ワイヤープランツの上手な育て方/枯れる原因や対策を解説
ワイヤープランツは細くしなやかなツルに丸い葉が連なる観葉植物です。コンパクトで育てやすいことから人気を集めています。今回はワイヤープランツの上手な育て方のコツや枯れる原因と予防策を解説しますので参考にしてください。
ワイヤープランツは、スリムな茎と小さな丸い葉っぱが可愛らしい観葉植物です。
原種は世界中に20種類以上あると言われています。タフでフレキシビリティがある植物なので、観賞用の他にも寄せ植えやグランドカバーとしても大活躍してくれるでしょう。
今回は、ワイヤープランツの上手な育て方や枯れる原因・対策をご紹介します。
ワイヤープランツって何?
ワイヤープランツの名前は、茎が細く針金のような見た目をしていることから付けられたと言われています。葉にはツヤがあり、小さく丸っこいのが特徴で茎は横に這うように生長し、エネルギッシュに生い茂ります。
このことからハンギングバスケットにしたり、コンテナなどに植えるのに向いているでしょう。また耐陰性があることから、庭のグランドカバーにも向いています。
ワイヤープランツの基本情報
学名 | Muehlenbeckia complexa
(ミューレンベッキア・コンプレクサ) |
科/属 | タデ科 ミューレンベッキア属 |
英名 | Creeping wire vine(クリーピングワイヤーバイン)
Sprawling wirevine(スパローリングワイヤーバイン) |
和名 | ワイヤープランツ |
別名 | ミューレンベッキア/ワイヤーバイン |
原産地 | ニュージーランド |
花色 | 白〜クリーム色 |
草(茎)丈 | 30~100cmくらい |
開花時期 | 4~11月 |
用途 | 鉢植え/寄せ植えなど |
コンパクトなワイヤープランツは、デスクの上やキッチンなどに気軽に飾れる観葉植物として人気があります。室内でもある程度日差しが入る場所に置けば、スクスクと育つでしょう。
しかし、バイタリティーがある植物だけに、水切れなどを起こしやすいのが弱点です。特に鉢植えの場合には、根詰まりを防止するためにも1~2年に1度植え替えをすると良いでしょう。
花言葉
ワイヤープランツの開花時期は4~11月ですが、見頃は夏です。うまく育てると、夏に白〜クリーム色の花を咲かせます。また、花が終わった後は3mmくらいの白く透明感がある花被に包まれている果実を付けるのが特徴です。
ワイヤープランツには憧れ・純愛・あなたを思っています・わたしを思ってくださいなどの花言葉が秘められています。花言葉の由来は、ワイヤープランツの茎が丈夫なため、ブライダルブーケの彩りによく活用されることがルーツになっている説があります。
ワイヤープランツ/枯れる原因8つと対策について
ワイヤープランツはコツを掴めば育てやすく、初心者の方でも栽培することができます。
ただし、生育が活発であるだけに水切れを起こしやすく、葉がパラパラと散ってしまい、急に元気がなくなるなどのトラブルも発生しやすいです。
では、ワイヤープランツが枯れる原因には、どんなことがあるのでしょうか。
以下で詳しく紹介します。
水不足
この植物は生長のスピードが早いため、たくさんの水分が必要です。特に、暖かい時期には根が水を吸収するパワーが強くなるので、注意していないと水不足になる可能性があります。他の観葉植物と同じタイミングで水を与えていると、ワイヤープランツだけ水不足になってしまうことがあるので気をつけてください。水が足りていないと葉っぱが乾燥して、放置すると枯れて葉が散ってしまうこともあります。
水不足の対策方法
もし葉っぱが乾燥したり枯れ始めていることに気づいたら、すぐに土の状態をチェックしてみましょう。鉢底から見える土がカラカラになる、鉢を持ち上げたときに軽いなどは、土が乾いているサインです。このような場合は、すぐにたっぷりの水を与えてください。
さらに霧吹きを使って葉水してあげると効果的でしょう。
水分過多(根腐れ)
生育期にはたくさんの水分を必要とするワイヤープランツですが、冬場はそれほど神経質になる必要はありません。逆に夏と同じように多く水やりをしてしまうと根腐れを起こしてしまうこともあります。
根腐れの対策方法
水を与え過ぎていつも湿った状態だと、土の中にある酸素が不足してしまうので植物が呼吸しにくくなります。鉢の表面の土が白っぽく変色している場合は、カビが発生している可能性もあるので、できれば植え替えを行うのがおすすめです。その際は腐った根があれば取り除いてください。
すぐに植え替えができないときは、カーテン越しのやわらかい陽が入る風通しが良い場所に移動させて様子をみましょう。また、雨季にもカビが生えやすくなるので水やりを控えめにしてください。
越冬の失敗
ワイヤープランツは-5℃までなら越冬できますが、寒い風が吹く場所では実際の温度よりも低く感じてしまうことがあり、越冬に失敗することがあります。
