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福寿草の花言葉は?基本情報・特徴・種類・育て方も合わせて解説

福寿草は名前の通り縁起が良いとされている花で、大切な人に花を贈る際に福寿草を検討する方もいるでしょう。しかし、誰かへのプレゼントとして選ぶ際に気になるのが花言葉です。

この記事では、福寿草の基本情報や花言葉、特徴、種類、育て方などを詳しく解説していきます。誰かへの贈り物として考えている、自宅で栽培したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

福寿草の花言葉

福寿草には、複数の花言葉があり、その多くは主に幸せを意味する意味です。例えば、「幸せを招く」「永久の幸福」などの、ポジティブな意味を持つ花言葉があります。一方で、福寿草には、「悲しき思い出」という、少しネガティブに感じられるような花言葉も持っています。また、福寿草は、南天という植物と組み合わせることにより、「難を転じて福となす」といった花言葉を持つこともあります。

福寿草の花言葉に怖い意味はある?

福寿草の花言葉には、「死の危険」という花言葉がありますが、これは怖い意味として受け取ることができてしまいます。この花言葉は、福寿草が毒性を持つことに由来しています。福寿草は先ほども解説したように、幸福を意味する花言葉が多いですが、一方でこのような花言葉も持つため、人によっては福寿草に怖いイメージを持ってしまう方もいるかもしれません。しかし、福寿草は一般的に縁起の良い花として人気が高いため、贈り物としては最適です。

福寿草の基本情報

福寿草の基本情報をまとめると、次のようになります。

学名 Adonis ramosa
和名 福寿草(フクジュソウ)
科名 キンポウゲ科
属名 フクジュソウ属
別名 元日草、朔日草
原産地 北海道~本州

福寿草は、早春に花を咲かせる植物で、黄色の大輪花が特徴の花です。名前の通り「福を招く」とされる花で、お正月などに飾られる花として人気が高く、縁起が良い花であることから、神社やお寺にも植えられることが多い花です。日本では比較的さまざまな場所で花の咲いている様子を見ることが可能です。

福寿草の名前の由来

福寿草の名前は、めでたいことや幸福、長寿などを意味する「福寿」が由来となっています。品種改良された福寿草は旧暦の元日頃に花を咲かせるため、江戸初期の頃から「めでたい正月に花を咲かせる縁起の良い花」という意味で、「福寿」という単語を用いた名前が定着していました。また、野生の福寿草は3月頃に花を咲かせるため、新春を祝う意味でも、福寿という単語を用いた名前で呼ばれていたという説があります。

福寿草の特徴

福寿草は、縁起の良い花として有名ですが、おめでたい印象とは裏腹に、少し意外な特徴も持っています。これは、福寿草を栽培、観賞する際にもしっかり把握しておくべき特徴なので、詳しく解説していきます。ここでは、福寿草が持つ特徴を見ていきましょう。 

毒がある

福寿草は、その華やかで美しい見た目や縁起の良い花言葉とは対称に、毒を持つという危険な特徴を持ち合わせている花です。福寿草の毒は、体内に入ることにより効果が出るため、触る分には問題はありませんが、体の中に入ってしまうと危険です。

福寿草は、茎、根を中心とした全体に毒を持ち、口に入れると嘔吐や下痢、呼吸困難や心臓麻痺などの症状を引き起こします。非常に危険な毒性を持つため、観賞する際などは十分に気を付け、万が一口にしてしまった場合はすぐに病院へ行きましょう。

日が当たらないと花を閉じる

福寿草の花は、日当たりが良い環境を好み、日が当たらないところで花弁を閉じるという面白い性質を持ちます。この特徴は、他の花にはあまりない性質なので、福寿草の大きな特徴といえるでしょう。

栽培する際は、せっかくの美しい花が閉じてしまってはもったいないため、日当たりの良い場所で栽培することをおすすめします。また、開花時などは十分に日に当てるように気を付けると良いです。

