サルビアは学校の花壇や公園などでよく見かけることから、子どもの頃から慣れ親しんでいる方も多いのではないでしょうか。サルビアは赤色のイメージが強いですが、青や紫色もあり、それぞれの色で花言葉が異なります。また、品種ごとでも違う花言葉をもっているので、プレゼントやガーデニングにサルビアを用いたい方は品種選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。今回は、サルビアの花言葉や人気の品種、育て方などを解説します。
サルビアの花言葉
サルビアには「知恵」「尊敬」「家族愛」「良い家庭」などの花言葉があります。
サルビアの英名が賢人を意味するsage(セージ)であることから、知恵や尊敬といった花言葉になりました。家族愛や良い家庭などの花言葉が付いた背景は明らかになっていませんが、サルビアの花が身を寄せ合うように咲く姿が、家族のように見えることが理由とも考えられています。
サルビアの色別の花言葉
サルビアと聞くと赤い花を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。確かに住宅地や街中で見かけるサルビアは赤い花が多いのですが、実は青や紫、白も存在します。また、サルビアは花の色別にも花言葉が異なるので、意味から色選びをするのも良いでしょう。
以下ではサルビアの色別の花言葉をご紹介します。
赤いサルビア
サルビアの定番色である赤には、燃え上がるような鮮やかさから「燃える思い」「エネルギー」の花言葉が付けられました。熱い思いを寄せている人へ愛を伝える贈り物や何かに情熱的に打ち込んでいる方を応援する気持ちでプレゼントしてみるのはいかがでしょうか。
青いサルビア
爽やかさのある青いサルビアには「尊敬」「知恵」「尊重」といった花言葉が付いています。青には、クールさや落ち着いた雰囲気があるとされているイメージが花言葉につながりました。尊敬する職場の先輩や上司、先生、祖父母、年上の方に贈ると良いでしょう。青いサルビアだけでは寂しい印象になってしまう場合は、白や黄色などほかの色と組み合わせると明るくなるでしょう。
紫のサルビア
紫のサルビアの花言葉は「永遠にあなたのもの」「尊重」「知恵」「炎のような情熱」などがあります。紫は赤と青からなる色なので、赤いサルビアと青いサルビアの両方の花言葉を合わせたような意味になっているようです。
白いサルビア
見かける機会は少ないものの、白いサルビアも存在しており、花言葉は「純粋」「花嫁」「平和」「感謝」などがあります。純粋や花嫁は、白が花嫁さんのウェディングドレスの色であることに由来しており、平和や感謝は、サルビアがヨーロッパにおいて古くからハーブとして親しまれてきた背景が関係しているようです。白いサルビアを結婚祝いとして贈ったり、感謝を伝えたい方に贈ると良いでしょう。
サルビアの花言葉は怖い?
サルビアには特に怖い花言葉はないので、積極的にガーデニングや贈り物に活用しましょう。サルビアに怖いイメージを抱いている人が稀にいるようですが、見方によってはサルビアの真っ赤な花が、毒々しい雰囲気を感じることが理由かもしれません。しかし、実際には怖い意味はないので安心してください。
サルビアの種類ごとの花言葉
サルビアは種類がとても多く、世界に約900種類以上あると言われています。赤い色が最もポピュラーですが、品種改良によりさまざま色が誕生しました。サルビアの種類により、独自の花言葉が付けられているものもあるので、以下でサルビアの代表的な種類とその花言葉をご紹介します。
サルビア・スプレンデンス
サルビア・スプレンデンスは、サルビアの中でも流通数が多い品種です。日本でサルビアと聞いて思い浮かべるのはほとんどがサルビア・スプレンデンスになります。6~11月に開花期を迎え、花びらだけでなくガクやホウも赤一色なので、花の姿から「緋衣草(ひごろもそう)」の別名もあります。
サルビア・スプレンデンスの花言葉は、サルビア全般と同じように「燃える思い」「家族愛」「知恵」です。
ブルーサルビア
ブルーサルビアは、ラベンダーのような青紫色の花を咲かせる品種です。ブルーサルビア同様、公園や街路樹などでよく見かけます。ブルーサルビアは夏に開花した後、2/3ほどの長さに切り戻すと秋にも開花を楽しめるのでガーデニングファンにも人気です。
ブルーサルビアには、爽やかな青い色から「知恵」「尊重」「永遠にあなたのもの」などの花言葉が付けられています。
ベニバナサルビア
