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ラ・メールコラム > 豆知識 > 春咲きの球根植物13選!球根の掘り上げ方や植えっぱなしでも良い種類

春の球根植物は、チューリップやスイセン、ラナンキュラスなどが有名です。しかし、アネモネやスズランなど春の球根植物は多くあることをご存じでしょうか。今回は、春咲きの球根植物の特徴や花言葉などをご紹介します。植えっぱなしでも良いものや球根の掘り上げ方なども解説しているので、ガーデニングで春の球根植物を育ててみたい方も参考にしてください。

球根植物の魅力とは

球根植物は毎年のように花を楽しめるので、ガーデニングのメジャーメンバーとして活躍してくれます。1年中土の上に姿を見せているわけではなく、休眠中になると地上部は枯れ込む品種もあるので、春先から徐々に姿を表してくれる楽しみもあるでしょう。また、球根植物の種類によっては分球で増やしたり、水耕栽培で室内で育てたりできるのも魅力です。種類によりますが、球根を掘り起こす必要がなく植えっぱなしで越冬できるものもあるので、初心者の方でも育てやすいでしょう。

春咲きの球根植物13選をご紹介!

春咲きの球根植物は、明るくて可愛らしい印象の花が多くあります。ここからは、秋に球根を植え、春に花を咲かせる球根植物を13種類ご紹介します。球根植物として誰もが知る定番の花はもちろん、球根のイメージがない意外な品種まであるかもしれません。

チューリップ

  • 科・属  ユリ科・チューリップ属
  • 和名  牡丹百合(ぼたんゆり)、鬱金香(うこんこう・うっこんこう)
  • 英名  Tulip
  • 学名  Tulipa gesneriana
  • 原産地  トルコなど
  • 花言葉 「思いやり」「愛の告白」「誠実な愛」「新しい愛」

チューリップは童謡のモチーフになっていることから、小さな子どもから大人まで誰もが知る定番の球根植物です。春になると丸いカップのような可愛らしい色とりどりの花を咲かせ、見栄えの良さと流通の多さから、春のガーデニングやフラワーギフトに多く用いられています。花の種類も豊富で、シンプルな一重咲きからボリュームのある八重咲き、少し変わったフリンジ咲きなどさまざまです。

チューリップ全体の花言葉は「思いやり」です。赤は「愛の告白」、ピンクは「誠実な愛」、白は「新しい愛」の花言葉もあります。

スイセン

  • 科・属  ヒガンバナ科・スイセン属
  • 和名  水仙(すいせん)、雪中花(せっちゅうか)
  • 英名  Narcissus
  • 学名  Narcissus
  • 原産地  スペイン、ポルトガル、北アフリカ
  • 花言葉 「うぬぼれ」「自己愛」「もう一度愛してほしい」「尊敬」

スイセンはすらりと茎を伸ばし、ラッパのような花を横向きに咲かせる春の球根植物です。甘い香りも特徴的で香水やアロマの香料としても親しまれています。植えっぱなしでも毎年花を咲かせてくれるので、その手軽さからガーデニングに取り入れる人も多い花です。しかし、品種によって開花期に幅があるので、購入する際には確認しておきましょう。

スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」などがあります。ギリシャ神話が元になっているのですが、贈り物としては適さない意味合いなので注意しましょう。定番の黄色いスイセンには「もう一度愛してほしい」の意味合いが、白いスイセンは「尊敬」の花言葉があります。

フリージア

  • 科・属  アヤメ科・フリージア属
  • 和名  浅黄水仙(あさぎすいせん)、菖蒲水仙、香雪蘭(こうせつらん)
  • 英名  Freesia
  • 学名  Freesia refracta
  • 原産地  南アフリカ
  • 花言葉 「感謝」「あどけなさ」「純白」「純潔」「無邪気」「憧れ」

フリージアはすらりと細長い茎の先に、肉厚の可愛らしい花を垂れ下げるように花を咲かせます。花もちが良いので、切り花やアレンジメント、花鉢としても人気です。香りは品種によってさまざまですが、全体的に甘くてフルーティーな香りが魅力なので、化粧品やアロマ、ブライダルフラワーなどで活躍しています。

