豆知識

ラ・メールコラム > 豆知識 > 花の色が秘める意味は?色が持つメッセージで思いを伝えよう

花束やフラワーアレンジメントを贈る時、あなたは花の色を意識していますか?実は、花の色にはそれぞれ意味があり、言葉を超えたメッセージを伝えることができます。記念日や誕生日に花束やアレンジメントを贈るのなら、花の種類だけではなく色に込められた意味を意識してチョイスするのがおすすめです。例えば「赤」なら情熱や愛情を表し、緑は生命力や安らぎを形容することができます。このように花の色に思いを込めて贈れば、より心がこもったプレゼントになるのではないでしょうか。この記事では、花の色が持つそれぞれのイメージと込めることができる意味、また贈るのに最適なシーンまで詳しく解説します。是非フラワーギフトを贈る際には参考にしてみてください。

花の色には様々な意味がある

花を選ぶ際には花の種類はもちろん、人にはそれぞれ好きな色があるため、色にもこだわると喜ばれます。花の色は生物学的にも私たち人間の視覚的な効果にもさまざまな意味があると言われています。ここでは花の色について詳しく解説しましょう。

花に色がある意味

花の色の多くは色素から作られています。赤・紫・青はアントシアニン、黄・オレンジ色はカロテノイドなどの色素が入っており、色素の組み合わせで花の色が決まるのです。ちなみに、白には色素が含有していないので、白く見えます。また、多くの植物は受粉を昆虫に依存していますが、受粉にも花の色が関係しています。花は美しい花色を放ち、甘い蜜や良い芳香で昆虫を誘っているのです。さらに、花の色は私たち人間にもさまざまな効果があります。花に色が付いていることで、花の美しさに感動し、心が揺さぶられるのです。

日本の四季における伝統色

日本には四季があるため、日本人は色彩感覚が優れていると言われています。春には桜を鑑賞して秋には紅葉狩りに出かけるなど、さまざまな変化を楽しんでいます。では、四季それぞれの植物にちなんだ伝統色を解説しましょう。

春/桜色

桜色は山桜をイメージしたような赤みを含んだ淡いピンクです。現在でも女性がほんのりと頬を赤らめているという表現で使われることがあります。

春/山吹色

山吹色は伝統色の1つで、赤みがかった鮮やかなイエローです。山吹色の名前は、バラ科ヤマブキ属の植物「ヤマブキ」から付けられました。ちなみに、英語で山吹色のことは「golden yellow(ゴールデンイエロー)」と言うそうです。

夏/露草色

露草(ツユクサ)色は、ツユクサ科の一年草から付けられました。花の色は明るい青色です。ツユクサは色が落ちやすい性質を持っているので、現在でも染色に用いられているそうです。

夏/薄浅葱

薄浅葱(ウスアサギ)色は、若いネギの葉に因んでいると言われています。江戸時代に人気があった色で、水浅葱や花浅葱などの派生した色が数々と誕生しました。初夏を連想させる爽やかな色合いは、今でも人気です。

秋/紅葉色

紅葉色は秋が深まるに従って色づくカエデの紅葉を指しています。紅葉色は日本の四季を表現するのに最適です。ちなみに、カエデとモミジは同じグループの樹木で最も濃い赤に染まる植物をモミジと呼んでいます。

秋/竜胆色

竜胆(リンドウ)色はリンドウの花のような淡い薄紫のことです。リンドウは日本や中国の山野に自生する多年草です。また、キキョウと並んで秋を代表する草花として知られています。

冬/松葉色

松葉色は、少しくすんだような深い緑色のことを呼びます。松は日本の神社や庭園などでもよく見かけるマツ科の植物です。祝賀やお正月でも広く活用されており「不老長寿」「勇敢」などの縁起のいい花言葉を秘めています。