主に赤い花を咲かせるベニバナサルビアは、赤以外にもピンクや白などの花も咲かせます。ベニバナサルビアは、サルビアコクシネアやトロピカルセージなどとも呼ばれており、品の良い花の姿から、ガーデニングやフラワーギフトとして人気です。ベニバナサルビアには、「燃える思い」「家族愛」「知恵」などサルビア全般の花言葉と共通しています。
サルビア・スクラレア(クラリセージ)
サルビア・スクラレアは草丈が1mほどにもなり、サルビアの仲間の中でも大きく育つ品種です。穂先も30cmほどなり、開花期には圧倒的な存在感を放ちます。
サルビア・スクラレアはハーブとして使われることもあり、「クラリセージ」と呼ばれています。クラリセージには、ホルモンバランスを整える作用や、リラックス作用があるとされています。クラリセージの名前が、清浄な意味のクラルスから来ていることから、花言葉は「透明な」「澄んだ」です。
サルビア・レウカンサ(アメジストセージ)
サルビア・レウカンサは細かい産毛の生えた紫色のガクが特徴的な品種で、別名「アメジストセージ」とも呼ばれています。サルビア・スクラレアよりも大型で、草丈は1.5mに及ぶこともあります。花言葉は「家族愛」「家庭的」などとなっています。
サルビア・エレガンス(パイナップルセージ)
サルビア・エレガンスは、葉からパイナップルのようなフルーティーな香りがすることから「パイナップルセージ」とも呼ばれています。エレガンスの名前は、目を見張るような鮮やかな赤い花を咲かせることに由来しているようです。葉はハーブとしても使われており、ポプリやお茶として親しまれています。花言葉は、「家庭的」「家族愛」「家庭の徳」「愛を求めて」などがあるので、家族へのプレゼントにおすすめです。
サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)
サルビア・ミクロフィラは、葉と葉をこすりあわせるとチェリーのような香りがすることから「チェリーセージ」の別名もあります。宿根草で毎年花を咲かせてくれるので、ガーデニング初心者の方でも育てやすいでしょう。
美しい緋色の花を咲かせますが、中には緋色と白の複色である「ホット・リップス」やオレンジ色の花の「デザート・パステル」も人気です。花言葉は「燃える思い」「知恵」「尊重」などがあります。
サルビアの基本情報
- 科 シソ科
- 属 アキギリ属
- 和名 ヒゴロモソウ(緋衣草)
- 英名 Scarlet sage
- 学名 Salvia splendens
- 原産地 ブラジル
特徴
サルビアは、毎年のように花を咲かせてくれる多年草ですが、南米が原産地で日本の冬の寒さには耐えられないことがあり一年草として扱われることもあります。世界中に900種類以上あるとされており、ガーデニングやフラワーギフトはもちろん、食用として用いられることもあります。
また、サルビアには殺菌、止血、抗炎症効果など、さまざまな薬効があり、ハーブとしては、「セージ」と呼ばれ、肉の臭みやポプラなどにも使用されます。
名前の由来
サルビアはラテン語の「salvus」が語源となっています。salvusは健康や良い状態の意味で、かつてサルビアが蛇に噛まれたときの薬として用いられていたことからこの名が付けられたそうです。
サルビアが国々を渡るたびに少しずつ呼び方が変化していき、「salvus」→「sauge」→「sage(セージ)」となりました。つまり、サルビアとセージは同じ花なのです。
誕生花
誕生花とは生年月日にちなんだ花のことで、365日全ての日にまつわる花が指定されています。誕生花は、該当する時期に旬を迎える花や開花期にあたることが多く、誕生日に誕生花を贈ることで季節感を出した素敵なバースデープレゼントになります。
サルビアが誕生花となるのは8月7日(赤)、8月31日、9月19日、10月4日、12月18日です。この日に誕生日を迎える人がいたらぜひサルビアを贈ってみましょう。
サルビアの育て方
サルビアを育てるのはそれほど難しくないので、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。、ルビアに適した管理方法を心がけることで花を長く咲かせたり、株を大きく育てたりすることもできるでしょう。
ここからは、サルビアの育て方について解説します。
用土
サルビアはそれほど土質を選びませんが、弱酸性かつリン酸分の多い土質だと花付きが良くなります。さらに、水はけと水もちのバランスが良いふかふかとした土壌だと生育が良くなるでしょう。
自分で土を配合できますが、市販の野菜や植物用の培養土を用いると簡単です。サルビアを地植えする場合は、事前に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んでよく耕しておきましょう。