日本では正月に福寿草を飾ることが多い

福寿草は、先ほども解説した通り、品種改良されたものが旧暦の正月頃に花を咲かせるため、江戸時代付近から正月には福寿草が飾られていました。また、南天との相性が非常によく、南天と福寿草を組み合わせて飾ることにより「難が転じて福となる」といった意味も持つようになるため、二者は正月によく組み合わせて飾られます。特に、南天と福寿草の組み合わせは、寄せ植えなどにされて正月に家などに飾られる傾向です。

福寿草の誕生花

福寿草は、1月1日、1月3日、1月4日、1月12日、2月26日、4月6日の誕生花です。花を咲かせる時期からも分かるように、主に旧暦の正月頃の時期から春にかけての誕生日の誕生花となっています。

福寿草は、ちょうどこれらの時期に綺麗な花を咲かせるため、この時期に生まれた方の誕生花にはピッタリでしょう。もし、周りに上記の誕生日に該当する方がいたら、福寿草のプレゼントを贈ってみるというのも素敵ですね。

福寿草の種類

ここまで、福寿草の基本的な情報から花言葉などについて解説してきました。そんな福寿草ですが、実は福寿草にはさまざまな種類が存在しており、それぞれ個性的な特徴を持っています。ここからは、福寿草の種類について、その特徴や美しさなども踏まえて見ていきましょう。

福寿海

福寿海は、現存する福寿草の中でもっとも普及している福寿草の一種です。福寿海の最大の特徴は、大輪の多弁花であるという点で、一芽からたくさんの大きな花が美しく咲き誇る様は、非常に豪華で圧倒されます。花が増えやすいという特徴も持つため、栽培が比較的簡単で人気の高い種類です。栽培が簡単であるという点においては、園芸の初心者の方にも栽培をおすすめできる種類であるといえます。

日の出

日の出は、他の種類にはない暖かなオレンジ色が特徴の福寿草です。明るさと暖かさを兼ね備えているその色は、見ている人に縁起の良い印象を与えてくれるため、贈り物としての最適であるといえます。また、日の出は、名前からも縁起の良さを感じられるため、お正月などに縁起物として飾るのもおすすめです。日の出のオレンジの花弁は、赤色の実を持つ南天と色の相性が非常に良いため、組み合わせて飾るのも風情が出て良いでしょう。

ミチノクフクジュソウ

ミチノクフクジュソウは、現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県、秋田県の一部に相当する「陸奥(ミチノク)」という名前に反し、本州から九州にかけても自生する福寿草です。ミチノクフクジュソウは、花弁の裏側が赤みを帯び、萼片の長さが花弁の長さの半分であるという特徴を持っています。また、ミチノクフクジュソウは、開花の時期が3月ごろからと、他の福寿草と比較して開花時期が遅いのが特徴です。

秩父紅(チチブベニ)

秩父紅は、福寿草の中で赤花と呼ばれる、オレンジ色の花弁を持つ花です。日の出よりも赤みの強いオレンジ色で、一般的な福寿草と比較してかなり特徴的な見た目となっています。主に色合いの美しさなどで人気が高いです。

実生の花なので、個体による色の違いはかなり大きいです。花の色が、個体の他に開花時期などにも依存するという面白い特徴を持っています。名前の通り、秩父付近に咲く花で、他の地域ではめったに見ることができない非常に貴重な花です。

撫子(ナデシコ)

撫子は、花弁の形に大きな特徴を持つ福寿草です。撫子の花弁は、先端がギザギザとした形となっており、一般的な福寿草の花弁とは大きく異なる形状をしています。色は、一般的な福寿草と同じような黄色から、赤みの強いオレンジ色などがあり、特にオレンジ色のものを紅撫子と呼びます。撫子は、半日陰で花を咲かせることによって発色の良い花弁となるのが特徴です。他の福寿草にないような個性的な花弁は、勲章のような形を連想させ、非常に上品で可愛らしい印象を与えてくれます。