冬/黄支子色

クチナシは、アカネ科の低木で秋になると赤色の果実を付けます。クチナシだけで染色したものを日本では平安時代から「黄支子(キクチナシ)色」と呼んでいます。上品で赤みのある黄色が印象的です。

花の色が持つ魅力とおすすめの花

私たちが視覚的に見る花の色にはどのような効果があるのでしょうか。カラーセラピーでは目から飛び込んでくる色彩によって、さまざまな心理的影響があると言われています。しかし、色の感じ方は個人によっても異なるので、科学的に説明することはできませんが、気になる色や好きな色は、心身に対して何かしらの働きかけがあると言われています。以下では、それぞれの色が持つ意味やおすすめの花を紹介しましょう。

赤(レッド) 愛情/情熱//勝利/強さ/エネルギッシュ
ピンク 女性らしい/柔らかい/幸福/かわいい/スイート
オレンジ 元気/社交的/向上心/暖かい/陽気/積極的
黄(イエロー) 友情/健康/元気/明るさ/楽しさ/希望
緑(グリーン) 生命力/フレッシュ/癒し/安らぎ/信頼
青(ブルー) クール/誠実/さわやか/知的/落ち着き/自立
水色(ライトブルー) さわやか/開放感/冷静/清潔
紫(パープル) 尊敬/気品/神秘的/上品/高貴/個性的
白(ホワイト) 清らか/崇高/純粋/誠実/正義感/無垢/スタート
茶(ブラウン) 落ち着き/保守的/地味/堅実

レッドは情熱を伝えたいときの色

暖色系のレッドには、自律神経や交感神経をアクティブにする効果があります。男性ホルモンも活発化されるので、エネルギッシュになりたい時に活用するのがおすすめです。赤は愛情や情熱を表現する際にも効果的なので、プロポーズや愛の告白のシーンに活用されます。また、元気が出る色でもあるため、ユニフォームに使うとモチベーションをアップし、熱意を引き出すことができるでしょう。ただし、赤い色は「火」を連想するので新築祝いに贈るのはタブーとされています。

アネモネ

アネモネにはギリシャ神話に由来した悲しい花言葉が多いのですが、レッドには「君を愛す」という花言葉がこもっています。花びらのような萼(ガク)片が鮮やかなレッドに染まる佇まいは、情熱と健気な魅力を感じるでしょう。

ゼラニウム

ゼラニウムは南アフリカ原産のフウロソウ科の植物です。品種によっては葉っぱを残して越冬するものもあるので、日本でも栽培する人が増えています。フラワーオブザイヤーで賞を受賞したこともある「レッドエクスプロージョン」は高温多湿にも強いコンパクトな品種です。花言葉には「君ありて幸福」という意味があります。

ピンクは女子力を上げる色

やわらかいイメージのピンクは、苛々やストレスを緩和します。また女性ホルモンをアップするカラーとも言われていますので、女子力を上げたい時におすすめです。恋愛運を上げたい時に、部屋に飾るのも効果的ではないでしょうか。ピンクの花にはポジティブな花言葉が多いので、女性へのギフトに最適です。しかし、ピンク色の百合は「虚栄心」の花言葉を秘めていますので、贈り物にする場合は気をつけてください。

リューココリネ 

リューココリネはユリ科の球根植物で、繊細な茎に透明感のある花びらを咲かせる可愛い花です。1本の茎にたくさんの星形の花をつ付け、キュートなだけではなく、香りが良いのも魅力です。花言葉には「信じる心」「貴婦人」などがあります。

ガーベラ

スラっとした長い茎に愛らしい花を咲かせるガーベラは、和にも洋にも馴染む花です。そのため様々なお祝いのシーンで活用されています。また八重咲きやスパイダー咲きなど、用途によって選べる点も人気の秘密です。ガーベラのピンク色は「感謝」「崇高美」の花言葉を秘めています。

