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カーネーションってどんな花?花言葉や贈るときのおすすめシーンを解説

母の日の花というイメージが強いカーネーションですが、近年ではそのイメージも変わりつつあります。さまざまな色や形の花が開発され、花言葉も豊富なので大切な人への贈り物としても人気が高まっています。

この記事では、カーネーションの歴史や種類、花言葉、カーネーションを贈るおすすめシーンなどについて詳しく解説します。母の日の定番というイメージを払拭し、カーネーションの多彩な魅力を再発見してみませんか。

カーネーションの基本情報

母の日が近づくとポスターやチラシ、ポップなどが街にあふれるようになるカーネーション。幅広い世代に愛されている人気の高い花です。以下では、そんなカーネーションの基本的な情報を解説します。

カーネーションの特徴

カーネーションはナデシコ科ナデシコ属の多年草です。開花時期は2〜6月頃が一般的ですが、現在はハウス栽培が進んでいるので1年を通して手に入りやすくなっています。

フリルのように波打つ花びらが可憐で豪華な印象があり、花の色や品種も豊富なので、花束やアレンジメントなどに多く用いられています。

花の色は定番の赤やピンクのほかに、白、黄色、オレンジ、青、紫など豊富にそろっているので好みに合わせて選びましょう。

 

  • 科名・属名 ナデシコ科・ナデシコ属
  • 学名 Dianthus caryophyllus L.
  • 和名 阿蘭陀撫子(オランダナデシコ)など
  • 英名 Carnation
  • 原産地 南ヨーロッパ・西アジアなど
  • 開花時期 2月~6月頃

 

また、カーネーションは育てるのも難しくないことから花鉢も人気です。草丈は10〜30cm程度で、花径4〜5cmの大輪タイプと小輪のミニカーネーションと呼ばれるタイプがあります。

カーネーションの名前の由来

カーネーションの名前の由来には、色が由来の説と花が由来の説があります。カーネーションの原種は、白やピンクだけでなく、赤や紫などの肉体 (Carnation) の色に近い色合いの花が多くありました。そのため、ラテン語の「Carnation」が語源になったと考えられています。一方、花が由来の説は、古代ギリシャやローマで、カーネーションは神に捧げる花として重宝されていたと考えられていたためです。中世ヨーロッパでも、戴冠式にカーネーションの花冠が用いられることもありました。これらのことから、英語の「Coronation (戴冠式)」が変化して「Carnation」になったようです。

カーネーションの誕生花

カーネーションが誕生花となるのは、2月16日と6月15日です。誕生花とは、生まれた月日にちなんで決められた花のことです。1月1日から12月31日までの365日間に、それぞれ花が割り当てられています。この日に誕生日を迎える人はなかなか身近にいないかもしれませんが、2月生まれの方や6月生まれの方に贈ると喜ばれるでしょう。誕生花の贈り物は、きっと特別なプレゼントになるはずです。

カーネーションと母の日の関係

カーネーションが贈り物となった母の日のきっかけは、1910年にアメリカ合衆国のウェストバージニア州から始まりました。アンナ・ジャービスという女性が、亡き母を追悼する会を教会で行い、母が生前愛した白いカーネーションを参拝者に配りました。このエピソードから、亡くなった母親には白いカーネーション、存命の母には赤いカーネーションを贈る風習が広まったのです。この日が母の日の起源であり、少しずつアメリカ全土に広まっていき、1914年には正式に「母の日」として制定されました。

日本で初めて母の日のイベントが行われたのは明治末期頃であり、教会で行われたこのイベントが次第に全国に広まっていったようです。

カーネーションの花言葉

カーネーションには、「無垢で深い愛」「女性の愛」「感覚」「感動」「純粋な愛情」などの花言葉があります。先ほど解説したように、母の日の起源が由来となっていると考えられる花言葉ばかりです。

また、カーネーションは花の色が豊富なことでも知られていますが、色別でも花言葉が異なります。多くは愛をうたうものですが、中には少しネガティブな意味合いもあるので、プレゼントの際には色にもこだわってみましょう。

