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暑さに強い花の選び方は?おすすめの花や育てるときのポイントも解説

厳しい日差しが照りつける夏。緑あふれる庭やベランダに鮮やかな花々が咲き誇れば、心も涼やかになりますよね。しかし、夏の暑さに負けて花が枯れてしまった経験はありませんか。そこで今回は、暑さに強い花の選び方や暑さに負けない夏を彩るおすすめの花をご紹介します。また、育てるときのポイントも解説するので、ガーデニング初心者の方もぜひ参考にしてみてください。

暑さに強い花の選び方

近年の夏は、数十年前に比べて暑さが厳しくなっており、毎年のように最高気温を更新するようになりました。そのような環境下では、暑さや湿度に強い丈夫な植物でないと耐えられません。最近では、そのような厳しい暑さにも耐えられる丈夫な園芸品種が数多く登場しています。以下では、暑さに強い花の選び方について解説します。

暑さに強い品種を選ぶ

暑さに強い花を選ぶには、暑さに強い品種を選ぶことが重要です。近年の厳しい日差しや暑さに負けないような丈夫な品種を選びましょう。同じ品種であっても、地域によって気候や環境が異なることがあります。住んでいる地域の夏の暑さに耐えられる花を選ぶことが大切です。

日照条件に合わせる

花を植える予定日の日照状況を確認しましょう。鉢植えで育てる場合は、気候に合わせて置き場所を変えられますが、地植えの場合は日の当たり方に合う花を選んでみてください。日照条件に合わせることで、気候を上手く利用して、より元気な花を楽しむことができます。

開花期間の長い品種を選ぶ

暑さに強い花を選ぶときは、開花期が長いものを選びましょう。開花期が長いとお手入れが楽なため、花を長く楽しめます。秋まで咲き続ける花であれば、夏の花壇から秋冬の花壇への移行もスムーズに行えるでしょう。できるだけ花を入れ替える手間を省きたいときは、開花期間に注目してみてください。

暑さに強いおすすめの鉢花

鉢花(はちばな)とは、土に植えられた根のある花の総称です。切花とは異なり、長期間観賞を楽しむことができます。観葉植物のように葉を観賞することを主体とする鉢物に対し、花の咲く鉢物の呼称です。以下では、根を張って育つ暑さに強いおすすめの鉢花をご紹介します。

フェアリースター

フェアリースターは白やピンク、紫などの可愛らしい小花をたくさん咲かせる花です。花が咲き終わったら自然と落ちるので、基本的に花がら摘みは必要ありません。株全体を覆うようにこんもりと育つので、1株でも存在感を放ってくれることでしょう。夏から秋まで次々に花が咲くので、夏のガーデニングの強い見方です。

サマーミスト

直射日光の当たらない半日陰になる場所に花を植えたいなら、サマーミストがおすすめです。涼しげなブルーや紫の花が、夏の厳しい暑さを和らげてくれるでしょう。

つるを伸ばすように生長するので、スタンドなどを利用して高さを出すのがおすすめです。水切れをおこさないように注意しながら育てれば、秋口まで花を楽しめます。

ケイトウ

ケイトウ(鶏頭)は、花の形が鶏の頭のように見えることから、名付けられました。もこもことした可愛らしい花がお庭のアクセントになってくれるでしょう。赤やオレンジなどビタミンカラーなので、見ているだけで元気を与えてくれます。7〜11月頃までと開花期が長いのも人気の理由です。

サルビア

学校や公園の花壇に植えられていることが多いサルビア。開花期は6~11月と長く、赤、白、ピンク、紫などさまざまな色が存在します。高さがあるので、花壇やプランターの背面に配置すると立体的なガーデンを作れます。花がらはこまめに摘み取り、花が一通り咲き終わったら半分ほどの高さに切り戻しましょう。そうすることで、秋に再び花をたくさん付けてくれます。

センニチコウ

すらりと伸びた茎の先に、小さなポンポンのような可愛らしい花を咲かせるセンニチコウ。赤、白、ピンク、紫などの花色を楽しむことができ、開花期も7~11月と長いのが特徴です。夏の暑さに強い花で、多湿にも耐えられるので、日本の夏にぴったりです。

ヒマワリ

ヒマワリは夏の花を代表する花のため、子どもから大人まで誰もが知っている花です。「向日葵」という名の通り、太陽の方を向いて花を咲かせるので、花を咲かせたい方向に太陽が上がる位置を考えながら植えましょう。品種によって、高く生長するものとコンパクトにまとまるものがあります。

ペンタス

ペンタスはアカネ科の多年草で、鉢植えや寄せ植えなどに人気です。赤、紫、ピンク、白など花色が豊富で、品種によって背が高くなるタイプと、高くならずに茂るタイプがあります。夏の暑さに強い花で、直射日光の下でも元気に花を咲かせるので、夏のガーデニングの強い味方です。

