コルジリネの耐寒性は?寒さに強い品種と上手な冬越しの方法
スラリと伸びた葉のフォルムと鮮やかな葉模様が人気のコルジリネは、南国原産の植物です。そのため耐寒性はないと思っている方が多いですが、中には寒さに強い品種も存在するのをご存じでしょうか。
カラフルな葉色で人気のコルジリネには、大きく分けて屋外向きと室内向きのタイプに分かれます。それは比較的耐寒性に優れている品種と、寒さに弱い品種があるからです。
日本ではニュージーランド原産のオーストラリスシリーズやエレクトリックシリーズが人気で、寄せ植えにも活用されています。
この記事では寒さに強い品種と上手な冬越しのコツを紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
コルジリネってどんな植物?
南国のイメージが強いコルジリネは、スマートな葉っぱを大きく広げたような樹形が特徴の植物になります。しかし耐寒性が弱い印象があるので、冬の管理に頭を抱える人も多いのではないでしょうか。
本項目では、基本情報や特徴、名前の由来などを詳しく紹介します。
基本データ
学名 | Cordyline fruticosa(コルディリネ フルティコサ) |
科/属 | キジカクシ科/センネンボク(コルジリネ)属 |
英語名 | Cordyline(コルディリネ) |
和名 | 千年木(センネンボク) |
別名 | ニオイシュロラン |
原産地 | オーストラリア/ニュージーランドなど |
樹高 | 10~500cm |
開花時期 | 6月頃 |
花の色 | 白/薄紫 |
花言葉 | 幸福な交際 |
ドラセナと間違われることが多いコルジリネですが、まったく異なる種類の植物です。
見分けポイントは葉模様と根茎の有無になります。
コルジリネの多くは葉に模様があり太い根茎を形成しますが、ドラセナにはこれがありません。熱帯性の植物なので暑さには強いのですが、寒さには弱い品種も存在しています。したがって地植えにしたい場合には、耐寒性の強い品種を選ぶことが大切です。
特徴
コルジリネの特徴は、何と言ってもそのカラフルな葉っぱではないでしょうか。放射状に広がるピンクや赤に色づく美しい葉は、幅広い世代の方に人気があります。
たくさんの種類があるので、自分の好みに合わせてチョイスできるところも魅力です。可愛いものからレトロな雰囲気を持つものまであり、インテリアのアクセントとしても楽しめますよ。
コルジリネの原種は日本では「ニオイシュロラン」と呼ばれ、主にドライガーデンやリゾート風のロックガーデンとしても活用されています。
名前の由来
コルジリネの肥大化した根茎を「コルディレ」と呼んだことが、名前のルーツになっていると言われています。コルディレとは、ギリシア語では棍棒(コンボウ)のことを指します。根茎が棍棒のように見えたことからつけられたのでしょう。
幸運の木
ハワイでは、この木は「Ti(ティー)」と呼ばれ神聖な木として大切にされています。古来から儀式や生活の中に取り入れられているのは緑色の葉を持つ品種です。
ティーには不思議なパワーが宿っていると信じられており、今でも神に捧げるお供え物やレイとして活用されています。また厄除け効果があるとも言われていて、自宅のシンボルツリーや生け垣としても人気があるようです。
風水効果
風水では、シャープな葉には魔除けや厄除けの効果があると言われています。
さらに上向きに生える葉には「陽のエネルギー」があるので、運気を上げる効果もあるのです。
したがって陰の気が溜まりやすいエリアに置くことで、運気を上げることができます。
例えば玄関に置けば、悪い気をシャットアウトし全体運アップに繫がるでしょう。存在感がある背の高いコルジリネなら、より効果が期待できます。
屋外向け|耐寒性が強いコルジリネの種類
花壇などの寄せ植えにも活用されることが多いコルジリネですが、寒さに弱い品種もあるので注意が必要です。日本で主に植えられているのはニュージーランド原産のコルジルネで、屋外に植えると5m以上の大木になる種類もあります。こちらは入手しやすいポット苗から、2mを越えるサイズのものまで、幅広く展開されていますよ。
本項目では耐寒性が強い屋外向けのコルジリネを紹介します。
コルジリネ・オーストラリス
スタイリッシュな葉が人気の「オーストラリス」は、別名で「千年木」とも呼ばれています。原産地のニュージーランドでは樹高が20mを越えるものもあり、古くから食用や薬用として重宝されてきました。
幹はまっすぐ伸び、大きく生長すると枝分かれします。枝の部分から葉をつけ、その姿がヤシの葉にも似ていることから異国情緒溢れるアジアンテイストの庭作りにも最適です。樹高が伸びるほど丈夫になり、病気にもかかりにくくなります。
コルジリネ・オーストラリス・レッドスター
エレガントなワインカラーの葉を持つ「レッドスター」は、コンパクトなサイズ感が人気の品種になります。地植えにしても樹高が最大で3mほどと矮性なので、育てやすい点も魅力です。
