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お見舞いに相応しい花とは?注意したいマナーなども紹介

病気や怪我で入院している方へのお見舞いとして、花を贈る方は多いのではないでしょうか。入院中はいつもより心細かったり神経質になっていたりする方もいるため、花言葉や香りには配慮しなければなりません。

病院によってはお見舞いのルールが厳しく決まっている場合があるので、事前に確認しておくことも必要です。

今回は、お見舞いに花が喜ばれる理由をはじめ、花を贈るときのマナーと注意点を解説します。

また、お見舞いに相応しい花言葉を持つおすすめの花なども紹介するので、お見舞いのフラワーギフトを選ぶ際の参考にしてください。

お見舞いに花が喜ばれる理由

花には、人の心を癒したり元気にしてくれたりする効果があるといわれており、その効果の高さからフラワーセラピーと呼ばれる心理療法もあります。

入院中は普段よりも気持ちの浮き沈みが激しかったり、ナーバスになったりする方は少なくありません。そのような状況に陥っている際、病室に花があれば気持ちが明るくなったりポジティブな気分になったりする効果が期待できます。

フラワーギフトはどんな相手にも贈りやすく、枯れてしまったあとも手間をかけずに片付けられるので、相手の負担になりづらいお見舞いの品として人気があります。

お見舞いで花を贈るときのマナー

お見舞いで花を届ける際には普段のギフト以上に配慮し、贈るときのマナーを押さえておく必要があります。

さまざまなマナーがありますが、特に注意したいマナーは以下の4つです。

  • 鉢植えはタブー
  • 明るい花の色を選ぶ
  • 香りが強くない花を選ぶ
  • 贈る前の確認を怠らない

 

せっかく相手の回復を願って贈ったギフトで相手が不快な思いをすることがないよう、お見舞いに花を贈る際のマナーを心得ておきましょう。

鉢植えはタブー

鉢植えは管理が楽に感じ、お見舞いに相応しいと思って選んでしまいがちですが、お見舞いには向きません。

根のある鉢植えは、「根付く=寝付く」を連想させて縁起が悪いため、お見舞いにはタブーといわれています。贈られた本人が気にしない場合でも、家族や他の患者さんが縁起が悪いと感じて嫌な気分になってしまうことがあるので、鉢植えは避けてください。

また、同様の理由からヒヤシンスやムスカリなどの球根の先に根が付いているような花も避けたほうが無難です。

明るい花の色を選ぶ

明るい花の色を選ぶのも、お見舞いで贈る花を選ぶ際のポイントです。

花の色は、気持ちが明るくなるピンク系やオレンジ系、イエロー系などを選ぶと良いでしょう。ピンク系の花には人の心をリラックスさせる効果があり、ビタミンカラーと呼ばれるオレンジ系やイエロー系は人にエネルギーを与える効果があります。

ただし、明るい色の中でも真っ赤な花を集めた花束やアレンジメントは、血を連想させるので避けてください。特に手術前を控えている方のお見舞いで贈る場合は、赤色はネガティブなイメージを与えてしまいかねません。

また、白や紫の花の場合、花の雰囲気によってはお供えのイメージを与える場合があるので注意が必要です。贈る相手の好きな色合いが白系や紫系の場合は、「あなたの好きな色だから選んだ」などのエピソードを添えて贈ると安心です。

香りが強くない花を選ぶ

お見舞いで花を贈る際、香りが強くない花を選ぶのも大切です。

花の香りが強すぎてしまうと、病院内で迷惑になることがあります。たとえば、大部屋に入院している場合、患者の中には花の香りを苦手とする方もおり、その方に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

また、普段花の香りが好きな方でも、体調が悪いときに嗅ぐと気分が悪くなってしまう可能性があります。

ユリやスイセン、ヒヤシンス、フリージアなどは特に香りが強い花であり、ゼラニウムなどのハーブ系の葉物も香りが強い傾向にあるので注意してください。

なお、花屋で選んでいるときよりも病室のほうが香りが強く感じることが多いため、不安な場合は花屋にお見舞いで持っていくことを伝え、香りの少ない花を選んでもらいましょう。

贈る前の確認を怠らない

病院によっては、生花の持ち込みを禁止しているところもあるので、事前に確認しておくことが大切です。

また、コロナ禍以降はサイズに関する制約や、花瓶に生ける花束は不可など、細かい取り決めがある病院も増えています。そのため、花を贈る際は一度病院に確認してから手配するようにしてください。

直接お見舞いに行くことができず、配送でフラワーギフトを手配する際は相手の名前だけではなく、病棟や病室名なども細かく記載する必要があります。ただし、配送に関する取り決めも病院によって異なるので、事前に確認してから手配することが肝心です。

