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【観葉植物の植え替えのやり方】最適な時期や正しい方法を徹底解説

飾るだけでお部屋をおしゃれに彩ってくれる観葉植物。水やり以外にも、植え替えなどの定期的な管理をすることで、より長く楽しむことができますよ。今回の記事では、植え替えに適した時期や正しいやり方についてわかりやすく解説します。

お部屋に飾るだけで、おしゃれな雰囲気を演出してくれる観葉植物。

最近はホームセンターで手軽に購入できるので、お部屋のインテリアとして取り入れている人も多いのではないでしょうか。

観葉植物は、水やりのみで育つものも多いですが、植え替えをしてあげると、より元気に大きく育ち、長く植物を楽しむことができます。

今回は、観葉植物の植え替えに適した時期や、正しい方法について解説します。

観葉植物の植え替えのタイミングは?

鉢植えの観葉植物は、1〜2年に1度を目安に植え替えを行うのが理想的です。

植木鉢のサイズや、植物の成長スピードに合わせて、適切なタイミングで植え替えを行いましょう。

たとえば、小さな鉢であれば根がいっぱいになりやすいので、毎年少しずつ大きな鉢に植え替えてあげるのが良いでしょう。

大きな鉢で、成長がゆっくりな植物であれば3年ごとの植え替えでも問題ありません。

まずは植え替えのタイミングを見極めるポイントを知っておきましょう。

鉢底の穴から根がはみ出している場合

鉢底にある穴から、根がはみ出したり、飛び出たりしているようであれば植え替えが必要なタイミングです。

穴から根が飛び出すのは、植木鉢の中が成長した根がいっぱいになってしまい、根詰まりを起こしている状態です。

そのままにしておくと、うまく給水できなかったり、土から栄養を摂取できず、葉が落ちたり、茎に元気がなくなってしまいます。

植物を弱らせる原因になるので、ひとまわり大きな鉢に植え替えを行いましょう。

ただし冬は、植物が休眠期に入る時期です。

この時期の植え替えは植物にストレスがかかるので、弱っているなどの症状がなければ、春を待ってから植え替えを行うと良いでしょう。

水の吸収が悪くなった場合

水をあげても、吸水せずに上から溢れ出てきてしまったり、逆にあっという間に鉢底から流れ出てしまう場合も、植え替えのタイミングです。

長い間同じ土のまま育てていると、土が固まって水はけが悪くなってしまいます。

土に水が行きわたらないと植物は根から給水することができません。

また、水はけが悪いままで放置しておくと、余分な水が鉢の中に溜まったままになり、害虫やカビの発生の原因にもなることもあります。

同じ土で育てていると、土の中の栄養が植物に吸収され、肥料をあげても水と一緒に流れ出ていってしまうので、2〜3年に一度は新しい土に入れ替えてあげることが大切です。

植物が大きくなり、鉢が小さくなった場合

植物が成長して、鉢とのサイズがアンバランスになったときにも、適切な大きさの鉢に植え替えを行いましょう。

成長の早い植物だと、あっという間に頭が大きくなって鉢が倒れてしまうこともあります。

植物の種類や育て方によって成長速度には差があります。

あまり成長していないように感じる場合でも土の中で根は少しずつ伸びています。

栄養不足で葉を落としたり根腐れを起こさないためにも、2〜3年を目安に植え替えを行うと良いでしょう。

葉が黄色い、植物の元気がない場合

葉が黄色くなったり、落ちてしまったり、植物に元気がないときにも植え替えを検討してみましょう。

植物が弱っている場合、吸水がうまくいっていなかったり、土から必要な栄養を吸収できていなかったりする可能性があります。

