チューリップを知ろう!花言葉や球根の植え方、育て方を徹底解説
チューリップは春の球根植物を代表する花の一つで、子どもから大人まで幅広く愛されている花です。しかし、チューリップの名前の由来や花言葉、品種など意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、チューリップの花言葉や育て方、球根の掘り上げ、管理方法などを徹底解説します。チューリップを贈るおすすめのシーンもご紹介しているので、大切な人に贈りたいと考えている方もぜひ、参考にしてみてください。
チューリップの基本情報
チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。開花期は3〜5月で春を代表する花の一つとして親しまれています。世界中で品種改良が盛んに行われており、現在では1,000種類以上になりました。カップ型の可愛らしい花と色とりどりのバリエーションで、庭先や部屋に春を運んでくれます。
- 科・属 ユリ科チューリップ属
- 学名 Tulipa l.
- 英名 Tulip
- 和名 鬱金香(うっこんこう)
- 原産地 中央アジア、地中海沿岸など
- 開花時期 3月~5月頃
チューリップの名前の由来
チューリップの名前の由来は、トルコ語からきています。その昔、トルコでは頭に巻くターバンにチューリップを挿す風習がありました。外国から来た観光客が、ターバンに挿してある花を指さし、名前を聞いたところ、トルコ人はターバンのことだと勘違いし、「テュルバン(ターバン)」と応えました。このようなエピソードから、チューリップと呼ばれるようになったようです。
チューリップの誕生花
チューリップを誕生日プレゼントとして贈るなら、誕生花に注目してみてください。誕生花とは、生年月日それぞれに特定の花がつけられているものです。自分の誕生花を贈られたら、きっと特別なバースデープレゼントになることでしょう。
チューリップが誕生花となる日は、以下の通りです。
- 1月21日
- 1月25日
- 2月15日
- 3月22日
- 4月16日
- 4月26日
- 12月15日
この時期に誕生日を迎える人が身近にいる場合は、ぜひチューリップを贈るのを検討してみてはいかがでしょうか。
チューリップの花言葉
チューリップ全般の花言葉は「博愛」「思いやり」などです。チューリップの優しく包み込むような花の姿にぴったりの意味合いですね。また、チューリップは花の色が豊富なため、それぞれの色で花言葉が異なります。以下で詳しく解説します。ぜひ、ご自分の気持ちや相手に届けたい思いに近いものを探してみてください。
赤いチューリップ
赤いチューリップの花言葉は「愛の告白」と「家族への感謝」です。片想いの相手や恋人、日頃お世話になっている家族に贈りましょう。赤は情熱的な色なので、ロマンチックなチューリップを贈りたいときにおすすめです。
白いチューリップ
白いチューリップの花言葉には、「待ちわびて」「失恋」「新しい恋」などがあります。真っ白で清楚なチューリップからは、純粋に相手を思う気持ちや、焦がれる切なさなどを感じます。「失恋」というネガティブな意味合いもありますが、その後の「新しい恋」へつながるという前向きな考え方もできるでしょう。
ピンクのチューリップ
可愛らしさのあるピンクのチューリップには「誠実な愛」「愛の芽生え」「労い」という花言葉があります。チューリップの中でも春らしさを感じる人気の色なので、いつもそばにいてくれる恋人やパートナーへの贈り物にいかがでしょうか。
オレンジのチューリップ
元気なオレンジのチューリップの花言葉は「照れ屋」です。恥ずかしくてぽっと顔を赤らめたときの色に似ていることに由来しています。オレンジは活気がある色なので、子どもへのプレゼントとしてもおすすめです。
紫のチューリップ
上品さあふれる紫のチューリップには、「気高さ」や「不滅の愛」という花言葉があります。大人っぽさを感じる意味合いなので、年上の方や目上の方に贈るのも良いでしょう。
また、一生寄り添って生きる夫婦間でのプレゼントにもおすすめです。
黄色のチューリップ
太陽の光を受けて輝く黄色いチューリップの花言葉は、「正直」「名声」「高慢」「報われぬ恋」です。ポジティブな意味とネガティブな意味の花言葉を持っているので、プレゼントする際には、伝えたい気持ちをメッセージカードなどに記しておくと良いでしょう。
チューリップの種類
チューリップにはさまざまな種類があり、開花時期によって分けられる種類があります。大きく分けると以下の通りです。
- 早生種
- 中手種
- 晩生種
- 原種
以下でそれぞれの開花時期や特徴を解説します。
早生種
早生種(わせしゅ)は4月上旬に咲き始めるチューリップを指します。花の咲き方によってさらに一重咲きと八重咲きに分けられます。草丈が低い種が多いのが特徴なので、プランターや花壇に植えるのがおすすめです。
中生種
