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ホトトギスの花言葉は?花言葉やおすすめのギフトシーン

ホトトギス(杜鵑草)は、秋の贈り物として日本で愛されてきた花です。ホトトギスは、ユリ科の植物の1つであり、その斑点模様が似ていることから同名の鳥から名づけられました。花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた意思」であり、愛を告げるのにピッタリの花です。今回はそんなホトトギスの特徴、贈り方、栽培方法などについて紹介していきます。

ホトトギスの種類別の花言葉

ホトトギスの開花時期は早ければ7月に始まり、見頃の8〜9月を経て10月頃まで開花し続けます。その長い開花期間から「永遠にあなたのもの」「永遠の若さ」といったひたむきな若さを意味する花言葉を持っています。また薄暗く日陰を好んで咲くことから「秘めた意思」「秘めた恋」「恥ずかしがりや」という奥ゆかしい花言葉も持ち合わせています。このような花言葉から贈り物として非常に人気のある花です。ホトトギスには多くの種類があり、中にはホトトギスとは異なる花言葉を持ったものも存在します。以下でホトトギスの種類の一例とその花言葉をご紹介します。

ヤマジノホトトギス

ヤマジノホトトギスは、北海道南西部から九州の山野に生息しています。「山路の杜鵑草」の名前の通り、山路でよく見ることができます。白い花弁に紫の斑点が特徴的なユリ科ホトトギス属の1つです。ホトトギス全般の花言葉に加え、ヤマジノホトトギスは「愛しい」という固有の花言葉を持っています。同じホトトギス属のヤマホトトギスは、白地に紫の斑点という特徴がヤマジノホトトギスとよく似ており一緒に生息していることも多いです。花弁の付き方に違いがあるので、山路で見かけたら見分けてみるのも楽しいでしょう。

キイジョウロウホトトギス

キイジョウロウホトトギスは、鮮やかな薄黄色で釣鐘型の花弁を持つホトトギス属の1つです。ただし、名前のキイは黄色ではなく、紀伊半島に分布することから付けられています。紀伊の上臈(優雅な貴婦人)に見立てられたとされており、高貴な花というイメージを持たれています。園芸用としても有名ですが、栽培の難易度が高く主に上級者に愛されている品種です。花言葉は「あなたの声が聞きたくて」になります。貴婦人のような慎ましやかな姿から名づけられた非常にロマンティックな花言葉です。

ホトトギスの花言葉に怖い意味はある?

ホトトギスはユリ科の仲間ですが、ユリ科には怖い花言葉を持ったものがいます。例えば黒百合には復讐、呪いといった花言葉を持つ花もあります。ホトトギスにはそのような怖い花言葉を持ったものはいませんが、「永遠にあなたのもの」「秘めた恋」といった花言葉は重く受け取られてしまうこともあるようです。プレゼントとして贈る際には、少し気を付けた方が良いかもしれません。

ホトトギスの基本情報

ユリ科
ホトトギス属
和名 ホトトギス(杜鵑草)、ユテンソウ(油点草)
英名 Toad lily
学名 Tricyrtis hirta
原産地 日本の太平洋側・アジア

(北海道南西部~九州)

ホトトギスはユリ科ホトトギス属の多年草です。日本やアジアが主な原産地ですが、ホトトギス属は多くの種類が確認されており、中でも10種類ほどは日本固有種です。日本では、主に太平洋側の北海道から九州まで幅広い地域で生息し、古くから愛され栽培されてきました。学名のTricyrtisはホトトギス属を表し、種小名の hirtaは「短い剛毛のある」を意味します。鳥のホトトギスの胸にある模様に似ていることから名づけられました。

ホトトギスの特徴

ホトトギスは1本のまっすぐ伸びた茎を持ち、崖地などでは茎が垂れ下がることもあります。花は漏斗状の鐘型で2~3cmほどの小さな花をつけます。最大の特徴は、美しい白色の花弁に紫の斑点が多くあり、油染みに見立ててユテンソウ(油点草)と呼ばれることもある花です。主な開花時期は、7~10月頃とやや遅く、夏の終わりと秋の到来を伝える花として愛されてきました。山など野生に生息するものが一般的ですが、園芸用の品種としても人気で、日本では約300年前から栽培されてきた歴史があります。

