ピンポンマムってどんな花?花言葉や育て方、種類や楽しみ方
小さなボールのような可愛らしい花を咲かせるピンポンマムは、鮮やかな発色のお手入れのしやすさが魅力です。花束やアレンジメントなどのギフトからガーデニング用まで多く用いられています。
この記事ではそんなピンポンマムの特徴や花言葉、種類に加え、園芸に役立つ育て方まで幅広くまとめてみました。ピンポンマムを楽しむためのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ピンポンマムの基本情報
まずは、ピンポンマムの基本的な情報から解説します。バースデープレゼントの参考になる誕生花や、自宅に飾るヒントになる風水効果についても注目してみてください。
学名 Chrysanthemum morifolium
科・属名 キク科・キク属(クリサンセマム属)
英名 pom pom mum
原産地 オランダ
開花期 9~11月
花の色 白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、褐色
特徴
ピンポンマムはキク科キク属の花で、「ポットマム」をオランダで品種改良して生まれた花です。一般的な菊が半球状に咲くのに対し、ピンポンマムは花の付け根まで花びらが広がるので、まん丸にまとまります。草丈は10~50cmと大きく生長するものもあり、庭先を鮮やかに彩ってくれます。
開花期は9~11月頃で花の色は黄色やオレンジ、ピンク、白、緑などバリエーション豊かです。和の風格を保ちながらも、ダリアなど洋風の花との相性も良く、フラワーギフトからブライダルシーンまで幅広く活躍しています。
誕生花
誕生花とは、生年月日にまつわる花のことで、365日全ての日に花があてられています。ピンポンマムが誕生花となるのは、11月9日です。この日もしくは付近の日に誕生日を迎える人がいたら、ぜひピンポンマムを贈りましょう。誕生花ということを伝えるために、その旨をメッセージカードなどに記すことをおすすめします。
名前の由来
「マム」とは菊の洋名であり、ピンポン玉のようにまん丸の花を咲かせることからこの名が付けられました。ほかにも、「マム」とつく花がいくつかありますが、キク科の花であることがほとんどです。
ピンポンマムの学名である「Chrysanthemum morifolium」は、黄金を意味する「chrysos」と、花を意味する「anthemon」を組み合わせて付けられました。キク科の花は黄色が多いことに由来しているようです。
風水的効果
ピンポンマムを自宅に飾って楽しむ場合は、風水効果にも注目してみましょう。生命パワーを発する花は飾るだけでも運気アップが狙えますが、より効果的な飾り方もあるのです。
風水においてピンポンマムは、ネガティブな気を吸収して幸福と健康を強めてくれる効果があるとされています。その効果を高める方角は色別で異なり、北東に白色、家の中心に黄色、西に赤やピンクのピンポンマムを飾ると良いとされています。
植木鉢は円形や楕円形を用いることで、その場の空気を調和してくれる効果が期待できるでしょう。
ピンポンマムの花言葉
ピンポンマムの花言葉は、「高貴」「真実」「清らかな恋」「きみを愛す」など、前向きで明るい意味合いになっています。フラワーギフトやブライダルシーンなどに最適な花言葉なので、ぜひ花言葉を強調した使い方をしてみてください。
それぞれの花言葉について解説します。
高貴
菊は日本の国花になっていますが、これは平安時代に即位した後鳥羽上皇が菊の花を好んでおり、衣服や刀などに菊の紋章をつけていたことが由来とされています。そのことから「高貴」という花言葉が付けられました。
相手を敬うような花言葉なので、年上の方や目上の方への贈り物にもおすすめです。
真実
「真実」は和菊の花言葉の1つでもあり、偽りのないことを意味しています。プレゼントするときには、相手へのまっすぐな想いを表現でき、結婚式では生涯の愛を誓う厳かな雰囲気を演出できます。
清らかな愛
ピンポンマムの凛とした美しさと上品さから、「清らかな愛」という花言葉が付けられました。まっすぐな想いを表現するような花言葉なので、厳かな雰囲気の結婚式にもぴったりです。
教会や披露宴会場の装花に用いることで、会場が清らかな愛情で包まれることでしょう。
きみを愛す
ピンポンマムの「きみを愛す」という花言葉は、ブライダルシーンにぴったりの意味合いです。生涯の愛を誓い合う2人を象徴するような花言葉なので、花嫁さんのブーケや会場装花に多く選ばれています。
ポンポンマムは洋装にも和装にも良く合うので、コーディネートしやすいでしょう。2人の門出を華やかに祝福してくれるはずです。
ピンポンマムの種類
ピンポンマムにはさまざまな品種があり、それぞれで開花期や花の大きさ、色などが異なります。一般的に、春には淡い色の花が多く、秋になると深みのある花が開花期を迎えるので、好みに合う品種を選びましょう。