その場合、植え替えを行うことで、植物が元気を取り戻すはずです。

ただし葉が黄色くなる原因は、根詰まりや土の栄養不足以外にも考えられます。

たとえば日照不足や肥料のあげすぎ、他にも病気や害虫によって葉が黄色くなることも。

購入した時期や前回の植え替えからどのくらい経っているかを考慮し、植物の状態をよく観察しながら、植え替えをした方が良いのか検討してみるのが良いでしょう。

植え替えに適した時期

植え替えは、植物になるべくストレスの少ない時期に行います。

最も適した時期は春か秋、5月〜9月頃です。

気温が20度前後の、人にも植物にも過ごしやすい時期を選ぶのが良いでしょう。

雨の日は避け、湿度の低い晴れた日がベストです。

ただし根腐れしまっているときなど、早急な植え替えが必要な場合は、作業を行う環境に細心の注意を払って、植え替えを行うこともあります。

特に寒い時期の植え替えは、植物に負担がかかります。

温かい室内で行い、なるべく根に負担をかけないように根を優しく扱うなど、最大限の配慮が必要です。

植え替えの準備

植物によって、好む生育環境は異なります。

それぞれの植物の自生する環境になるべく近づけた状態での植え替えが理想的です。

また、植え替え前には植物を十分日の光に当て、必要であれば肥料を足しておくなど、植え替えの負担に備えた事前準備を行っておきましょう。

植物に適した土を選ぶ

育てる植物に合った土を選びましょう。

室内で観賞植物を育てる場合は、観葉植物用にブレンドされた土が便利です。

虫がつきづらく、排水性が良くなるようにブレンドされていて、室内でも土が乾きやすいので根腐れを防ぐことができます。

腐葉土や動物性堆肥は、栄養がたっぷり含まれた土です。

屋外で大きく育てたいときには適していますが、清潔さを保ちたい室内には不向きと言えます。

また洋ランやアンスリウムなどの着生植物(樹木に根を張って生きている植物)の場合は、植物専用にブレンドした土を使用しての植え替えがおすすめです。

水はけの良さや土の配合の好みは植物によって違うので、元気に育てるために土選びにも気を配るようにしましょう。

ひとまわり大きな植木鉢を選ぶ

植え替える前の物より、ひとまわり(およそ3cm)かふたまわり大きな鉢を選びましょう。

鉢のサイズは、1号=3cmなので、たとえば4号の物を植え替える場合は5号か6号の鉢を選ぶのが基本です。

ゆくゆく伸びるからといって、今より大きな鉢に植え替えてしまうと、中の土がなかなか乾かず、根腐れの原因になることもあります。

鉢のサイズは徐々に大きくすることが大切です。

どうしても大きい鉢を使いたいというときには、鉢底に敷く軽石の量を増やして、水はけの良い状態を保ちましょう。

植え替え前には、しっかり日光に当て準備を

植え替え作業は、植物にとって環境変化なのでかかるストレスも大きいです。

作業を行う前の数週間は、なるべく日光に当てたり、肥料をしっかり足したりして、植え替え時にかかるストレスに耐えられる強い株に育てておきましょう。

植え替え前は植物の状態を良く観察し、葉や茎が元気なことを確認してから植え替えを行うことも大切です。

鉢の選び方

植え替えに必要な鉢には、サイズや素材に違いがあります。

観葉植物の植え替えに使う鉢は、底に穴が空いたタイプの鉢を選びましょう。

底に穴のないタイプは、水耕栽培などに適しています。

観葉植物を育てる場合には、水やり後の水が溜まってしまうので、デザインなどの理由から穴のない鉢を選びたい場合は、鉢カバーとして穴の開いた鉢の上にかぶせて使うのがおすすめです。