ホトトギスの花の名前の由来

ホトトギスと言えば鳥をイメージする方もいるかもしれませんが、実際に花のホトトギスは鳥のホトトギスから来ています。その白地に紫の斑点がホトトギス(鳥)の胸にある斑点に似ていることから名づけられました。斑点が非常に特徴的であることから、他にもユテンソウ(油点草)と呼ばれることもあります。海外ではToad lily(ヒキガエルの百合)と呼ばれており、斑点がヒキガエルに似ていることから付けられました。

ホトトギスの誕生花

ホトトギスは10月9日の誕生花としても知られています。その花言葉からパートナーへの贈り物や頑張っている人へのエールとして贈られることが多いです。誕生日のプレゼントにしても良いですが、恋人やパートナー以外からの贈り物としては「永遠にあなたのもの」の花言葉が重く感じるため、避けたほうが良いでしょう。

ホトトギスには毒性がある?

花の中には毒を持つものもあり、ホトトギスも塊根に強い毒性があると言われています。一方で、昔から止血剤などの薬用として用いてきた地域も存在するようです。また、ホトトギスの葉を山菜として食べる文化も一部で見られます。しかし、これらの利用方法は民間療法の域を出ず、安全性などの情報に乏しいのも事実です。ユリ科には犬猫が重大な副作用を起こすものもあるため、食することのないようにしましょう。

ホトトギスの人気の品種

ホトトギスは、古くから愛されておりさまざまな園芸用の品種が存在します。水はけのよい土を好み、他の植物との競争に弱いことから鉢植えで栽培することが推奨されています。また、見た目が似ているため、品種を間違えて栽培してしまうこともあり、しっかりと下調べをしてから栽培した方が良いでしょう。以下では、ホトトギスの人気の品種とその特徴・栽培難易度などをこれから説明していきます。

タイワンホトトギス

タイワンホトトギスは、白地に紫の斑点を持つ花弁が特徴的で、一般的なホトトギスのイメージに非常に近い品種でしょう。日陰を好むホトトギスの中でも日光耐性を持った丈夫な品種です。苗は1000円程から購入することができ、ホトトギスの中でも比較的初心者でも栽培しやすい品種でしょう。開花時期も一般的なホトトギスと同じ9〜11月頃となっています。ただし、乾燥した空気を嫌い、夏の直射日光には耐えられません。そのため、地域によっては湿度管理や天気にあわせて鉢植えを移動させるなどの注意が必要です。

サツマホトトギス

サツマホトトギスはホトトギス属の中でも葉や茎に毛を持たない品種です。白地の花弁に紫の斑点を持つ点は普通のホトトギスと一緒です。水はげと水持ちのよい土を好み、直射日光や乾燥に弱い点も他のホトトギスの栽培方法と大きく変わるものはなく、同じ感覚で栽培することが可能です。

シロホトトギス

シロホトトギスは、名前の通り斑点のない薄くピンク色の混じった白色の花弁が特徴的な品種です。花は杯状の6つの花弁を持ち、中に雄しべの花柱が3つ平らに開いている独特の形をしています。2〜3月に種の植え付けを行い、強い日差しをさけて栽培し、8〜10月頃に花を咲かせます。水はけの良い土を好み、空中湿度の高い環境でよく育つ花です。見た目から白楽天という品種と混同されることもありますが、白楽天は真っ白い花が特徴的です。混同して栽培している情報も多いですが、シロホトトギスも一般的なホトトギスの栽培方法から大きく外れることはありません。

キバナノホトトギス

キバナノホトトギスは、薄い黄色の花弁が特徴の品種です。6つの花弁を持ち、花弁の内側には紫の斑点があります。また、斑点を持たない黄色の花弁が鮮やかな品種も存在します。野生種は、九州宮崎県の固有種で谷沿いの斜面に自生していることが多いです。開花時期は他のホトトギスと同じ9〜11月頃であり、花言葉は「夢より素敵な現実」です。耐寒性がある点も特徴です。

