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ラ・メールコラム > 豆知識 > イースターにお花を飾ってお祝いしよう!おすすめの花や飾り方を紹介

イースターは復活祭と呼ばれる、イエス・キリストの復活を祝う祭典です。キリスト教圏の国では、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスと並んで重要な意味を持つ日とされ、教会ではイースター礼拝が行われます。

最近は日本でもイースターの時期に卵やうさぎのモチーフをあしらったディスプレイや、春のイベントが見られるようになりました。今年は自宅でも春の花を飾ってイースターをお祝いしてみませんか。この記事では、イースターに飾りたい春の花と飾り方を紹介します。イースターの由来や世界での祝い方も紹介するので、ぜひ自宅でも取り入れてみてください。

イースターはどんなお祝い?

イースターは、イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の重要な祭日です。イースターの起源は古代ゲルマンの春の女神「Eostre(エオストレ)」に由来するとされています。春は生命の復活を象徴する季節であり、イエス・キリストの復活と結び付けられたと考えられます。イースターは元々キリスト教徒だけでお祝いをする宗教色の強いイベントでしたが、最近ではスーパーマーケットやショッピングモールでもイースターのイベントが開催されるようになりました。イエス・キリストの復活に馴染みがあまりない人でもイースターを楽しめるように、春ならではの華やかな色合いやモチーフを打ち出したイベントが増えています。

パステルカラーのイメージや、モチーフになっている卵やうさぎがかわいらしいこともあって、日本でも季節のイベントとして定着しつつあります。イースターはその年の春分の日を基準に定められていて、春分の日の次の満月から数えて最初の日曜日がイースターです。イースターはキリスト教徒にとって、クリスマス(イエス・キリストの生誕祭)と並んでとても重要なイベントです。当日は、教会でイースター礼拝が行われ、ご馳走を用意して家族で食卓を囲みます。

イースターのモチーフは卵とうさぎ

イースターが近づくと、日本でもショッピングモールなどの店頭に、パステルカラーの卵やうさぎのモチーフが登場します。卵は「イースターエッグ」うさぎは「イースターバニー」と呼ばれ、イースターの象徴として親しまれています。卵は、イースターにおいて生命の象徴です。動かない卵からヒナが孵る様子が、イエス・キリストの復活をイメージさせるため、イースターには欠かせない存在とされています。カラフルなペイントのゆで卵を庭に隠し、子どもたちが見つける「エッグハント」は、イースターの恒例行事です。

一方、うさぎは、たくさん子どもを産むことからイースターの豊かな実りの象徴とされています。溢れ出る生命のエネルギーは、春の豊穣を連想させ、お祝いをにぎやかに盛り上げる役割を担っているのです。ちなみに、イースターの象徴とされているのは野うさぎです。春は野うさぎのエサである草が豊かに生い茂る季節のため、緑豊かな草の中をうさぎが駆け巡る様子が春をイメージさせることも、イースターを象徴する動物とされる由来です。

イースターの過ごし方

イースター当日、キリスト教圏の国では毎年教会でイースター礼拝が開催されます。日本でイースターを楽しむ場合は部屋の飾りつけをし、家族揃って食卓を囲むという人もいます。子どもがいる家庭であれば、一緒にイースターエッグを作り、エッグハントを楽しむのも良いでしょう。ヨーロッパでは卵の先端に穴をあけ、中身を取り出してからペイントを行いますが、ゆで卵の状態でペイントすることで気軽に楽しむことができるでしょう。

イースターのテーマカラー

イースターのテーマカラーは、明確な決まりがあるわけではありません。しかし、春の訪れを祝うイベントでもあることから、黄色やピンク、パステルカラーなどの暖かい春の日差しを感じさせる色合いが使われることが多いです。色にはそれぞれイースターに関連した意味があります。特に赤色はキリストの血を表す色とされているので、それを象徴する赤い花を選んで飾るという家庭もあります。それぞれのテーマカラーの持つ意味は以下の通りです。

赤色 

先述したようにイースターのテーマカラーは、一般的に白、黄色、パステルカラーとされています。しかし、赤もイースターのテーマカラーとして使用することができます。赤はイエス・キリストの血を表す色です。キリストの血は人間に対する愛のために流された意味で愛を象徴する色とされます。また、赤は生命の力、情熱、愛などを象徴する色としても知られています。

白色 

白は復活を象徴する色です。イエス・キリストの復活を象徴する色として、イースターに白がよく使われます。ヨーロッパでは、イースターリリーと呼ばれる白ユリを飾る習慣もあります。

紫色 

紫はキリストの「尊厳」「宗教上の幸福」を表す色とされています。紫は、王族を表す色であり、イエス・キリストの王としての権威を表すとされています。また、イエス・キリストに対する「懺悔」や「追悼」のために行うとされ、一部の地域では、イースターを待つまでの40日間(レント)の期間中に肉や魚、卵を食べることを禁じます。

