胡蝶蘭

ラ・メールコラム > 胡蝶蘭 > 胡蝶蘭はなぜ高い?高い理由や価格相場を紹介

胡蝶蘭を贈り物に検討したときに、価格の高さに驚かされた方も多いのではないでしょうか。華やかなものを選ぼうとすると、値段は1万円を軽々とこえてしまいます。

なぜ、胡蝶蘭はなぜ高いのでしょうか。今回は、胡蝶蘭の値段が高い理由を解説し、それでも贈答用に選ばれる人気の理由にも迫ります。また、胡蝶蘭の基本情報や特徴、シーン別の胡蝶蘭の価格相場など、胡蝶蘭にまつわる情報をたっぷり紹介しています。ぜひ、最後までご一読ください。

胡蝶蘭はなぜ高い?その4つの理由

胡蝶蘭はなぜ高いのか、その理由には以下の4つがあげられます。

  • 花が咲くまでに4年以上かかる
  • 育つ環境維持にコストがかかる
  • 栽培に専門性の高いプロの技術が必要である
  • デリケートな花なので輸送にもコストがかかる

以下でそれぞれのポイントについて詳しく紹介していきましょう。

花が咲くまでに4年以上かかる

胡蝶蘭は花を咲かせる株に育つまで、おおよそ4年以上もかかるとされています。

また、胡蝶蘭を育てている専門農家は多数ありますが、栽培できる数には限度があり、販売できる数にも限りがあります。また、苗から育て始めて出荷するまでに4年もかかるため、すぐ花を咲かせる植物とは違って回転も遅いです。胡蝶蘭は多くの時間がかかるため、値段の高さにつながっています。

胡蝶蘭が育つ環境維持にコストがかかる

胡蝶蘭は、東南アジアの熱帯雨林の環境で育つ植物です。そのため、日本で胡蝶蘭を育成する場合は、温度や湿度をコントロールし、育成環境を整える必要があります。育成環境に重くのしかかってくるのが、水道光熱費のコストです。入荷した胡蝶蘭は約4年間も世話をし続けるわけですからコストは膨大でしょう。胡蝶蘭の専門農家はさまざまな品種を数多く育成するため、値段にも必然的に反映されてしまいます。

栽培には専門性の高いプロの技術が必要である

胡蝶蘭の華麗な姿は、プロの手によって形作られています。胡蝶蘭は上には伸びず、横に伸びる習性があります。 そのため胡蝶蘭の茎を固定し、花芽が並ぶように仕立て上げる作業が重要です。綺麗な姿を保つ作業は、経験を積んだ技術者のみが行える匠の技といっても良いほどです。また、胡蝶蘭を育成するにあたっては、温度や湿度調節をはじめ、太陽のあたる向きの管理、成長に伴っての植え替え・花が咲き始めた頃に行う寄せ植えなどがあり、とても手間がかかります。胡蝶蘭の仕立ては、誰にでもできることではない点や人の手がかかっている点が、胡蝶蘭の値段の高さにつながっています。

デリケートな花なので輸送にもコストがかかる

胡蝶蘭が出荷される際は、花に傷がつかないよう仕立てた状態が崩れないように、専用の保護材と緩衝材などを使用して梱包されます。胡蝶蘭を一つ一つ保護するためにかかる梱包コストをはじめ、丁寧な配送をお願いするために特別料金も加わることも考えられるでしょう。胡蝶蘭はデリケートな花のため、輸送にも特別な配慮が必要なことから、値段が高くなっています。

高い胡蝶蘭が売れる理由とは

胡蝶蘭は、さまざまな理由から値段が高くなってしまう植物ですが、ニーズは高く需要が衰えることがありません。では、なぜ高くても人気があるのでしょうか。

需要がある理由は、以下のような魅力があるからです。

  • 素敵な花言葉があるため
  • 寿命が長く花持ちが良いため
  • 豪華で品格のある花のため
  • 特別な贈答用の花に選ばれるため

それぞれの魅力を以下で解説していきましょう。

胡蝶蘭には素敵な花言葉があるため

胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」です。胡蝶蘭が持つ素敵な花言葉は、胡蝶蘭の花姿が蝶のような形をしており、ひらひらと舞って幸せを運んでくるイメージからつけられたとされています。