開花時期は5〜6月くらいで小さな白い花を咲かせます。花が咲くまでには6年以上かかると言われていますが、咲けば香りも良く大変豪華です。
またレッドスターは耐寒性もあり、関東より南の地域では地植えにすることもできます。
ただし霜や雪には弱いので、対策は必要です。
コルジリネ・オーストラリス・サンダンス
「サンダンス」は、株の中心にだけ赤色が入るシックな品種になります。鮮やかではありますが、他の植物との相性も良く、最近では寄せ植えとしても人気です。庭植えでは最大4m位まで生長し、-5℃までの耐寒性があります。
コルジリネ・オーストラリス・トーベイダズラー
ライトグリーンの葉にクリーム色の斑が入る「トーベイダズラー」は、さわやかな印象のコルジリネです。風に揺れる涼しげな葉は、お庭を明るい雰囲気にしてくれます。こちらも-6度くらいまでは耐えられますが、真冬には霜除けが必須です。
コルジリネ・エレクトリック
原種である「バンクシー」の園芸品種であるエレクトリックシリーズは、カラフルな斑入りの葉が魅力です。生長の速度が遅く、お世話も簡単なので園芸に慣れていない方にもおすすめになります。
購入したばかりの株では、風に煽られて根元から折れてしまうことがあるので、やや注意が必要です。強風が吹くようなエリアにお住いの方は、しばらくはテラスに置くなどの工夫をしてみてください。葉色にもさまざまなバリエーションがあるので、好みに合わせてチョイスしましょう。
コルジリネ・エレクトリックピンク
「コルジリネ・エレクトリック・ピンク」は、ピンクと紫のストライプが鮮やかなコルジリネです。葉の密度が高く美しい草姿をしているため、一つあるだけでもその場がパッと華やかな印象になりますよ。耐寒性・耐乾性共に優れているので、地植えにも向いています。
コルジリネ・エレクトリックフラッシュ
「コルジリネ・エレクトリックフラッシュ」は、このシリーズの中では最も生育が旺盛なタイプです。明るいグリーンとチョコレートブラウンのコントラストがクールな印象のコルジリネになります。
年々ゆっくりと生長するので長く楽しめ、管理が簡単な点も魅力です。また株が育つと、幹の途中や根元から子株が出るので野性味が増します。
コルジリネ・エレクトリックスター
渋いブラウンと明るいグリーンのストライプ模様がシックな「コルジリネ・エレクトリックスター」は、ナチュラルガーデンに向いています。密度が高くキリッとした葉が目を引くので、寄せ植えのフォーカルポイントとしても最適です。
コルジリネ・ストリクタ
鮮やかな緑色の葉が美しい「ストリクタ」は、とても丈夫なので初心者向けのコルジリネになります。葉の質感がソフトで、しなだれるように伸びていく姿が優雅です。
耐寒性も強く関東より南側では地植えも可能ですが、湿度が高いと株が傷むことがあるので注意してください。
室内向けのコルジリネの種類
コルジリネは熱帯原産で寒さにはそれほど強くないので、室内で越冬させた方が良い場合もあります。コルジリネは低温にさえ気をつければ、丈夫で育てやすい植物です。
上記でご紹介した品種以外にも、さまざまなサイズや珍しい品種があるのでご紹介します。
アイチアカ(愛知赤)
愛知県で誕生した「アイチアカ」は、濃い赤紫色と新葉の少し青みがかった赤色のコントラストが美しい品種です。鮮やかで明るい葉色は、室内のインテリアとしても人気があります。耐寒性には弱く5℃以上の温度が必要なので、明るい室内で育てるのがおすすめですよ。
コルジリネ・フルティコサ
アジアからオーストラリアまで広い地域に分布している「コルジリネ・フルティコサ」は、色とりどりの葉が魅力的で鑑賞用の観葉植物として人気があります。
こちらは品種が多く、葉のフォルムも葉の色のバリエーションも豊富です。ハワイでは厚い葉っぱを活用してレイを作ったり、生活の中に密着した植物としても親しまれています。
コルジリネ・チョコレートクイーン
生長すると葉の色が変化していく「コルジリネ・チョコレートクイーン」は、大人っぽいイメージのコルジリネです。新葉は濃い茶色ですが、徐々に緑やクリーム色などが混ざり合い、鮮やかな色合いになるのが特徴となっています。華奢な茎と大きめの美しい葉は印象的で、モダンなインテリアとして大活躍してくれるでしょう。ただし、生産量が少なく手に入りにくいと言われています。
コルジリネの上手な育て方
コルジリネはカラフルな葉を持っています。葉の美しい色を維持するためには、十分な光が必要です。室内であれば明るく大きめの窓がある南向きの部屋が適しています。地植えにする場合は、明るい半日陰のエリアに植えてあげましょう。
本項目では、コルジリネの上手な育て方のコツを紹介します。
適している環境
鉢植えの場合
コルジリネを失敗なく育てるポイントは、日当たりと温度に気をつけることです。日陰で育つ種類もありますが、きれいな葉色を保つためにはなるべく日光に当てるようにしましょう。