緑峰(リョクホウ)

緑峰は名前の通り、緑色の花弁を持つ福寿草で、一般的な福寿草とはかけ離れた見た目をしています。原産地が佐渡の福寿草で、緑色の細い花弁はいくつにも重なることにより大輪を形成しています。細長い花弁がたくさん重なっている様子は非常に見ごたえがあるでしょう。

緑峰は近年発見された品種であり、非常に希少な花となっています。迫力のあるその見た目は、福寿草の印象をがらりと変えてくれるため、アクセントとして飾るのもおすすめです。

白寿(ハクジュ)

白寿は、名前の通り白色の花弁が特徴の福寿草です。他の福寿草にはない淡い色合いは、上品な印象を与えてくれます。日の当て方に応じて花弁の色が変化し、日向~半日向で育てるとより白い花が咲きます。上品で清廉な印象の見た目で人気が高いため、贈り物としてプレゼントするのもおすすめです。

また、白色の花弁は、南天の赤い実を引き立ててくれるため、南天とセットで飾っても素敵な印象になります。

福寿草の育て方

ここまで、福寿草の種類や特徴について詳しく解説しましたが、ここからは福寿草を実際に育てる際に注意すべきことや、意識すると良いことについて解説します。福寿草を自宅で育てたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

用土・肥料

福寿草のような春植物は、用いる肥料の種類や量に応じて成長に大きな差が生じます。福寿草の場合は、植えこむ際に緩効性の化成肥料を一株に対して数粒用いると、植物がキレイに育ちやすくなるでしょう。

また、芽出しが始まったタイミングで置き肥をし、2週間に1回ほど液体肥料を施すようにすると、綺麗に成長する可能性が上がります。また、福寿草を栽培する際は、水はけの良い用土を使用すると良いです。具体的には、市販の山野草の培養土等を使用すると、植物が成長しやすくなります。

置き場所

福寿草は、先ほども解説した通り、日陰で花を閉じてしまうため、基本的には日当たりの良い場所で栽培するのがおすすめです。日当たりの良い場所と言っても、直射日光が当たってしまう場所などは避けたほうが良いので、具体的には明るい木漏れ日が差し込む場所などが理想的です。

芽出しから開花の時期にかけては午前中日当たりの良い場所に置き、落葉の時期には棚下などで植物を休息させるとより良いです。

水やり

福寿草は、鉢植えで栽培する際は、芽出しから葉が生える時期にかけてたっぷりと水を与えることが重要です。また、早い時期に花を咲かせる品種を育てる場合、冬の寒い時期に水やりを行うと花弁に掛かった水が凍ることにより、花弁が傷ついてしまう可能性があります。そのため、冬場に花に水やりを行う際は、花弁に水が掛からないように十分注意する必要があります。花が完全に咲いた後の水やりは、基本的に一日一回で十分です。庭植えの場合は、基本的に自然に降る雨に任せ、晴天続きの日があれば水やりを行うという方法を取るのがおすすめです。

植え付け・植え替え

福寿草の植え替えや植え付けは、基本的に花や芽が出ない秋の時期に行うのがベストです。植え替えは、毎年か二年に一回のペースで行い、植え替え時に傷んだ茎や根、古くなった部分を見つけた際は、植え替えをするタイミングで除去すると良いです。

また、福寿草は水を吸う力が他の植物と比べて弱いため、なるべく根の数は減らさないように、慎重に作業を行う必要があります。植え替え先の鉢は、できるだけ大きく深い鉢を選ぶのがおすすめです。

剪定

福寿草の剪定(花がら摘み)は、株の消耗を抑えるといった点で非常に重要な作業となります。剪定は基本的に、しおれてきた花を花の根元から切り落とす作業です。花がらをそのまま放置してしまうと、用土の上に種ができます。しかし、すでにある株が種に栄養を送るためにエネルギーを消耗してしまうため、花がらを剪定せずに放置することはおすすめしません。しっかりと剪定を行うことにより株の消耗を抑えましょう。