4月中旬頃から咲き始めるチューリップは中生種(なかてしゅ)に分類されます。チューリップの中でも最も代表的な品種である「トライアンフ系」や大輪の花を咲かせる「ダーウィンハイブリッド系」などがあります。草丈がある程度あるので、ガーデニングはもちろん、ギフト用としても人気です。
晩生種
晩生種(おくてしゅ)は、4月下旬から咲き始める品種に分類されます。一重遅咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲き、八重咲きなど種類が多いのが特徴です。
草丈は高いものが多いので、花壇の後方などに植えると良いでしょう。
原種
3月下旬から4月にかけて開花する品種は原種(げんしゅ)になります。草丈が低く、葉が細いのが特徴で、寄せ植えなどに向いています。個性的な見た目のものもあるので、好みのチューリップを探してみましょう。
チューリップの人気の品種
チューリップの品種はとても多く、世界中に1,000種は存在していると言われています。花の色や咲き方、草丈、葉の形などさまざまなので、ご自分の好みに合うチューリップを探してみましょう。代表的な人気の品種をいくつかご紹介します。
イルデフランス
イルデフランスは、燃えるような真っ赤な花びらと中心の黒いおしべやめしべのコントラストが美しい品種です。庭や花壇のアクセントとしても最適です。花束にすると情熱的でロマンチックなギフトになります。
リトルビューティ
リトルビューティはコンパクトで可愛らしい原種系のチューリップです。鮮やかな赤い色と大きく開いた花びらが特徴で、花の中央は青みがかっており、美しいグラデーションを楽しめます。
キャンディーアップルデライト
キャンディーアップルデライトは赤い花びらに白いフチが入ったおしゃれな印象の品種です。シンプルな一重咲きではありますが、一輪でも十分存在感を与えます。花束にすると、ゴージャスなギフトになるでしょう。
チューリップ・アンジェリケ
チューリップ・アンジェリケは八重咲きの花びらが大きく開き、一般的なチューリップとは少し違う印象があります。白とピンクのグラデーションが美しく、上品で優しい雰囲気の花です。春の花壇をふんわりと彩ってくれることでしょう。
チューリップ・モンテカルロ
チューリップ・モンテカルロは、鮮やかな黄色い花びらが特徴の八重咲きの品種です。花びらを大きく開き、甘い香りを放ちます。草丈が低いので、鉢植えやプランターでも育てやすく、寄せ植えにもおすすめです。
アプリコット・ビューティ
アプリコット・ビューティは淡いピンク色の花が優しい雰囲気を放つ品種です。一重咲きのシンプルな花なので、カジュアルな贈り物をしたいときにおすすめです。一輪挿しにして飾るだけでも、お部屋に春の雰囲気を運んでくれます。
チューリップ・ブラックヒーロー
チューリップ・ブラックヒーローは黒に近い紫色の品種で、妖艶な美しさを感じさせます。ボリュームたっぷりの八重咲き品種なので、まるでバラのように豪華です。光の当たり具合で印象が変わる神秘的な花です。色が暗いのでギフトには適していないかもしれませんが、庭のアクセントになるでしょう。
クリスマスドリーム
少し濃いめのピンク色がキュートなクリスマスドリーム。名前からもロマンチックさを感じます。花の根元は白っぽくなっており、グラデーションが美しい花です。
チューリップアイスクリーム
チューリップアイスクリームは、幾重にも重なった花びらがもこもこと盛り上がり、まるでソフトクリームのように見えることから、この名がつきました。赤や白、黄色などの花色があり、一般的なチューリップとは違った魅力を楽しめます。珍しいチューリップを育ててみたい方におすすめです。
ファンシーフリル
ファンシーフリルは、花びらの縁に細かいギザギザが入ったおしゃれなフリンジ系の品種です。ピンクと白のグラデーションが美しく、庭やギフトでは目を引くような美しさを演出します。可愛らしさと優しさを兼ね揃えている春らしさ満載の花です。
バレリーナ
バレリーナはすらっと伸びた茎の先に、ユリのような形の花を咲かせる晩生品種です。その名の通り、まるでバレリーナが踊っているかのような美しさを感じます。
チューリップの中では珍しく、良い香りが広がるのも特徴的です。太陽に輝くようなオレンジ色は、見ているだけでも活力をもらえるでしょう。
アイスチューリップ
アイスチューリップは正確には品種名ではなく、通常のチューリップの球根を一定期間冷蔵施設などに保管し、開花期をずらしたものです。冬のような寒さを経験した後、暖かい環境に出ることで春が来たと勘違いし、本来は開花期でない冬のうちから花を楽しめます。
花が少なくなる冬の花壇をチューリップで彩りたい方は、ぜひ育ててみてください。
チューリップの育て方
チューリップは育てるのがそれほど難しくないので、初心者の方にもおすすめです。球根植物は管理が難しいイメージがあるかもしれませんが、掘り上げて保管するだけなので、それほど手間はかかりません。以下で、チューリップの育て方を解説します。
置き場所
チューリップは日当たりの良い場所でよく育ちます。地植え、鉢植え共に一日を通してよく日が当たる場所で管理しましょう。