置き場所
サルビアは日当たりが良く、乾燥しすぎない環境を好みます。適温は15〜25度なので、日本の真夏の高温には弱く、気温が30度を超える時期に直射日光に当たりすぎると花付きが悪くなることもあります。そのため、日差しが強い季節には明るい日陰で管理しましょう。
寒さに弱いサルビアを越冬させる場合は、玄関先や軒先など霜や雪をしのげる場所に置いて、気温が5度を下回らないように管理してください。
水やり
開花期の長いサルビアは、花を咲かせるために多くのエネルギーを必要とします。土の表面が乾いたタイミングでしっかりと水やりをしましょう。水不足になると花付きが悪くなったり、最悪の場合は株が枯れる可能性もあります。
サルビアを地植えしている場合、降雨のみで鉢植えほどのこまめな水やりは必要ありませんが、雨がしばらく振らずに乾燥が続くようなら適度に水を与えてください。
肥料
サルビアの肥料は、じっくりと効いていく緩効性肥料の化成肥料を月に1度のペースで与えましょう。鉢植えの場合は、花が咲く前から開花後までの間、10日に1度の間隔で液体肥料を与えると花付きが良くなります。肥料不足になると花の色が悪くなったり、開花しなくなったりするので、肥料を切らさないようにしてください。
夏は成長スピードがゆっくりになり、それほど栄養を必要としないため、肥料をやる必要はありません。
植え付け・植え替え
サルビアを種から育てる場合は、4~6月に種をまきましょう。土の上に種をぱらぱらとまき、5mmほど薄く土を被せます。乾かないように霧吹きで水やりしながら管理すると10日ほどで発芽するので、本葉が2〜4枚になったところで鉢上げをしましょう。
サルビアを多年草として育てるなら、植え替えが必要です。根鉢を1/3ほどほぐし、それまでより一回り大きな鉢に植え替えてください。
切り戻し
サルビアは真夏の気温が高い時期になると生育が緩やかになります。この時期にあえて切り戻すことで、秋に再び開花するためのエネルギーを蓄えることができます。
8月頃になったら、思い切って半分ほどの長さに切り戻してみましょう。秋になると新芽がのび、再び開花を楽しめます。夏の切り戻しのタイミングを逃すと秋の開花に間に合わないので、無理に切り戻さず、そのままにしておいた方が良いでしょう。
夏の管理方法
夏の暑さに比較的強いサルビアですが、特に気温が高い時期に強い直射日光に当たると株が弱ってしまい、花が咲きにくくなってしまいます。そのため、時間帯によって日陰になる場所や大きな木の株元など、直射日光を遮ることができる明るめの場所に移動させてください。初夏までの開花を楽しんだら、秋にも再び開花させるために切り戻しをしましょう。
冬の管理方法
サルビアは暑さには比較的強いものの、寒さには弱い性質があります。本来は多年草なのですが、原産国は南米なので日本の冬の寒さには耐えられず、一年草として扱われることも少なくありません。
しかし、日本でも寒冷地でなければ霜や凍結を避けることで冬越しが可能です。気温が5度を下回らないようにし、草丈の半分程度を切り戻して日当たりの良いベランダや軒下など、屋根があるところで管理しましょう。
注意すべき病害虫
サルビアにはアブラムシやハダニが発生する場合があります。これらの害虫は葉や茎から汁を吸い取り、排泄物で病気を併発する場合もあるので、発見次第速やかに駆除してください。ピンセットやガムテープで取り除くか、植物用の殺虫剤を噴霧して対策します。
サルビアは病気には比較的強い方ですが、もし、害虫を介して病気になった場合は悪くなっている部分を切り取ったり、薬剤を使ったりして対処しましょう。
サルビアには幻覚作用がある?
一般的に市販されている観賞用や食用のサルビアには幻覚作用はありません。しかし、メキシコ原産の「幻覚性サルビア」という品種には、サルビノリン・Aという、脳に悪影響を与える成分が含まれているものもあります。この成分は、浮遊感や幻聴、めまい、神経不安などの作用を引き起こすことから幻覚作用があるとされています。
合法ドラッグとして世界に広まっていましたが、日本では2007年に厚生労働省によって「薬事法第二条第十四項に規定する指定薬物」として指定されました。
サルビアの花言葉を知ってプレゼントに生かそう!
今回は、サルビアの色別・種類別の花言葉や人気の品種、育て方などを解説しました。サルビアにはさまざまな花言葉が付けられており、ポジティブな意味ばかりなので、積極的にガーデニングやフラワーギフトに活用しましょう。サルビアを自分で育てて、大切な人に鉢植えや切り花を贈るのも素敵です。
サルビアの花言葉を知って、プレゼントやガーデニングに生かしてみてください。