とても縁起の良い花言葉は贈り物にぴったりですね。胡蝶蘭はお祝いのシーンに合う花言葉を持つことから、ニーズが高くプレゼント用の花にもよく選ばれています。

また、胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」だけでなく、色によっても素敵な花言葉がつけられていますので、以下で紹介しておきましょう。

 

胡蝶蘭の花の色 花言葉
「純粋」「清純」
ピンク 「あなたを愛します」
「尊敬」「誠実」
「商売繁盛」「活発」「進出」

 

胡蝶蘭をプレゼントとして選ぶ際には、色にも注目し素敵な花言葉とともに贈ってみてはいかがでしょうか。

胡蝶蘭は寿命が長く花持ちが良いため

胡蝶蘭は花の寿命が長い植物として知られており、通常で約1ヶ月・育成環境やお手入れ方法によっては2~3ヶ月もの間美しい花を楽しませてくれます。通常、生花は寿命の短さが課題であり、美しい状態が長続きしませんが、胡蝶蘭は寿命が長いため、生花の魅力を存分に楽しませてくれるのが大きな魅力です。

胡蝶蘭の長い寿命の特徴は、お店の店頭や会社のオフィスなど、花の管理に手間をかけられないシーンで大変重宝されます。

豪華で品格のある花のため

胡蝶蘭の豪華で品格のある雰囲気も、胡蝶蘭が選ばれる理由の一つです。花を贈るシーンはさまざまで、和やかな雰囲気や親しみやすい雰囲気を意識する場面もあれば、緊張感のあるフォーマルな場面もあります。フォーマルな場面によく選ばれるのが、豪華で品格のある胡蝶蘭です。胡蝶蘭は凛として並ぶ花姿が華やかさをプラスするだけでなく、上品な雰囲気も演出してくれます。

胡蝶蘭が持つ魅力はビジネスシーンをはじめ、結婚式や長寿のお祝いなど、特別感を演出したい場面にぴったりでしょう。

特別な贈答用の花に選ばれるため

胡蝶蘭の値段が高くても売れる理由には、胡蝶蘭が法人同士の特別な贈答用の花に選ばれることが多い点もあげられるでしょう。法人が胡蝶蘭を購入する場合は、購入費用を経費として計上できます。そのため、個人間とは違って、胡蝶蘭の購入の費用が高くても個人的な負担となることがありません。経費計上できる点も胡蝶蘭の値段が高くても需要のある理由の一つとなっているようです。

胡蝶蘭の値段に影響する要素

胡蝶蘭の種類によって値段設定はさまざまであり、シーンや相手によって選び分けることができます。さまざまな値段の胡蝶蘭がある理由は、以下の5つの要素によって胡蝶蘭の価値が変わるためです。

  • サイズ
  • 茎数
  • 花の輪数
  • 花の色
  • 受賞歴の有無

それぞれの要素を以下で詳しく解説していきましょう。

サイズが大きいほど高い

胡蝶蘭の花の大きさは、大輪・中輪・ミディ・ミニのサイズに分けられ、サイズが大きいほど値段が高くなる傾向にあります。大輪サイズとは、胡蝶蘭の1つの花が10~15cm程度のものです。3本立ちのものになると、相場は2万~4万円となっています。

中輪サイズは花が6~12cm程度のもので、3本立ちの価格は1万~2万5千円程度です。

ミディは花の大きさが3~5cm、価格は1万~2万円・ミニは2〜4cmとコンパクトで、価格は3,000〜5,000円とお手頃な価格帯です。

茎数は多いほど高い

胡蝶蘭は花が咲き始めたら株寄せを行って仕立てられますが、1本(1株)あたりの花の数でグレードが決まります。花の数が多いほど格が高く、株の違いが見た目にも大きく影響し、本数が多いほど豪華に見えるためです。