特に、霜に当たると復活するのが困難になるので、地植えする際には植える場所に注意しましょう。ワイヤープランツは軒下や大きな木の下側に植えるのがおすすめです。
越冬の対策方法
ワイヤープランツは寒い風や霜に当たると、一気に枯れてしまうことがあるため、寒冷地にお住まいの方は鉢植えで育てるのがおすすめです。
鉢植えの場合はすぐに移動でき、冬だけ室内に置くことも可能です。また、ワイヤープランツの根が枯れていなければ、翌年の春以降に蘇る可能性があるため、諦めないで育ててみてください。
太陽光の過多
基本的には植物はすべて太陽の光を好みます。ワイヤープランツも例外ではありませんが、夏の直射日光や西日には注意が必要です。あまりにも強い太陽光に当たり続けると、葉焼けの原因になるでしょう。
葉焼けの対策方法
ワイヤープランツは、高温期に太陽光を浴び続けると葉っぱが変色してしまうことがあるため、暑さが厳しい間は半日陰のエリアに移すのがおすすめです。
室内の場合は、レースのカーテン越しの光が入る場所に置いてください。地植えの場合は、遮光ネットなどを活用すると良いでしょう。
根詰まり
生長の速度が早いワイヤープランツは、すぐに根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりを起こすとワイヤープランツに必要な養分や水分が行き渡らなくなり、枯れる原因になるため、1〜2年置きに植え替えを行うようにしてください。
根詰まりの対策方法
根詰まりのサインは、鉢底をチェックしましょう。鉢底から根が飛び出しているのが見えたら、ひと回り大きな鉢に植え替えるタイミングです。
冬は寒さによるダメージを起こしやすくなるので、暖かくなってから植え替えましょう。
太陽光の不足(間延び)
ワイヤープランツは耐陰性があるので、日陰に置いてもある程度丈夫に育つでしょう。
しかし、あまりにも日照不足になると弱々しくなり、茎だけが伸びる間延びの原因になります。そのまま放置してしまうと、株全体が脆くなり枯れてしまいます。
間延びの対策方法
日光が足りていないと、ワイヤープランツの葉の色が薄くなり変色することがあります。
植物によって必要な光の量は異なりますが、最低でも週に2~3回程度、5時間くらい日当たりのいい場所に置くと丈夫になるでしょう。
肥料焼け
ワイヤープランツを美しい見た目に育成するには、適度な肥料が必要です。
ただし、暑さが厳しい夏と休眠期に当たる冬に肥料を施してしまうと、栄養過多による肥料焼けを起こすので注意しましょう。液体肥料の場合は、春~秋(盛夏は除く)にかけて2週間に1回を目安に与えてください。緩効性肥料の場合は1~2か月に1回がおすすめです。
肥料焼けの対策方法
肥料焼けを起こした場合は葉っぱの先に変化が現れ、葉の色が茶色や黄色に変色し弱々しくなっていきます。肥料焼けが原因の場合は、水を多めに与えることで復活する可能性があるでしょう。進行状態や気づいた時期にもよりますが、水で肥料の濃度を薄めるため、肥料焼けを解消することができます。
害虫
ワイヤープランツに発生しやすい害虫はハダニです。特に、雨季などで湿度が高くなると付きやすくなるので注意してください。
ハダニは葉の裏に付き、吸汁によって葉を蝕んでしまいます。進行すると葉っぱに黒っぽい斑点や蜘蛛の巣のような糸が張り巡らされることがあるため、気づいたら早めに対処してください。
害虫対策方法
害虫による被害は、放置すればするほど手遅れになってしまうので、こまめにチェックするのが一番良いです。特にハダニはすぐに増えるため、見つけたらシャワーで流してしまいましょう。それでもハダニが増えるようなら、市販の殺虫剤などを使用する方法もあります。
また、定期的に葉の裏に葉水を行うことで、害虫を予防できるでしょう。
ワイヤープランツの人気の種類
ワイヤープランツは細くしなやかな茎がまるで針金のように見えることが、名前の由来になったと言われています。
細小で可愛らしい葉を付けた茎は、横に広がって生長して約5mくらいになることもあるでしょう。丈夫で生育も旺盛なことから庭のグランドカバーとしてもよく活用されています。
では、ワイヤープランツにはどんな種類があるのでしょうか。以下では人気の種類をご紹介します。
ミューレンベッキア(アキシラリス)
日本で一番多く見かけるワイヤープランツです。よく100円ショップや雑貨店などにも置いてあるので、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
ミューレンベッキア(アキシラリス)は「wire vine(ワイヤーバイン)」の別名を持ち、ニュージーランドやオーストラリア原産の落葉低木に分類されています。アキシラリス種の葉は緑色で小さく、茎は赤褐色で繁殖力が活発です。
スポットライト
