豆知識

ラ・メールコラム > 豆知識 > アイリスの花言葉は怖い?色別の花言葉や由来を紹介

アイリスの花言葉は怖い?色別の花言葉や由来を紹介

アイリスとは、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブなどのアヤメ科の植物の総称です。花言葉は「希望」「信じる心」「良き便り」などポジティブな意味合いがある半面、1つだけ怖い花言葉も存在するので、プレゼントの際には注意しましょう。

この記事では、アイリスの色と品種ごとの花言葉や育て方、おすすめの贈るシーンなどをご紹介します。アイリスを大切な人にプレゼントしたいと考えている人や、ガーデニングで楽しみたい方は参考にしてみてください。

アイリスの色別の花言葉

アイリスとは、ある特定の花を指しているわけではなく、アヤメやカキツバタ、ハナショウブなどのアヤメ科の花の総称のことです。日本では5月の端午の節句に飾る花として親しまれています。

アイリス全般の花言葉は「希望」「信じる心」「メッセージ(恋のメッセージ)」「吉報」「良き便り」「知恵」などがあります。

花言葉の由来となったギリシャ神話とは

アイリスの花言葉は、ギリシャ神話に登場する「イリス」という女神様がもとになっています。イリスは手紙を届ける「メッセンジャー」を務めており、虹の橋を渡ってさまざまな場所に便りを届けていました。そのため、「メッセージ」や「吉報」、「良き便り」という花言葉になったのです。

「希望」という花言葉はアイリスが山の中でもたくましく花を咲かせる姿から、「信じる心」はアイリスが真っすぐ花茎を伸ばして生長する姿に由来しています。

女神イリスの誕生

イリスはもともと女神ではなく、神々の王ゼウスの妻ヘラに仕えていた侍女でした。しかし、度重なるゼウスからの求愛に困り果てたイリスは、遠くへ行かせてほしいとヘラに懇願します。

ヘラはその願いを聞き入れ、七色に輝く首飾りをイリスに与え、頭の上から神の酒を3滴落としました。すると、イリスは虹の女神様へと姿を変えたのです。その神の酒が地上にもこぼれ、アイリスの花になりました。

アイリスの色別の花言葉

前向きでプレゼントにぴったりな花言葉をもっているアイリスですが、さまざまな色の花を咲かせることでも有名です。また、色によって花言葉が変わっているので、プレゼントの際に花選びの参考にしてみてください。今回は、白・青・紫のアイリスの花言葉を解説します。

白色 「あなたを大切にします」「純粋」「思いやり」
青色 「強い希望」「大きな志」「信念」
紫色 「知恵」「雄弁」

白いアイリスの花言葉

白いアイリスの花言葉は、「あなたを大切にします」「純粋」「思いやり」などがあります。白には信頼や清純といったイメージがあるので、まさにその意味合いにふさわしい花言葉ですね。ぜひ大切な人に贈って、あなたの想いを伝えてみましょう。

青いアイリスの花言葉

青いアイリスの花言葉は「強い希望」「大きな志」「信念」となっています。青はアイリスの中でもよく目にする色ですが、こちらもギリシャ神話に登場する女神イリスが由来しているようです。目標に向かって頑張る人へ贈って、応援してあげましょう。

紫色のアイリスの花言葉

紫のアイリスの花言葉は「知恵」「雄弁」です。こちらも、ギリシャ神話の女神イリスを象徴したもので、イリスの聡明さを表しています。このように、花の色別でも女神イリスが由来となっていることから、イリスが多くの人に愛され、親しまれてきたということが分かりますね。

アイリスの花言葉に怖い意味はある?