お見舞いの花を贈る際に注意すべきポイント

お見舞いで花を贈る際、注意したいポイントとして以下の3点が挙げられます。

  • 贈るタイミングを見極める
  • お見舞いができるかを確認
  • 入院先が分からない場合は退院後に贈る

 

ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。

贈るタイミングを見極める

入院中の相手の病状や入院期間を考慮した上で、お見舞いの花を贈るのが大切です。入院日数にもよって異なる場合がありますが、入院直後は避けて病状が回復に向かうタイミングで手配するのが好ましいです。

また、手術を控えている場合も手術直前は避け、術後の体調が落ち着いたタイミングで手配してください。花を見れば元気になるといっても、入院直後や手術直前では相手の負担になりかねません。

回復に向かっているタイミングで花を贈るようにし、相手や周囲の家族に寄り添った花を贈りましょう。

お見舞いができるかを確認

入院の知らせを聞くと真っ先に駆けつけたいと思ってしまうものですが、連絡なしにお見舞いに向かうのはマナー違反です。まずは相手の病状を確認し、お見舞いに訪れたい旨を伝えてください。

また、人によっては入院中の来客を遠慮したいと考える方もいます。その場合はお見舞いに向かうのは控え、配送で花を贈ると良いでしょう。

ただし、上述したように生花の持ち込みを禁止している病院もあります。花を贈る前に一度病院に生花が大丈夫かを確認した上で手配するのが大切です。

入院先が分からない場合は退院後に贈る

入院したことは聞いたけど、入院先が分からないケースもあり得ます。特に人伝いに入院した旨を聞いた場合だと、入院期間や病状について把握しづらいものです。

その場合はお見舞いの花は贈らず、退院したのを待ってから相手宅に退院祝いとして花を贈るのがおすすめです。

ただし、自宅に花を贈る際も突然届けるのは迷惑や困惑につながってしまう可能性があります。事前に相手に花を届けたい旨を伝え、配送日などを相談しておくのがマナーです。

お見舞いにおすすめの花5選

花屋にはたくさんの花が並んでいるため、お見舞いにどれを選ぼうかと悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。

花にはポジティブな意味の花言葉を持つ花が数多く存在しています。その中でも、お見舞いにおすすめの花は以下の5種類です。

  • ガーベラ
  • ひまわり
  • バラ
  • トルコキキョウ
  • カーネーション

 

ここでは、それぞれの花の特徴や花言葉を見ていきましょう。

ガーベラ

ガーベラは「希望」「前向き」などの花言葉を持ち、優しい花の姿はお見舞いに相応しい花です。丸い花が正面を向いて咲くので、見る人にポジティブな印象を与えます。

また、ピンク色のガーベラには「思いやり」、黄色いガーベラには「親しみ」などの花言葉を持っています。明るい色で病室に飾ると元気が出る花なので、相手のイメージに合わせて色を選んでみてください。

ひまわり

夏のお見舞いに贈るなら、元気が出るひまわりがおすすめです。「あなたを幸せにします」や「あこがれ」などの花言葉があり、色と咲き姿で人を元気にするエネルギーを持っている花です。

イメージする人が多い黄色の品種以外にも、小ぶりな品種や八重咲きのおしゃれな品種なども増えています。

インパクトの強い花なので、葉物をふんだんに取り入れてアレンジすると涼しげなイメージが加わり、夏らしいフラワーギフトになるでしょう。

バラ

高貴なイメージがあり、華やかな印象を与えるバラはギフトとして喜ばれる花です。品種が多いので、相手のイメージに合わせて相応しい色や形を選べます。

お見舞いには、「幸福」の花言葉を持つピンク色や、「幸多かれ」「健やか」などの花言葉を持つオレンジ色を選ぶと良いでしょう。

トルコキキョウ

トルコキキョウは「希望」や「高貴」の花言葉があり、華やかな見た目が特徴的な花です。1本の茎に複数の花をつけるので、単体で生けても存在感があります。

トルコキキョウには紫系やブルー系の品種も多いので、寂しいイメージにならないように明るい色の花と合わせて選ぶのがポイントです。

比較的日持ちする花なので、美しい状態を長く楽しめるのも魅力の一つです。

カーネーション

日持ちが長く、愛にまつわる花言葉が多いカーネーション。フリルのような花びらが美しく、枯れても散りづらいのでお見舞いにも最適です。

母の日に贈るイメージがありますが、海外では結婚式に使われることも多く、幸せなイメージを持っています。カラーバリエーションも豊富なので、相手の好きな雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。

お見舞いに相応しくない花

一方、お見舞いに相応しくないとされる花は以下の5種類です。

  • シクラメン
  • アジサイ
  • チューリップ
  • ユリ

 

