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ムスカリの花言葉に怖い意味はある?全体の花言葉や基本情報を解説

まるでブドウを逆さまにしたような房状の花を咲かせるムスカリ。チューリップと並んで春の球根植物として人気の高い花です。そんなムスカリには、前向きな花言葉がある半面、少し怖い花言葉も持ち合わせていることをご存じでしょうか。

この記事では、ムスカリの花言葉や特徴、誕生花、育て方などを解説します。おすすめの贈り方やプレゼントシーンもご紹介しているので、プレゼントする際に参考にしてみてください。

ムスカリの花言葉

ムスカリには、「寛大な愛」「通じ合う心」「明るい未来」「夢にかける思い」というポジティブな花言葉がありますが、「絶望」「失望」「失意」「悲嘆」「憂鬱」といったネガティブな花言葉も存在します。

まず、「寛大な愛」と「通じ合う心」についてですが、これはムスカリが寄せ植えにも適しており、自己主張することなく他の花の美しさを引き立てることから由来しています。

「絶望」「失望」「失意」などのネガティブな花言葉は西洋版で、ムスカリの代表的な花の色である青や紫が、悲しい色だとされていることが理由のようです。

そのため、「明るい未来」や「夢にかける思い」などの花言葉は、悲しみを乗り超えて立ち直るという前向きな意味で付けられたのでしょう。

ムスカリに色ごとの花言葉はある?

ムスカリは一般的な青や紫のほかに、黄色や白、ピンクなどの花色もあります。花の中には、色ごとに花言葉が異なるものが多いのですが、ムスカリの場合は特に決められていないようです。

どの色のムスカリを贈っても花言葉が変わることがないので、プレゼントしやすいかもしれません。

ムスカリの花言葉に怖い意味はある?

上記で解説したように、ムスカリの西洋での花言葉には「絶望」「失望」「失意」「悲嘆」「憂鬱」など、その花の可愛らしさからは想像が付かないようなマイナスイメージの花言葉があります。しかし、これらは「怖い」というよりも「悲しい」というニュアンスに近いかもしれません。

どちらにしろ、プレゼントする際の花言葉としてはふさわしくないので、相手の方に誤解されないようメッセージカードを添えるなどの心配りをしましょう。

ムスカリの基本情報

ここまではムスカリの花言葉について解説してきましたが、そもそもムスカリとはどのような花なのでしょうか。ムスカリの基本的な情報や名前の由来、特徴などを確認してみましょう。

ムスカリについて深く知ることで、育てるのもプレゼントをするのもさらに楽しくなります。

科・属 ユリ科ムスカリ属
分類・性質 多年草
原産地 南アフリカ・西南アジア・地中海沿岸
学名 Muscari
別名 ブドウヒヤシンス・グレープヒヤシンス
英語名 Grape hyacinth
植え付け時期 9〜11月
出回る時期 3〜5月(最盛期は4月)
開花時期 4〜5月
花持ち期間 10日前後
花色 青・紫・黄色・ピンク・白など
草丈 およそ15〜20cm

ムスカリの名前の由来

ムスカリという名前は、ムスカリの花の香りが、香水にもなっている「ムスク」に似ていることに由来しています。ムスク(moschos)はギリシャ語で、もともとはヒマラヤなどに生息するジャコウジカから採れる香料のことでした。しかし現在では、人工的な香料として再現され、温かみがあって爽やかな香りが特徴的です。

ムスカリの花の香りがこのムスクに近いことから、この名が付けられました。香りは人によって好みがありますが、ムスクの香りが好きな人であればムスカリの香りも心地よく感じるかもしれません。

ムスカリの特徴

ムスカリは3~5月の春に花を咲かせる球根植物です。1度植えると毎年花を咲かせてくれるので、多年草としてお庭のメインメンバーになってくれることでしょう。

壺を逆さまにしたような小さな花を密集させて咲く姿は、ブルーベリーやブドウにも見えます。草丈は15cm程度ですらっと真っすぐ上に伸び、寄せ植えにしても主張が強くなりすぎません。1本ずつだと控えめな印象ですが、群生して咲いている景色はまるで紫の絨毯のようで圧巻です。

ムスカリは寒さに強くて丈夫なので、球根を掘り起こす必要はなく、植えっぱなしでも毎年きちんと花を咲かせてくれますよ。

ムスカリはいつの誕生花?