エルビーノ
エルビーノは上品な深紅の花を咲かせる品種です。3~5cm程度の花を咲かせます。単体だと色味が強くなってしまいますが、ほかの色の花と組み合わせることでワンポイントアクセントになってくれます。
ゴールデン
太陽に輝く黄色い花が美しいゴールデン。ピンポンマムとして最もメジャーな品種で、市場にも多く流通しています。マリーゴールドのような明るさで周囲を照らしてくれることでしょう。
エルピンポン
エルピンポンは、清らかな純白の花を咲かせる品種です。気品と可憐な印象をあわせもち、ブライダルシーンでも多く選ばれています。
ジェニーオレンジ
ジェニーオレンジは、花の中心の黄色が広がるにつれて濃いオレンジ色になるグラデーションが美しい品種です。深い色だとブラウンに見えることもあり、落ち着いた雰囲気の花になります。
スイートハート
スイートハートは、開花が進むにつれてピンク色が濃くなっていく様子が楽しめる品種です。可愛らしさと上品さのバランスが良く、年上の女性に贈るのに適しています。
フィーリンググリーン
フィーリンググリーンは、爽やかな淡いグリーンの花を咲かせる品種です。ナチュラルな上品さがあり、可愛すぎないので男性にも贈りやすいでしょう。ほかの花との相性も良く、花束やアレンジメントに加えるとさりげなく華やかさをプラスしてくれます。
バロン
鮮やかな黄色の花を咲かせる品種で、花の大きさは5~8cmとやや大きめです。1輪でも存在感があるのでシンプルな一輪挿しでも楽しめます。花束やアレンジメントに入れると存在感のあるアクセントになってくれることでしょう。
ピンポンマムの育て方
ピンポンマムは菊の中でも管理しやすいので、初心者の方にもおすすめの花です。適切に育てることができれば、花をたくさん咲かせるので、ぜひチャレンジしてみてください。
ここからは、ピンポンマムの基本的な育て方を解説します。
置き場所・環境
ピンポンマムは日当たりを好み、十分に日光に当てることで花付きが良くなります。時間帯によって部分的に日陰になっても育成には支障ないことがほとんどですが、できるだけ日当たりの良い場所で管理しましょう。ピンポンマムを室内で育てる場合は、南向きの窓際に置くと日によく当てられます。
用土・植え付け
ピンポンマムを育てるときは、水はけの良い土を用いましょう。硬すぎたり乾燥しすぎたりする土では根の育成を妨げてしまいます。自分で土を配合する場合は、赤玉土(小粒)を6、腐葉土を4の割合で混ぜたものを使いましょう。園芸店やホームセンターで販売されている、菊専用培養土を用いると手軽に準備できます。
ピンポンマムの種は市販されていないことが多いので、苗を購入して植え付ける流れが一般的です。植え付けに適している時期は3~6月の間ですが、本格的に暑くなる前に根を張らせるために、春のうちに植え付けましょう。
水やり
ピンポンマムを鉢植えで育てている場合、土の表面が乾いたタイミングでしっかりと水をやりましょう。地植えしている場合、気温が高く乾燥が気になる時期以外は、頻繁な水やりは必要ありません。
ピンポンマムの葉がしんなりとして元気がなくなっていると、水切れを起こしている可能性があるので、注意してください。
肥料
ピンポンマムにはリン酸を豊富に含む肥料が適しています。
まず、植え付け時にはゆっくりと効いていく緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。その後、生長が旺盛になる春から夏にかけては2週間に1度のペースで薄めた液体肥料を施します。ただし、気温が30度以上になったら肥料によって根が傷むことがあるので注意しましょう。
秋になったら月に1回程度まで頻度を落とすのがポイントです。
剪定・切り戻し
ピンポンマムは適度な剪定をすることで脇芽が増えて花付きが良くなります。また、間延びを防いで株がコンパクトにまとまるので、見栄えも良くなるのです。
まず、4~5月に葉が5枚前後しか残らないように切り戻します。次に花が咲き終わった11~12月頃に株元から5~10cmくらいのところでバッサリと切り戻しましょう。
植え替え
ピンポンマムを鉢植えで育てている場合、根詰まりを防ぐために2~3年に1回はひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。植え替えに適している時期は3~5月です。植え替えの際には、鉢だけでなく土も新しいものにしましょう。
ピンポンマムをあまり大きくしたくない場合は、植え替えるときに株分けすることでコンパクトさを保ちつつ株を増やすことができます。
増やし方
ピンポンマムは挿し木で増やすことができます。どちらもそれほど手間がかからずコストも抑えられるので、ピンポンマムの育成に慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください。