これまで紹介したアイリスの花言葉は、どれも前向きでプレゼントにふさわしいものでした。しかし、イエローアイリスには「復讐」という怖い花言葉も存在します。これは、キリスト教と深く関係しており、黄色は裏切者であるユダが身に着けていた色なので、ネガティブなイメージになっているのです。

日本において黄色は太陽を象徴するような明るくて元気な色ですが、国によっては全く異なる捉え方になることがあるので、多国籍の方にアイリスを贈るときは注意しましょう。

アイリスの基本情報

ここまでは、アイリスの花言葉やその由来などについて解説してきました。アイリスのことを深く知ることで、プレゼント選びがより楽しくなりますよ。ここからは、アイリスの名前の由来や特徴、誕生花や品種などを解説します。

科・属 アヤメ科アヤメ属
和名 文目
英名 Iris
学名 Iris
原産地 ヨーロッパ南部、日本、東アジア、北半球
開花期 4~6月

アイリスの名前の由来

アイリスの名前の由来も、花言葉同様ギリシャ神話が元になっています。英名や学名でもある「Iris」とは、ギリシャ語で「虹」を意味し、虹のように色とりどりの花を咲かせることが由来となっています。

もともと「アヤメ」は「菖蒲(ショウブ)」を指したもので、現在の「アヤメ」はかつて「ハナアヤメ」と呼ばれていました。英語では、アヤメ科アヤメ属全般の植物を「アイリス」と呼んでいます。

アイリスの特徴

これまでも解説したように、アイリスはアヤメ科アヤメ属の植物の総称です。4~7月に開花期を迎える多年草で、北半球の暖かい地域に多く生息し、その種類は200種類を超えています。1本の茎を真っすぐ上に伸ばし、その先に4片ほどの花を咲かせるのですが、定番の青や紫に加え、白、オレンジ、黄色などカラーバリエーションはとても豊富です。

アイリスの中でも特にメジャーな品種は、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、ジャーマンアイリス、ダッチアイリスイチハツ、シャガなどがあります。

アイリスは芸術家ゴッホが愛した花としても有名で作品にもなっているほか、フランスの国花としても親しまれている花です。

アイリスはいつの誕生花?

アイリスを誕生日のプレゼントとして贈るなら、誕生花を意識するのもおすすめです。誕生花とは、生年月日にちなんだ花のことで、ギリシア・ローマの神話に由来しています。アイリスが誕生花となる生年月日は以下のようになっているので、この日にちに生まれた人が身近にいる場合は、ぜひ誕生日プレゼントとして贈ってみましょう。

【アイリスが誕生花となる日】

  • 3月5日
  • 3月18日
  • 3月28日
  • 4月10日
  • 4月11日
  • 4月17日
  • 5月2日
  • 5月3日
  • 5月6日
  • 5月10日
  • 5月14日
  • 6月6日

アイリスの品種・種類

アイリスは世界中に約200種類存在しているといわれていますが、日本に伝わっているものは9種類で、現在でも7種類が自生しています。アイリスはアヤメ科アヤメ属の植物の総称なので、それぞれの品種で花言葉もさまざまです。

アイリスの代表的な品種とその花言葉を解説していくので、アイリスの中でもどれを選ぶか参考にしてみてください。

アヤメ

山の草地など乾いた場所に生息し、5月上旬から中旬にかけて青紫色や白の花を咲かせます。草丈は20~50cmで、花びらの中央に白と黄色の模様が入っていることから、「気まぐれ」という花言葉が付けられました。ほかにも、「良き便り」や「メッセージ」、「信じるものの幸福」など、アイリス全般の花言葉に似た意味合いもあります。

カキツバタやショウブによく似ているので、間違える人も多い花です。

ジャーマンアイリス

ジャーマンアイリスは、1800年代にドイツやフランスによって品種改良が行われていましたが、現在ではアメリカを中心に生産されています。主に庭でガーデニング用として親しまれている花で、4~5月頃に青、紫、白、黄色などさまざまな色の花を咲かせます。2枚の花びらが直立しており、中心にブラシ状の毛が密集しているのが特徴です。

ジャーマンアイリスの花言葉は「燃える思い」「情熱」「豊満」などといった、積極的なものが多くなっています。熱い想いを伝えたい方に贈ってみてはいかがでしょうか。

花菖蒲(ハナショウブ)