オレンジはポジティブ思考になれる色

黄色と赤の中間にあるオレンジ色は、明るいイメージでポジティブ思考になれる色です。食欲を増進させる効果もあるため、一般的には白熱色よりもオレンジ系の照明の方が料理が美味しく見えるとも言われています。また社会性を高めるカラーとも言われているので、開店祝いや入学祝いなどに最適です。ただし、オレンジ色の花の中には、ネガティブな花言葉を秘めているものもあるので注意しましょう。

シンビジウム

ランの中で胡蝶蘭やカトレアと並んで人気があるシンビジウム。ゴージャスで開花時期が長く、耐寒性や耐暑性に優れているので、育てやすい点も魅力です。ガーデニング好きな方に鉢花で贈ると喜ばれますよ。花言葉は「高貴な美人」「華やかな恋」などです。

スイートピー

ヒラヒラと蝶々のようなやわらかい花びらが特徴のスイートピーは、12〜3月が旬の花です。スイートピーをアレンジメントやブーケにプラスするだけで、フェミニンな印象になるでしょう。オレンジ色のスイートピーの花言葉は「門出」「ほのかな喜び」です。

イエローは人を元気にする色

ビタミンカラーとも言われるイエローは、見る人の心を元気にする効果があります。エネルギッシュな気持ちを高めてくれて、自分に自信を持たせてくれる色です。また集中力もアップしますので、リモートワークの際にデスクの上に飾ると作業効率がアップします。日本ではプラスのイメージが強いイエローですが、海外ではネガティブな花言葉も存在するので気をつけてください。

ミモザ

フワフワとしたイエローの小さな花が房状に咲く愛らしいミモザは早春に咲く花です。イタリアでは家族や愛する女性にこの花を贈る習慣があり、日本でも少しずつ広まりつつあります。花言葉には「思いやり」「友情」などの意味が込められているので、仲の良い友達へのプレゼントにも最適です。

オーニソガラム

可憐で星型の花を咲かせるオーニソガラムは、ハナニラによく似ている花になります。花言葉は「清らかさ」「純粋」で、花の名前はギリシャ語がルーツになっており、株によって様々な咲き方をするのも魅力です。色のトーンもそれぞれ違うので、ガーデニング好きな方は育てる楽しみもあります。

グリーンは癒しを与える色

グリーンは心身を癒し、ストレスを取りのぞく効果があると言われています。森林浴をするように、無意識のうちに心に安らぎを与えてくれる色でもあります。グリーンは中間色なので、どんな花とも相性が良い点も魅力です。素敵な花言葉を秘めている花が多いので、プレゼントにもおすすめです。

テマリソウ

フワフワとした毬のようなフォルムのテマリソウは、ナデシコ科の多年草です。マリモのようなユニークな姿とフレッシュな色合いが人気で、アレンジメントにもよく用いられています。花言葉にも「純粋な愛」「才能」など素敵なものが多いです。

ブルーは爽やかな印象の色

ブルーは大人っぽく涼やかなイメージを与え、冷静さを取り戻させてくれる色です。広大に続く空や海のように、知らない間に私たちの心を癒す包容力がある色でもあります。また、青色には食欲を低下させる効果もあるので、ダイエットを頑張っている方にもおすすめです。しかし、西洋ではブルーの花にネガティブな花言葉が多いので注意してください。例えば、アジサイは「移り気」ムスカリには「失望」などの花言葉が秘められています。

アガパンサス

南アフリカ原産のアガパンサスは、スマートな茎の先に小さなユリに似た花をたくさん咲かせます。花言葉は「ラブレター」「恋の訪れ」なので、思いを寄せている人に贈る花として最適です。涼しげな色合いのアガパンサスをアレンジメントに加えるだけで爽やかさを演出できるでしょう。

ライトブルーは仕事の効率をアップする色

ライトブルーは澄んだ水を表すような透明感のある色です。ブルーと同じように清涼感や爽やかさを表現したい時に活用できます。パステルカラーなので爽やかさの中にも柔らかさがあり、他の花の引き立て役としても活躍するでしょう。心を穏やかにさせる効果もあるので、オフィスに一輪飾るだけでも効率が上がります。

