるプルメリアの象徴的意味

ハワイでは、プルメリアは「プアメリア(Pua melia)」と呼ばれ、「大切な人の幸せを願う」という意味があります。そしてプルメリアの5枚の花弁には、ハワイの言葉「ALOHA」の5文字がそれぞれ割り当てられ、各花弁に素敵な意味が込められているのです。

5枚の花弁に込められた意味は以下の通りです。

花弁 言葉 意味
A Akahai(アカハイ) 優しさ、思いやり「優しさにより表わされる親切さ」
L Lokahi(ロカヒ) 協調性「調和により表わされる和合」
O ‘Olu’olu(オルオル) 喜び「快さにより表わされる喜び」
H Ha’Ha’a(ハアハア) 謙虚、素直な心「慎み深さにより表される謙虚さ」
A Ahonui(アホヌイ) 忍耐「忍耐により表わされる我慢強さ」

これらはハワイアンスピリッツを象徴する素晴らしい言葉です。プルメリアはその愛らしい姿と豊かな香りだけでなく、ハワイの文化的な象徴的意味を持つことからも、ハワイの人々に深く愛されているのですね。

プルメリアの主な種類と品種

プルメリアには、様々な種類があります。ここでは、プルメリアの主な種類や品種を紹介いたします。

プルメリア・ルブラ

プルメリア・ルブラ(Plumeria rubra)は、プルメリアの代表的な種の一つです。 -別名としてPink Plumeria、Frangipani、Temple Tree、Pagoda Tree、Pua Meliaなどが知られています。 -原産地はダンリ・ホンジュラスで、キョウチクトウ科インドソケイ属の落葉中木です。 -開花までは3年程度かかり、樹高は3~6mほどになります。

ピンクの花を咲かせる可能性が高いですが、種から育てると微妙に特徴の異なる花が咲くのが特徴です。 種まきの適期は6~9月で、発芽適温は20~26℃、発芽率は42%程度です。

栽培には日当たりの良い場所と水はけの良い土壌が適しています。 過湿は徒長や根腐れの原因となるので、水の与えすぎには注意が必要です。

冬の寒さには弱いため、5~8℃での室内管理が望ましいでしょう。

プルメリア・オブツサ

プルメリア・オブツサ(Plumeria obtusa)は、プルメリア属の常緑低木です。葉は革質で長楕円形をしており、花は白色で香りが強いのが特徴です。

原産地はカリブ海の島々で、メキシコ南東部からベリーズ、グアテマラ、キューバなどに分布しています。

プルメリア・オブツサは、プルメリア属の中でも特に人気が高い品種の一つです。以下にその特徴をまとめました。

項目 特徴
花の色 純白
花の形状 平開咲き
香り 強香
樹形 直立性
葉の形状 革質・長楕円形

プルメリア・オブツサの代表的な品種としては、「シンガポールホワイト」があります。純白の花を咲かせ、甘い香りを放つことから人気を集めています。

その他の主要な品種

その他の主要な品種として、白花で強健なプルメリア「シンガポールホワイト」や、赤花の「ホーリーレッド」、ピンク花の「メルメイド」などが人気です。

中でも「シンガポールホワイト」は、樹高が2-3mほどと小型で、葉の形が丸みを帯びているのが特徴です。耐病性も高く、初心者向きの品種と言えるでしょう。

「ホーリーレッド」は、大きな赤い花を次々と咲かせる品種で、花の香りも強く魅力的です。樹高は3-4mほどになります。

「メルメイド」は、ピンク色の大輪の花が美しい品種です。成長が早く、樹高は4-5mほどにもなります。

これら以外にも、黄色花の「イエローマジック」、オレンジ色の「サンセットビーチ」など、様々な花色の品種が流通しています。好みの花色や樹形の品種を選んで、プルメリアを楽しんでみてください。

プルメリアの育て方

プルメリアは庭や鉢植えで育てることができます。ここでは、プルメリアの育て方を紹介いたします。

植え付けと土壌

プルメリアを植え付ける際は、以下の点に注意しましょう。

・鉢の選び方 プルメリアは根張りが良いので、大き目の鉢を選びます。鉢底の穴から根が出てくるくらいの深さの鉢がおすすめです。

・用土の配合 赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合でよく混ぜ合わせます。水はけと保水性のバランスが良い用土を作ることがポイントです。

・植え付け方 鉢の底に鉢底石を1~2cm程度敷き、その上に用土を入れます。苗を鉢の中央に置き、周りの隙間にも用土を入れながら、全体をかるく押さえて固定します。

・植え付け後の管理 植え付け直後は水を控えめにし、数日後から徐々に与えるようにしましょう。日当たりの良い場所で管理するのがおすすめです。

適切な鉢と用土を選び、丁寧に植え付けることで、プルメリアを美しく育てることができるでしょう。

水やりと肥料

プルメリアの水やりは、生育期の春から秋にかけては土の表面が乾いたら十分に与えます。鉢植えの場合は、鉢底から水が抜けるまでたっぷりと水を与えましょう。一方、冬は休眠期に入るので水やりの回数を減らし、土が乾いてから2〜3日経ってから与えるようにします。

肥料は、生育期の4月から10月頃まで、2週間に1回程度、液体肥料を規定倍率に薄めて与えます。オーガニック液肥や油かすなども適しています。 また、遅効性の固形肥料を春と秋の年2回、株元に施すのも良いでしょう。