鉢のサイズ

1号=約3cmです。

観葉植物を室内で育てる場合は、鉢底に穴が空いたままだと水が漏れてしまうので、受け皿もセットで用意しましょう。

植え替えの際は、今植わっている鉢より、ひとまわり大きな鉢を選びます。

鉢の素材

鉢の素材によって、特徴が違います。

育てる環境や植物の好みの環境に合わせて、素材を選びましょう。

プラスチック・樹脂製の鉢

鉢の中では最も軽量で安価な素材です。

植物の成長スピードが早く何度も植え替える場合は、コストが低いのでおすすめです。

また軽量なので、ハンギングで吊るしたり華奢な棚の上などに飾るのに適しています。

プラスチックは防水性が高い分、通気性が悪くなりがちです。

根腐れを起こさないためにも、水やりの際は、受け皿に水を残さないように注意し、しっかり乾燥させてから次の水やりを行うようにしましょう。

素焼き鉢・陶器・テラコッタ鉢

陶器やテラコッタ鉢と呼ばれる焼き物の鉢は、通気性と排水性に優れています。

見た目も高級感があり、ある程度重さがあるので安定性も良いですが、割れやすいので扱いには注意が必要です。

乾燥しやすい分、常に湿った環境を好むシダ植物などには不向きと言えるでしょう。

また大きなサイズの鉢は、土を入れるとかなりの重量になります。

持ち上げるのが困難なサイズの植物を育てる場合は、水やり後受け皿に水を残さないために、吸水性のあるスポンジなどで吸い取るようにすると良いでしょう。

ブリキ鉢

カジュアルな雰囲気で価格もリーズナブルです。

使っているうちに、少しずつアンティーク調の雰囲気が出てくるのもブリキ鉢ならではの魅力と言えるでしょう。

缶からリメイクする場合は、排水性を高めるために、底に多めに穴を開けたり、排水用の穴を大きめにすることで根腐れを防ぎます。

熱伝導性の高い素材なので、冬場はかなり冷たくなり、植物もダメージを受けやすいです。

窓際は特に冷えるので置き場所には気をつけましょう。

また、サビはアンティークな雰囲気を演出するのには効果的ですが、家具に付くと取りづらくなります。

家具の上に置くときにはインテリアマットを敷くなど、事前に予防しておくと安心です。

植え替えのやり方

今回は、室内用の観葉植物を、軽石と土を使って植え替える方法を紹介します。

必要なものは、以下の通りです。

  • ひとまわり大きな植木鉢
  • 鉢底ネット
  • 軽石(鉢底石)
  • 新しい土
  • スコップ(小さな鉢に植え替える場合は、小さめのサイズが使いやすい)
  • 割りばし
  • 飾り石(ウッドチップやココヤシなど、なくても可)