トレニア

トレニアは暑さにも害虫にも強い丈夫な花なので、初心者の方にもおすすめです。花壇、鉢植え、寄せ植えなど幅広く楽しむことができ、1株でもボリュームがあります。

熱帯地気原産なので高温多湿に強く、開花期も4~11月と長いので、管理がしやすいでしょう。

アヤメ

日本にも多く自生し、古くから人々の生活の身近にあるアヤメ。和の雰囲気もあり、涼しげのある紫や青い花で、夏を静かに彩ってくれます。多年草なので、翌年以降も花を楽しみたい方にもおすすめです。ただし、株全体に毒があるので、小さい子どもやペットのいる家庭では注意してください。

ポーチュラカ

ポーチュラカは、多肉の葉と葉と茎を持つ夏の暑さに強い花です。赤やピンク、黄色、白など色とりどりの花を咲かせ、這うように広がって育つため、縁取りや花壇の寄せ植えで活躍します。地植えの場合、水やりはあまり必要ないので管理が簡単なのも魅力です。

サンパラソル

夏の暑さや水切れに強いので、初心者の方でも育てやすいサンパラソル。根に水分を貯めているので、真夏に2~3日水をやらなくても枯れることはありません。

トロピカルな雰囲気で、南国のような庭先を演出できます。花の色は赤やピンク、黄色、白などさまざまです。

ジニア

ジニアは別名「百日草」とも呼ばれており、その名の通り約3ヶ月の長い開花を楽しめる花です。赤やピンク、オレンジ、黄色など花の色が豊富なので、カラフルな花壇を作れます。暑さには強いのですが、乾燥しすぎると枯れてしまうことがあるので、水やりを欠かさないようにしましょう。

ペチュニア

ペチュニアはナス科の多年草で、ラッパ型の花が特徴的です。花の色は赤、ピンク、白、青、紫などさまざまなので、好みの色合いを選びましょう。春から秋まで開花期が長いので、花の入れ替えの手間を省けます。ただし、多湿には弱い性質のため、水のやりすぎには注意し、梅雨時期には適度に刈り込んで通気性を良くしておきましょう。

暑さに強いおすすめの球根で咲く花

球根から育てられる暑さに強いおすすめの花を紹介します。球根から咲くメリットは、花が咲いた後に球根を掘り上げることで翌年以降も花を楽しめることです。中には、分球などで株を増やせる種類もあり、ガーデニングの幅が広がります。

カラー

上品で優雅な花姿から、花嫁さんのウエディングブーケとして使用されることもあるカラー。開花期は5~7月頃ですが、越冬できる多年草なので、花壇の主力として活躍してくれます。夏の暑さには強いものの、直射日光に長く当たりすぎると弱ってしまうため、半日陰で育てるのがおすすめです。

グラジオラス

グラジオラスは、春植えの球根植物として人気の花です。赤、白、ピンク、オレンジ、黄色などカラーバリエーションが多く、夏の花壇を鮮やかに彩ってくれます。

半日は日光に当たらないと花付きが悪くなるので、日当たりの良い場所で育てましょう。比較的やせた土でもよく育つので、土質をあまり気にする必要はありません。

ダリア

鮮やかで大きな花を咲かせ、一輪でも存在感のあるダリア。花の色が豊富なだけでなく、一重咲きや八重咲きなど咲き方もさまざまなので、好みに合う品種を選べます。

地植えでもプランターでも育てやすく、地植えの場合はほとんど水やりが必要ないので、初心者の方にもおすすめです。

ベゴニア

ベゴニアは暑さに強く乾燥にも耐えられるので夏のガーデニングにぴったりです。艶のある葉と鮮やかな花色が印象的で、開花期も6~11月までとたっぷりあります。

耐陰性も持ち合わせているため、半日陰になるような環境でも育ち、場所を選びません。草丈は70cmほどになる品種もあり、花壇を立体的に演出してくれます。

ユリ

豪華で上品な花の姿で、昔から人々を魅了してきたユリ。ジューンブライドの時期には、大活躍する花です。花の色は白が一般的ですが、黄色、ピンク、オレンジ、赤など、カラーバリエーションが豊富にあります。暑さには強いものの、土の温度が上がりすぎると弱ってしまうため、直射日光が当たりすぎない場所で育てましょう。

暑さに強いおすすめの花木

暑さに強いおすすめの花木(かぼく)をご紹介します。花木とは、花や果実を観賞するために庭植えまたは鉢植えにして利用される木のことです。庭に、夏に花を咲かせる木を植えたい方におすすめです。

アジサイ

日本の梅雨の風景に欠かせない花であるアジサイ。道端や公園などに自生していることも多く、梅雨時期になるとさまざまな場所に咲いているアジサイを見かけることも多いのではないでしょうか。アジサイは、土の酸性度合いによって花の色が変わる性質があるので、好みの色合いに近づけるように調整してみましょう。

クチナシ

クチナシは三大香木の一つで、梅雨時期になると甘い香りの白い花を咲かせます。八重咲きや一重咲きなど咲き方の種類も多く、高さも低木から大きくなるものまでさまざまです。