フリージア全般の花言葉には「感謝」「あどけなさ」などがあります。さらに、赤は「純潔」、黄色は「無邪気」、紫は「憧れ」の意味があります。フリージアの花言葉にネガティブな意味はないので、積極的にガーデニングやフラワーギフトに取り入れてみましょう。

アネモネ

  • 科・属  キンポウゲ科・イチリンソウ属
  • 和名  紅花翁草(べにばなおきなぐさ)、牡丹一華(ぼたんいちげ)、花一華(はないちげ)
  • 英名  Anemone coronaria
  • 学名  Anemone, Windflower
  • 原産地  地中海沿岸
  • 花言葉  「儚い恋」「君を愛す」「希望」「期待」

アネモネは、細い茎の先にぱっと目を引く大輪の花を咲かせる春の球根植物です。赤、青、紫など豊富なカラーバリエーションが魅力で、品種改良も盛んに行われており、毎年のように新種が誕生しています。

花びらのように見えるものは実は萼片(がくへん)で、その中心にあるのが花です。中心の花は黒っぽい色をしており、鮮やかな萼片とのコントラストを楽しめます。

アネモネの花言葉には「儚い恋」があります。少し寂しい印象ですが、色別で見ると赤いアネモネには「君を愛す」、ピンクは「希望」、白は「期待」などポジティブな意味合いもあるのでプレゼントにもおすすめです。

スズラン

  • 科・属  キジカクシ科・スズラン属
  • 和名  鈴蘭(すずらん)
  • 英名  Lily of the valley
  • 学名  Convallaria majalis
  • 原産地  ヨーロッパ・アジア
  • 花言葉  「純粋」「純潔」「謙虚」「幸福」「愛らしい」

スズランは、小さなベルのような花をいくつも咲かせる姿が繊細で可憐な印象です。鉢植え、切り花ともに人気が高い春の球根植物で、ほのかに甘い香りは「三大フローラルノート」の1つにもなっています。ベルの形が教会の鐘を連想させることから、幸せの象徴としてブライダルシーンでも多く用いられています。また、その可愛らしいシルエットはファッションアイテムや雑貨のモチーフとしても人気です。

スズランの花言葉は「純粋」「純潔」「謙虚」などで、スズランの慎ましい花の姿を表しているような意味合いで贈り物にも適しています。ほかにも、定番の白いスズランには「幸福」、ピンクは「愛らしい」の花言葉もあります。

ラナンキュラス

  • 科・属  キンポウゲ科・キンポウゲ属
  • 和名  花金鳳花(はなきんぽうげ)
  • 英名  Ranunculus, Persian buttercup
  • 学名  Ranunculus asiatics
  • 原産地  ヨーロッパ、西アジア、地中海沿岸
  • 花言葉  「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「あなたは魅力に満ちている」「飾らない美しさ」

ラナンキュラスは、繊細な花びらをたくさん重ね、バラのようなゴージャスさが魅力です。ふんわりしたシルエットとうっとりするような華やかさから、フラワーギフトやブライダルシーンにおいても人気の高い花です。種類によっては花径が15cmになる大輪のものもあり、春の球根植物の中でも存在感が大きくなっています。

ラナンキュラスには「とても魅力的」「晴れやかな魅力」の花言葉があり、贈り物としてもおすすめです。また、赤色には「あなたは魅力に満ちている」、ピンクには「飾らない美しさ」の意味合いもあります。

ヒヤシンス

  • 科・属  ユリ科・ヒヤシンス属
  • 和名  風信子・飛信子(ひやしんす)
  • 英名  Common hyacinth, garden hyacinth
  • 学名  Hyacinthaceae
  • 原産地  北アフリカ、地中海沿岸
  • 花言葉  「スポーツ」「遊戯(ゲーム)」「悲しみを超えた愛」「嫉妬」

ヒヤシンスは、くるんと開いた小さな花をたくさん連ねるように咲かせます。思わず見とれるような豪華な花姿と甘い香りが魅力です。水耕栽培も可能なので、室内で土を使わずに球根植物を育てることもできます。ヒヤシンスには白やピンク、紫など色とりどりの花が咲きますが、球根の表皮と花の色が似ているので、花の色が予想しやすいでしょう。