次に、実際の作業の流れを紹介していきます。

step1:新しい鉢に、鉢底ネットと軽石を敷いておく

穴から軽石が出ないように、穴の部分を鉢底ネットで塞いでおきます。

鉢底ネットが動かないように気をつけながら、水はけをよくするために、底に軽石を敷きます。

植木鉢の高さと、植物のバランスを見ながら1/3~半分くらいまでであれば軽石を入れましょう。

大きめの鉢に植え替えを行う場合は、土が多いと乾きづらくなるので、通常より軽石を多めに入れて通気性を保ちます。

軽石を使うことで、鉢全体の重さを軽減し、鉢の中の土を乾きやすくすることができます。

step2:植物をそっと取り出す

古い植木鉢から、植物を優しく取り出します。

小さな植物であれば、茎と土の境目に手のひらを当てるようにして、植木鉢を斜めにし、ひっくり返すようにすると取り出しやすいです。

植物の根がびっしりと張って取り出しづらい場合は、まわりの土を少しずつほぐしながら取り出しましょう。

step3:不要な土は取り除く

根を少しずつほぐしながら、不要な土を払い落とします。

全体の1/3程度を入れ替えるイメージで、無理にすべてを落とさなくても大丈夫です。

伸びすぎたり痛んでいる根があれば取り除きます。

古い土は、そのままでは再利用することはできません。

栄養がなくなっていたり、虫がついていたりする可能性もあるので、元気に育てるためにも新しい土を用意して植え替えましょう。

赤玉土など硬質の土が古くなった場合は、天日干しを行い、土壌改良材や他の土をブレンドを足すことでまた次の植え替えに使用することができます。

step4:新しい鉢の中央にセットし、新しい土を足す

新しい鉢の中央に、観葉植物をセットし、空いた空間に土を足していきます。

鉢のまわりを割りばしで突きながら土を足していくと、隙間に少しずつ土が入り、埋まっていくはずです。

水やりのスペースを確保するために、上から数センチのところまで土を入れましょう。

土の上を飾り石やウッドチップ、ココヤシなどで覆うことで見た目がおしゃれになります。

step5:鉢底から水が出るくらい、たっぷりと水やりを行う

植え替えた直後は、土に観葉植物が定着していない状態です。

土が上がってこないように注意しながら、鉢底から水が溢れ出るくらいたっぷりと水やりを行いましょう。

水圧の強いじょうろで水をあげると、土の中に水の通り道ができてしまいます。

土全体をしっかりと湿らせるためにも、水圧の優しいじょうろを選んで水をあげると良いでしょう。

植え替えたあとに気をつけること

植え替えた直後の植物は、環境が変わり、弱っています。

植物がまだ土にしっかりと根付いていないので、水やりは慎重に行い、乾燥気味に育てます。

しっかりと休ませ、株を新しい鉢に定着させることが大切です。

直射日光や強い風、急激な温度変化などを避け、明るい日差しの当たる場所で休ませてあげましょう。

この時期は、栄養をうまく吸収できないので肥料をあげるのも避けます。

2〜3週間ほど経って、植え替え前と同じような成長が確認できるようになれば、水やりの頻度を通常と同じように戻しても大丈夫です。

あまり鉢を大きくしたくないとき

あまり植物が大きく成長してしまうと置き場所に困ってしまうという場合は、元々植わっていた同じ鉢を使って植え替えることもできます。

同じサイズ感で育てたい場合であっても、2〜3年に一度は、根詰まりを防ぎ、栄養分のある土に入れ替えるために植え替えが必要です。

鉢を大きくするとその分根も伸びて、株も大きくなってしまうので、コンパクトに育てたい場合は葉や根を剪定する方法で植え替えましょう。

同じ鉢に植え替えを行う

植物は、鉢の中にできた新しい空間に根を伸ばして成長します。

あまり大きくしたくない場合は、植物が植わっていた同じ鉢や同じサイズの鉢に植え替えを行いましょう。その際、余分な枝や葉、根を切り落とし、株をすっきりとさせた状態で植え替えるのがコツです。

同じ鉢に植え替える方法

植え替えたい植物を、一度鉢から取り出し、鉢を空にします。

古い土を落とし、不要な葉や根を剪定しましょう。

伸びすぎてる根は切り落とし、株全体をひとまわり小さくするイメージで剪定します。

葉の数を減らすことで、植物の成長をゆるやかにします。

そのあとは通常の植え替え同様、鉢底に鉢底ネットと軽石を敷き、同様の手順で植え替えを行いましょう。

土は無機質で硬めのものがおすすめ

肥料の入った培養土を使うと、植物の成長を促し株が大きく育ちます。

また柔らかい土は、根がどんどんと伸びて成長しやすいです。

なるべくコンパクトに育てたい場合は、無機質で硬めの土を使うと良いでしょう。

ただし、土に栄養が少ないと、栄養不足で植物が弱ってしまうこともあります。

植物をよく観察しながら、上手に剪定と植え替えを繰り返すことで、サイズ感を変えずに長く植物を育てることができるはずです。

植え替えのやり方を覚えて、観葉植物を長く楽しもう

観葉植物は、定期的に植え替えを行い成長をサポートすることで、長く元気に育てることができます。

植物を弱らせることなく植え替えるためには、できるだけストレスが少ない方法で行うことが大切です。

植え替え時期に配慮したり、本来の生育環境に合った土を選んだりして植物の環境を整えてあげましょう。

ぜひ新しい鉢選びや土いじりの時間も楽しんで、植物の植え替えにチャレンジしてみてください。