 

カーネーションの色 花言葉
「母への愛」「敬愛」
ピンク 「母の愛」「上品」「感謝の心」
「癒し」
「永遠の幸福」
オレンジ 「熱烈な愛」
「誇り」「気品」「変わりやすい」「きまぐれなこと」
黄色 「軽蔑」「拒否」「あなたには失望しました」
「亡き母を偲ぶ」「純粋な愛」「私の愛は生きています」

 

恋人にカーネーションを贈るなら、オレンジや青、友人には緑などのカーネーションが良いでしょう。黄色や白は少しネガティブな意味合いになっているので、贈るときには注意してください。

カーネーションの人気の高い品種

カーネーションは品種改良により、多くの品種が存在しています。花の色や咲き方のバリエーションが豊富なので、ギフトや園芸用には好みに合うものを探してみましょう。

以下では、カーネーションの中でも人気の高い品種をご紹介します。

ローズドメイカーネーション

ローズドメイカーネーションは、可愛らしいピンク色の花を咲かせ、甘い香りを漂わせる品種です。草丈は40cmほどになり、ボリュームがあるので庭での地植えにも適しています。

寒さには強い性質があるので屋外でも冬越しでき、ガーデニング向きです。

カーネーション・サッキーネ

カーネーション・サッキーネは、ピンクの花びらに白い縁取りが華やかで可愛らしい品種です。開花期間が長いため、ギフトとしてはもちろん、ガーデニングにも向いています。花つきが良く、次々に咲くので、寄せ植えや鉢植えでボリュームのある姿を楽しめるでしょう。

カーネーション・ムーンダスト

カーネーション・ムーンダストはカーネーションには珍しい、紫色の花を咲かせる品種です。上品で高級感がある印象なので、年上や目上の方へのプレゼントにも良いでしょう。花束やフラワーアレンジメントでは、鮮やかなアクセントになってくれます。

カーネーション・ミヤビ

カーネーション・ミヤビは、まるで染物のような模様が特徴的な品種です。和のイメージがあるので、和室や着物との相性も良く、シニア世代への贈り物に向いてます。

少し変わったカーネーションを育ててみたいという方にもおすすめです。

カーネーション・ロイヤルグリーン

カーネーション・ロイヤルグリーンは、薄い緑色の上品な花を咲かせる品種です。白に近く、清楚な雰囲気があるため、ブライダルシーンでも多く用いられています。

華やかな中でも落ち着いた雰囲気があり、年齢や性別を問わず贈りやすい花です。

カーネーションの育て方

贈り物としても人気のカーネーションですが、育て方が難しくないため、自分で育ててみるのもおすすめです。初心者でも挑戦しやすいので、以下で解説する育て方を参考に、ぜひ挑戦してみてください。カーネーションは多年草なので、上手く育てることができれば、翌年以降も花を楽しめるでしょう。

置き場所

カーネーションは日当たりと風通しの良い場所を好みます。しかし、高温多湿の環境には弱いので、梅雨時期や真夏は天気の影響を受けにくい軒先などに移動させましょう。

用土・植え付け

カーネーションに適しているのは水はけの良い土です。また、酸性を嫌うので、地植えする場合は植え付ける場所に苦土石灰を撒き、土を中和しておきましょう。鉢植えで育てる場合は、市販の草花用の培養土で構いません。

水やり

カーネーションには、表面の土が乾いてから水をやりましょう。その際、花や葉に水がかからないように、株元に静かに注ぎます。カーネーションは多湿に弱いので、乾燥気味に育てましょう。水のやりすぎには注意してください。

肥料

カーネーションを植え付ける際に、元肥として緩効性肥料を蒔いておきましょう。その後は、葉に元気がないときなどに適度に液体肥料を施します。

真夏は、カーネーションが高温多湿の環境に頑張って耐えている時期です。この時期に肥料をやると株に負担をかけ、病気の原因にもなってしまうため、肥料は与えないようにしましょう。