ハナショウブは江戸時代から親しまれている日本独自の品種で、ハナショウブの中でも品種は2,000を超えると言われています。5月下旬から6月頃にかけて開花期を迎え、紫の花びらの中心に入っている白や黄色の筋が特徴的です。

ハナショウブの花言葉は「優雅」「優しい心」「うれしい知らせ」などがあるので、親しい人の朗報があったときに贈ると良いでしょう。

カキツバタ

カキツバタは水中や湿ったところに生息し、5月中旬頃から青や紫色の花を咲かせます。花びらはめくりあがったような形をしており、中心部分に白い筋が1本入っているのが特徴です。

カキツバタには「幸せは必ず来る」という前向きな花言葉があるので、落ち込み気味の人を励ましたり、人生の門出を迎える人に贈るのはいかがでしょうか。

アイリスの育て方

ここまではアイリスの育て方を解説してきました。アイリスは、自生でもたくましく咲いているので、育てるのもそれほど難しくありません。アイリスは切り花にしても花もちが良いので、自宅で育てて飾るのもおすすめですよ。

アイリスは品種によって性質が異なることもありますが、今回は代表して、日本で多く栽培されているジャーマンアイリスの育て方を解説します。

用土・肥料

アイリスは水はけの良い土が適しています。土の性質は中性からアルカリ性を好むので、植え付ける1ヶ月前に、市販の園芸用土に1リットル当たり3gの苦土石灰を混ぜ込みましょう。自分で用土を配合する場合は、赤玉土5、鹿沼土3、腐葉土2の割合で作ります。

肥料については、元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込むと良いでしょう。追肥は、3月までに薄めた液体肥料を施します。

置き場所

アイリスは日当たりの良い場所で育てましょう。暑さにも寒さにも強いのですが、高温多湿になると病気や根腐れなどを引き起こす可能性があるので、風通しの良い場所で管理するのも大切です。盛り土をして高くなっている場所や、傾斜地であれば水はけも風通しも良くなりますよ。

鉢植えの場合は、高温多湿になりやすい梅雨時期は、雨が当たりすぎないように軒先や玄関先などに移動させましょう。

水やり

アイリスは多湿を嫌うので、どちらかというと乾燥気味に育てるのがポイントです。鉢植えの場合は、土の表面がしっかり乾いているのを確認してから水やりしましょう。特に、芽が伸びてつぼみが付き始める春には、水をしっかり与えて開花へのエネルギーを蓄えてもらいます。それ以外の時期は乾燥気味に管理し、水も毎日でなくても構いません。

地植えの場合は水やりはほとんど必要なく、雨だけでも十分です。真夏で雨が降らない日が続くときなど、乾燥が激しくなったら水をあげてください。

植え付け・植え替え

アイリスを植え付けるのに適している時期は2~3月と9~11月ですが、春の開花期までにしっかり株を育てることができる秋の方がおすすめです。アイリスの植え付け方法は品種によって異なり、ジャーマンアイリスの場合は球根の上半分が土の表面から出るように植え付けます。ダッチアイリスの場合は、球根が完全に隠れるように10cmほどの深さに植え付けましょう。複数の球根を植えるときは、10cmほどの間隔をあけます。

また、アイリスは根の生長が早いので、地植えなら2~3年に1回、鉢植えなら毎年植え替えをしましょう。根がぱんぱんになると生育が悪くなり、花も咲きにくくなります。植え替えに適している時期は花が終わって少ししてからで、新しい土を用意して株が増えている場合は株分けして整理しましょう。植え替える際も、元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込んでおくと大きな花を咲かせてくれます。

剪定

アイリスは1つの株に複数の花を咲かせます。一番花が終わったら、病気を防ぐためにも花茎から切り取っておくと次の花が咲きやすくなりますよ。全ての花が咲き終わったのを確認したら、種が作られる前に切り落としましょう。種を作る方向にエネルギーが行かなくなり、株の充実に充てられます。