春にきちんと開花するためには、冬の寒さに慣らしておくことも大切です。5℃程度の低温が必要なので、冬の間も屋外に出しておきましょう。ただし、霜が降りないように軒先や玄関先など屋根がある場所がおすすめです。
用土
チューリップは水はけの良い土を好みます。自分で配合する場合は、培養土と腐葉土と堆肥を7:2:1の割合で混ぜて作りましょう。初心者の方や簡単に済ませたい方は、市販の草花用の培養土がおすすめです。
球根の植え方
チューリップの球根を植える深さは、球根の高さの2〜3倍が目安です。球根と球根の間は、1〜2個分くらい空けて配置しましょう。少し多めに植えると開花したときの見栄えが良くなります。鉢植えの場合、18cmの鉢に5球ほど植えられるでしょう。
水やり
チューリップを地植えする場合、植えつけ時に水を与えたら、その後は極端な乾燥を除き、降雨に任せます。鉢植えであれば、土の表面が乾いたタイミングでしっかりと水をやりましょう。次の年も咲かせたい場合は、花が咲き終わった後も地上部が枯れるまでは水やりを続けます。
肥料
チューリップは基本的に肥料を与えなくても生長や開花が可能です。しかし、より丈夫に育て、花を楽しみたいのなら、適度に肥料を与えましょう。
植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込んでおいてください。葉が出た後は、1週間に1回程度を目安に液体肥料を与えましょう。
球根の掘り上げ時期と方法
6月が過ぎてチューリップの花が枯れてきたら、掘り上げるタイミングです。スコップなどを利用して球根を掘り上げたら、半日ほど天日干しして乾かした後、丁寧に根や葉を取り除きます。
球根に土がついている場合は、軍手や柔らかい布などで優しく拭き取りましょう。水洗いすると球根が腐る原因になるので避けてください。球根に小さな球根がついていたら、取り除いて一番大きな球根だけを残しましょう。
球根の保管
掘り上げたチューリップの球根は、ネットなどの通気性の良い袋に入れ、次の植え付け時期まで日の当たらない涼しい場所に保管しましょう。球根に傷が入ると翌年芽が出なくなるので、ぶつけたり負荷がかかったりしないようにします。
チューリップで注意すべき病害虫
チューリップは、褐色斑点病やモザイク病にかかることがあります。
褐色斑点病は葉に黄色い小さな斑点、花は褐色の斑点が入る病気で、放置していると株全体が枯れてしまう病気です。一方、モザイク病は葉に淡い黄緑色のモザイクが出てくる病気です。いずれも高温多湿の状況で発生しやすくなるので、風通しや雨に濡れすぎないように置き場所を工夫しましょう。病気が発症した株は、速やかに抜き取ります。
また、春先になるとアブラムシがつくことがあります。少量なら歯ブラシなどでこそぎ落とせますが、大量に発生している場合は専用の薬剤などで駆除しましょう。
チューリップを贈るおすすめのシーン
チューリップには「思いやり」や「家族への感謝」という花言葉があるので、普段お世話になっている両親や祖父母などに贈ると良いでしょう。具体的には、父の日や母の日、敬老の日などがおすすめです。また、誕生花となる日が多いので、誕生日プレゼントにするのも良いでしょう。優しくて可愛らしいチューリップは、きっと特別なギフトになるはずです。
チューリップに関するよくある質問
最後に、チューリップに関するよくある質問を解説します。この機会にチューリップに関する疑問点をなくしておき、チューリップの栽培や贈り物を楽しみましょう。
球根を植えたら芽が出るまで水やりしなくていい?
チューリップは冬の間は芽が出ないものの、地中では根が生長しています。そのため、植え付け時にはたっぷりと水をやりますが、その後も土の乾燥が見られたら適度に水を与えましょう。地植えの場合は、基本的に降雨に任せておいて構いません。
チューリップは植えっぱなしでも大丈夫?
チューリップは、花壇や鉢に植えっぱなしにしていても翌年も芽を出して花を咲かせることがあります。しかし、夏の間に厳しい暑さでエネルギーを消耗して弱ってしまい、翌年芽を出したとしても花が小さかったり咲かなかったりすることがあります。
日本の夏のような高温多湿の時期は土から掘り上げて、涼しい場所で保管しましょう。
チューリップの切り花の花持ちはどのくらい?
チューリップの切り花は、適切な環境であれば1週間〜10日ほど持ちます。暖かくなると花が開いていくため、できるだけ涼しい環境に置きましょう。
水に浸かった場所から腐敗しやすくなるので、花瓶の水は少なめにするのがポイントです。切り花用の栄養剤などを活用することで、切り花の寿命を延ばすことができます。
まとめ
チューリップの特徴や花言葉、種類や品種、育て方、球根の掘り上げ時期や掘り上げ方、保管方法、チューリップを贈るおすすめのシーンまで幅広く解説しました。チューリップの花言葉は、「博愛」「思いやり」という意味があります。色によっても花言葉の意味が異なるため、贈る相手に合わせて選んでみてください。また、チューリップにはさまざまな種類があります。ぜひ、お気に入りのチューリップを見つけて育ててみてはいかがでしょうか。