ムスカリを誕生日プレゼントとして贈るなら、ムスカリが誕生花になっている日にちやその付近に生まれた人へがおすすめです。自分の誕生日にゆかりのある花を贈られると、より嬉しい気持ちになりますよね。

ムスカリが誕生花になっている生年月日は、1月30日、3月29日、4月22日です。誕生花は国や時代で少しずつ異なっていますが、現在の日本ではこの日付がムスカリの誕生花になっています。

この日にちぴったりの人が身近にいる可能性は少ないかもしれませんが、気持ちの問題なので多少前後しても良いでしょう。

ムスカリの品種・種類

ムスカリの種類は、現在40〜50種類ほどあると言われています。ムスカリの原種で最もポピュラーなのが「ムスカリ・アルメニアカム」です。この品種は、背丈が低いので寄せ植えにすると他の花との相性がよく、春のガーデニングで活躍してくれます。

ほかにも、青紫の花が多いムスカリの中で、珍しいピンク色の花を咲かせるのが「ムスカリ・ピンクサンライズ」で、淡いピンクが優しい印象です。また、淡い青から紫のグラデーションが美しいムスカリ・ネグレクタムも人気を集めています。いろんな品種のムスカリを集めて育ててみるのも面白いかもしれません。

ムスカリの育て方

ここまでは、ムスカリの花言葉や花の特徴などについて解説してきました。ムスカリはプレゼントするのも素敵ですが、お世話がそれほど難しくないので、育てて楽しむのもおすすめです。ここからは、ムスカリの育て方を解説します。

用土・肥料

ムスカリは地植え、鉢植えともに水はけの良い土に植えましょう。鉢植えの場合は、腐葉土が3割ほど入った培養土を利用することで根張りが良くなります。

ムスカリは球根の中にたくさんの養分を蓄えているので、肥料を与えなくても花を咲かせます。しかし、少しだけ肥料を施すことでムスカリの生育が良くなり、大きめの花を早い時期に咲かせてくれることもあるのです。

地植え、鉢植えともに、化成肥料を元肥としてまいておきましょう。追肥は、花が終わったあとに液肥を月に2回ほど施すと、球根がより大きくなります。

置き場所

ムスカリは、日当たりと風通しの良い場所であれば、基本的に場所を選びません。夏は休眠期に入るので、多少日陰になっても大丈夫です。そのため、落葉樹の下に植えても良いでしょう。冬も日中に日が当たる場所であれば、外に置きっぱなしでも問題ありません。季節によって置き場所を変えなくても良いので、管理が簡単です。

水やり

ムスカリを地植えで育てている場合、基本的に水やりは必要ありません。ムスカリは乾燥に強い植物なので、降雨だけでも十分です。ただし、多湿には弱い性質があるので、梅雨時期など土が湿っている状態が続くときは注意しましょう。土を入れ替えたり新しい土を足したりして、土の中の湿度を下げてあげてください。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いているタイミングで水やりをしましょう。ムスカリが休眠期に入る6~8月は、水をやる必要はありません。

植え付け・植え替え

ムスカリの植え付けに適している時期は、10~11月です。数年間植えっぱなしにするのであれば、分球して増えていくことを想定して球根2個分くらいの間隔で植えます。そのうち球根が込み合って窮屈になっていくので、数年たったら掘り起こして植え替えましょう。

ムスカリの球根を掘り起こして管理する場合、6月の葉が枯れてくる時期に取り出し、乾かして保存しておき、秋に植え付けます。このとき、球根に子球根がたくさん付いていますが、この子球根は保存するときは残しておき、植え付ける際に取り除きましょう。

剪定

ムスカリは3~5月の間に花を咲かせます。花が咲き終わったら、花茎を根元からカットしましょう。そうすることで、球根を充実させることに栄養を回せるので、大きくて太った球根になっていきます。

また、ムスカリの花がきれいなうちに剪定して、室内で切り花として楽しむのもおすすめです。

夏の管理方法

ムスカリは土の中に植えっぱなしにすることで夏を越せます。地上部が枯れてきたら水やりを控えて乾かして管理しましょう。ただし、ムスカリは自然に分球してどんどん増えていくので、数年に1度は花が終わった後に球根を掘り起こして間隔を整えるようにしてください。

地植えの場合、長期間植えっぱなしにしていると、どこに球根が埋まっているのか分かりにくくなります。そのため、葉が残っているうちに球根を掘り起こしておくと管理しやすくなりますよ。

冬の管理方法

ムスカリは、常緑の球根性の宿根草なので、植えっぱなしで特に対策することなく冬越できます。葉もそのままにしておいて良いのですが、日当たりの悪いところに置くと葉が長くなりやすいので、日当たりの良いところで管理しましょう。

増やし方

ムスカリは自然に分球していくので、増やし方はとても簡単です。植えっぱなしにしていると、球根が増えて窮屈になってしまうため、2~3年に1度は掘り起こして植え替えをしましょう。

花が終わったあとの6~7月の間に、球根を掘り起こして風通しの良い場所で保管します。秋になったら球根に付いている子球根を取り外し、別々に植えましょう。そうすることで、ムスカリの株を増やすことができます。

注意すべき病害虫

ムスカリは比較的育てやすい花ですが、注意すべき病害虫もあります。日頃から様子をよく見て早期発見・早期対策を心がければ被害が広がるのを防げるので、どのような症状があるのかを確認しておきましょう。