また、アイリスに枯れている葉があれば速やかに取り除きましょう。そのままにしていると風通しが悪くなって病気にかかりやすくなってしまいます。

夏の管理方法

アイリスは高温多湿の環境に弱いので、梅雨時期は多湿にならないように注意しましょう。鉢植えの場合は、この時期は軒先や玄関先などに置くと雨をしのげます。地植えの場合は、盛土をすると雨水が流れて溜まりにくいのでおすすめです。あまりに雨が続くなら、新しい土を足してリフレッシュさせてあげるのも良いでしょう。

冬の管理方法

アイリスは寒さに強いので、特に寒さ対策は必要ありません。雪をかぶっても枯れることはあまりないので、そのまま放置しておいても大丈夫です。寒い日が続くと、葉に元気がなくなったり少し変色してきたりすることもあり、心配になるかもしれませんが、そのまま置いておきましょう。春になると再び元気を取り戻します。

増やし方

アイリスは株分けで増やすことができます。高温多湿になりやすい梅雨に作業をすると球根の割れた部分が腐りやすくなってしまうため、8~9月の良く晴れた日がおすすめです。暖かい土地だと10月になっても良いのですが、冬までにしっかり根を張っておきたいため、できるだけ早めに済ませましょう。

根茎のくびれた部分で分けて、葉は半分の長さに切り詰め、根茎を寝かせるイメージで浅めに植え付けてください。

注意すべき病害虫

アイリスは丈夫で育てやすい花なのですが、環境によっては害虫が付いたり病気にかかったりします。どちらも早めに見つけて対処すれば、株全体が枯れてしまうのを防げるため、日頃から様子を確認しておきましょう。

害虫

アイリスには春から開花期にかけてアブラムシが付きやすくなります。風通しと日当たりの良い場所であれば発生しにくくなりますが、もし発見した場合はガムテープなどで取り除きましょう。大量に発生しているようなら、防除効果のある専用の薬剤を活用するのもおすすめです。

病気

アイリスがかかりうる病気で最も注意してほしいのが、根茎が腐る「軟腐病」です。そのままにしていると根が腐って株が枯れてしまうため、原因となる多湿の状態が続きすぎないように水はけを良くしておきましょう。もし軟腐病にかかった場合は、被害が広がらないようにその株を取り除きます。少しのダメージで済んでいるなら、株を掘り上げて少し乾燥させるだけで治癒することもありますよ。

アイリスに関するQ&A

最後に、アイリスに関してよく寄せられる質問を解説します。アイリスをプレゼントしたり育ててみたい方は参考にしてみてください。

  • アイリスを贈るのにおすすめのシーンは?
  • アイリスは植えっぱなしでも大丈夫?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アイリスを贈るのにおすすめのシーンは?

アイリスには「吉報」「強い希望」「大きな志」という花言葉があるので、開業・開店祝いにおすすめです。入学や就職など、新たな環境で頑張る人へのエールとして贈っても良いでしょう。また、白いアイリスには「あなたを大切にします」という花言葉があるので、結婚祝いや主産祝いにもぴったりです。

アイリスは植えっぱなしでも大丈夫?

生命力の高いアイリスは植えたままでも越冬できる宿根草のため、植えっぱなしでも構いません。ただし、雨が多い地域や季節の場合は、一度掘り起こして乾燥させた方が安心です。

球根を掘り起こすときは、葉や根、土などを取り除き、ネットに入れて日が当たらず風通しの良い場所で保管しましょう。そして、夏が過ぎて涼しくなってきたくらいに再び植え付けます。

アイリスの花言葉を知ってプレゼントに生かそう!

アイリスには、「希望」や「信じる心」、「良き便り」など前向きな花言葉がたくさんあります。ただ、イエローアイリスには少し怖い花言葉もあるので、贈り物の際には誤解されないように注意しましょう。

丈夫で生命力あふれるアイリスは育てるのもそれほど難しくないので、初心者の方もぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。