ヒヤシンス全般の花言葉は「スポーツ」「遊戯(ゲーム)」「悲しみを超えた愛」などがありますが、赤いヒヤシンスには「嫉妬」の意味合いがあるので、贈り物には注意が必要です。

クロッカス

  • 科・属  アヤメ科・クロッカス属
  • 和名  花泪夫藍(はなさふらん)、 春泪夫藍(はるさふらん)
  • 英名  Crocus
  • 学名  Crocus
  • 原産地  地中海沿岸
  • 花言葉  「青春の喜び」「切望」「私を信じて」「愛の後悔」

クロッカスはほかの春の球根植物に比べ、2月くらいから早めの開花期を迎えます。早春の光を浴びて一斉に咲き始めるので、春の訪れを感じさせてくれる花です。小型の可愛らしい花なので、ちょっとしたスペースにも植え付けやすく、寄せ植えでは手前に配置することで華やかさをプラスしてくれるでしょう。クロッカスは、数年間植えっぱなしでも毎年花を咲かせてくれるので、初心者の方でも挑戦しやすいです。

花言葉は「青春の喜び」「切望」「私を信じて」などがありますが、紫のクロッカスには「愛の後悔」のネガティブな意味合いもあります。

ハナニラ

  • 科・属  ネギ科・ハナニラ属
  • 和名  花韮(はなにら)
  • 英名  Spring starflower
  • 学名  Ipheion uniflorum
  • 原産地  南アメリカ
  • 花言葉  「悲しい別れ」「耐える愛」「恨み」

ハナニラは、葉や花をちぎるとニラのような香りが広がることからこの名が付けられました。公園の花壇や道端に植えられていることも多く、数年間植えっぱなしにしていても毎年小さな可愛らしい花を咲かせてくれます。手間が少なく、植えているだけでどんどん増えて株が豪華になっていくため、ガーデニングの強い見方となってくれることでしょう。ただし、ハナニラには毒性があるため、小さなお子さまやペットが間違って口にしないように注意してください。

繊細な小花を咲かせるハナニラは、どことなく儚げな印象もあることから、「悲しい別れ」「耐える愛」「恨み」の花言葉が付けられています。

シラー

  • 科・属  キジカクシ科・シラー属
  • 和名  大蔓穂(おおつるぼ)
  • 英名  Cuban lily, Portuguese squill
  • 学名  Scilla peruviana
  • 原産地  ヨーロッパ、アジア、アフリカ
  • 花言葉  「変わらない愛」「多感な心」「寂しさ」「悲しみ」

シラーは寒さに強く、植えっぱなしでも毎年開花を楽しめます。1本の花茎からよく分岐してたくさんの花を咲かせるため、少ない数でもボリュームを出せます。土の中で自然に分球してどんどん増えていくので、数年に1度掘り起こして株を分けて広い場所に植え直しましょう。可愛らしい花を楽しめるシラーですが、地下茎部分には毒があるので取扱いには注意が必要です。そのことからギリシャ語で毒を意味する「Skyllo」が学名の語源となっています。

シラーには「変わらない愛」「多感な心」などの花言葉がありますが、「寂しさ」「悲しみ」のネガティブな意味合いもあるので、贈る際には誤解を招かないように注意しましょう。

ムスカリ

  • 科・属  キジカクシ科・ムスカリ属
  • 和名  葡萄風信子(ぶどうひやしんす)
  • 英名  Grape hyacinth
  • 学名  Muscari
  • 原産地  地中海沿岸、アジア南西部
  • 花言葉  「寛大な愛」「明るい未来」「絶望」「悲嘆」

ムスカリは、まるでブドウが逆さまになったような小さな花を連ねるように密集して咲きます。鮮やかな青紫色が美しく、白や黄色などのほかの色の花も引き立ててくれるでしょう。間隔をあまり空けずに球根を植え付けたときの群生した景色は見事です。花もちも良いので、開花後に切り花として部屋に生けて楽しむのも良いでしょう。花色は、定番の青紫をはじめ、白やピンクなど明るい色合いも人気です。