5〜10月は積極的に屋外に出すことで、美しい葉色を維持できますよ。ただし、葉が薄い品種は直射日光で葉焼けしてしまう可能性があります。したがって、夏は半日陰になる場所に移してあげるのがおすすめです。
地植えの場合
地植えにする場合は、水はけが良く日当たりが良い場所が適しています。水はけが良い場所とは、水の流れがスムーズで貯めこまない土のことです。
例えば雨が降った時に水が貯まりやすい場所に植えるのは避けた方が良いでしょう。また、細い枝やまだ小さな株の場合は強風で転倒してしまう危険があるので注意してください。
土作り
市販されている観葉植物用の培養土を活用すると良いでしょう。
購入してきた土がフワフワしてやわらか過ぎる場合は、赤玉土を6割程度混ぜて使ってください。自分で配合する場合は、赤玉土小(6)/ピートモス(3)/堆肥(1)でミックスさせるのがおすすめです。
水やり
水やりは、季節音に与える頻度を変えましょう。
【春~夏】
- 鉢植えの場合は表土が完全に乾いてから水やりを行ってください。また過湿を嫌い性質を持っているため、受け皿に水は溜めないようにしましょう。
- 地植えの場合は、根付けば水やりの必要はなくなります。株が大きくなるにしたがって、乾燥にも強くなりますが、気になるようなら霧吹きなどを活用し葉水を行うのもおすすめです。
【秋~冬】
- 鉢植えの場合は、鉢の中央の部分まで手を入れて乾燥しているのを確認した後、7〜10日の間隔を空けて水を与えてください。涼しくなったら乾燥気味に管理するのが基本です。あまりにも乾燥が気になる時には、葉水をするときれいな葉を維持できますよ。
- 地植えの場合は、それほど神経質になる必要はありません。植え付けた直後と、夏の日照りが続く時には水やりを行いましょう。
肥料
肥料は5〜10月の間にN(窒素)・P(リン酸)・K(カリ)がバランスよく配合されているものを選んでください。ゆっくりとした効き目の緩効性化成肥料がおすすめです。
樹高を高くしたくない場合は肥料を半分程度に抑えても良いでしょう。
地植えの場合は、肥料を与える必要はありません。
植え替え
コルジリネは根の生長が活発なので、毎年植え替えをするのがおすすめです。適期は生育期に当たる5〜8月が向いています。
植え替えの際は根鉢部分の土を3分の1〜4分の1残して、一回り大きな鉢に植え替えましょう。この作業を行う際は、古くなった根をカットすると良いですよ。
増やし方
コルジリネは挿し木で増やすことが可能です。まず若い葉っぱが数枚付いた状態で枝を10cmくらいカットしてください。次に蒸散を防ぐために、葉を紐などで軽く縛っておきましょう。その後小粒の赤玉土を清潔な容器に移して茎を挿します。
水耕栽培でも簡単に発根するので、透明なガラスの瓶で試してみても楽しいですよ。
越冬方法
コルジリネは大株になるほどタフになり、ある程度の寒さにも耐えられるようになります。
しかし子株は、耐寒性も低く強風にも弱い傾向があるのです。したがって、台風などの被害にあわないように、しっかりと支柱を立てておくのも対策の一つになります。
子株の場合は、一度霜に当たっただけでも枯れてしまうことがあるので気をつけましょう。
コルジリネ育成中によくあるトラブル
コルジリネを育てていると、環境の変化などで枯れてしまうことがあります。
本項目では、コルジリネ育成中によくあるトラブルについて見ていきましょう。
日光不足
元気に育っていたコルジリネでも、環境の変化によって突然のトラブルが発生することがあるのです。もしも急に枯れてきた場合は、日光不足が考えられます。置き場所を日なたに移すなどして様子を見てみましょう。温かい時間帯にテラスで日光浴させるのもおすすめです。
根腐れ
次によくあるトラブルとして挙げられるのが、根腐れによるものです。根腐れが起きてしまう最大の原因は水の与え過ぎによるもの。植物が根腐れを起こすと、葉っぱが変色し、最悪の場合枯れてしまいます。
きちんと水を与えていても元気がない時や、いつも土が湿っている場合は土との相性が悪い可能性も考えられるでしょう。このような場合は、水はけの良い土に変えることで復活することがあります。
根詰まり
鉢底から根が飛び出している、水が浸透しない、また数年植え替えを行っていないような場合には根詰まりしていることが考えられます。
根詰まりを起こしても、すぐに枯れてしまうことはないですが、放置すると悪影響を及ぼすことがあるので気をつけてください。春〜夏の生育期に一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
耐寒性があるコルジリネを育ててみよう
コルジリネにはさまざまな種類があり、地植えに向く耐寒性が強いものから室内向けのものまであることがわかりました。エキゾチックで鮮やかな葉を持つコルジリネは、南国リゾート風の庭にもピッタリです。リーフプランツとしても大活躍する優秀なコルジリネを、あなたもぜひ育ててみてくださいね。