デルフィニウム

キンポウゲ科に属するデルフィニウムは、爽やかなブルーを代表する花の1つです。デルフィニウムには、スラっとした長い花穂を持つエラータム系と小花がキュートなシネンセ系などがあります。花言葉には「あなたは幸福をふりまく」「清明」の意味を秘めているので、誕生日や記念日に贈るにもピッタリです。

パープルはエレガントを表現する色

昔はパープルを染色するのに大変な技術が必要だったため、日本だけではなく海外でも貴重な色や高貴な色と言われていました。また、紫には集中力を高める効果もあると言われています。ただし、紫色のラベンダーは「不信感」スカビオサは「不幸な愛」などの悲しい花言葉も秘めているので、贈り物にする場合は気をつけましょう。

スターチス

「変わらぬ心」「永久不変」などの花言葉が込められたスターチスは、地中海沿岸のイソマツ科の花です。花持ちが良くカラーも豊富なので、花束にボリュームを出したい時に活用してみましょう。花屋さんでも通年手に入れることができ、ドライフラワーにして楽しむこともできます。

ホワイトはピュアなイメージの色

ホワイトは花嫁が持つブーケをイメージされる方が多いのではないでしょうか。「純潔」「無垢」を表す白色は、ブライダルシーンでよく見かけます。何色にも染まっていないまっさらな白は、新しいスタートを切る方や心機一転したい時にもおすすめです。しかし、その半面で白紙や喪失を意味することもあります。

カンパニュラ

ヨーロッパ原産のキキョウ科のカンパニュラは、ベルのような可愛い花をたくさん付ける花になります。日本に渡来したのは明治時代で和名は「風鈴草」です。多年草ではありますが暑さには弱いので、温暖な地域では夏を越すのが難しいとも言われます。カンパニュラは、清楚な花なので、カスミソウやホワイトスターと組み合わせてブーケにしても素敵です。「誠実な愛」「感謝」の花言葉が付けられています。

マーガレット

可憐で清純な見た目のマーガレットですが、生命力も抜群の花です。花言葉には「心に秘めた恋」「誠実」の意味が秘められており、ヨーロッパでは古来から恋占いの花として活用されて来ました。野に咲く花のようなイメージのこの花は、ナチュラルなものが好きな方へのギフトにピッタリです。

ブラウンは温もりを感じる色

茶色にはレンガ色からチョコレート色、くすみ系の明るい茶色までさまざま展開します。絵の具で茶色を作る際には、黄色と赤に黒を少しずつ混ぜていきますが、黒の分量を変えることで色々なバリエーションが出来上がります。たくさんの色が寄せ集まった茶色には、自然の木のような温もりを感じるかもしれません。しかし、茶色の花は珍しく花言葉が付いていないものも多いです。そのような場合は、花の全般の花言葉を参考にしてください。

ダリア

ダリアの品種「ポンポンショコラ」には、チョコレート色の花が咲きます。明度が低く、落ち着きのある花色が魅力です。大人の女性へのプレゼントにも最適ではないでしょうか。茶色のダリアには特別な花言葉はないので、全般の「あふれる喜び」「栄華」などを参考にしてください。しかし、ダリアには「移り気」などのネガティブな花言葉もあるので、一言メッセージを添えて贈るようにしましょう。

花の色に込められた意味で思いを届けよう

今回は花の色が持つ意味や日本の四季の伝統色・花の色の魅力や色別のおすすめの花を解説しました。私たちの周りには、多彩な花が存在しており、花の色は私たちの心にさまざまな影響を与えてくれます。花の色は組み合わせによっても印象が変わるので、贈るシーンによって選ぶ楽しみもあるでしょう。

あなたも花の色に込められた意味を意識して、言葉では伝えきれない思いを伝えてみませんか。