ムスカリの東洋での花言葉は「寛大な愛」「明るい未来」とポジティブな意味ですが、西洋では「絶望」「悲嘆」とネガティブな意味になるので、西洋の方に贈る場合は注意が必要です。

アリウム

  • 科・属  ユリ科・アリウム属(ネギ科・ネギ属)
  • 和名  花葱(はなねぎ)
  • 英名  Allium, Giant onion
  • 学名  Allium
  • 原産地  ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中央アジア
  • 花言葉  「夫婦円満」「優しい」「正しい主張」

アリウムは、すらりと伸びた茎の先に、ふわふわとした小さなボールのような丸い花を咲かせます。インパクトが強い春の球根植物で、花もちも良いことからガーデニングやフラワーアレンジメントのアクセントとして人気です。ネギ科であるアリウムは、茎を切ったときにネギのような匂いがすることから、ラテン語でニンニクや匂いを意味する「Allium」が学名になっています。

また、アリウムの丸いフォルムが優しい雰囲気をかもしだすことから、「夫婦円満」「優しい」といった花言葉になりました。また、茎を真っすぐ天に伸ばして成長することから、「正しい主張」の意味もあります。

スノードロップ

  • 科・属  ヒガンバナ科・ガランサス属 (マツユキソウ属)
  • 和名  待雪草(マツユキソウ)
  • 英名  Snowdrop
  • 学名  Galanthus nivalis
  • 原産地  ヨーロッパ、西アジア
  • 花言葉  「希望」「慰め」「あなたの死を望みます」

スノードロップは、楕円形の白い花びらを下に向けて咲く早春の球根植物です。2月のまだ寒い時期から花を咲かせ、春の訪れを感じさせてくれる花として親しまれています。植えっぱなしでも毎年花を咲かせ、自然に分球していくので初心者の方にもおすすめです。スノードロップは夜に花を閉じ、朝になると開く面白い性質がありますが、球根には毒性があることを覚えておいてください。

植え付ける前に球根を保管する場合、小さなお子さまやペットの手の届かない場所に置くようにしてください。スノードロップには、「希望」「慰め」の花言葉がありますが、「あなたの死を望みます」の少し怖い意味もあるので、フラワーギフトに用いるときには注意しましょう。

球根植物は植えっぱなしでも大丈夫?

春に咲く球根植物は、毎年掘り上げて管理した方が良い種類と植えっぱなしでも問題がない種類があります。ガーデニング初心者の方や忙しくてこまめな管理が難しい方は、植えっぱなしで育てられる種類を選ぶのも良いでしょう。例えば、スイセン、クロッカス、シラー、ハナニラなどは数年間植えっぱなしで管理できます。分球して株が込み合ってくると花付きが悪くなるため、何年か経ったら掘り起こして株を分け、広い場所に植え直しましょう。

球根植物の掘り上げ方

春の球根植物の中でもチューリップ、ムスカリ、ラナンキュラス、アリウム、フリージアなどは毎年掘り上げて、秋に再び植え直す必要があります。球根の掘り上げ方や管理の仕方は種類によって異なりますが、多くの場合は以下の手順で作業します。花が咲き終わったらエネルギーが種子作りに回らない早めのうちに、花房を摘み取り株元に液肥を施しましょう。葉は残したままにして、光合成で球根に養分を送ります。5~6月頃になり葉の1/3程度が枯れてきたら、球根を掘り上げましょう。土を落とし、流水でよく洗い、ベンレート液に30分ほど浸して消毒してから乾燥させた後、ネットなどに入れて風通しの良い日陰で保管します。

春を彩る球根植物を育てよう!

今回は、春咲きの球根植物・植えっぱなしでも良いものや球根の掘り上げ方をご紹介しました。春咲きの球根植物は、明るくて可愛らしい印象の花がたくさんあります。球根植物は毎年のように花を咲かせてくれ、植えっぱなしで良いものや自然に増える種類もあるため、手間があまりかかりません。ガーデニング初心者の方でも挑戦しやすく、春のフラワーギフトに用いてみるのもおすすめです。春咲きの球根植物に触れて、魅力を再発見してみてください。