花がら摘み・切り戻し

カーネーションの花が咲き終わったら、花のすぐ下で切り取りましょう。終わった花をそのままにしていると腐ってしまい、カビが発生する原因になるのです。こまめに花がら摘みをすることでどんどん新しい花が咲き、長く開花を楽しめます。

また、花が一通り咲き終わったら、剪定して夏の暑さに供えましょう。目安は根元から2節ほど残して切り戻します。剪定することで風通しが良くなり、その後の梅雨や猛暑を乗り切れるでしょう。

植え替え

カーネーションの花を切り戻したら、5月下旬〜6月上旬までには植え替えをしましょう。新しい鉢は、一回り大きなものにして、根の成長にゆとりを与えます。植え付け後は、月に1回程度のペースで緩効性肥料を与えましょう。

夏越し

カーネーションは太陽の光が大好きな花ですが、強い西日や多湿の環境には弱い性質があります。そのため、真夏は午前中にしっかり日を当て、午後からは半日陰になる場所に鉢を移動させましょう。スタンドやレンガなどで底上げし、地面の熱が伝わりにくくするのも有効です。また、梅雨時期は雨に当たりすぎないよう、軒先やベランダなど屋根がある場所で管理しましょう。真夏は涼しい環境を整えることが大切です。

冬越し

カーネーションはある程度耐寒性がありますが、気温が0度を下回るくらいの寒さになったら室内に取り込みましょう。東北より北の寒冷地では、冬場は室内で管理することが基本になります。日中に天気が良ければ、外に出して日光浴をさせましょう。

一方、関東から南の地域では霜が下りないよう軒先などに置けば、屋外でも越冬できるでしょう。雪が降る日には、屋外に移して様子を見てください。

カーネーションの注意すべき病害虫

育てやすいカーネーションですが、比較的病害虫の被害に遭いやすいので、管理には注意が必要です。病害虫は早期発見・対策が重要なので、日頃からカーネーションの様子をチェックしておきましょう。以下で、カーネーションの注意すべき病害虫をご紹介します。

病気

花びらや葉が灰色に変色していたら灰色カビ病を疑いましょう。黄色や褐色の斑点が出ていたら斑点病の可能性があります。灰色カビ病、斑点病共に、進行するとやがて株全体を枯らしてしまいます。そのため、悪くなっている部分があればすぐに取り除き、専用の薬剤などで対処しましょう。

害虫

カーネーションにはハダニやアブラムシなどがつくことがあります。そのままにしていると養分を吸い取り、排泄物が病気を招いてしまうため、すぐに駆除しましょう。

大量に発生している場合は、植物用の殺虫剤も有効です。

カーネーションの増やし方

カーネーションは挿し木によって増やすことができます。挿し木とは、植物の茎や葉を切り取り、土や水に挿して根を出させ、新しい苗を作る無性繁殖法です。種から育てるよりも早く苗を作ることができ、親株と同じ性質の植物を育てることができます。カーネーションの増やし方の手順は以下の通りです。

 

  1. 若くて元気な茎を10〜15cmほどカットし、先端の数枚を残し、葉は取り除きます。
  2. 切り口を数日間水に浸けたら、挿し木用の土を鉢に入れて挿しましょう。
  3. 水を切らさないよう、こまめに水を与えながら半日陰の場所で管理します。
  4. しばらくすると根が出てくるので、鉢や庭に植え付けましょう。

カーネーションのフラワーギフトの種類

カーネーションは豪華な印象のため。フラワーギフトとしても人気の高い花です。母の日はもちろんですが、他のお祝いや記念日に贈るのも良いでしょう。カーネーションをプレゼントするときには、以下のような種類がおすすめです。

花束

花束はフラワーギフトの定番であり、華やかで見栄えの良いプレゼントです。イベントや式典などビジネスシーンでも贈りやすく、花の美しさをシンプルに楽しめます。

屋外で渡す場合は、持ち帰りやすいように専用の袋も添えると親切です。大きな花束は豪華な印象がありますが、持ち帰りやすいサイズに留めることも大切です。

花束は持ち帰った後に花瓶などに生ける必要があるため、花の扱いに慣れている方へのギフトに良いでしょう。

フラワーアレンジメント

フラワーアレンジメントは、専用の容器の底に吸水スポンジを敷き詰め、切り花をきれいにレイアウトしたものです。受け取ったらそのまま飾れて水替えなどの手間もかからないので、気軽に花を贈れます。水を含んでいるため少し重くなってしまいますが、袋があれば安定して持ち帰ることができるでしょう。水を替える必要がないため、手間がかからず忙しい方におすすめのギフトです。