夏の管理方法

福寿草は春に花を咲かせ、夏ごろには落葉します。そのため、夏になったら植物を日陰に移動させて、しっかりと休息させてあげることが重要です。地植えで栽培している場合も同様に、夏場は樹木の影となるような場所で休息を取らせましょう。そのため、福寿草を地植えで育てる場合は、最初から樹木の間などに植える必要があります。地植えの植物は移動させることが難しいため、最初の場所選びを誤らないように注意しましょう。

冬の管理方法

福寿草は基本的に寒さに耐性があるため、冬場に鉢などを室内に移動させる必要はありません。外気温が-10℃程度となっても耐えて冬を越すことができるため、安心して栽培できます。冬場は、基本的には水やりは自然の雨に任せてかまいませんが、晴れ続きの日があれば定期的に水を与えるようにしましょう。その際、先ほども記述した通り、花弁に水滴がつかないように注意してください。

増やし方

福寿草を増やす場合は、基本的に株分けと種まきの2種類の方法によって増やします。

株分けは、主に植え替えの際に行う作業で、小さすぎない大きさに分けていきます。その際、芽が密集しているような株は、無理して分ける必要はありません。種まきは、花が咲いた後に金平糖状に結実した種を採り播きすることによって行います。採り播きをする際は、未成熟で手で触ると自然に落ちるような場所にするのがおすすめです。採り播きが終わったら、親株と同じ用土で管理しながら育てます。

注意すべき病害虫

ここまで、福寿草を育てる際に注意すべき点について、用土や肥料、季節ごとの管理方法、水やりや剪定の方法などの観点から解説しました。ここからは、福寿草を栽培する際にもっとも気を付けるべき病気や害虫について見ていきましょう。せっかく綺麗に花を咲かせても、病気や害虫によってその見た目が損なわれてしまってはもったいないので、ここで解説する注意事項などに気を付けて栽培を行うようにしてください。

病気

福寿草がかかりやすいとされている病気は、灰色かび病、炭そ病、ウイルス病などです。特に、花を咲かせた後に見られやすい病気は灰色かび病です。また、芽に黒い煤状のものが出た後、植物が枯れてしまった場合は、炭そ病、ウイルス病の疑いがあります。さらに、夏場に多い病気として、白絹病があります。これは、白い糸のようなもので株全体が覆われ、植物の成長が衰えてしまう病気です。

防止策としては、地植えの場合は土を念入りに耕し日光消毒を行い、鉢植えの場合は清潔な鉢や用土を使うといった対策が挙げられます。

害虫

福寿草に付きやすい害虫には、ナメクジやアブラムシが挙げられます。ナメクジは、主に春先に発生し、芽などを食べて植物の育成を阻害する害虫です。アブラムシは、3~10月の広い時期に渡って、主に葉の裏などに発生します。どちらも、見つけ次第捕殺する、もしくは薬剤などを用いて駆除することにより対処が可能です。

害虫などは、発生後すぐに増殖しあっという間に植物の生育を阻害してしまうため、日頃から植物の様子をよく観察し、見つけ次第早急に対策を行うことが重要となります。

まとめ

福寿草には、「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」などのさまざまな花言葉があります。縁起の良い花言葉が多いのでプレゼントにも向いていますが、悲しい花言葉もある、毒を持っているなどの注意点もあるので気をつけてください。

また、今回の記事を見て福寿草に興味を持った方は、ぜひ本記事で述べた栽培の注意点などを踏まえながら育ててみてください。福寿草は、種類によっては栽培が比較的簡単で、春に非常に綺麗な花を咲かせるため、園芸を好む全ての方に栽培をおすすめできる植物です。本記事を参考にして綺麗な花を咲かせてみてください。