肥料を与える際の注意点は以下の通りです。

・濃い目の肥料を与え過ぎないこと ・冬場は肥料を控えめにすること ・葉水は避けること

プルメリアは肥料を好む植物ですが、与え過ぎには注意が必要です。適切な水やりと肥料管理を行うことで、美しい花を咲かせてくれるでしょう。

剪定と越冬

プルメリアの剪定は9〜10月が適期です。株元から30〜50cmほどの位置で切り戻しを行うか、冬に徒長した枝や枯れ込んだ枝先がある場合は、春に適度な位置で切り戻しましょう。

ただし、プルメリアは剪定をすると次の開花まで2〜3年かかるので注意が必要です。また樹液に毒性があるため、触れないよう気をつけてください。

越冬は、外気温が15℃を下回る前に日当たりのよい室内へ移動させて管理します。プルメリアは寒さに弱く、10℃以下で休眠に入るため、日本の気候では鉢植えでの冬越しが必須となります。乾燥には強い一方、根腐れに弱いので、水やりには十分注意しましょう。

病害虫対策

プルメリアを育てる上で、ナメクジやバッタ、アブラムシなどの害虫対策は重要です。

ナメクジ対策としては、以下の方法が効果的です。

・ビールをガラスボールに入れて鉢の近くに置く(ナメクジがビールに集まり溺れる)

・ナメクジ用の殺虫剤ペレットを鉢の周りにまく

バッタにはバッタ用の殺虫剤、アブラムシやカイガラムシ、毛虫などにはスプレータイプの殺虫剤を使うのがおすすめです。

また、鉢の底がアリの巣になっている場合は、アリ用の殺虫剤を巣の近くに置くことで退治できます。

害虫の種類に合わせて適切な殺虫剤を使い分けることが大切ですね。こまめに植物の様子をチェックし、害虫被害を早期発見・駆除することでプルメリアを健康に育てましょう。

プルメリアの楽しみ方

ここでは、プルメリアの楽しみ方を紹介いたします。

鉢植えと庭植え

プルメリアは鉢植えと庭植えの両方で楽しむことができます。

■鉢植え プルメリアは鉢植えにするとコンパクトに育てられるため、ベランダやテラスでも楽しめます。鉢植えの場合は以下の点に気をつけましょう。

・鉢は深さ30cm以上で排水穴のあるものを選ぶ ・用土は水はけの良い土を使う(赤玉土7:腐葉土3の割合がおすすめ) ・春から秋は日当たりの良い場所で管理する ・冬は5℃以上の室内に取り込む

■庭植え 地域や条件が合えば庭植えでのプルメリア栽培も可能です。庭植えする際は以下の点に注意しましょう。

・温暖な地域で、霜の心配がない場所を選ぶ ・水はけが良く、日当たりのよい場所に植える ・冬は防寒対策が必要(わらや不織布などで植物体を包む) ・庭植えの方が樹高が高くなり、より多くの花を咲かせられる

このように、プルメリアは鉢植えでも庭植えでも栽培でき、それぞれの環境や条件に合わせて育て方を工夫することで美しい花を楽しむことができるのです。

レイやアロマなどへの利用

プルメリアは、ハワイで最も人気の高いレイの花材です。その甘く上品な香りは、空港に降り立った時から感じることができるでしょう。 プルメリアのレイは、首に掛けたり頭に飾ったりするのが一般的ですが、耳の後ろに一輪さすのも人気です。ただし花言葉にもあるように、右と左では意味が異なります。

右耳の場合:シングル(独身) 左耳の場合:既婚 or 恋人あり

さらにプルメリアは、アロマにも広く利用されています。その香りには、リラックス効果や美肌効果が期待できるとされています。主な香りの特徴は以下の通りです。

花の色 香りの特徴
柑橘系、ジャスミン、バニラなど
ピンク 柑橘系+優雅な甘さ
黄色 ピーチのような甘い香り
さわやかなレモンの香り

プルメリアの花の精油は希少で高価なため、一般的なアロマオイルは他の香りとブレンドされていたり合成香料が使われていることも多いようです。肌への使用は慎重に行いましょう。

ハワイアンジュエリーとしての人気

プルメリアは、ハワイアンジュエリーのモチーフとしても高い人気を誇っています。プルメリアには「大切な人の幸せを願う」「神が宿る花」といった象徴的な意味があり、身につけることで幸せが訪れるとされているためです。 特に、プルメリアをデザインに取り入れたペアアクセサリーは、カップルや夫婦の間で人気があります。2つのプルメリアが寄り添うデザインは、お互いの幸せを願い合う心を表現しているようです。 また、プルメリアは「純白」「可憐」といったイメージから、ウェディングジュエリーにも好んで用いられています。永遠の愛を誓う結婚式にふさわしい、神聖な花として親しまれているのです。 このように、プルメリアはその美しさと象徴性から、ハワイアンジュエリーを代表するモチーフとなっています。大切な人への贈り物や、自分へのご褒美としても選ばれることの多い、愛されるモチーフだと言えるでしょう。

まとめ

プルメリアは南国の花の代表格で、ハワイを始め世界中で愛されています。大輪の花を次々と咲かせ、甘く上品な香りを放つことからレイやアロマなどにも利用されています。

育て方のポイントは以下の通りです。

・日当たりと水はけの良い場所に植える ・春から秋にかけては日光と水をしっかり与える ・冬は10℃以上の室内で乾燥気味に管理する ・剪定は花後に行い、株元から30cm程度残す

プルメリアは挿し木や接ぎ木で増やすことができ、種類や品種も多彩です。ベランダや庭で南国ムードを味わえる魅力的な花木なので、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。