花の中には、良くないイメージが定着している花や、不吉な花言葉を持つものがあります。

知らずに贈ってしまうと、相手を不快にさせてしまうこともあるので、お見舞いに相応しくない花についても知っておきましょう。

また、おしゃれで人気のあるドライフラワーも「枯れた花=生命力がない」というイメージをされやすく、お見舞いには向きません。お見舞いでは、生命力を感じられる生花を選びましょう。

菊は、家紋としても扱われる高貴な花ですが、お供え花や葬儀の花をイメージする方が多くいます。特に輪菊やスプレー菊は、葬儀の花としてのイメージが強いので避けたほうが無難です。

しかし、最近ではおしゃれな洋菊が「西洋マム」という名前で花屋に出回るようになりました。明るい色合いや菊の雰囲気を感じない品種であれば、選んでも問題ないと考える方が増えつつあります。菊が好きな相手に贈るなら、フラワーアレンジメントの中に取り入れて贈ってみるのも良いでしょう。

シクラメン

シクラメンは、冬から春にかけて次々と色鮮やかな花を咲かせるため、プレゼントとして選ばれることが多い人気の花です。しかし、名前から「死」や「苦」を連想されることが多く、お見舞いとして贈るには縁起が悪いとされています。

また、鉢植えの花であるため、「根付く=寝付く」を連想させてしまいやすいこともお見舞いに向かない理由の一つです。

アジサイ

梅雨の時期に咲き誇るアジサイも、お見舞いには向かない花です。アジサイが枯れるときに色褪せる様子が「衰退」を思わせるため、縁起が悪いとされます。

また、アジサイはピンク色から青色・紫色へと色が変化していく花であり、「病気が急変する」などを連想させるともいわれています。

アジサイが持つ花言葉も「冷淡」や「無常」など、ネガティブなイメージがしやすい花言葉は少なくありません。そのような理由から、お見舞いのフラワーギフトとして贈るのは避けたほうが良いでしょう。

チューリップ

春を告げる花として人気のあるチューリップは、枯れるときに頭が落ちる様子が不吉といわれており、お見舞いの花として避けるケースは多くあります。

しかし、チューリップは比較的生命力が強く、花瓶に生けると茎がぐんぐんと伸びる様子がエネルギッシュな印象を与えます。可愛らしい見た目はフラワーギフトとしても人気があるため、相手によっては選んでも問題ないでしょう。

ユリ

神秘的な印象を与え、気品溢れるユリは、香りが強い花として有名です。贈るシーンによっては選ばれることが多いですが、強い香りは他の患者に不快な思いをさせる可能性があるのでお見舞いには向きません。

また、黒色のユリの花言葉には「呪い」「復讐」などのネガティブな花言葉があります。見た目も「喪」をイメージさせやすいので、お見舞いには不適切とされます。

お見舞いに贈る花はフラワーアレンジメントがおすすめ

お見舞いには、管理がしやすいフラワーアレンジメントがおすすめです。

フラワーアレンジメントは、オアシスと呼ばれる吸水させたスポンジに短く切った花を挿してアレンジしたスタイルです。水替えをする必要がなく花瓶も不要なため、お見舞いに喜ばれます。

また、家族や病院スタッフの負担になることも少なく、気軽に花を楽しめる点でも人気があります。

フラワーアレンジメントには相手の好みも反映させやすいため、特徴を取り入れたフラワーアレンジメントを贈ると良いでしょう。

フラワーアレンジメントの予算相場

家族や友人、会社関係のお見舞いでフラワーアレンジメントを贈る際、予算相場は1,000~10,000円程度と幅広いです。

たとえば、大部屋に入院している場合は自由に使えるスペースが限られているため、1,000~4,000円程度の比較的コンパクトなフラワーアレンジメントが選ばれています。個室の場合は大部屋よりも使用できるスペースがあるので、5,000~10,000円程度の大きめのフラワーアレンジメントでも良いでしょう。

ただし、上述した予算相場はあくまで一般的な目安であり、親しい間柄であればもう少し高額でも問題ありません。贈る相手との親しさや関係性、予算に合わせて花の種類やサイズを選ぶのがベストです。

また、お見舞いで贈る花はお祝いの花とは違い、見た目の華やかさよりも相手の負担にならないための配慮も大切です。

まとめ

入院中は、普段は気にならない些細なことが気になったりいつも以上にネガティブな気持ちになったりすることもあります。そのため、お見舞いの花を選ぶ際は相手の気持ちに寄り添い、いつも以上の配慮が大切です。

また、お見舞いに相応しくない花は避け、元気を与えられるような花の色や花言葉を贈れば喜んでもらえます。

相手のことを思って贈った花で不快にさせないためにも、しっかりマナーを守ってフラワーギフトを贈るように心がけましょう。