花鉢え

カーネーションは切り花だけでなく鉢植えでのプレゼントも人気です。鉢植えは、切り花よりも長く花を楽しめ、適切な管理を行えば翌年以降も花を楽しめることから、ガーデニングが趣味の方への贈り物に喜ばれます。ただし、鉢植えは重量があるので屋外で渡すギフトには向きません。自分で相手の自宅まで届けるか、配達で届けてもらうのが良いでしょう。

カーネーションを贈るおすすめのシーン

カーネーションを贈れるのは母の日だけではありません。大切な人のお祝いや記念日に、気軽に贈ってみましょう。以下では、カーネーションを贈るおすすめのシーンをご紹介します。

母の日

赤いカーネーションには「母への愛」という花言葉があるので、母の日にはぴったりです。切り花や鉢植えなど、母親の趣味や好みに合わせて選びましょう。仕事に家事に忙しいお母さんへは、気軽に飾れるフラワーアレンジメントもおすすめです。

誕生日

カーネーションには「感謝の心」「癒し」「永遠の幸福」など素敵な花言葉がたくさんあります。優しさや上品さ、華やかさなどのバランスが良いので、誕生日プレゼントとしてもおすすめです。緑や白のカーネーションであれば、男性にも贈りやすいでしょう。

結婚記念日

結婚記念日にカーネーションを贈れば、ロマンチックな雰囲気を演出することができます。オレンジのカーネーションには「熱烈な愛」、ピンクのカーネーションには「感謝の心」という花言葉があるので、結婚記念日に日頃からの感謝や愛を伝えるのに最適です。

カーネーションに関するよくある質問

カーネーションは、私たちの生活の身近にあるからこそ、わからないことも出てくるでしょう。最後に、カーネーションに関するよくある質問を解説します。

カーネーションの花持ちはどのくらい?

カーネーションは、花持ちの良い花としても知られています。花瓶に生けて適切な管理ができていれば、1週間〜10日ほどは楽しめるでしょう。カーネーションは花びらが散らず、萎むように枯れていくので周囲が汚れにくいのがメリットです。

カーネーションが咲き始めると、花の中心から雌しべが2本出てきます。雌しべはエチレンガスを作り、花の老化を早めてしまうので、早めに取り除きましょう。

カーネーションが枯れる原因は?

カーネーションが枯れる原因には、水のやりすぎや蒸れ、害虫などの被害が考えられます。カーネーションは乾燥を好むので、水のやりすぎには注意し、梅雨時期は置き場所に注意しましょう。また、風通しを良くするための適度な剪定や害虫がついていないかを、日頃からこまめにチェックすることが大切です。

咲くつぼみと咲かないつぼみがあるのはなぜ?

カーネーションにはつぼみがたくさんつきますが、中には開花に至らないつぼみが出てくることがあります。これは、開花へのエネルギーが足りないためであり、日照不足や水のやりすぎなどが考えられます。

つぼみを指先でつまんでみて、中身が詰まっていないようなら、早めに摘み取って他のつぼみにエネルギーを回しましょう。

まとめ

今回は、カーネーションの歴史や種類、花言葉、カーネーションを贈るおすすめシーンなどを解説しました。カーネーションは母の日の定番ギフトですが、種類が多く素敵な花言葉がたくさんある花です。母の日はもちろん、大切な人の記念日やお祝いに、カーネーションの花束やフラワーアレンジメントを贈ってみてはいかがでしょうか。

カーネーションは花つきが良いので、ガーデニングにもおすすめです。今回ご紹介した育て方を参考に、カーネーションの栽培も楽しんでみてください。