ジョウロウホトトギス

ジョウロウ(上臈)とは、宮中の高貴な貴婦人の意味であり、日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎博士によって名づけられました。黄色い釣り鐘状の花弁がとても魅力的な花であり、その美しさから栽培用の品種の中でもひときわ人気のある品種です。元は、四国地方に自生する品種で、花言葉も「あなたの声が聞きたくて」とロマンティックなものを持っています。栽培方法は2月頃に植え付けし、10月前後に花が開花します。他のホトトギスと同じく水はけの良い土を好み乾燥に弱く、湿度管理に注意する必要があります。

ヤマジノホトトギス

山路のホトトギスの名前の通り、山に自生する品種です。北海道南西部〜九州までホトトギスの中でも最もよく見られます。白地の花弁に紫の斑点を持ち、小さな花をつける花です。ヤマジノホトトギスは、ヤマホトトギスとよく混同されることがあり、大きさや生息域が近く、混在して自生していることもあります。ヤマジノホトトギスの特徴は、花被片が平開し、反り返ることがないのが見分けるポイントです。自然に広く見られる品種ではありますが、栽培方法のデリケートさは変わりません。水はけの良い土を使い、風の通る湿度の高い環境を用意する必要があります。

ホトトギスの育て方

ホトトギスには多くの種類があり、日光耐性や耐寒性能に違いがあることもありますが、大きな注意点は変わりません。日光管理と湿度管理が特に重要ですが、比較的初心者でも育てやすい花です。以下での育て方の詳細を解説していきます。

ホトトギスの用土・肥料

ホトトギスは、水はけと水もちのよい土を好みます。ホトトギスとタイワンホトトギスなどは水はけが良ければ用土は特に選びません。市販の草花培養土や山野草の土などが便利で最適です。土の選択は、比較的簡単ですが、土においても乾燥は天敵です。定期的な水やりやスプレーで土を湿らせるなど適切な土の管理が必要な点に注意しましょう。植込みの際は、肥料などを少量混ぜ込んでおくことで、育ちが良くなるでしょう。肥料はリン酸の多いものがおすすめです。

ホトトギスの置き場所

ホトトギスの管理は、日光にどれだけ当てるかが最も重要なポイントです。春・秋頃は日向において置き、日光に当てても問題ありませんが、乾燥には注意してください。夏場の直射日光は、葉枯れを起こす危険性があるため、日陰に移して管理する必要があります。ただし、お住まいの地域によって日光事情や気温・乾燥具合が異なるため、地域に合わせた管理が必要になる場合があります。ホトトギスの周囲でシダなどを一緒に育てることで、遮光や湿度の管理がしやすくする方法もあるので検討しても良いでしょう。

ホトトギスの水やり

ホトトギスを庭植えする場合には、根がしっかり張ってしまえば毎日の水やりは必要なく、自然の雨水に任せても良いでしょう。ただし、夏場や乾燥した時期には、水を十分にあげる必要があります。鉢植えでの栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげるのがポイントです。冬場は休眠期なためあまり水を与えず、乾燥気味にする必要があります。時期や地域にもよりますが、土の乾燥具合を確認し、必要に応じて水をあげてください。

ホトトギスの植え替え

ホトトギスの植え替えは2〜3月頃に行います。事前に水やりを控えて土を乾燥させ、ホトトギスの根の土を揉んで落とし、腐った根を取り除いてください。冬を越した苗を抜くと、古い根の周りに付いた新しい株を分けて新しく植え付けます。摘心として切り取った茎を鹿沼土などに挿しておき、新しい根が生えてきて苗になる「挿し芽」という手法もおすすめです。必要に応じて使い分けると良いでしょう。

ホトトギスの増やし方

ホトトギスは前述した株分けや挿し芽・種まきなどの方法で増やすことができます。挿し芽は5〜6月頃に行い、若くて頑丈な芽や枝を切り取り、植え替え用の別の鉢などに挿して栽培します。花が咲き終わる11〜12月頃に種が収穫できます。種は、乾燥させて保存しておき、2〜3月頃に土に撒いておけば、同じ年の秋には新しい花をつけてくれるでしょう。