害虫

3~4月の、比較的涼しい時期に花を咲かせるムスカリには、あまり害虫がつくことはありません。まれに、アブラムシやハダニなど、植物全般に付きやすい虫が見られることがあるので、発見したら速やかに取り除くようにしましょう。

被害が大きい場合は、植物用の殺虫剤を使うのも効果的です。

病気

水はけの悪い状態が続くと、ムスカリが白絹病と呼ばれる病気にかかることがあります。白絹病は白い糸状のカビで、一度感染すると治療することはないので、その株は諦めて引き抜きましょう。

また、白絹病にかかった土からほかの植物にも感染してしまうため、その付近の土を新しいものに入れ替えた方が安心です。白絹病は高温多湿の環境で発生しやすくなるので、この気候になりやすい6~8月は水やりを控えめにして乾燥気味に管理しましょう。

ムスカリを贈るのにおすすめのシーン

鮮やかな色の花を咲かせるムスカリは、プレゼントにもおすすめです。花言葉もポジティブな意味合いがありますが、西洋版だと悲しい花言葉になるので、国籍の違う方にムスカリを贈るときは誤解を与えないようにメッセージカードなどを添えましょう。もしくは、ピンクや黄色などの明るいムスカリを贈るのもおすすめです。

結婚記念日

ムスカリの「通じ合う心」という花言葉は、結婚祝いや結婚記念日に贈ることで2人の絆の深さを表現できます。大切な人たちの結婚記念日を祝うために贈るのも良いですが、自分のパートナーに贈っても良いでしょう。

ムスカリの背丈は15~20cmと低いので、花束やブーケなどにして贈るときれいにまとまります。

開業・開店祝い

ムスカリの「明るい未来」や「夢にかける思い」という花言葉は、これから新しい事業を始める方への開業祝いや開店祝いにおすすめです。これからの未来が明るく素晴らしい物になりますようにという願いを込めて贈りましょう。

開業祝いや開店祝いは、あまりに高価すぎるとお返しに気を遣わせてしまいます。身内へのお祝いなら5,000円~8,000円程度、ビジネス関係なら10,000円~15,000円程度の相場を目安に用意しましょう。

ムスカリの贈り方・飾り方は?

ムスカリは球根植物なので、球根のまま贈って栽培を楽しんでもらうのもおすすめです。ほかにも飾り方のバリエーションがあるのでご紹介します。プレゼントの参考にしてみてください。

球根

ムスカリは秋になると球根のまま流通します。ガーデニングが趣味の方へは、球根のまま贈って育てるのを楽しんでもらうのも良いでしょう。植え付けの時期は晩秋から年末くらいまでなので、この時期に間に合うように贈るようにします。

芽出し球根

年が明けると、芽出し球根のムスカリが流通するようになります。短い葉に包まれるようにこじんまりとした花が咲いている、可愛らしい姿です。主張しすぎないので、寄せ植えにしてもほかの花との相性が良く、お庭作りを助けてくれます。

ちなみに、ムスカリと相性の良い花は、チューリップやビオラ、パンジーなど春に開花を迎える花たちです。ムスカリは青系の色なので、合わせる花は赤や黄色などの暖色系の花だと見栄えが良くなります。色味を増やすことで、華やかな寄せ植えになりますが、色が散らからないように、2~3色に抑えるのがポイントです。

切り花

最近では、球根付きのムスカリの切り花が人気を集めています。球根が付いていることで、生命力があふれ、より自然な景色が楽しめるのです。透明な容器や花瓶に飾り、あえて球根が見えるように生けると良いでしょう。

ムスカリをプレゼントする際の注意点

ムスカリは病害虫に強くてお世話の手間もそれほどかからないので、鉢植えで贈るのがおすすめです。鉢植えなら翌年以降もムスカリの花を楽しめるので、ガーデニング好きの方にはぜひ鉢で贈りましょう。しかし、花言葉に詳しい人には西洋のネガティブな花言葉の意味合いで受け取られてしまう可能性もあるので、「明るい未来」や「寛大な愛」などポジティブな花言葉をメッセージカードに記して添えるなどすると誤解を与えません。

ムスカリの花言葉を知ってプレゼントに生かそう

ムスカリには「寛大な愛」や「明るい未来」といった前向きな花言葉がある半面、「絶望」や「失望」といったネガティブな花言葉も存在します。ムスカリは美しくて育てやすい花なのでプレゼントにおすすめなのですが、マイナスイメージの意味合いに捉えられないように工夫しましょう。

ムスカリを育てるときは基本的に植えっぱなしで良いので、ガーデニング初心者の方にもぴったりです。もちろん、自分でムスカリの栽培を楽しんでみるのも良いでしょう。ムスカリの魅力や花言葉を最大限に生かしてみてください。