茎数は3本立、5本立、7本立が一般的であり、3本立は茎が3本であることを意味します。

相場は、3本立が1万~3万円・5本立が3万~5万円・7本立は4万~8万円です。

また、近年では1本立や2本立のものも出回るようになり、数千円~1万円程度で手に入ります。

花の輪数は多いほど高い

胡蝶蘭は、一般的に一つの茎に対して6~8個の花を咲かせます。

しかし、中には10~12個ほどの多くの花を咲かせる個体もあり、花の数が多いほど豪華に見えることから、胡蝶蘭の値段が高くなる傾向です。

胡蝶蘭の販売時の情報には必ず花の数が記載されているので、花の総数を表す「輪」にも注目してみてください。

黄色や青は貴重な色

胡蝶蘭といえば白やピンクをイメージする方が多いかもしれませんが、黄色や青といった胡蝶蘭も販売されています。しかし、貴重な色の生産数は少ないでしょう。

そのため、2本立だったり輪数が少なかったりするものでも、2万円前後と高価になる傾向にあります。

受賞歴のある品種は高い

胡蝶蘭の中には、コンクールや品評会で高い評価を受けた受賞歴のある個体も数多く販売されています。受賞歴のある胡蝶蘭は、一般的に売られているものと比べて格別であり、たたずまいからも価値の高さが伝わります。そのため、重要な取引先への贈り物など、ひときわ豪華な胡蝶蘭を贈りたい場合は、受賞歴のある胡蝶蘭を選ぶことで、贈り物の品質と独自性を高めることができるでしょう。

胡蝶蘭の基本情報

胡蝶蘭は日本でさまざまなシーンの贈呈用の植物として定着していますが、元々は東南アジアを原産とする蘭です。ここで胡蝶蘭の基本情報を詳しく紹介しましょう。

 

植物名 胡蝶蘭
学名 Phalaenopsis aphrodite(ファレノプシス アフロディーテ)
英名 Moth orchid(モス オーキッド)
和名 コチョウラン
科名 ラン科
属名 ファレノプシス属
原産地 東南アジア、ヒマラヤ、インド、オーストラリアなど
分類 多年草
開花時期 4月~5月頃 (温室栽培により、1年中開花可能)

胡蝶蘭の特徴

胡蝶蘭は、東南アジアなど年間を通して温暖な気候が特徴の熱帯地方を原産とする植物です。肉厚の大きな葉の中に水分や養分を蓄え、1株に6~8個の花を咲かせます。

大きな特徴の一つには、花が1~3ヶ月もの間咲き続け、長期にわたって楽しませてくれる点です。しかし、胡蝶蘭は寒さに弱い特性を持つため、開花中は17℃以上・越冬させる場合は10℃以上と、温度管理には注意しなくてはいけません。

また、胡蝶蘭は着生蘭である点も一つの特徴です。

自然界では土壌に根を伸ばして水分を補うのではなく、空気中の水分を取り込んで成長します。日本では原産地の環境を再現した温室で栽培されており、年中、美しく咲き誇る胡蝶蘭を手に入れられる点も一つの特徴でしょう。

胡蝶蘭の一般的な相場

胡蝶蘭の一般的な価格相場は1万円~3万円です。

胡蝶蘭のサイズなどによって値段が大きく変わりますが、さまざまな価格帯がある中でも1万円~3万円の胡蝶蘭がよく選ばれています。胡蝶蘭は高いイメージを持ちますが、1本仕立ての小さな胡蝶蘭は1万円以内で購入可能です。

一方で、豪華に仕立ててある胡蝶蘭は8万円~とイメージ通り高価なものもあります。

以下では、胡蝶蘭の価格相場と胡蝶蘭を贈るおすすめのシーンに焦点をあてて紹介しますので、プレゼントを検討する際にはぜひ参考にしてください。

シーン別の胡蝶蘭の価格相場

シーン 価格相場
就任・昇進祝い 1万~5万円

  • 一般的な取引先:1万~3万円
  • 重要な取引先:3万~5万円
  • 特に重要な取引先:10万円~
  • 上司:2万~3万円
  • 部下:1万~2万円
開店・開業祝い 1万~5万円