緑 

緑は「再生」を意味し、イエス・キリストの復活を象徴する色です。イースターバニーのエサである草が豊かに実った景色を思い起こさせることからイースターのテーマカラーとされます。緑は生命の象徴であり、春の訪れを表す色です。また、キリスト教では、緑は永遠の命や希望を表す色とされています。

イースターに飾りたい春の花10選

この時期には、花屋に色とりどりの春の花が並びます。ぜひ花屋で、お気に入りの春の花を探して、イースターの花飾りを楽しみましょう。イースターのテーマカラーである白、黄色、パステルカラーの花や花持ちの良い花を選びましょう。イースターに飾りたいおすすめの春の花10選を紹介します。

チューリップ

チューリップはとても生命力の強い花です。切り花として花瓶に飾ってからもぐんぐんと茎が伸びる姿を楽しむことができるでしょう。また、チューリップの花は、朝に開き、夜になると閉じる性質を持っています。部屋に飾ると毎日新しい朝を迎えるのが楽しみになる花です。イースターにふさわしい赤やピンク、黄色など鮮やかな色も豊富なので、イースターエッグやうさぎのモチーフの飾りと合わせて飾ると、お部屋を賑やかに彩ってくれるでしょう。

ラナンキュラス

ラナンキュラスは一見バラのようにも見えますが、バラよりも控えめな優しい印象です。春を代表する花で、ふわふわとした花びらがドレスのように華やかです。イースターには、黄色やピンクなどやわらかいパステルカラーのラナンキュラスを選んでみてはいかがでしょうか。コロンとした丸いフォルムがイースターバニーやイースターエッグとも相性抜群で、全体を優しい印象に仕上げてくれるでしょう。また、ラナンキュラスは品種改良が盛んに行われている花なので、個性的なフォルムの品種も多く出回っています。ポンポンシリーズやモロッコシリーズは、ラナンキュラスの中でも特に個性的な品種です。花屋でお気に入りのラナンキュラスを見つけたら、イースターの花飾りに取り入れて愛らしい咲き姿を楽しんでみてください。

ユリ

ヨーロッパではイースターの時期に誰かの家を訪問するとき、イースターリリーと呼ばれるユリを贈る風習があります。日本の手土産を持参するようなイメージで、ユリを贈るのが定番です。イースターリリーの和名はテッポウユリと呼ばれる白いユリのことです。白ユリはラッパのように細い花が横を向いて咲くのが特徴的で「純潔」のシンボルとして、聖母マリアを象徴する花とされています。元々はマドンナリリーと呼ばれる品種のユリが、教会の祭壇を彩る花として広く出回っていました。しかし、現在では流通が安定していて安価なテッポウユリがキリスト教圏の国で広く親しまれています。

スイセン

スイセンには「再生」「復活」というイースターにふさわしい花言葉が付けられてます。花言葉の由来はイエス・キリストが復活したときに傍らに咲いていたのがスイセンだったエピソードからきています。ドイツではスイセンのことをイースターベルと呼び、この時期にはかかせない花とされています。イースターのテーマカラーにもぴったりな黄色い品種は色鮮やかで、見る人に春の訪れを感じさせる花です。また、スイセンの切り口からは粘り気のある粘膜が出るので、切り戻した後は、ぬるぬるした部分を綺麗に洗い流してから花瓶に生けると長持ちします。

マム(西洋菊)

菊の中でも、お供えに使われる輪菊やスプレー菊を除いた洋菊を総称して、マムと呼びます。洋菊は、おしゃれで個性的な品種も多く、最近ではお祝いシーンでも盛んに使われるようになりました。特に黄色いピンポンマムと呼ばれる丸い花形の品種やスパイダーと呼ばれるダリアにも似た華やかな品種などは、イースターの賑やかなシーンにもぴったりです。花の形がしっかりしているので、動きのある葉物を合わせるとナチュラルな花合わせを楽しむことができるでしょう。また、他の花に比べると日持ちがとても良いので、美しい状態を長く楽しめるのも魅力です。

ラグラス

野うさぎのしっぽの意味を持つラグラスは、ふわふわした穂がかわいらしい草花です。和名は「ウサギノオ」、英名は「ラビットテイル」で、イースターに飾るにもふさわしい花でしょう。自生しているラグラスは猫じゃらしにも似ていますが、猫じゃらしに比べると丸く穂が短いのが特徴です。ラグラスはドライフラワーにもなるので扱いやすく、リースなどにもアレンジするのもおすすめです。