挿し木に適しているのは、ピンポンマムが生長期を迎える5~6月頃がベストです。元気でしっかりした枝を1本選び、10cm程の長さで切り口が斜めになるようにカットしましょう。
下の方の葉を取り除き、1~2時間水に浸けたら挿し木用の新しくてきれいな鹿沼土やバーミキュライトに挿しましょう。このとき、切り口に発根促進剤を付けておくと根が張りやすくなります。
土に挿し終わったら水をこまめにやりながら半日陰になる場所で管理しましょう。1ヶ月ほどたつと、根がしっかり張ってくるので鉢植えや庭に植え付けることができます。
病害虫
ピンポンマムを育てる際には、以下の病気や害虫に注意してください。
まず、土や落ち葉に隠れているカビ菌から、黒さび病やうどん粉病を発症することがあります。水はけの良い土を用いて、風通しを良くすることで防止できますが、日頃からチェックを欠かさないようにしましょう。
ピンポンマムに付きやすいのはアブラムシやハダニで、ピンポンマムから栄養を吸い取ってしまい、株を弱らせるので注意が必要です。
また、アブラムシの排泄物からスス病を発症することもあるので、見つけたらすぐに駆除しましょう。専用の殺虫剤を散布することで、効果的に駆除しながら発生予防も期待できます。
アブラムシもハダニも、適度に剪定して風通しを良くしておくことで防げるので、蒸れないようにこまめにチェックしておくと安心です。
ピンポンマムの楽しみ方
ピンポンマムはその上品さと可愛らしさから幅広いシーンで活躍する花です。日本で菊というと仏花のイメージが強いですが、ピンポンマムは普段からさまざまな使い方ができますよ。
ここからは、ピンポンマムのおすすめの楽しみ方をご紹介します。
ブーケ・花束
ピンポンマムはほかの花との相性も良いので、花束やブーケに取り入れやすい花です。選ぶ花色や組み合わせる花の種類によって、幅広い表情を見せることができます。
グリーンや白でまとめると上品で優しい印象に、黄色やオレンジだと元気で華やかなイメージに、ピンク系だと可愛らしい印象になります。
お祝いの花束だけでなく、花嫁さんのブーケに用いてもよいでしょう。
髪飾り
ピンポンマムはコンパクトな花なので髪飾りにも用いられます。上品な和の趣のある髪飾りになるので、結婚式や成人式、夏祭りでの浴衣など行事で和装を身に付ける際にはぜひ活用してみましょう。
ピンポンマムは花の色数が豊富なので、和服の色に合わせた髪飾りが選びやすくなります。
切り花
ピンポンマムの切り花を部屋に飾ることで空間がぱっと華やかな印象になります。ピンポンマムは葉にボリュームがあり、複数本だと生けにくくなるため葉は取り除いておきましょう。また、葉が残っていると供花のイメージが強くなってしまいます。
ピンポンマムはまん丸の花なので、使用する花器も丸みを帯びたものがおすすめです。
鉢植え
ピンポンマムは多年草なので、適切なお手入れができていれば毎年花を咲かせてくれます。頻繁な水やりも必要なく育て方はそれほど難しくないので、初心者の方にも贈りやすいでしょう。
また、地植えでも育てることができるので、ガーデニングが趣味の方には苗を購入しても喜ばれます。
ピンポンマムによく寄せられる質問
最後に、ピンポンマムに関してよく寄せられる質問について解説します。疑問を解消してピンポンマムを安心して楽しみましょう。
ピンポンマムは仏花としても使える?
日本において菊は葬儀や仏壇へのお供えなど、供花として用いられることが多い花です。しかし、ピンポンマムはフラワーギフトやブライダルシーンなど、お祝いに用いる花として人気を集めています。
しかし、ピンポンマムも仏花としてお供えしても問題はありません。一般的な菊よりもコンパクトな花なので、扱いやすいでしょう。
毒があるって本当?
ピンポンマムの品種の多くは、猫にとって軽度の中毒や刺激を引き起こす可能性のある物質が含まれています。誤って飲み込んでしまうと、嘔吐、食欲不振、下痢、よだれなどの症状が出る可能性があるほか、皮膚に触れると口、舌、唇の炎症を引き起こすこともあります。
花や茎、葉など株全体にこの毒性があるので、猫などのペットを飼っている方は置き場所に注意しましょう。
ピンポンマムとポンポンマムの違い
ピンポンマムと混同されやすいものにポンポンマムがあります。ピンポンマムがオランダの品種改良で生まれたものに対し、ポンポンマムはアメリカで作られたものです。しかし、見た目はピンポンマムとよく似ており、それぞれを区別するための定義もあいまいになっているので、同じものとして扱うこともあります。
ピンポンマムの花の魅力を再発見しよう!
ピンポンマムはころんとした花が可愛らしい大人気の花です。菊の仲間ではありますが、お祝いの場でのフラワーギフトやブライダルシーンなどでも多く活躍しているので、普段の生活の中にも積極的に取り入れてみましょう。
ピンポンマムの花言葉や育て方を知り、ギフトやガーデニングに役立ててみてください。