  • 一般的な取引先:1万~3万円
  • 重要な取引先:3万~5万円
移転祝い 1万~3万円

  • 一般的な取引先:1万~2万円
  • 重要な取引先:2万~3万円
新築・引っ越し祝い 5,000円~3万円

  • 身内の場合:1万~3万円
  • 友人や知人の場合:5,000円~1万円
結婚祝い 1万~1万5千円
誕生日 1万円前後
長寿祝い 1万円〜

胡蝶蘭を贈る際の注意点

胡蝶蘭は、親しい方へのお祝いのシーンだけでなく、重要な取引先への贈答用にも選ばれる一目置かれている花です。選んだ胡蝶蘭が意味をなすものとなるよう、贈る際に注意したいポイントを取り上げて解説します。

  • 立札
  • ラッピング
  • 贈るタイミング

胡蝶蘭が素敵な贈り物となるよう、贈る際はぜひ参考にしてください。

胡蝶蘭を贈る際は立札を立てる

一般的なマナーでは胡蝶蘭を贈り物に選ぶ際は、立札を立てます。立札は贈り主が誰であるかを明確にできるだけでなく、贈る方との交友関係の深さや、お祝い事を広くアピールできる重要なアイテムです。

お祝いのシーンでは、頭書きに「御祝」「祝就任」「祝開店」などとし、下には贈り主の名前を記載します。立札にはいくつかの種類がありますが、ビジネス関連の場合は木札・親しい間柄の場合は紙札を指定して胡蝶蘭の購入先で用意してもらいましょう。

ラッピングはシーンに合うものを選ぶ

胡蝶蘭は花姿そのものが豪華で品格もありますが、贈答用に用意するときはシーンに見合ったラッピングを施すとより特別感が増し、素敵な贈り物となります。

胡蝶蘭選びに加え、ラッピングまで選ぶとなると悩ましいものですが、迷ってしまった場合はお店の方に相談するのがおすすめです。

花屋のスタッフはさまざまなケースに対応してきた経験があるため、何のお祝いに贈るのか、贈る相手はどのような関係性なのかなどを伝えるだけでも、最適なラッピングを提案してくれるでしょう。

特別なラッピングは花屋によっては有料となる可能性もありますが、大事なシーンで大切な方に贈る場合は妥協せずに豪華に仕上げてもらうのがおすすめです。

胡蝶蘭は縁起の良い日に贈る

胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」の花言葉を持つ花なので、お祝いのシーンに贈るなら、大安や先勝など縁起の良い日を選んでみてはいかがでしょうか。

素敵な花言葉と縁起の良い日の掛け合わせは、特別感が増すため、より素敵な贈り物となります。胡蝶蘭を贈るタイミングはお祝いする当日の午前中に届くよう手配する点も意識してみてください。1日の始まりに届くことで、おめでたい当日に華を添えることができます。

もし、お祝いする当日は忙しいことが予想される場合は、前日に贈る選択肢を選ぶのも良いでしょう。また、贈る相手に迷惑を掛けたくない場合は、あらかじめお花を贈りたい旨を伝えて、気持ちよく受け取ってもらえる日時を確認するのもおすすめです。

まとめ

今回は、胡蝶蘭の値段が高い理由や贈答用に選ばれる人気の理由・胡蝶蘭の基本情報や特徴・シーン別の胡蝶蘭の価格相場をご紹介しました。

胡蝶蘭が高い理由には、花が成長するまでに多くの手間や時間・コストがかかる点がありました。高価な点がネックとなりがちな胡蝶蘭ですが、贈答用の花として不動の人気があります。「幸福が飛んでくる」という素敵な花言葉を持ち、豪華で品格のある花姿を1〜3ヶ月も楽しませてくれることから、誕生日から重要なビジネスシーンまで、幅広いお祝いのシーンの贈り物に選ばれています。

胡蝶蘭は雰囲気を華やかに彩るだけでなく、見た人の気持ちを晴れやかにする、とても素敵な花です。特別な思いを伝えたいシーンに胡蝶蘭を検討してみてはいかがでしょうか。