マトリカリア

マトリカリアは中心が黄色く白い花びらを持ち、イースターのテーマカラーにもマッチします。花が小ぶりなので扱いやすく、小さな花束やアレンジメントの主役からメインの花の引き立て役としても活躍します。小さな小花が集まって咲く様子から「集う喜び」の花言葉が付けられていて、家族で食卓を囲むイースターの食卓に飾るのにもふさわしい花です。マトリカリアは、この時期に花屋に並ぶテマリソウと合わせるのがおすすめです。鮮やかな緑に小花がよく映え、まるで野原に花畑が広がっているようなイースターバニ―にもぴったりなディスプレイに仕上がるはずです。

ヒヤシンス

ヒヤシンスは星形の小さな花が咲く姿がかわいらしく、甘い香りが魅力的な見た目も春を感じる球根植物です。冬の間は休眠し、春になると咲き始める球根は、希望や再生の象徴でもあります。また、イエス・キリストが十字架にかけられたときに流した涙が地面に落ち、ヒヤシンスの花になったというキリスト教の言い伝えもあります。言い伝えから「哀しみを乗り越えた愛」の花言葉も付けられました。花屋では、まだ花が開く前の球根の状態でも販売されています。水耕栽培では根がぐんぐん伸びていく様子も観察できるので、球根植物用に販売されているガラスの花瓶で楽しむのがおすすめです。球根から少しずつ花が開いてゆくまでの間も、お部屋に飾ると日々の成長が楽しみになる花です。

ムスカリ

ムスカリは、鮮やかで青い小さなぶどうのような花を咲かせる球根植物です。球根から花先まで、大きなものでも15cmほどで小さなアレンジメントに生けるとかわいらしさが引き立ちます。鮮やかな青色の花は、イースターのイメージカラーでもある黄色い花との相性も抜群です。黄色と青色はコントラストが美しく、一緒に生けるとお互いの鮮やかさを引き立ててくれることでしょう。ムスカリの名前は、花の香りが香料の「ムスク」に似ていることが由来であると言われています。甘く濃厚な香りはにはリラックス効果もあり、香りでも春の訪れを感じさせる植物です。

アイリス

アイリスは日本で「アヤメ」「ハナショウブ」などとも呼ばれ、アヤメ科アヤメ属の花の総称を言います。花屋でアイリスと言うと「ダッチアイリス」という品種を指すことがほとんどです。特徴的な3枚の花びらはキリスト教の三位一体(さんみいったい)のシンボルとされ、聖母マリアに捧げられたとしてキリスト教徒も深い関わりがある花です。蕾の状態から花が開き枯れるまでは5日ほどと短いですが、世界でもっとも美しい花と呼ばれることも多く、現在のフランスの国花となっています。

イースターを楽しむ花の飾り方

イースターは、ピンク色や黄色、パステルカラーの花を取り入れて、春の訪れを感じられる花を飾って楽しみましょう。春を感じる色や球根植物を取り入れた花を楽しむ以外に、イースターの雰囲気が出る花の飾り方のヒントを紹介します。

卵の殻を使ったアレンジメント

イースターエッグに使う卵の殻を、器に見立て、小さな花を飾れば簡単にイースターのフラワーアレンジメントを楽しむことができます。100円ショップなどで手に入るラタンのかごを鳥の巣に見立てて、中に中身を抜いて半分に割った卵の殻を3〜4個ほど並べます。卵の殻の中に水を入れて花を生ければ、春の訪れを感じさせるディスプレイの完成です。かごと卵の間の空いたスペースには、ワラや植物のツルなど、自然を感じられるものを敷き詰めるとよりナチュラルな雰囲気に仕上がります。

キッチンアイテムを活用したフラワーカップ

イースターに花を飾ってみたいけれど、普段飾る習慣がないので花瓶がないという人もいるかもしれません。花瓶がない方におすすめなのが、キッチンにあるアイテムを活用したイースターのディスプレイです。イースターエッグやイースターバニーの飾りと一緒に、自宅にあるマグカップや小さなグラスを使って花を生けてみましょう。サイズの違う容器をいくつか並べて、高低差を出すと少ない本数でもボリューム良く見せることができます。飾る花はイースターをイメージした黄色をメインに同系色やパステル調でまとめると花選びがしやすいでしょう。

春の花でイースターを楽しもう

今回は、イースターに飾りたい春の花と飾り方・イースターの由来や祝い方をご紹介しました。今年のイースターに飾りたい春の花は見つかりましたか。花屋でお気に入りのイースターに飾る花を選び、自宅で花を生けたりする時間も忙しい日常からリラックスできる時間になるはずです。また、この時期に誰かの家を訪れる機会があれば、ヨーロッパの風習を取り入れてお菓子の代わりに花のギフトを差し入れにしても喜ばれるでしょう。

普段自宅に花を飾る習慣がないという人も今年のイースターは花を取り入れたディスプレイで春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。