スポットライトは、白・クリーム色・ピンクのマーブル模様の葉の色がニュアンスカラーが素敵な品種です。特に、新芽の葉色はカラフルなため、明るい色合いになります。光沢のある葉が可愛らしく、華奢な茎は垂れ下がる性質を持つので、ハンギングバスケットにして楽しむこともできるでしょう。ちなみに、剪定した枝を水に挿しておくと発根するため、水耕栽培としても楽しめます。
ミューレンベッキア(コンプレッサ)
コンプレッサは、大きめの葉で存在感があるワイヤープランツになります。葉の大きさはアキシラリスの2倍くらいあり、2~3cmほどです。
耐陰性が強いので、グランドカバーやハンギングバスケットにも採用されることがあります。また、茎を巻きつけやすく曲げやすいので、ブライダルブーケやアレンジメントの素材としても楽しむことが可能です。
ワイヤープランツの増やし方
ワイヤープランツの増やし方には、3つの方法があります。生育も活発で初心者の方でも増やしやすいため、是非チャレンジしてみてください。いずれも盛夏を避けて行うのがベストです。以下で詳しく解説します。
株分け
株分けとは、何本にもなった根株を移し植えることです。ワイヤープランツを鉢から抜き取り、根についている土を丁寧に落とします。この時に傷んでいる根がる場合は、切り落としてしまいましょう。
次にハサミなどを使い、根を2~3等分します。鉢に植え替えた後、2週間くらいは土が乾かないように管理してください。
挿し木
挿し木とは、カットしたツルを土に挿して育成する方法です。最も成功率が高いので、初心者の方でも安心して行うことができるでしょう。
ツルを15cmくらいにカットし、(7~10本用意した方が良い)土に埋める部分の葉をすべて落としてから、カットしたツルを束ねましょう。コンテナの8割くらいに土を入れ、ツルを植えます。新しい芽が出てきたら根がついた証拠です。
新しい鉢に植え替える際には、観葉植物の土を活用すると良いでしょう。
水挿し
水挿しは、カットしたツルを水に挿し増やす方法です。
水挿しのメリットはオシャレでインテリア性が高いことと、根が生えてきた時に分かりやすいことでしょう。
ワイヤープランツの茎を10~15cm程度にカットしたら、ガラスの瓶などに挿すだけなので簡単です。根が生えて来たら土に植え替えても良いでしょう。
ワイヤープランツの活用方法5つ
ワイヤープランツを増やすことに成功したら、インテリアやガーデニングに活用するなど色々な工夫をすることで、より楽しみが増えるでしょう。
以下ではワイヤープランツの5つの活用方法や飾り方のコツをご紹介します。
シェードガーデン
日当たりがあまり良くない庭に植えるなら、シェードプランツがおすすめです。
日陰や半日陰の庭は、日当たりがいい庭よりも少し遅れて花のピークが訪れます。特に暑さが厳しい時季には涼を感じさせるエリアになるため、素敵な空間になるのではないでしょうか。鮮やかな花を咲かせるアスチルベ・ベゴニア・紫陽花などを植えて、グランドカバーにワイヤープランツを植えるのもおすすめです。
寄せ植え
ワイヤープランツの枝はダイナミックなため、他の植物と一緒に寄せ植えにするとよりおしゃれな雰囲気になります。例えば、パンジー・ハボタンなどの草花と組み合わせると華やかさが増し、ローズマリー・イタリアンパセリなどのハーブ系とも相性は抜群です。
丸く小さな葉っぱが隙間を埋めるように這うので、ワンランク上の寄せ植えが完成するでしょう。
ただし、ワイヤープランツは生育が旺盛なため、増え過ぎには注意が必要です。可能な場合は、シーズンごとに植え替えをしてください。
リース
ワイヤープランツは茎が丈夫なため、何本か移動させながら束ねるだけでリースを作ることができます。繊細なワイヤープランツのみでリースを作っても素敵です。冬には実が付いた植物と束ねると、季節感があるリースができるでしょう。センニチコウやスターチス・ノイバラの実を加えれば、爽やかな彩りが生まれます。
ハンギング
ワイヤープランツは枝が垂れ下がり増えていくので、ハンギングにも向いています。棚の上など高い場所に飾ってもおしゃれですし、ロープを使うと温かい雰囲気が演出できます。
また、手編みの麻紐などに吊り下げれば、カジュアルなお部屋にもピッタリのインテリアになるでしょう。
押し花
ワイヤープランツの葉は薄くて乾燥しやすいため、押し花に向いています。茎がカーブしているのもアクセントになり、粋なアレンジが可能です。
押し花にする際には、扱いやすい長さにカットしてから挑戦しましょう。丸い葉が付いたまま重ならないように間隔を空けて並べ押し花にしてください。葉は枝から取れやすいので注意しましょう。
ワイヤープランツの枯れる原因を知り丈夫に育てよう!
ワイヤープランツは丈夫で扱いやすい植物ですが、バイタリティーがあるので水分不足や根詰まりには注意しましょう。
環境や手入れの方法を変えることで、ワイヤープランツをより丈夫に育てることが可能です。ワイヤープランツはインテリア性も高く、寄せ植えやリースに仕立てても素敵なので、あなたも是非チャレンジしてみてください。