ホトトギスの夏の管理方法

ホトトギスにとって夏の暑さと紫外線は天敵であるため、夏場の管理には気を使う必要があります。鉢植えの場合は、半日陰になる場所に移動させる必要がありますが、地植えの場合は日除けとなる遮光物を設置しましょう。乾燥も天敵なため、夏場は朝と夕方の2回水やりを行うのが良いでしょう。ただし、日中に水やりをしすぎると水が温まり、株に負担をかける恐れがあります。周辺の湿度も重要なので、周囲の打ち水やスプレーや霧吹きで葉っぱに水を与えるなどの手間暇をかければより美しく育つでしょう。

ホトトギスの冬の管理方法

ホトトギスは11月までに花をつけた後は、地上部分が枯れてしまいます。しかし、根は生きている状態にあるので、週に1度水やりをしてください。ホトトギスは、暑さと乾燥には弱いですが、寒さには強いので特別な防寒対策は必要ありません。ただし、根が凍り付いてしまうような寒さは耐えられないので、氷点下を下回るような日や地域では、屋内に鉢植えを入れ、腐葉土などでマルチングするなどの対策を取る必要があります。

ホトトギスの病害虫

ホトトギスで注意するべき病害虫はナメクジやカタツムリ・ヨトウムシです。モザイク病などのウイルスを媒介することがあり、茎や葉の切り口から入ると植物に感染します。一度感染してしまうと対処方法はなく、周囲の植物への感染の原因となることもあるため、早急に処分しましょう。葉や茎を食べられてしまうこともあるため、注意が必要です。虫は梅雨の時期などに発生しやすいため、密に栽培することを避け、風通しを良くすることで対策できます。また、汚染された雨水も病気の危険となるため、雨水が跳ね返ってこないような場所に置いておきましょう。

ホトトギスを贈るのにおすすめのシーンは?

ホトトギスは、慎ましやかな美しさから日本人に非常に馴染みのある贈り物です。花言葉である「永遠にあなたのもの」「秘めた意思」の言葉も贈り物として深い意味合いを持たせることができます。以下でシーンに合わせたホトトギスの贈り方を解説していきます。

永遠の愛を誓うシーンで

「永遠にあなたのもの」という花言葉は、告白や愛を伝える際にこれ以上なくインパクトのある言葉でしょう。ホトトギスの花は、慎ましいイメージのある花であり、伝統的な日本女性を彷彿させます。「永遠の若さ」の花言葉もあり、長年連れ添ったパートナーに渡すと非常に喜ばれることでしょう。10月9日の誕生花でもあり、この日が誕生日のパートナーに渡すのも非常にロマンティックです。しかし、人によっては重く受け取られてしまうこともあるため、付き合って日が浅い相手には贈るかどうか慎重に考えるようにしましょう。

秋の行楽・敬老の日など秋の季節の贈り物として

ホトトギスは、秋の花の代表といって良いでしょう。美しく慎ましやかな花は、癒しとなり、秋の贈り物として喜んでもらえます。また「永遠の若さ」という花言葉はお年寄りから非常に喜ばれる花言葉だと言えます。敬老の日にちょうど美しい花をつけるホトトギスはまさに贈り物として最適でしょう。ホトトギスは、昔から日本に咲いてきた花であり、お年寄りの方たちにとっては親近感のわく花でもあります。

目標に向かって努力する人へのエールとして

「秘めた意思」の花言葉は、一人で努力し、目標に邁進している人への強いエールとなります。白や黄色の花は、気分を盛り上げてくれる色のため、疲れた時にもやる気や癒しを提供してくれるでしょう。秋頃は運動や勉強の秋でもあり、すでに努力している人・これから努力する予定の人にもふさわしい贈り物となります。花を贈ることで応援する素敵な使い方ができるのもホトトギスの魅力です。

まとめ

ホトトギスは古くから日本に存在し、愛されてきた花の1つです。美しい花びらに斑点を持った花弁が特徴的で、慎ましやかな美しさは日本人の持つ美学をくすぐります。暑さ・日光・乾燥を避け、適切な湿度管理や温度管理を行う必要があります。ホトトギスは、その努力に応じて美しい花をつける品種でもあり、育てる人の愛が現れる花でしょう。

ホトトギスの花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた意思」です。愛を告げる贈り物やエールを贈るのにふさわしい花です。愛を誓うシーンや頑張っている方へのエールとして、ホトトギスを贈ってみてください。