比較的温暖な地域では、霜に当たらない場所に植えると冬越しができますが、寒冷地では鉢植えで育て、冬場は室内に移動させましょう。

サルスベリ

サルスベリは、木の幹がすべすべとしていることから名付けられました。7~9月の間に赤やピンク、白、紫色などの小花をたくさん咲かせます。

しっかりと日光に当てないと花付きが悪くなるので、年間を通して日当たりの良い場所に植えましょう。暑さには強く、夏の直射日光にも負けない丈夫さをもっています。

ハイビスカス

ハワイや沖縄などの南国で自生しているハイビスカス。トロピカルな雰囲気で、夏の庭先を楽しく彩ってくれます。温暖な地域なら地植えも可能ですが、寒冷地では置き場所を移動できる鉢植えで育てるのがおすすめです。

春から秋にかけては水をしっかりとやり、日当たりの良い場所で育てましょう。

プルメリア

プルメリアは、ハワイでのフラダンスの首飾りに使用されている花としても知られています。暑さにも乾燥にも強いので、初心者の方でも気軽に育てられます。

地植えの場合、根付いた後は特に水やりは必要ありません。太陽にしっかり当たらないと花が少なくなるので、日当たりの良い場所で育てましょう。

ブーゲンビリア

ブーゲンビリアは半つる性の低木種で、開花期は5~10月までと長期間です。花の色は赤、ピンク、黄、白、紫など豊富で、透け感のある繊細な花を楽しめます。しかし、花びらに見えるものは「苞(ほう)」であり、花びらではありません。

6月頃に剪定をすれば、秋にも開花を楽しめるので、秋のガーデニングにそのまま移行できます。

暑さに強い花を育てるときのポイント

夏に開花期を迎える花を育てるときには、他の季節とは少し異なるポイントがあります。

以下では、暑さに強い花を育てるときのポイントを解説します。

大きめの鉢に植え付ける

夏に開花期を迎える花は、大きな株に生長する品種が多くあります。短期間のうちに、植え付け時期の苗とは比べ物にならないほど立派になることもあるので、大きめの鉢で余裕を持って育てましょう。株に対して鉢が小さすぎると根の生育が悪くなり、花付き不良や病気などのトラブルにつながることがあります。

水やりはしっかり行う

夏場は気温が高いため、水をやってもすぐに乾燥してしまい、水切れを起こす原因になります。特に、暑さが厳しい時期は朝と夕方の2回水やりを行っても構いません。

ただし、日が昇りきった日中は水の温度が上がることで花を弱らせてしまうので、花が暑さでぐったりとしていても水をやらないようにしましょう。地植えの場合は、花の種類によっては毎日の水やりが必要ないものもありますが、晴天が続くときなど、乾燥が気になるときには適度に水を与えてください。

肥料をしっかりやる

夏の暑さに耐えられる花は、開花前にしっかりとエネルギーをたくわえることで、よりたくさんの花を咲かせてくれます。

そのため、植え付け時には元肥として土に緩効性肥料を混ぜこみ、その後は週に1回程度のペースで、500〜1,000倍に薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えましょう。適度な肥料を与えることで、夏の暑さを跳ね返すような元気な花を咲かせてくれます。

花がら摘みと切り戻しを行う

夏は雑菌や害虫が発生しやすい季節でもあるので、落ちた花をそのままにしていると不衛生になります。花がらの摘み取りを毎日の日課にし、きれいな環境を保ちましょう。花がら(はながら)とは、咲き終わった花が枯れて植物体に残ったものを指します。花びらが枯れて茶色くなったり、しおれたりした状態のものが多いです。

また、一通り花が咲き終わったら、切り戻しをすることで秋に再び開花を楽しめる品種も多くあります。切り戻しとは、伸びすぎた枝や茎を短く切り取ることです。切り戻すことで樹形も整い、バランスの良い姿を保てるので、ぜひ実践してみてください。

台風の対策をする

日本の夏は台風が発生しやすい季節でもあります。台風が近づいてきたら、鉢植えは雨や風をしのげる場所に移動させましょう。地植えで育てている場合、背の高い花は支柱などで支え、植え付けたばかりの小さな苗は専用のカバーなどで覆いましょう。不織布やビニールなどで囲む方法も有効です。

病害虫の確認をする

高温多湿になる夏は、草花が病気や害虫の被害に遭いやすくなります。病害虫を防ぐためには、花がら摘みをこまめに行い、込み合った葉や茎は適度に剪定しましょう。また、風通しの良い場所に植え、水はけの良い土で育てることも大切です。

もし、病気や害虫を発見した場合、悪くなった部分を切り取ったり、専用の薬剤を用いたりして早めに対策しましょう。

まとめ

今回は、暑さに強い花の選び方や暑さに負けない夏を彩るおすすめの花、育てるときのポイントをご紹介しました。暑さに強い花の選び方は以下の通りです。

 

  • 暑さに強い品種を選ぶ
  • 日照条件に合わせる
  • 開花期間の長い品種を選ぶ

 

品種によって性質や適正環境などは異なりますが、夏の花は基本的に日当たりの良い場所に植えることが大切です。厳しい直射日光や高温多湿にも耐えられる花も多いので、ぜひ、夏のガーデニングに取り入れてみてください。